マイルストーンとは?使い方や管理上のポイントを分かりやすく解説
更新日: 2025.2.14
公開日: 2023.5.29
OHSUGI
マイルストーンは、ロードマップやスケジュールと並んで、ビジネスシーンで頻繁に使われる言葉です。プロジェクトの進行や進捗管理に必須ともいえる手法の1つですが、正しく使い分けられている人は多くありません。類語の違いやマイルストーンの作り方を知り、上手に管理しましょう。
本記事ではマイルストーンを中心に、類語の説明や設定時の注意点を解説します。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. マイルストーンとは?
マイルストーンは、プロジェクトや連続する業務を進める際に使われることが多い言葉です。正しく言葉の使い分けができるように、ビジネスシーンでの意味と語源を押えておきましょう。
1-1. 業務を区切るポイントや中間目標
ビジネスの現場で使われるマイルストーンとは、業務を区切るポイントや中間目標を指します。最終目標や期日だけでは進捗管理が難しく、スムーズな進行はできません。しかし、マイルストーンを途中に設定することで、作業ごとの節目や締切を明確にして、工程全体を管理しやすくすることができます。
マイルストーンの活用シーンは広く、建築業界であれば工期の管理、IT業界であればシステム開発のプロジェクト管理など、さまざまな業界で活用されています。
1-2. マイルストーンの語源
マイルストーンとは、「mile(マイル)=距離」と「stone(ストーン)=石」がつながってできた言葉です。発祥はローマ帝国時代まで遡り、主要な街道に1ローマ・マイル(1,000歩)ごとに置いた石が由来と言われています。
その後、道路や鉄道の距離を測る際の道標としてマイルストーンが使われるようになりました。そのため、マイルストーンは日本語で「一里塚」「里程標」と言い換えることもできます。
ビジネスの現場では、距離が業務やプロジェクトに転じ、次の目標や目標までの距離を測るためにポイントを設定する様子が道標に似ていることから、マイルストーンという言葉が使われるようになりました。
2. マイルストーンを設定した方がよい理由とは?
プロジェクト管理にマイルストーンを導入するにあたって、その効果が分からなければ、設定しても意味を成さないものになってしまうかもしれません。ここでは、マイルストーンを設定すべき3つの理由について解説します。
2-1. プロジェクトの進捗を管理しやすくするため
複数人が関わる大がかりなプロジェクトの場合、タスク管理ができていないと「誰がどこまで何をやったか分からない」といった状況に陥ることがあります。また、長期的なプロジェクトだと、目標が遠すぎで途中で見失うことも少なくありません。
これらの問題を解決するには、マイルストーンの活用が効果的です。マイルストーンを設置することで、進捗状況が確認しやすくなり、メンバー同士の意思疎通も図りやすくなります。また、目標到達までの道程にマイルストーンがあれば、プロジェクト全体を俯瞰しやすくなり、目標を見失うこともなくなるでしょう。
2-2. 問題が生じた際に軌道修正しやすくするため
マイルストーンを置く目的は、進捗管理だけではありません。プロジェクトを進める中で問題が生じた際にも、マイルストーンがあることで軌道修正しやすくなります。
プロジェクトはどんなに綿密な計画を立てていても、予測できない要素によって計画通りに進まないことがあります。しかし、マイルストーンを設置しておけば、計画を見直す必要が生じた際に、問題の特定がしやすくなるのです。
これにより、軌道修正にかかる時間を短縮でき、プロジェクトに与える影響を最小限に抑えることができます。
2-3. チームのモチベーションを維持するため
期間の長いプロジェクトだと、モチベーションの維持も重要な課題です。さらに、プロジェクトの難易度も高ければ、モチベーション管理の必要性がより一層増すでしょう。
モチベーション管理においても、マイルストーンは効果を発揮します。マイルストーンは小目標としても活用できるため、小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションの維持を図れるのです。モチベーションが維持できれば、プロジェクトの成功率も高まるでしょう。
3. マイルストーンと混同しやすいビジネス用語との違い
業務の進捗や予定を管理する言葉には、マイルストーンのほかにもロードマップやスケジュールなどいくつか存在します。混同しやすいですが、それぞれ明確な違いがあります。上手に使い分けてタスクや進捗をスマートに管理しましょう。
3-1. ロードマップとの違い
ロードマップはプロジェクト全体の計画を指す言葉です。全体の計画を見るためのものであるため、細部まで記載されることはありません。そのため、ロードマップだけでは業務ごとの進捗を把握したり、細かい締切を設定したりすることは難しいです。
そこで使われるのがマイルストーンです。ロードマップの中にマイルストーンを設置し、細かく目標や締切を設定することで、進捗状況を正確に把握できるようになります。ロードマップは計画の全体図で、その中に設定するものがマイルストーンであると考えておきましょう。
3-2. スケジュールとの違い
予定が詰め込まれている状態をハードスケジュールやタイトスケジュールと表現したり、予定を立て直すことをリスケジュールといったりします。このように、スケジュールはさまざまな予定や日程の管理や、予定そのものを指す言葉です。予定を管理する言葉であるため、ロードマップやマイルストーンと混同されやすいですが、「日取り」や「アジェンダ」などの言葉に近いです。
また、ロードマップやマイルストーンには目標や締切日が設定されますが、スケジュールにはそのような性質はありません。あくまでも予定や日取りを管理するだけのものです。
3-3. タスクとの違い
タスクとは、プロジェクトにおける個々の作業や業務の単位を意味します。プロジェクトは複数のタスクで構成されており、一つ一つのタスクを実行していくことで、プロジェクトの最終目標を達成させることができます。
しかし、適切にタスク管理がされていないと、スムーズに作業を進めることができず、プロジェクトの目標達成は成し得ません。ここで役に立つのが中間目標となるマイルストーンです。特に重要なタスクにマイルストーンを設定することで、作業全体が可視化されてタスク管理がしやすくなります。
3-4. フェーズとの違い
フェーズは、主にプロジェクトの行程を区切る際に使われる言葉です。例えば、ビジネスにおいて「第一フェーズから第二フェーズに移る」といったように使われることがあります。
一方で、マイルストーンはプロジェクトの中間目標という意味合いがあり、フェーズとは全く言葉の使われ方が異なります。区切りや節目があるという点で、両者がよく混同されがちですが、フェーズのようにマイルストーンには一定の期間が含まれません。マイルストーンはあくまでも、プロジェクトの中間目標やチェックポイントなど位置を示す言葉です。
3-5. ベンチマークとの違い
ベンチマークは元々、測量の分野において水準点を示す言葉です。現在は測量の分野から転じて、株式市場の指標の基準であったり、製品品質の評価・比較のための基準だったりと、ビジネスで幅広く使われています。
一般的には評価する際の比較基準として使うことが多く、例えば優秀な競合他社をベンチマークとして分析し、自社の経営改善に活かすといった使われ方があります。
目標を設けるという点で両者とも共通するところがありますが、マイルストーンには比較基準という要素が入らない点に大きな違いがあります。
3-6. メルクマールとの違い
メルクマールは、ドイツ語で「中間目標」や「目標達成までの道のり」といった意味をもつ言葉です。マイルストーンと似た意味をもつことから、同じように使われることがあります。しかし、厳密に言うと意味がそれぞれ異なります。
マイルストーンは期日までに目標達成できそうかどうか進捗度を測る指標であるのに対し、メルクマールは現時点での目標の達成度を測る指標です。プロジェクト管理をする上で両者とも有効な指標となるので、それぞれの違いや意味を理解して上手く使い分けましょう。
4. マイルストーンの書き方や使い方
実際にマイルストーンを作り、設定する場合は以下の流れで進めるとスムーズです。プロジェクトの規模やタスク、期限などを考えて設定しましょう。
4-1. 期日を決める
まずは、プロジェクトをいつまでに完了させるのか明確な期日を決めます。不測の事態やアクシデントなどが生じる可能性も踏まえて、余裕をもたせた期日を設定しましょう。
4-2. 必要なタスクを洗い出す
マイルストーンを設定するには、プロジェクト達成に必要なタスクを洗い出すことが重要です。漏れがあるとプロジェクト達成に支障が及ぶため、すべて洗い出しましょう。やるべきタスクが多い場合は、優先度や重要度でそれぞれグループ分けしておくと、マイルストーンを設定する際にスムーズです。
また、設定したタスクごとに期日を設定すると、進捗管理がしやすくなります
4-3. ガントチャートを作成する
ガントチャートはプロジェクトに関連するタスクを網羅したリストです。タスクごとに進捗を管理する手法であるため、ガントチャートを作成すれば設定すべきマイルストーンを把握しやすくなります。
4-4. マイルストーンを設定する
ガントチャートで把握したタスクは、プロジェクトの完了までにすべてクリアしなくてはいけません。そのため、区切りごとにマイルストーンを設定し、チェックポイントのように通過したことが分かるようにしておきましょう。
また、マイルストーンで目標や期日を決めても、それを管理する人がいなければ活用しきれません。マイルストーンを管理し、設定したタスクや期日に無理がないか、遅れや間違いが発生していないか、十分に把握できるように人員を配置しましょう。
5. マイルストーンの使い方例
マイルストーンの設定の仕方は、プロジェクトの種類によって異なります。ここでは、2つのプロジェクトを例にマイルストーンがどのように設定されているのか、具体例をご紹介します。
ソフトウエア開発でのマイルストーン設置例 | ・要件定義 ・内部設計 ・外部設計 ・実装 ・テスト ・リリース |
商品企画でのマイルストーン設置例 | ・企画立案 ・市場調査 ・予算の計画表作成 ・商品設計 ・量産設計 ・試作評価 ・振り返り |
マイルストーンを設定するには、先述でも解説のとおりタスクの洗い出しやガントチャートの作成が有効です。ここでご紹介した具体例も参考にして、プロジェクトに合わせたマイルストーンの設定をおこないましょう。
6. マイルストーンを管理する上での注意点
マイルストーンは、設定することでタスクや進捗管理がしやすくなり、プロジェクトの進行を助けてくれます。しかし、正しく設定や管理をしないと逆効果になることがあります。以下の4点には十分に注意しましょう。
6-1. 必要以上に細かく設定しない
マイルストーンを設定し、それを達成していくことはプロジェクトの成功に欠かせないステップです。しかし、細かく設定し過ぎると常に締切やタスクに追われている状態になり、プロジェクトメンバーの負担になるケースがあります。
また、細か過ぎるマイルストーンは混乱の原因にもなります。ゴールに到達するために必要な中間地点を洗い出し、効果的なポイントに絞って設定しましょう。
6-2. 現実的な設定にする
日程やタスク量を設定しても、担当するメンバーが対応できる設定でなければ意味がありません。上層部の理想や要望を押し付けるだけの設定にならないように、担当者の能力も考慮して設定するようにしましょう。無理のあるマイルストーンの設定はミスやトラブルを招きます。
6-3. タスクの偏りにも意識を向ける
優秀なメンバーは仕事が早く、より多くのタスクを任せられる頼りになる存在です。しかし、その人に多くのタスクを任せてしまうと、結果的に遅れや悪影響が発生する恐れがあります。
期日だけでなく、タスクが偏り過ぎないように気を配るようにしましょう。コミュニケーションを取って、問題が発生していないか確認することも重要です。
6-4. 余裕工程も把握する
他社と連携しているプロジェクトの場合、余裕工程も把握しておきましょう。余裕工程とは、遅れが生じても影響がない期間を指し、プロジェクト実行の前にあらかじめ設定しておくものです。
不測の事態でスケジュールに遅れが発生した際に、この余裕工程あれば、マイルストーンを設定しなおして軌道修正することができます。
7. マイルストーンを設定して進捗をしっかり把握しよう
マイルストーンとは、プロジェクトに必要なタスクの管理をしやすくする手法です。長期プロジェクトでは、ロードマップに加えてマイルストーンを設定することで、大幅に進捗状況の管理がしやすくなります。遅れを防止し、チーム全体で進捗を把握するためにぜひ設定しましょう。
マイルストーンを設定する際は、必要なポイントに絞ることと現実的な目標設定をすることが大切です。メンバーの負担にも気を配り、スケジュールを押し付けることがないようにしましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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