研修の目標設定とは?目的やメリットなども解説
更新日: 2025.8.19 公開日: 2025.4.2 jinjer Blog 編集部

「研修の目標をどのように設定すればいいかわからない」
「そもそも研修の目標設定とは?」
上記のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。研修の目標設定とは、研修によって学ぶ内容や成長の方法を社員が設定し、ビジネスシーンで活かすためのものです。
今回は、研修における目標設定の方法や目的、メリットなどを解説します。適切な目標設定について確認し、社員や企業が成長できるような研修を実現させましょう。
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 研修の目標設定とは


研修の目標設定には、次の2種類があります。
- 研修内の目標設定
- 研修後の目標設定
それぞれ詳しく解説します。
1-1. 研修内の目標設定
研修内の目標設定とは、研修目的の達成に必要な行動や到達度合いを測定するための指標を指します。目標を設定することで、研修を受ける際に社員が取るべき行動や状態の明確化が可能です。
例として営業スキルを上げるための研修であれば、次のように目標を設定します。
- 提案資料の作り方を理解する
- クロージングのための会話を身につける
研修内の目標は、テーマを知ってから研修が開始されるまでに決めることが大切です。
1-2. 研修後の目標設定
研修後の目標設定とは、研修で学んだことをビジネスシーンでどのように活かすかを設定することです。
研修の内容に応じ、短期的な目標にするか長期的な目標にするかを判断します。
たとえば、新入社員のマナー研修の場合は、研修を終えた次の日から実践しなければいけません。そのため、短期的な目標を設定します。
コミュニケーション能力を向上させる研修の場合は、すぐに成果を得ることが難しいため、長期的な目標を設定するのが基本です。
2. 研修で目標設定をする目的


研修で目標設定をする目的は、次の通りです。
- 研修の効果を高める
- 社員のスキルを高める
- 組織を成長させる
- 目的の意識を習慣づける
それぞれ詳しく解説します。
2-1. 研修の効果を高める
研修の効果を高めることは、目標を設定すべき理由のひとつです。何の目標も設定せずに研修を実施しても、時間やコストばかりがかかってしまい、せっかくの研修が無駄になってしまうでしょう。
研修の効果を高めるためには、研修を開催する前に社員に概要や目的を伝えておくことが重要です。社員には研修内容を把握してもらったうえで、自分に不足しているスキルや習得すべき知識を考えてもらいましょう。
社員自身が目標を考えることで、研修に積極的に参加できる状態となり、効果が高まります。
2-2. 社員のスキルを高める
研修の目標設定には、社員のスキルを高める目的があります。目標を設定することで達成すべき基準が明確になり、意欲アップにつながるためです。
目標までのギャップをどのように埋めるかを考えられるため、やるべきことを具体化して考えて行動に移しやすくなります。実際に手を動かしてやってみることで、スキルの習得や向上が可能です。
2-3. 組織を成長させる
研修の目標設定は、組織を成長させるためにおこないます。目標設定により社員のスキルが伸びることで、業績が向上するとともに組織の成長につながるためです。
たとえば、組織が「成約率を上げる」という目標を掲げており、社員向けに「説得力のある提案書の作成スキルを身につける」研修を開催するケースを考えてみましょう。この場合、目標設定の例は以下の通りです。
- 筋道を立ててわかりやすい文章を書けるようにする
- 結論を明確にしたうえで相手が納得できるようなデータを用意する
研修で設定した目標が組織の目指す目標と関連していれば、結果的に組織の成果にもつながります。
2-4. 目的の意識を習慣づける
研修の目標設定には、目的の意識を習慣づける役割もあります。普段の業務では具体的な目標を設定しつつ、設定した目標を達成しようとする意識が必要です。
たとえば「顧客に価値を提供する」ことが目的である場合、「今日も営業先を訪問する」といった目標では不明確で目的を意識できているとはいえません。
目的を意識できれば、「今日の訪問で顧客の課題を1つ引き出して次回の商談に活かす」と具体的な目標を立てられるようになります。
目的を持って業務に取り組めるようになれば、社員のパフォーマンスを高めることが可能です。「自分のスキルをどのように使うか」と考える力が備わり、業務においてスキルを活かす能力も高められます。
3. 研修で目標設定をするメリット


研修で目標設定をするメリットは、次の通りです。
- セルフマネジメント力を高められる
- モチベーションを高められる
- 組織の方向性を定められる
それぞれ詳しく解説します。
3-1. セルフマネジメント力を高められる
研修で目標設定をすると、セルフマネジメント力を高められます。自ら計画を立てて進捗を管理し、達成に向けた行動を主体的に調整する習慣が身につくためです。
たとえば、「1カ月以内に業務の効率を10%向上させる」という目標を設定したとします。進捗を随時確認しながら改善策を実行することで、自ら計画したり調整したりする習慣が身につけられるでしょう。
目標を定期的に設定し調整することで、社員のセルフマネジメント力を効率的に高めることが可能です。
3-2. モチベーションを高められる
研修で目標設定をすると、モチベーションを高められます。適切な目標設定は達成したい意識を引き出せるためです。
たとえば、「1週間で業務メールの返信時間を平均30分短縮する」という目標であれば、現実的な難易度であるため達成したい意欲がわきます。
しかし、「1カ月以内にプレゼン資料の作成時間を50%削減する」という目標だと、難易度がかなり高く、達成しようとする意識が薄れるでしょう。
モチベーションを高めるための目標設定をする際は、努力で達成できる難易度に設定することが大切です。
3-3. 組織の方向性を定められる
研修で目標設定をすると、組織の方向性を定められます。社員それぞれの行動を組織の共通の目標に合わせて調節でき、全体としての方向性が明確になるからです。
たとえば、組織全体で「2カ月以内に新規顧客獲得数を20%増加させる」という共通目標がある場合、個人目標はその達成に貢献する内容とすることで方向性を揃えられます。
研修時から組織の全体像を意識した目標設定を取り組むことで、広い視野で自身の役割を理解し、仕事に取り組む意識も身につけられるでしょう。
4. 研修で目標設定をする際のポイント


研修で目標を設定する際のポイントは、次の通りです。
- 目的を理解する
- やりたいと思えるような目標にする
- 達成できる目標にする
- 測定できる目標にする
- 具体的な目標に設定する
- 会社の方向性と一致させる
- 目標の期限を設定する
それぞれ詳しく解説します。
4-1. 目的を理解する
研修で目標設定をする際のポイントとして、社員に目的を理解してもらうことが挙げられます。目的を理解しないまま研修を受けさせても、社員はどのように活かせばいいのかわからないためです。
次の点は最低限共有しましょう。
- 研修が必要な理由
- 解決すべき課題
- 何を学ぶべきか
目標と現状の乖離を示すことで、社員は「何とかしたい」という思いを強められます。意欲も高まり、有意義な研修の実現が可能です。
4-2. 達成したいと思えるような目標にする
研修で目標を設定する際は、達成したいと思えるような内容にしましょう。一方的に押しつけられるような目標だと、取り組む社員が意義や意味を見いだせないためです。
適切に目標を設定するには、社員の興味や意欲をヒアリングします。そのうえで組織の目標と個人のモチベーションを一致させ、社員にとって魅力的な内容に調節することが大切です。
4-3. 達成できる目標にする
研修で目標を設定する際は、達成できる内容にすることが大切です。達成が難しい目標は、「自分にはできない」と社員のモチベーションを低下させます。
簡単すぎても成長が期待できないため、努力で達成できるような目標を立てることが重要です。
1つの項目に簡単な目標とある程度難しい目標を設定することで、社員のモチベーション維持や可能性への信頼の向上を図る手もあります。
4-4. 測定できる目標にする
目標を設定する際は、測定できる目標にしましょう。達成度合いを判断しやすくなり、反省や次回の目標設定に活かせるようになります。
測定できる目標とは、数値で客観的に評価できる目標のことです。
たとえば、「提案書を社内の規定に沿った形で30分以内に作成する」など、数値を用いた目標を立てれば達成度を客観的に評価できます。
どの程度達成したかがわかるため、今後に活かしやすくなるでしょう。
4-5. 具体的な目標に設定する
研修の目標を設定する際は、具体的な内容にしましょう。具体性の高い内容にすることで、社員が「どのように達成するべきか」を考えやすくなり、目標達成の意欲が高まります。
たとえば、「顧客満足度を向上させる」といった目標は、曖昧でどのように達成すべきかわかりません。
「顧客満足度を向上させるために月に1回、顧客フィードバックをチームで共有し、改善策を話し合う」とすると具体的で行動しやすいです。社員が実際にどう取り組むべきかが見えてきます。
4-6. 会社の方向性と一致させる
社員個人の目標は会社の方向性と一致させることが重要です。個人単位で見ると正しい目標設定であったとしても、会社のビジョンや方向性とかけ離れているケースもあります。
会社の方向性とのズレが大きすぎると、会社の利益や成長につながらなくなるケースもあるため注意しましょう。
社員に目標を設定させるときは、先に会社のビジョンや方向性を共有しておくことが重要です。そのうえで社員の目標設定が間違っている場合は、再度説明して方向性を修正する必要があります。
4-7. 目標の期限を設定する
目標の達成期限についても設定しておきましょう。単純に目標だけを設定してもモチベーションが上がらず、時間だけが過ぎてしまうケースもあります。
いつまでに達成するという期限を設定しておくことで、計画的に前に進んでいけるでしょう。大きな目標の場合は段階的なゴールを定め、それぞれの期限を設定しておくのもよい方法です。
5. 研修での目標設定の例


ここでは、研修での目標設定の例を分野ごとに紹介します。
- コンプライアンス研修の目標設定の例
- パソコンスキル研修の目標設定の例
- ビジネスマナー研修の目標設定の例
- ハラスメント研修の目標設定の例
それぞれ詳しく解説します。
5-1. コンプライアンス研修の目標設定の例
コンプライアンス研修における目標設定の主な例は、次の通りです。
- 本名でSNSを利用する際は不適切な発言をしない
- パソコンを社外に持ち運ぶ際は肌身離さない
- 公共のWi-Fiに接続して業務をしない
コンプライアンスを守ることは、会社の名誉を守ることにもつながります。情報漏洩やマナー違反は会社の存続に関わるケースもあるため、とくに注意しましょう。
5-2. パソコンスキル研修の目標設定の例
パソコンスキル研修の目標設定の主な例は、次の通りです。
- 会議の議事録を指定の形式で記載できるようにする
- 関数を使ってデータを整え集計できるようにする
- ピボットテーブルを用いて集計できるようにする
WordやExcelなどのパソコンスキルは、営業やバックオフィスなど、どの部署においても求められます。そのため、パソコンスキルの習得に向けた目標設定も重要です。
5-3. ビジネスマナー研修の目標設定の例
ビジネスマナー研修では、以下のような目標を設定するとよいでしょう。
- 尊敬語や謙譲語を正しく用いてビジネスメールを送れるようにする
- 電話対応でメモを取り担当者に正しく引き継げるようにする
- 出勤や退勤時には人の目を見て挨拶できるようにする
ビジネスマナーは社会人としての基礎なので、研修などを通じて正しく理解させることが大切です。
5-4. ハラスメント研修の目標設定の例
ハラスメント研修における目標設定の例は、以下の通りです。
- ハラスメントの種類を理解して該当する行為がないかセルフチェックをおこなう
- ハラスメント防止を呼びかけるポスターを作成する
- ハラスメントについて週1回朝礼で周知する
ハラスメントを防止することは、働きやすい職場環境を構築するうえでとても重要です。研修を通してモラルハラスメントやマタニティハラスメントなどの種類を理解してもらうだけではなく、職場環境改善につながる目標を設定させましょう。
6. 研修の目標設定の効果を高めるコツ


研修における目標設定の効果を高めるため、以下のようなポイントを意識しておきましょう。
6-1. 研修のなかで目標を発表させる
研修の冒頭で、それぞれの社員に目標を発表させると、積極的に学ぶ意識や目標を達成しようとする意欲が高まるでしょう。また、他の社員と目標を共有することで、切磋琢磨して学ぶ意識も生まれます。
全員に発表してもらう時間がない場合は、挙手制にする、グループの代表が発表する、紙に書いて提出してもらうなどの方法も考えられます。
6-2. 面談でフィードバックする
社員が設定した目標に関して、面談でフィードバックするのもよい方法です。目標が会社の方向性と大きくかけ離れている場合は、1on1ミーティングなどで指摘するとよいでしょう。
ただし、社員の目標を全面的に否定したり、目標を押し付けたりすることは避けるべきです。あくまでも社員自身が適切な目標を設定できるよう、サポートするようにしましょう。
定期的な面談のなかで、目標の達成状況を確認することも大切です。目標達成が進んでいない場合は、一緒に改善案を探るなど、成長をサポートする必要があります。
7. 適切な目標設定で有意義な研修にしよう


今回は、研修における目標設定の重要性や設定するときのポイントなどを紹介しました。
研修の目標を適切に設定することで、セルフマネジメント力を高めたりモチベーションを高めたりするなどの効果が期待できます。逆に目標を設定しないと、参加する意識や学ぶモチベーションが上がらず、時間が無駄になってしまう可能性もあります。
また、目標を設定するときは、達成したいと思えるような内容にしたり、努力によって達成できる内容にしたりすることも大切です。
社員が目的を理解し意欲を持って取り組める目標を設定し、有意義な研修を実現させましょう。



従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
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