従業員のモチベーションはコントロールできる?コントロールのメリットや方法を解説
更新日: 2026.1.30 公開日: 2023.6.18 jinjer Blog 編集部

従業員の生産性の向上や企業利益を上げるために、無視できないのが従業員の仕事へのモチベーションです。モチベーションの状態と企業の成長度合いは比例関係にあるので、人事担当は、できる限りモチベーションアップを図りたいところではないでしょうか。しかし、従業員のモチベーションコントロールは簡単ではありません。
そこでここでは、モチベーションコントロールの基本から、メリットやコントロールする方法などを詳しく解説します。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。
1. 従業員のモチベーションはコントロールできる?

モチベーションは仕事の正確性や効率に大きく影響する要因ですが、目に見えず、自分でもコントロールが難しいものです。
しかし、従業員のモチベーションは、単なる気分や性格の問題ではなく、環境や制度、評価方法によってある程度コントロールできます。企業側が適切な働きかけを行うことで、社員のやる気や意欲を引き出すことが可能です。
ここでは、モチベーションコントロールが可能であること、またモチベーションの種類を解説します。
1-1. モチベーションのコントロールは可能
モチベーションは個人の精神的なものであるため、コントロールしにくいものです。しかし、従業員が抱える不満や課題を着実に解決していくことで、モチベーションも次第に高まります。完全にコントロールすることは難しいですが、モチベーションアップを促すような環境整備は可能です。
「公正な評価をされたい」「大きな裁量権を持ちたい」「やりがいのある仕事がしたい」など、従業員の欲望とモチベーションの状態を把握し、それに基づいた施策を実施しましょう。
適切な制度設計と従業員の動機を理解することで、企業は計画的にモチベーションをコントロールできます。
1-2. 仕事におけるモチベーションの種類
仕事におけるモチベーションの種類は、「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類に分類されます。モチベーションコントロールのための適切な制度や働きかけを設計するには、両者を理解しておくことが重要です。
ここでは、それぞれの特徴を解説します。
1-2-1. 内発的動機付け
内発的動機付けは、本人が「自分はこれがやりたい」という内にある欲求に基づいて、行動を起こす動機です。
例えば、意欲的に資格取得に挑戦したり、やりがいを感じる業務への異動を希望したりするなど、行動要因となるのは興味・関心です。ほかにも、達成感や好奇心、探求心なども内発的動機付けに当てはまります。
内発的動機付けは、他者がコントロールすることは難しく干渉できないものの、その度合いが強ければ強いほど高い集中力を発揮し、モチベーションも高いまま持続しやすいという特徴があります。
1-2-2. 外発的動機付け
外発的動機付けは、昇格やインセンティブなど他者によって報酬を与えられたことが行動要因になっている状態を指します。本人の意思はそこになく、外部からの物理的・精神的な要因によって変動するモチベーションです。
適切な基準で評価されることで、社員は努力が報われる実感を持ち、仕事への取り組みが前向きになります。刺激を受けた直後は、すぐにモチベーションが上がる即効性の高い動機付けです。しかし、外発的動機付けは、慣れや耐性が付くことで徐々に沈下していくため、あまり持続性がありません。外発的動機付けは内発的動機付けと組み合わせることで持続性を維持できる、ということを覚えておきましょう。
2. モチベーションをコントロールするメリット

従業員のモチベーションをコントロールし、向上や維持を図ることはさまざまなメリットを生み出します。主なメリットは、以下の3つです。
- 生産性が向上する
- 従業員の成長意欲と主体性が高まる
- 離職率の低下や定着率の向上につながる
ここでは、これらのメリットについて解説します。
2-1. 生産性が向上する
モチベーションが高い従業員は、能動的にさまざまな行動をするようになります。
この行動を引き出すには、適切な労働時間管理や労働環境の整備し、過重労働を防ぐ施策を取り入れるのが有効です。例えば、裁量労働制やフレックスタイム制を導入したり、社員が自分のペースで業務に集中できる環境を作ったりするなどの施策がおすすめです。
問題点の発見や効率の改善など、命じられた業務以外にも取り組むことで、サービスや品質、生産性の向上が見込め、企業の成長を支えるようになるでしょう。
2-2. 従業員の成長意欲と主体性が高まる
モチベーションをコントロールし、適切な評価やフィードバックをおこなうことで、従業員は自らの成長に関心を持ち、主体的に行動するようになります。
モチベーションが高くやる気に満ちている従業員は、より会社に貢献しようと高い目標を掲げます。自ら勉強し、スキルアップや課題への取り組みをおこない、成長をみせてくれるはずです。
その結果、組織全体の業務効率や創意工夫が促進されるので、職場全体が活性化する効果も期待できます。
2-3. 離職率の低下や定着率の向上につながる
モチベーションが高い職場では、従業員の定着率が向上し、離職リスクが低下します。
モチベーションが低い従業員は、会社への愛着や信頼も薄くなり、離職を考えやすい精神状態に陥ります。意欲が低下している従業員に対し、モチベーションコントロールができれば離職を防ぎやすくなります。
また、モチベーション向上は職場の雰囲気やチームワークにも良い影響を与えるので、結果として組織全体の安定にもつながります。
3. 従業員のモチベーションをコントロールする方法

人事施策でモチベーションをコントロールし、向上を図る際には、外発的動機付けだけでなく、内発的動機付けを意識した施策が必要です。
ここでは、7つのモチベーションを上げる効果的な方法を紹介します。
3-1. 社内制度や労働環境を見直す
会社への不満はモチベーションの低下を招きます。従業員の不満を生まないために、社内制度の充実化と労働環境の改善が大切です。
公正な人事評価やインセンティブ制度のほか、キャリアパスを支援できるような資格取得制度などのサポート体制を整えましょう。また、長時間労働や残業を是正し、ワークライフバランスを担保できる労働環境に整備することも重要です。
3-2. モチベーションサーベイや従業員満足度調査を導入する
従業員が抱える不満や問題などの課題解決を目的として、意識調査を導入するのも効果的です。
目的に応じて、個人の精神面の分析にフォーカスした「モチベーションサーベイ」や、従業員の働きやすさの程度を調査する「従業員満足度調査」を活用するとよいでしょう。通常可視化できない、個人の内面にあるものが数値化されてスコアとして捉えられるため、状態の把握に役立ちます。
結果をもとに、制度改善や教育施策を計画することで、社員の意欲低下を早期に把握し、適切な対策を講じることが可能です。
3-3. 評価制度を見直し透明性を高める
「頑張っているのに評価されない」「結果を出したのに認めてもらえない」など、評価に対する不満はモチベーションの低下に直結します。しかし、評価されなかった理由や評価基準が明確になっていれば、従業員は自身の課題やとるべき行動を見つけることができます。それは内的動機付けのきっかけになるでしょう。
評価結果をフィードバックし、改善点や達成度を社員が理解できるようにすることで、納得感と自己成長意欲が高まります。
評価制度を見直し、透明性を高めることはモチベーションコントロールに欠かせません。
3-4. 企業ビジョンやミッションを共有する
何を目的に業務を遂行しているか分からないと労働意義を感じられず、モチベーションが下がる傾向にあります。チームや個人単位でのミーティングを実施し、企業ビジョンやミッションについて改めて全従業員に共有する機会を作りましょう。
ビジョンに沿った目標設定や評価制度と組み合わせることで、社員は自身の行動と成果の関連性を認識し、自発的に行動しやすくなります。業務目的の明確化と組織的一体感の醸成を促すことができれば、働く意義を見つけてモチベーションを向上、維持することも可能です。
3-5. 適性やスキルに応じた人員配置をおこなう
「入社前に思っていた仕事と違った」「もっと自分の能力を生かせる仕事がしたい」などの実際の仕事内容とのギャップは、モチベーション低下の要因です。適性・スキルに応じた裁量権の付与や、本人の希望を踏まえた人員配置をおこない、従業員の成長をサポートできる体制を整えましょう。
また、業務量や責任範囲のバランスを考慮することで、過重労働やストレスによる意欲低下を防止できます。適材適所の配置は、社員の主体的な行動を促し、組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。
3-6. 社員が自分で考え行動できる環境をつくる
社員が自分で考え行動できる環境をつくることは、内発的動機付けを高めます。意思決定の裁量や業務改善提案の機会を提供することで、従業員は自ら考え行動する習慣を身につけます。
会社側が権限委譲と責任範囲の明確化することで、トラブルや不正リスクを回避しつつ自主性を促せるのです。主体的に行動できる環境は、社員の成長と組織の柔軟性向上に直結し、長期的なモチベーション維持にもつながります。
上司からの命令でのみ動く状態が続くと、仕事への責任感や意欲が薄れ、モチベーションが下がり始めます。そのため、従業員が自分で考えて判断したり行動したりできる余裕を持たせることは、モチベーションの向上に重要な要素となります。
3-7. 達成感を得られる機会を増やす
社員が達成感を感じられる機会は、モチベーション維持に不可欠です。目標達成や成果の可視化、業務改善の実績を評価することで、従業員は自らの貢献を実感できます。
また、チームでの成功体験やプロジェクト完了の達成感を共有することで、意欲も高まりやすくなります。定期的に達成感を得られる環境を作ることは、長期的なモチベーション向上に直結します。
成功体験は人を成長させるとともに、チャレンジ精神を育んでモチベーションを上げます。新入社員や経験の浅い従業員に対して、簡単なミッションを命じて成功体験を積ませることも、モチベーションコントロールのひとつです。
4.モチベーションコントロールが難しいときの対処法

従業員のモチベーションはさまざまな要因で低下することがあり、必ずしも計画通りにコントロールできるとは限りません。人間関係や業務負荷、評価への不満などが原因で意欲が低下する場合もあります。
しかし、意欲低下をそのままにしておくと、業務効率が悪くなったり業績が悪化したりするなどの影響があるかもしれません。
そこでここでは、モチベーション低下の原因を分析する方法や初期対応とフォローの方法を解説します。
4-1. モチベーションが下がる原因を分析する
モチベーション低下の原因は多岐にわたります。従業員の性格や考え方によっても低下原因は異なりますが、仕事の内容や量、評価の不透明さ、人間関係、働き方の制約などが挙げられます。
原因を特定するのは難しいかもしれませんが、まずは定期的な面談やサーベイを活用し、個々の状況や悩みを把握することで糸口を見つけることにつながります。また、業務負荷の偏りや法令違反の可能性がないかも確認しましょう。
原因を正確に把握すれば適切な対応策を講じることができるので、早期にモチベーション回復を図ることが可能です。
4-2. 上司や人事ができる初期対応とフォローの方法
モチベーションの低下が見られた場合は、上司や人事が早急に対応しましょう。
まずは面談で現状を丁寧にヒアリングし、課題を共有します。その上で、業務内容や目標の調整、研修やサポートの提供、評価制度の説明など具体策を提示します。
その際には、労働基準法をはじめとする各種労働関連法規に基づいた適正な対応と、記録管理をおこなうことが大切です。労務的な問題がある場合には、各部署で連携してフォローする必要があります。
初期対応とフォローを継続的におこなうことで、社員の信頼感を維持し、モチベーション回復につなげることができます。
5. 従業員にセルフモチベーションコントロールを啓発する方法

人事施策によるアプローチに加えて、従業員にセルフモチベーションを身に付けてもらうことで、本人はもちろん周囲の従業員にも良い影響を与えることができます。
セルフモチベーションの啓発には以下の4つが効果的です。
- 賞賛文化を浸透させる
- 業績に応じた裁量権を付与する
- 明確な目標設定を持たせる
- 研修やトレーニングを導入する
ここでは、これらの啓発方法について解説します。
5-1. 賞賛文化を浸透させる
従業員の貢献度に感謝を伝える賞賛文化を根付かせることで、働きやすい環境づくりを形成し、モチベーションアップを促します。日常の業務での小さな成功や工夫を称えることで、社員は自分の行動が評価されていると実感できます。
形式化させる場合は、「サンクスカード」を贈り合う文化を起したり、社内表彰制度を充実させたりする方法がよいでしょう。
単に「ありがとう」「おめでとう」と伝えるだけでなく、具体的な評価内容を伝えることで、従業員の成長意欲を高めます。
5-2. 業績に応じた裁量権を付与する
他者からの期待を受けることで、パフォーマンスが向上する「ピグマリオン効果」を利用した心理的施策を講じてみるのもおすすめです。
例えば、高い裁量権を付与することは、従業員を信頼し仕事を任せていると捉えられ、間接的に「期待している」という意味合いを伝えることができます。この時、従業員が自己判断できる範囲を広げてあげると、より高いピグマリオン効果を期待できます。
従業員に業務遂行の裁量を与えることは、主体性や自己効力感を高める有効な方法です。
5-3. 明確な目標設定を持たせる
「何を達成したいのか」「なぜそれをやるのか」という業務遂行における目的を明確にすることで、能動的な活躍を促すことができます。こういったアクティブな姿勢は高みを目指しやすいため、自然とモチベーションアップにつながるでしょう。
目標設定をする時には、この時スモールゴールをいくつも作ることがポイントです。最初から目標が高すぎると、かえってモチベーションが低下しやすいため、小さなことから段階的な目標設定を持たせるようにしましょう。
また、定期的に進捗を確認し、達成度に応じたフィードバックをおこなうことで、社員は自律的にモチベーションを管理できるようになります。
5-4. 研修やトレーニングを導入する
社内の勉強会や外部のサービスを利用して、モチベーションを上げる研修やトレーニングを実施することも検討してみましょう。新入社員からベテラン社員まで、幅広い社員のモチベーションに対する意識に効果的です。
モチベーションの上げ方がわからない社員や、やる気が低下している社員に対して刺激を与え、自分でモチベーションを管理するという考え方を根付かせることにもつながります。
また、学んだ知識やスキルが業務に活かされる環境を整えることで、社員の自発的な行動をうながす効果も期待できます。
6. モチベーションコントロールで働きやすくやりがいのある職場にしよう

モチベーションのコントロールは、従業員個人の状態を把握することから始まり、それぞれに対する施策が必要になります。そのため、決して簡単なことではありません。自社に最適な施策を検討し、効果的なアプローチができれば、大きな組織的成長が期待できます。
社内制度や満足度評価、働きやすい環境の整備に加え、セルフモチベーションを促す文化や研修を導入するなど施策はいろいろあるので、従業員の意見も取り入れて検討してみるのがおすすめです。さまざまな取り組みを積み重ね、働きやすくやりがいのある職場にしていきましょう。
関連記事:モチベーション管理とは?失敗例から学ぶ部下のやる気アップに成功するコツと管理方法
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。
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