フィードバックの意味とは?適切なタイミングやコツをわかりやすく解説
公開日: 2024.2.29 OHSUGI
「従業員にフィードバックする意味ってあるの?」
「フィードバックを効果的に実施する方法は?」
「フィードバックの注意点について知りたい」
ビジネスでのフィードバックについて、上記のような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
フィードバックとは、上司から部下の成果を讃え、今後のアクションについてアドバイスを伝える手法です。従業員のモチベーションアップや職場定着率の向上が期待できます。
しかし適切なフィードバックを実施しなければ、上記の効果を得ることはできません。
そこで本記事では、フィードバックの意味や実施するタイミングについてわかりやすく解説します。また、フィードバックのフレームワークやコツ、注意するポイントなども解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. フィードバックとは?人材育成の効果的な手法の1つ
フィードバックとは、従業員の業務成果や就業態度などについて、従業員本人に対し結果やアドバイスを伝える人材育成の手法です。
一般的には上司・人事労務のスタッフなどから伝えられますが、企業によっては同僚同士でフィードバックを実施している場合もあります。
フィードバックでは目標が達成できていないからと従業員を責めたり、行動を否定したりすることはおこないません。
結果に対する要因を調査したうえで、今後の業務に役立つ内容を明確に伝えることが大切です。
2. フィードバックを実施する3つの目的
フィードバックを実施する目的は、以下の3つです。
- 【企業・経営者視点】企業としての目標達成
- 【上司視点】働きやすい環境づくり
- 【人事視点】人材のミスマッチ防止
2-1. 【企業・経営者視点】企業としての目標達成
まず企業・経営者視点におけるフィードバックを実施する目的として、企業としての目標達成が挙げられます。安定した企業経営を続けるためには、売上・利益が必要です。
企業が売上・利益を生み出すためには、従業員一人ひとりの目標達成が重要となります。従業員の目標達成に導くためにフィードバックを実施し、業務に対するモチベーションを維持しましょう。
2-2. 【上司視点】働きやすい環境づくり
次に上司視点におけるフィードバックを実施する目的として、働きやすい環境づくりが挙げられます。厚生労働省の資料によれば、上司からのフィードバックを受けていないと、働きにくさを感じる割合が多いという結果が示されているからです。
定期的なフィードバックの実施により、部下は働きやすさを感じます。従業員が目標を達成するためにも、上司は働きやすい環境づくりを心がけましょう。
参照:令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-|厚生労働省
2-3. 【人事視点】人材のミスマッチ防止
人事視点におけるフィードバックを実施する目的として、人材のミスマッチを防ぐ点が挙げられます。厚生労働省の資料によると、労働市場において企業と求職者のミスマッチが生じている点が報告されているからです。
企業と求職者のミスマッチが生じると、入社後に辞める従業員が増え、人材流出などが発生します。面接の際にフィードバックを取り入れ、企業が求める人物像や働き方を具体的に提示しましょう。
参照:令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題-|厚生労働省
3. フィードバックを受けた従業員が得られる2つの効果
上司からフィードバックを受けた従業員が得られる効果は、以下の2つです。
- 業務意欲の向上(モチベーションアップ)
- 上司や同僚との関係性の強化
3-1. 業務意欲の向上(モチベーションアップ)
従業員に対してフィードバックすることで、業務意欲の向上(モチベーションアップ)が期待できます。仕事の進め方や考え方などを評価することで、従業員のやる気につながるからです。
もし結果が出ていなかったとしても、結果を出すまでの過程や行動を讃えることで、従業員は「上司は自分を見てくれている」と実感できます。さらに良い結果へつながるように改善点を伝えることで、モチベーションを保ったまま業務に邁進できるでしょう。
3-2. 上司や同僚との関係性の強化
上司や同僚へフィードバックをすることで、お互いの関係性を強化できます。フィードバックを通して関係性が構築されることにより、より円滑に仕事を進められるからです。
上司や同僚との関係性がよくない職場では、コミュニケーション不足によるトラブルに発展する恐れがあります。フィードバックを実施することで、タイムリーに報告・相談ができる環境が整えられるでしょう。
4. フィードバックの2つの種類
フィードバックの種類は、以下の2つです。
- ポジティブフィードバック|成果を讃えて業務意欲を向上させる手法
- ネガティブフィードバック|問題点・改善策を伝えて解決に導く手法
4-1. ポジティブフィードバック|成果を讃えて業務意欲を向上させる手法
ポジティブフィードバックは従業員の頑張りを褒めたり、業務の成果を讃えて業務意欲を向上させたりする手法です。従業員の自己肯定を高められるため、業務に対するモチベーションをアップできます。
ただし、単純に褒める・讃えるだけでは従業員のモチベーションは維持できません。今後に向けた考え方や行動のアドバイスを明確に伝えましょう。
4-2. ネガティブフィードバック|問題点・改善策を伝えて解決に導く手法
ネガティブフィードバックは反省点・問題点を洗い出し改善策を伝えて、解決に導く手法です。これまでの実績を振り返ることで、今後の行動指針を明確にでき、従業員の成長につながります。
ただし、端的に反省点・問題点を告げるだけでは、従業員にストレスを与えるだけになるため注意しなければなりません。従業員が実行できる改善策も一緒に伝えましょう。
5. フィードバックに適したタイミング|リアルタイムの実施がベスト
フィードバックのタイミングは、できる限りリアルタイムでの実施が望ましいです。
厚生労働省の資料によると、上司からのフィードバックの頻度が「毎日」の場合、働きやすいと感じる割合が最も多いという結果が示されています。
気づいた点をリアルタイムでフィードバックすることで、早めに軌道修正ができ、目標達成に導けるでしょう。
ただし、業務の内容によってはリアルタイムでのフィードバックが難しい場合もあります。
定期的なスケジュール(1週間に1回・3ヵ月〜半年に1回など)を決めて、フィードバックを実施してください。
参照:令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-|厚生労働省
6. 代表的なフィードバックの手法は?3つのフレームワークを解説
フィードバックする上で活用される代表的なフレームワークは、以下の3つです。
- SBI手法|説得力のあるフィードバック
- サンドイッチ手法|モチベーションを維持できるフィードバック
- ペンドルトン手法|部下の自己評価もチェックできるフィードバック
6-1. SBI手法|説得力のあるフィードバック
SBI手法は、以下の3段階でフィードバックをおこなうフレームワークです。
- 状況
- 行動
- 影響
結果に至るまでの状況を整理し、どのような行動を実施したのか、その行動がもたらす影響について伝えます。結果、説得力のあるフィードバックが可能です。
ただし部下との関係性が構築されていないと、端的に物事を説明されたと捉えられる可能性があるため、言葉選びや伝え方に注意しましょう。
6-2. サンドイッチ手法|モチベーションを維持できるフィードバック
サンドイッチ手法は、以下の3段階でフィードバックを行うフレームワークです。
- ポジティブな内容を伝える
- ネガティブな反省点・問題点を提示する
- 再びポジティブな内容を伝える
ネガティブな内容を、従業員のモチベーションを下げることなく伝えられます。
ただし伝えたいネガティブな内容が、ポジティブな内容に埋もれる可能性もあるため、伝え方には注意しなければなりません。
ポジティブな内容を大きく出しすぎず、ネガティブな内容とバランスよく伝えることが大切です。
6-3. ペンドルトン手法|部下の自己評価もチェックできるフィードバック
ペンドルトン手法は、以下の5段階でフィードバックをおこなうフレームワークです。
- ミーティング内容の確認
- 良かった点
- 改善点
- 次回のアクション
- まとめ
SBIやサンドイッチ手法とは異なり、業務の成果を讃えたり、部下と一緒に改善点や次回のアクションを検討したりします。
部下と話し合って目標やアクションを決めるため、主体性のある行動計画を立てることもできるでしょう。
ただしフィードバックの時間がかかりすぎるため、リアルタイムでのフィードバックが難しい場合もあります。スケジュールを調整し、時間をかけて実施することが大切です。
7. フィードバックを効果的に伝えるコツ
フィードバックを効果的に伝えるコツとして、従業員が実行できる改善策を検討しましょう。
たとえ業務効率化につながる改善策を提示しても、従業員のスキルがなければ目標達成することはできません。
まずは従業員のスキルや業務で悩んでいることについて調査しましょう。調査したうえで、目標が達成できるように、具体的にわかりやすく改善策を提示してください。
8. フィードバックを実施する際に気を付けるべき2つのポイント
フィードバックを実施する際は、以下2つのポイントに注意しましょう。
- ほかの従業員と比べない
- 否定・批判ワードを並べない
8-1. ほかの従業員と比べない
フィードバックを実施する際は、ほかの従業員と比べるような発言は控えましょう。たとえ激励のつもりで発言した場合でも、業務意欲の低下や離職につながる恐れがあります。
フィードバックは、従業員本人と向き合う時間です。業務意欲の向上につながるように、従業員の頑張りを褒めたうえで、適切なアドバイスを伝えましょう。
8-2. 否定・批判ワードを並べない
ネガティブフィードバックの際は、否定・批判ワードの発言に注意しましょう。従業員の考えや行動を否定・批判するのは、嫌な気持ちになるだけで改善できません。
ネガティブフィードバックで重要なのは、言葉の選び方です。「ダメ」「できていない」「おかしい」など、否定・批判ワードを避けてください。「次はうまくいく」「挑戦してみよう」など、ポジティブに感じるワードを取り入れましょう。
9. 適切なフィードバックで人材を育成しよう
フィードバックは、従業員本人に対して業務の成果や就業態度などについて、結果やアドバイスを伝える手法です。
適切なフィードバックの実施により、従業員の業務意欲が向上したり、職場の定着率がアップしたりするなどが期待できます。
ただし、フィードバックの内容や伝え方によって、モチベーションの低下や離職の恐れもあるため注意しなければなりません。
従業員のモチベーション向上・維持ができるように、これまでの頑張りを褒めたり・讃えたりしたうえで、適切なアドバイスを伝えましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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