従業員のモチベーションはコントロールできる?人事担当ができるサポートを解説
更新日: 2024.1.16
公開日: 2023.6.18
OHSUGI
従業員の生産性の向上や企業利益を上げるために、無視できないのが従業員の仕事へのモチベーションです。モチベーションの状態と企業の成長度合いは比例関係にあり、人事担当は、できる限りモチベーションアップを図りたいところです。しかし、従業員のモチベーションコントロールは簡単ではありません。
ここでは、モチベーションコントロールの基本から、メリットや改善方法までを詳しく解説します。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. 従業員のモチベーションはコントロールできる?
モチベーションは仕事の正確性や効率に大きく影響する要因ですが、目に見えず、自分でもコントロールが難しいものです。他者が影響を与えることができるのか、まずは解説します。
1-1. モチベーションのコントロールは可能
モチベーションは個人の精神的なものであるため、コントロールしにくいものです。しかし、従業員が抱える不満や課題を着実に解決していくことで、モチベーションも次第に高まります。完全にコントロールすることは難しいですが、モチベーションアップを促すような環境整備は可能です。
「公正な評価をされたい」「大きな裁量権を持ちたい」「やりがいのある仕事がしたい」など、従業員の欲望とモチベーションの状態を把握し、それに基づいた施策を実施しましょう。
1-2. 仕事におけるモチベーションの種類
仕事におけるモチベーションの種類は、「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類に分類されます。それぞれの特徴を知っておくことで、モチベーション管理がしやすくなります。
1-2-1. 内発的動機付け
内発的動機付けは、本人が「自分はこれがやりたい」という内にある欲望に基づいて、行動を起こす動機です。
例えば、意欲的に資格取得に挑戦したり、やりがいを感じる業務への異動を希望したりするなど、行動要因となるのは興味・関心です。ほかにも、達成感や好奇心、探求心なども内発的動機付けに当てはまります。
内発的動機付けは、他者がコントロールすることは難しく干渉できないものの、その度合いが強ければ強いほど高い集中力を発揮し、モチベーションも高いまま持続しやすいという特徴があります。
1-2-2. 外発的動機付け
外発的動機付けは、昇格やインセンティブなど他者によって報酬を与えられたことが行動要因になっている状態を指します。本人の意思はそこになく、外部からの物理的・精神的な要因によって変動するモチベーションです。
刺激を受けた直後は、すぐにモチベーションが上がる即効性の高い動機付けです。しかし、慣れや耐性が付くことで徐々に沈下していき、持続性があまりありません。受動的な動機付けであり、外発的動機付けのみでモチベーションをコントロールすることは困難です。
2. モチベーションをコントロールするメリット
従業員のモチベーションをコントロールし、向上や維持を図ることはさまざまなメリットを生み出します。主なメリットは、生産性の向上・従業員の成長・離職率の低下で、いずれも企業成長に欠かせないものです。
2-1. 生産性が向上する
モチベーションが高い従業員は、能動的にさまざまな行動をするようになります。問題点の発見や効率の改善など、命じられた業務以外にも取り組むことで、サービスや品質、生産性の向上が見込め、企業の成長を支えるようになるでしょう。
2-2. 従業員の成長につながる
モチベーションが高くやる気に満ちている従業員は、より会社に貢献しようと高い目標を掲げます。自ら勉強し、スキルアップや課題への取り組みをおこない、成長をみせてくれるはずです。
2-3. 離職率を抑えやすくなる
モチベーションが低い従業員は、会社への愛着や信頼も薄くなり、離職を考えやすい精神状態に陥ります。意欲が低下している従業員に対し、モチベーションコントロールができれば離職を防ぎやすくなります。
3. モチベーションをコントロールする方法
人事施策でモチベーションをコントロールし、向上を図る際には、外発的動機付けだけでなく、内発的動機付けを意識した施策が必要です。効果的な7つのモチベーションを上げる方法を紹介します。
3-1. 社内制度や労働環境を見直す
会社への不満はモチベーションの低下を招きます。従業員の不満を生まないために、社内制度の充実化と労働環境の改善が大切です。
公正な人事評価やインセンティブ制度のほか、キャリアパスを支援できるような資格取得制度などのサポート体制を整えましょう。また、長時間労働や残業を取り締まり、ワークライフバランスを担保できる労働環境に整備することも重要です。
3-2. モチベーションサーベイや従業員満足度調査を導入する
従業員が抱える不満や問題などの課題解決を目的として、意識調査を導入するのも効果的です。
目的に応じて、個人の精神面の分析にフォーカスした「モチベーションサーベイ」や、従業員の働きやすさの程度を調査する「従業員満足度調査」を活用するとよいでしょう。通常可視化できない、個人の内面にあるものが数値化されてスコアとして捉えられるため、状態の把握に役立ちます。
3-3. 評価制度を見直し透明性を高める
「頑張っているのに評価されない」「結果を出したのに認めてもらえない」など、評価に対する不満はモチベーションの低下に直結します。しかし、評価されなかった理由や評価基準が明確になっていれば、従業員は自身の課題やとるべき行動を見つけることができます。それは内的動機付けのきっかけになるでしょう。
評価制度を見直し、透明性を高めることはモチベーションコントロールに欠かせません。
3-4. 企業ビジョンやミッションを共有する
何を目的に業務を遂行しているか分からないと労働意義を感じられず、モチベーションが下がる傾向にあります。チームや個人単位でのミーティングを実施し、企業ビジョンやミッションについて改めて全従業員に共有する機会を作りましょう。
業務目的の明確化、組織的一体感の醸成が促されれば、働く意義を見つけてモチベーションを向上、維持しやすくなります。
3-5. 適性やスキルに応じた人員配置をおこなう
「入社前に思っていた仕事と違った」「もっと自分の能力を生かせる仕事がしたい」などの実際の仕事内容とのギャップは、モチベーション低下の要因です。適性・スキルに応じた裁量権の付与や、本人の希望を踏まえた人員配置を行い、従業員の成長をサポートできる体制を整えましょう。
3-6. 社員が自分で考えて行動する機会を作る
上司からの命令でのみ動く状態が続くと、仕事への責任感や意欲が薄れ、モチベーションが下がり始めます。ある程度は従業員が自分で考えて判断したり、行動したりできる余裕を持たせることもモチベーションの向上には重要な要素です。
3-7. 成功体験を積ませる
成功体験は人を成長させるとともに、チャレンジ精神を育んでモチベーションを上げます。新入社員や経験の浅い従業員に対して、簡単なミッションを命じて成功体験を積ませることも、モチベーションコントロールのひとつです。
4. 従業員にセルフモチベーションコントロールを啓蒙する方法
人事施策によるアプローチに加えて、従業員にセルフモチベーションを身に付けてもらうことで、本人はもちろん周囲の従業員にも良い影響を与えることができます。
セルフモチベーションの啓蒙には以下の3つが効果的です。
4-1. 賞賛文化を浸透させる
従業員の貢献度に感謝を伝える賞賛文化を根付かせることで、働きやすい環境づくりを形成し、モチベーションアップを促します。形式化させる場合は、「サンクスカード」を贈り合う文化を起したり、社内表彰制度を充実させたりするなども一手です。
単に「ありがとう」「おめでとう」と伝えるだけでなく、具体的な評価内容を伝えることで、従業員の成長意欲を高めます。
4-2. 業績に応じた裁量権を付与する
他者からの期待を受けることで、パフォーマンスが向上する「ピグマリオン効果」を利用した心理的施策を講じてみるのもおすすめです。
例えば、高い裁量権を付与することは、従業員を信頼し仕事を任せていると捉えられ、間接的に「期待している」という意味合いを伝えることができます。この時、従業員が自己判断できる範囲を広げてあげると、より高いピグマリオン効果を期待できます。
4-3. 明確な目標設定を持たせる
「何を達成したいのか」「なぜそれをやるのか」という業務遂行における目的を明確にすることで、能動的な活躍を促すことができます。こういったアクティブな姿勢は高みを目指しやすいため、自然とモチベーションアップにつながるでしょう。
また、この時スモールゴールをいくつも作ることがポイントです。最初から目標が高すぎると、かえってモチベーションが低下しやすいため、小さなことから段階的な目標設定をするようにしましょう。
4-4. 研修やトレーニングを導入する
社内の勉強会や外部のサービスを利用して、モチベーションを上げる研修やトレーニングを実施することも検討してみましょう。新入社員からベテラン社員まで、幅広い社員のモチベーションに対する意識に効果的です。
モチベーションの上げ方が分からない社員や、やる気が低下している社員に対して刺激を与え、自分でモチベーションを管理するという考え方を根付かせることにもつながります。
5. モチベーションをコントロールして働きやすくやりがいのある職場にしよう
モチベーションのコントロールは、従業員個人の状態を把握することから始まり、それぞれに対する施策が必要になります。そのため、決して簡単なことではありません。自社に最適な施策を検討し、効果的なアプローチができれば、大きな組織的成長が期待できます。
まずは、モチベーションの可視化から始め、従業員のモチベーションアップを目指しましょう。
関連記事:部下のモチベーション管理をうまく成功させる具体的な方法
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
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