MBO(目標管理制度)とは?メリットや導入方法を詳しく紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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MBO(目標管理制度)とは?メリットや導入方法を詳しく紹介

MBO

MBO(目標管理制度)は企業の成長に欠かせない評価方法です。しかし、MBO(目標管理制度)の効果を得るためには、導入の方法や注意点を事前に確認しておく必要があります。

本記事では、MBO(目標管理制度)の意味やメリットなどをわかりやすく紹介しています。今後MBO(目標管理制度)を導入する際にぜひお役立てください。

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1. MBO(目標管理制度)とは?

目的

まずはMBO(目標管理制度)についての基本を確認しましょう。

1-1. MBO(目標管理制度)の意味

MBOとは「Management by Objectives」の略称で、直訳すると「目標による管理」となります。この正しい意味は目標を管理することではなく、目標を通じて組織を管理することです。マネジメントの父として知られる経営学者ピーター・ドラッカーが著書「現代の経営」で提唱したことにより、世界的に知られるようになりました。

1-2. MBO(目標管理制度)の目的

MBO(目標管理制度)の目的は大きく2つあります。1つは、企業の生産性を高めることです。同時に、従業員自身が立てた目標の達成度合いを確認し、評価に活用するのが2つ目の目的です。

日本でMBO(目標管理制度)が広まり始めたのは1990年代の後半からで、主に人事評価を目的として導入されました。それまでは年功序列による評価が一般的でしたが、コスト削減や効率化へとシフトチェンジが求められるようになり、その流れにマッチする評価制度としてMBO(目標管理制度)を採用する企業が増えたのです。

1-3. MBO(目標管理制度)の特徴

MBO(目標管理制度)の特徴は以下のとおりです。

目標が共有される範囲 上司など、限られたメンバーのみ
評価の頻度 半年~1年に1回程度
評価方法 定量的評価・定性的評価を組み合わせる
(具体的な方法は企業によって異なる)
目標の達成度 100%達成を理想とする

MBO(目標管理制度)を導入する企業の多くは、上記の方法で運用しています。MBO(目標管理制度)は従業員を評価する手法でもあるので、評価結果によっては従業員の給与アップなど、待遇にも影響を与えます。

2. MBOとOKRの違いは?

MBO

MBOと比較されるのがOKRです。OKRはObjectives and Key Resultsの略で、目標と主要な結果を意味します。OKRも目標の設定、管理方法ひのひとつです。MBOとOKRでは次のような違いがあります。

  • 評価制度としての機能
  • 個人や部署ごとの目標としての傾向

2-1. 評価制度としての機能が強いのがMBO

MBOとOKRを比較すると評価制度としての機能が強いのはMBOです。MBOでは目標をほぼ100%達成することを求められます。一方、OKRにおいては目標の達成度は60〜70%ほどです。MBOは評価制度のとしての機能が強いのに対して、OKRは従業員個々の能力を引き上げる傾向があります。

2-2. 個人や部署ごとの目標としての傾向が強いのがMBO

MBOとOKRを比較すると、MBOは個人や部署ごとの目標としての傾向が強いです。一方、OKRは会社全体で取り組む目標としての傾向にあります。この理由はMBOは従業員と上司との間で共有される管理制度であるためです。対して、OKRは会社全体で共有されるのが一般的です。

3. MBO(目標管理制度)を導入するメリット

メリットの積み木

MBO(目標管理制度)を導入するメリットを4つ紹介します。

3-1. 企業としての方向性を統一できる

MBO(目標管理制度)では、企業目標をベースに個人・チームの目標を設定します。
そのため、目標設定時に企業の方向性を再確認でき、統一感を持った企業運営が可能となります。

3-2. 従業員のモチベーション・スキルアップが期待できる

MBO(目標管理制度)は従業員自身で目標設定をおこないます。そのためには、今足りないものを洗い出し、今後のあり方などを具体的にイメージする必要があります。
上司から一方的に目標を与えられる従来のやり方とは違い、MBO(目標管理制度)は自分で立てた目標を達成したい、という意欲を喚起できます。
MBO(目標管理制度)は従業員のモチベーション維持やスキルアップに効果的な評価方法のひとつです。

また、MBO(目標管理制度)では上司も定期的に目標の達成度を確認します。従業員へのフィードバックに活用すれば、従業員一人ひとりが「自分を見てくれている」と感じ、より前向きに業務へ向き合ってくれるでしょう。

3-3. 従業員の自己管理につながる

MBO(目標管理制度)は大きな目標を立てて終わりではありません。目標を達成するために進捗状況を確認し、ときには軌道修正をおこなうこともあります。

自分の目標と現実が乖離していないかをチェックするので、従業員の自己管理能力を高めるのにも、MBO(目標管理制度)の導入は効果的です。
また、業務に対してマンネリになりにくくなり、適度な刺激のある環境下で仕事に励むことができます。

3-4. 企業目標を達成しやすくなる

MBO(目標管理制度)を導入することで、企業目標を達成しやすくなります。目標を数値化するなどしてより具体的にすれば、達成・未達の確認はもちろん、問題点の有無や対策なども立てやすくなります。

MBO(目標管理制度)の最大の強みは、モチベーションの高い従業員が一丸となって企業目標の達成に取り組めることといえるでしょう。

4. MBO(目標管理制度)を導入するときの注意点

びっくりマーク

MBO(目標管理制度)を導入するときの注意点を6つ紹介します。

4-1. MBO(目標管理制度)について従業員が目的を理解できるように説明する

MBO(目標管理制度)は従業員のモチベーションアップや自己管理に役立つ有用な制度ですが、従業員自身がその目的や意義を正しく理解していなければ意味がありません。
そもそもMBOとは何なのか、なぜMBOを導入したのか、導入によってどのような効果が期待できるのか、といった基本的な知識を社内全体に周知させ、理解を深めてもらう必要があります。

具体的には、経営層や管理職からMBOについて詳しい説明をおこなう、MBOについて勉強するセミナーや研修会を開くなどの創意工夫を取り入れると、MBOの普及促進につながります。
必要に応じてマニュアル等を作成し、従業員がいつでも閲覧できるよう整備しておくのも有用な方法の一つです。

4-2. モチベーションにつながる目標を設定する

MBO(目標管理制度)では目標の設定がとても重要です。従業員がモチベーションを維持したまま業務に励むためには目標が高すぎても低すぎてもいけません。

まずは、従業員全員で企業目標を確認しましょう。その目標を達成するために、いつまでに・どの部署(誰)が・何を・どのようにしてやらなければならないのかを逆算して目標を考えます。

ただし、ここであまり多くの情報を共有すると従業員が主体的に目標設定できません。大まかな目標を共有し、あとは個人・チームで目標を考えてもらいます。

また、目標に縛られることでモチベーションが下がることもあります。目標の達成度を100%にせずややゆとりを持たせるなど、現場に応じて適度に自由度を持たせることも大切です。

4-3. 達成基準を具体的にする

「効率を上げる」「ミスを減らす」などはありがちな目標設定ですが、これでは目標を立てた本人しか評価できません。また、本人と上司で評価に差が出てしまいがちな点も注意が必要です。

したがって、達成基準は誰の目から見てもわかりやすい、具体的な内容を設定しましょう。例えば「ミスを3つまでに減らす」「顧客対応件数を3件から5件に増やす」などです。

MBO(目標管理制度)では、客観的に評価できる達成基準を設けることが重要です。

4-4. 成果だけでなくプロセスも重視する

評価というと、つい成果だけを求めてしまいます。しかし、それでは従業員を育成できません。

「売上を2倍」という目標も必要ですが、そのために1日何件訪問営業するのか、企画書を何件作成するのかなど、具体的なプロセスに落とし込んで目標設定することが大切です。

目標の進捗を確認する際、達成感を持てるような目標にするとモチベーションが維持しやすくなります。

4-5. 目標をノルマ化しない

MBO(目標管理制度)は、目標の達成を100%求める特徴があることから、ノルマ化されやすい傾向があります。

従業員が目標をノルマのように感じてしまえば、中には過度なプレッシャーを感じてしまう者が出てくる恐れもあり、モチベーションの低下が懸念されるでしょう。

上司や管理者は、従業員に目標の達成を押し付けるのではなく、目標が達成できるようにコミュニケーションを取りながら適切なサポートをおこなうことが求められます。

4-6. 導入後の効果を測定して改善をする

MBO(目標管理制度)の導入効果を高めるためには、PDCAを回して継続的な改善をめざす必要があります。

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(点検・確認)、Action(行動)を一つのサイクルとしたものです。

MBO(目標管理制度)においては、まず目標達成に向けて計画を立て、実際に行動に移し、途中で進捗を確認します。

その後、評価期間中にどれだけの効果が出たか、問題や課題はなかったかなどの振り返りをおこない、次のP(計画)へと反映させます。

PDCAサイクルを上手に回せば、回数を重ねるごとにMBO(目標管理制度)がブラッシュアップされ、より効率的かつ高い効果を生み出す制度へと進化していきます。

反対に、初期に定めた方法のまま、漫然と制度を繰り返しているだけでは思ったような効果を出しにくいので、導入後の効果は必ず測定し、必要な改善をおこなっていきましょう。

5. MBO(目標管理制度)の導入方法

業務の流れ

MBO(目標管理制度)の導入の流れは以下のとおりです。

  1. 目標を設定する
  2. 計画を実行する
  3. 進捗を確認する
  4. 評価をする

MBO(目標管理制度)の導入方法はシンプルなので、初めて導入する場合でもそれほど難しいことはありません。

しかし、先述したように運用の際に注意すべき点があります。MBO(目標管理制度)では、実際に目標を立てて実践する従業員や、それを評価する人の立場に立って運用することが大切です。

5-1. 目標を設定する

MBO(目標管理制度)を通じて、自社が実現したいゴールを経営戦略やビジョンと照らし合せながら明確にします。会社としての方針が固まった段階で、従業員にその方針を共有して各自に目標設定してもらいましょう。

この際、上司や管理者は従業員の目標と自社の方針に乖離がないかチェックをおこないます。事業に関連性のない目標であったり、低すぎる目標または高すぎる目標であったり、客観的に見て目標設定に問題がある場合は、実行に移す前に調整が必要です。

5-2. 計画を実行する

目標を設定したら達成までの計画を決めましょう。目標に対してどのようなアクションを起せば良いのか、具体的な行動計画に落とし込んでいきます。

また、最終的な目標達成までには、複数の中間目標を設定することがポイントです。いくつもの中間目標をひとつひとつ完了させることで最終的な目標達成につながります。

目標と行動計画が定まった上で、実行に移りましょう。

5-3. 進捗を管理する

計画を実行中は、想定どおりに進んでいるか定期的に進捗の確認をおこないます。この際、進捗管理を従業員任せにするのではなく、上司も一緒にチェックをしましょう。第三者の目線を交えることで、課題を抽出しやすくするためです。

計画の進め方で問題があれば、アドバイスをする前に、計画の改善策を従業員に提出してもらうと良いでしょう。従業員に自らの行動を振り返る機会を与えることで、自己管理力の向上につなげることができます。

5-4. 評価をする

目標設定の期限がきたら、結果に対しての評価を実施します。この際、公平性を維持するために、上司は主観を交えずに客観的な基準に基づいて実施するのがポイントです。
そのため、MBO導入時に評価の基準を予め設けておくと良いでしょう。

また、従業員自身にも自己評価してもらい、双方の評価に相違があれば、ここで擦り合わせをします。従業員も評価に納得できれば、モチベーションを維持した状態で、次の目標へ進むことができるでしょう。

6. 企業の成長のためにMBO(目標管理制度)を導入しよう

ポイントを指さす男性

MBO(目標管理制度)は従業員が主体となって目標を設定・実践する新しい評価方法です。うまく機能すれば、従業員のモチベーション維持やスキルアップにつながるだけでなく、企業目標の達成にも近づきます。
ただし、運用を間違えると逆効果になりかねないので注意が必要です。
企業としてより成長できるよう、MBO(目標管理制度)の導入を前向きに検討してみましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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