KPIの設定方法や注意点、設定の失敗例や解決策を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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KPIの設定方法や注意点、設定の失敗例や解決策を詳しく解説

KPIの積み木を眺める人

企業が目指すべき最終的なゴールのことをKGI(Key Goal Indicator)と呼びます。KGIの補助的な役割を果たす指標が、本記事で取り上げるKPI(Key Performance Indicator)です。効果的なKPIを設定するためにはどのような点を意識すればよいのか、KPIの設定方法や注意点、SMARTの法則のポイントをわかりやすく解説していきます。

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人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

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1. KPIとは?

KGIとKPI

KPI(重要業績評価指標)は、企業の最終的なゴール(=KGI)を達成するために必要なプロセスを評価し、定量的に表す指標を指します。

たとえば「売上1億円」がKGIの場合、目標を達成するにはさまざまなプロセスが必要です。売上を増やすには、そもそも案件の獲得数を増やす必要があります。また、案件の獲得数を増やすためには、顧客のアポイント数を増やしたり、架電数を増やしたりしなければなりません。

KGI 売上1億円
KPI ● 案件の獲得数100件
● アポイント数1,000件
● 架電数2,000件

上記の例では「案件の獲得数100件」「アポイント数1,000件」「架電数2,000件」の3つがKPIに当たります。つまり、KPIはKGIを細分化し、目標達成に向けて必要なプロセスを定量的に評価するための指標を指します。

2. KPIを設定するメリット

KPIの設定は、KGI達成に向けたプロセスを定量化させるだけに留まらず、社員の行動や人事評価、組織運営にさまざまなメリットをもたらします。

KPIを設定するどのような効果をもたらすのか、具体的なメリットについてここで押さえておきましょう。

2-1 .目標に向けた取り組みの方向性が明確になる

例えば「1年間の売上目標1億円」というKGIだけあっても、社員たちが取るべき行動レベルまで落とし込みできていなければ、目標達成は現実的に難しいでしょう。

しかし、KPIを設定することで、最終目標に向けた行動の方向性を明確にすることが可能です。社員たちも何に取り組むべきかがはっきりするので、迷いなく行動に移せるようになります。また、段階的に目標設定されているので、KGI達成までモチベーションを維持しやすいのもメリットと言えるでしょう。

2-2. 評価の透明性や公平性が高まる

KPIは定量的に目標設定していくため、人事評価にも活用することができます。

数値化された目標に対して達成度合いで評価すれば、公平な人事評価がおこなえるため、社員も納得感が得られやすくなります。また、評価者の主観も入りづらくなるので、評価の透明性を高めることも可能です。

公平で透明性のある人事評価ができるようになれば、社員のエンゲージメント向上にもつなげることができるでしょう。

2-3. 組織に統一感が生まれる

目標達成にむけたプロセスをを組織内で共有するため、社員それぞれが同じ方向を向いて行動を起こせるようになります。

また、プロセス内で問題が生じても共有化されていれば、組織内で協力し合いながら解決に向けて迅速に対処できるようにもなるでしょう。

このように、KPIの設定は組織の一体感を出すのにも有効的です。

3. KPIの設定方法

KPI管理シートについて話し合いをしている

KPIを設定する手順は4つのステップに分けられます。

  1. KGIを設定する
  2. KGIに必要な要素を分解する
  3. KPIの実現に必要な要素を考える
  4. KPIが悪化した際の対策を決めておく

3-1. KGIを設定する

まずは企業が目指すべきゴールとなるKGIを設定しましょう。KGIは日本語で「重要目標達成指標」と呼ばれるとおり、企業の戦略やビジョンと関連したものの必要があります。

たとえば、1年間の売上目標、前年比の利益率、サービスの利用者数などのゴールがKGIとして設定されます。

3-2. KGIに必要な要素を分解する

KGIを設定したら、KGIを達成するために必要なKPIを細分化していきます。このステップで役に立つのが、KPIツリーと呼ばれるフレームワークです。

KPIツリーはロジックツリーを応用し、KGIの構成要素をツリー状に書き出していく手法を指します。たとえば、KGIに売上を設定する場合、売上に関連した購入者数や顧客単価などのKPIを書き出していきます。KPIツリーを利用することで、KPIを漏れなく重複なく洗い出すことが可能です。

3-3. KPIの実現に必要な要素を考える

KPIを実現するためのタスクも書き出しましょう。たとえば、Webサイトのコンバージョン率アップがKPIの場合、KPIを実現するための施策を洗い出します。

KPI コンバージョン率◯%アップ
タスク ● LPのデザイン向上
● サイト導線の改善
● 新規キャンペーン

KPI管理シートを作成すれば、KPIやタスク、タスクごとの担当者や進捗状況を整理し、実際の業務に落とし込めます。

3-4. KPIが悪化した際の対策を決めておく

KPIの数値目標を順調に達成していくことが本来の望ましい姿ではありますが、実際にはさまざまな要因が絡んで進捗率が悪化するケースが少なくありません。

悪化してから対策を考えるのでは、余計な時間やコストがかかり、場合によってはKGIを達成するのが難しくなることも想定されます。そうならないためにも、事前に対策を考えておくことが大切です。

対策を検討する際は、下記のように「タイミング」「程度」「対策」の3点セットで検討するのがポイントです。

  • 対策を講じるタイミング(例:1か月後)
  • 対策を施す程度(例:KPIが想定よりも10%低い場合)
  • 対策の内容(例:広告出稿を増やす)

4. KPIを設定するときの注意点

注意している女性

KPIを設定するときは「SMARTの法則」を意識しましょう。SMARTの法則は、目標管理制度(MBO)における目標設定に使われることが多いフレームワークです。SMARTの法則は、KPIを設定する際にも役に立ちます。

  • わかりやすく具体的に設定する(Specific)
  • 数字やデータで表せるものを設定する(Measurable)
  • 現実的に達成可能なものを設定する(Achievable)
  • KGIと関連したものを設定する(Relevant)
  • 期限を決めて設定する(Time-bounded)

SMARTの法則のポイントをわかりやすく解説します。

4-1. わかりやすく具体的に設定する(Specific)

KPIはわかりやすく具体的なものを設定する必要があります。抽象的なKPIを設定すると認識の齟齬が生まれ、KPIの達成率が低下する可能性があります。

また、複雑すぎるKPIもNGです。チームや個人が同じレベルで認識を共有できるよう、シンプルかつ明確なKPIを設定しましょう。

4-2. 数字やデータで表せるものを設定する(Measurable)

KPIは数値化可能なものを設定しましょう。数字やデータで表せるKPIを設定すれば、KPIの達成率を計算し、KGIの実現に向けた進捗状況を定量的に評価できます。数字やデータで表しづらい、定性的な成果指標をKPIとして設定するケースはほとんどありません。

4-3. 現実的に達成可能なものを設定する(Achievable)

KPIは十分に達成可能なものを設定する必要があります。非現実的なKPIを設定すると、チームや個人のモチベーション低下につながる可能性があります。

ただし、簡単に達成可能な目標をKPIとして設定するのも逆効果です。目標達成率が60~70%となるようなストレッチゴールを設定することで、チームや個人が殻を破るのを後押しし、パフォーマンス向上につながります。

4-4. KGIと関連したものを設定する(Relevant)

前述のとおり、KPIはKGIと直接関わりのあるものを設定しましょう。KPIは、あくまでもKGIを実現するための中間目標にすぎません。KPIを達成していく過程で、KGIの実現に近づくような目標を設定しましょう。

4-5. 期限を決めて設定する(Time-bounded)

KPIには必ず期限を設けましょう。期限を設定していないKPIは、後回しにされる可能性が高くなります。KPIに期限を設け、メリハリを付けて業務を遂行することが大切です。

5. KPI設定における失敗例と対処法

失敗して悩む男性

KPI設定のよくある失敗例は4つあります。

失敗例 対処法
KPIの数が多すぎる KPIの数を3~5個程度に絞る
KPIのボトルネックの発見に時間がかかる 先行指標に着目する
本来の目的を見失いやすい KPIは中間指標であることを意識づけする
部門間での軋轢が生じやすい 部門間でのKPI共有化を図る

5-1. KPIの数が多すぎる

KPIの数が多すぎると、チームや個人のリソースが分散され、KPIの達成に時間がかかります。1つのKGIにつき、KPIの数は3~5個程度が理想的です。

KPIの数が10個を超えると、KPI設定がうまくいかなくなる可能性が高くなります。KPIの優先順位を見直し、KPIの数を絞り込むことが大切です。

5-2. KPIのボトルネックの発見に時間がかかる

もうひとつのよくある失敗例が、KPIのボトルネックの発見が遅れ、施策の見直しに時間がかかるケースです。

対処法として、KPIには成果がすぐに表れやすい「先行指標」と、成果が表れるのに時間がかかる「遅行指標(結果指標)」の2種類があることを知っておきましょう。遅行指標に目を向けても「施策のどの部分が悪かったか」「ボトルネックがどこにあるか」を見つけるのに時間がかかります。KPIのボトルネックをすみやかに発見したい場合は、先行指標に着目することが大切です。

5-3. 本来の目的を見失いやすい

KPIの数値にこだわりすぎて、本来の目的を見失うこともよくある失敗例の一つです。社員に対して数値達成を追求しすぎると、組織全体の方向性が不安定になるでしょう。

KPIの数値は、KGIを達成するための中間目標にすぎません。本来の目的は最終目標を達成することだということを、上司が社員たちに認識させることが大切です。

5-4. 部門間での軋轢が生じやすい

縦割り組織の場合、各部門が設定したKPIが摩擦の引き金となることがあります。例えば、営業部門が受注率を上げるためにサービスの質を無視してクロージングを進めると、カスタマーサクセスの重要なKPIである「リテンション率(顧客維持率)」を低下させる可能性があります。

このような失敗を回避するには、部門間でのコミュニケーションを強化させて、KPIの共有・可視化を図ることが必要となるでしょう。

6. KPIの設定方法を知り、KGIと連動したKPIを考えよう

目標

KPIは、KGIを達成するための中間的な目標を指す言葉です。KPIはKGIから逆算し、KGIの実現に必要なプロセスを洗い出すことで設定できます。

KGIの内容を考えるときは、SMARTの法則と呼ばれるフレームワークを活用しましょう。KPIの設定方法を知り、KGIと連動したKPIを設定することが大切です。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

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OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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