KPI設定において数値化できないときの対応方法を徹底解説
更新日: 2024.10.16
公開日: 2023.4.4
OHSUGI
KPIはCSFを数値化して設定するのが基本ですが、中には定量化しにくいCSFもあります。
数値化しにくいKPIは進捗や達成度がいまいちわかりづらく、場合によってはKGI達成に影響を及ぼす可能性があります。
KPIの数値化に迷った場合に備え、適切な対応方法をチェックしておきましょう。
今回は、KPIを数値化できないことで生じる問題点や、目標を数値化するメリット、数値化できないときの対処法について解説します。
目次
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
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1. KPI設定において数値化できないことによる問題点
KPI設定において目標を数値化できないと、以下のような問題が生じやすくなります。
1-1. 行動計画の立案が難しくなる
目標を定量化すると、それを達成するためには何をどのくらいおこなえばよいのかを逆算しやすくなります。
例えば「顧客を500名増やす」というKPIを設定すれば、過去の統計などをもとに「テレアポを1万件架電する」「公式HPからの問い合わせ2,000件達成を目指す」など、具体的な行動計画を立てやすくなります。
一方、KPI設定で目標を数値化できないと、そのKPIに連なる目標も曖昧なものになってしまい、具体的にどんなアクションを起こせばよいのか、何をもって「目標達成」とするのかが判別しにくくなります。
現場の従業員も何を目指して活動すればよいのか混乱してしまい、KGIをスムーズに達成できなくなる可能性があります。
1-2. 従業員のモチベーションが下がりやすい
目標を数値化していると、進捗度や達成度も「目標達成まであと◯%」などと可視化できるようになります。
数値が順調に増えていれば、従業員のモチベーションや士気も上がり、生産性の向上につながります。
逆に、進捗や達成度が見える化されていないと、自分たちがやっていることに意味はあるのか、きちんと成果は上がっているのかといった不安が生じやすく、モチベーションの低下を招くおそれがあります。
KPIを達成できるかどうかは従業員の行動や努力にかかっていますので、モチベーションが低くなるとKGI達成の大きな支障になりかねません。
1-3. KPI見直しの基準がわかりにくい
KPIはKGIから逆算して現実的な数値を設定していくのが基本ですが、イレギュラーな事態が発生すると計画どおりに進まないこともあります。
その場合、適宜KPIの内容を見直す必要がありますが、目標が数値化されていないと進捗に遅れが生じているのかどうか判断しにくくなります。
結果として、KPI見直しの必要性を見逃してしまい、KGI達成が難しくなる場合があります。
1-4. 組織の団結力が低下するおそれがある
KPIは、企業の最終目標であるKGIを達成するための指針となる要素です。
従業員全員がKPIの達成を目指すことで、組織の団結力が高まり、同じ方向を見て成長・発展していくことが可能になります。
目標が数値化されていないと、目指すべき目標があやふやになってしまい、方向性がバラバラになって団結力の低下につながる可能性があります。
2. KPI設定において目標を数値化することのメリット
KPI設定において目標を数値化すると、以下のようなメリットがあります。
2-1. 従業員のやるべきことが明確になる
目標を数値化すると、従業員がやるべきこと、達成すべきことがより明確になります。
ゴールが可視化されると、そこに至るまでのプロセスや計画を立てやすくなり、行動に迷いがなくなります。
必然的に無駄な行動も省かれますので、ひとりあたりの労働生産性もアップし、業務効率化にもつながります。
2-2. 評価の基準を統一化できる
KPIを達成できたか否かは、そのままチームや従業員の評価につながります。
目標を数値化しておけば、可視化された成績や実績をもとに適切な評価を下せるようになります。
「目標◯%に対し、△%達成できたから」などと評価すれば、従業員も納得しやすくなり、公平な評価をおこなうことが可能になります。
2-3. PDCAサイクルを適切に回せるようになる
KPIを達成するためには、PDCA、すなわちPlan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)のサイクルを適切に回し、よりよい手段で行動していく必要があります。
もしKPIの進捗に問題が生じた場合、なぜ目標を達成できなかったのかを考え(check)、必要に応じて修正や改善(Action)を加えなければなりません。
目標を数値化していれば、修正や改善が必要なラインを見極めやすくなり、何か問題が生じた場合でも迅速な対応が可能になります。
3. KPI設定において目標を数値化できないときの対応方法
企業が掲げる目標の中には、数値化しにくいものがあります。
例えば顧客満足度や企業理念の浸透度、サービス品質、企業・ブランドの認知度といったものは数や量で計測できないため、数値化するのが困難です。
ただ、定量化しにくいからといって、曖昧な表現のままKPIに設定すると、先に紹介した問題が生じる可能性があります。
そのため、数値化しにくい目標も、何らかの手段を講じてなるべく定量化することが大切です。
ここではKPI設定において数値化しにくい目標の対応方法を4つご紹介します。
3-1. 目標達成に必要な行動を考えてみる
目標を数値化しにくいときは、その達成のために必要な行動に目を向けてみましょう。
例えば顧客満足度を向上させるためにサポートスタッフの増員が必要だと判断される場合は、アナログ作業をデジタル化して、人材を◯%削減するといったことが挙げられます。
浮いた人材をサポートに回せば、顧客満足度アップにつながり、当初のKPI達成に貢献できます。
3-2. 目標達成後の影響を数値化する
当該目標を数値化するのではなく、その目標が達成されることによって、どんな変化が生じるかに着目するのもひとつの方法です。
例えばサービス品質がアップすれば、新規顧客増加率◯%、リピート率△%といった成果につながる可能性があります。
3-3. 社内テストを実施する
企業の理念や行動規範の理解度を数値化するには、社内テストの実施が有効です。
企業理念や行動規範に関する設問を従業員に回答してもらい、その正答率を算出すれば、企業理念および行動規範の浸透度を測ることができます。
3-4. 第三者の意見をもとに数値化する
社内で定量化しにくい目標は、第三者の意見をもとに数値化してみましょう。
具体的には、購入者アンケートなどを配布して自社のサービスやサポートを5段階で評価してもらえれば、これまで数値で表せなかった目標を定量化することが可能になります。
4. KPI設定で数値化できない目標は、視点を変えてみることが大切
KPI設定で目標を明確な数値で表さなければ、行動計画の立案に支障をきたしたり、従業員のモチベーションが低下したりと、さまざまな問題が生じる可能性があります。
目標をきちんと数値化すれば、従業員のやるべきことが明確になって労働生産性の向上を見込めるほか、統一した基準で評価できる、PFCAサイクルを適切に回せるようになるなど、いろいろなメリットが期待できます。
顧客満足度や企業理念の浸透度など、数値化するのが難しい指標に関しては、目標達成に必要な行動を考えてみる、達成後の影響を数値化する、第三者の意見を参考にするなどの方法を用いて定量化を目指しましょう。
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
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