OKRにおける目標設定の方法をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

OKRにおける目標設定の方法をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

OKRにおける目標設定の方法をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

OKRにおける目標設定の方法をわかりやすく解説

グラフを指さす

OKR(Objectives and Key Results)は日本語で「目標と成果指標」といい、従業員のパフォーマンスを改善するための目標管理方法です。従来の目標管理方法と違い、程よい難易度のストレッチゴールを設定する点に特徴があります。組織にOKRを導入する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。本記事では、OKRにおける目標設定の方法や具体例、注意点を解説します。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

人事評価のebook

1. OKRを用いた目標設定の方法

目的

OKRはGoogle社をはじめとしたシリコンバレーのIT企業が取り入れ、世界中のさまざまな企業で運用されている目標管理方法です。OKRは目標(Objectives)と成果指標(Key Results)の2つの要素に分けられます。Google社は、OKRにおける目標と成果指標を以下のとおり説明しています。

  • 目標は、場合によっては若干気後れするくらいの高いレベルに設定します。
  • 成果指標は、数値化して測定し、簡単に評価できるようにします。

OKRの特徴は程よい難易度のストレッチゴールを設定する点です。目標の達成状況を見える化するため、1つのストレッチゴールにつき3個くらいの成果指標を設定しましょう。OKRにおける目標設定のポイントを3点紹介します。

参考:Google re:Work | OKRを設定する

1-1. 達成率が60~70%のストレッチゴールを設定する

OKRのほかにも、目標管理制度(MBO)や重要業績評価指標(KPI)などの目標管理方法が知られています。従来の目標管理方法とOKRの違いは、簡単には達成できないようなストレッチゴールを設定する点です。Google社は、ストレッチゴールを設定するメリットを以下のとおり説明しています。

Googleでは、「ストレッチゴール」と呼ばれる、自身が可能と考える設定値より高い目標を設定することがよくあります。達成不可能な目標を定めることは、チームを失敗に導いているのではないかと見られる可能性もあるため、注意が必要です。しかし多くの場合、こうした目標は優秀な人材を引き付け、職場を活気に満ちた環境に変えてくれるものです。さらに、目標を高く設定すると、達成できなかった場合でも格段の進歩を遂げられることが少なくありません。
引用:Google re:Work | OKRを設定する

ストレッチゴールを設定することでチームや個人にチャレンジを促すと、組織活性化につながります。ストレッチゴールを完全には達成できなくても、長い時間をかけて目標達成に向けて取り組んだ経験が、さまざまなスキルやノウハウの獲得につながります。ただし、あまりにも高すぎる目標設定は逆効果です。そのため、Google社は達成率が60~70%となるようなレベルの目標設定を推奨しています。[注1]

OKRでは、目標の60~70%の達成率が理想的です。逆に、達成率が常に100%の場合、そのOKRの設定レベルが低いと言えるので、もっと野心的な目標を立てる必要があります。
引用:Google re:Work | OKRを設定する

参考:Google re:Work | OKRを設定する

1-2. 目標の数は3~5個に絞る

OKRで設定する目標の数は3~5個に絞りましょう。あまりにも多くの目標を設定すると、一つひとつの目標にチームや個人が集中できず、逆にパフォーマンスの低下につながる可能性があります。

目標は3~5個に絞ります。目標が多すぎるとチームにとって過度な負担になり、気が散って集中できなくなることがあります。
引用:Google re:Work | OKRを設定する

さらに、ひとつの目標につき3個くらいの成果指標を設定します。成果指標は数字やデータなど、客観的に計測可能なものを選びましょう。また、OKRで設定した目標と直接関わりがあり、成果指標をクリアすることで目標達成に結びつくものを設定することが大切です。

参考:Google re:Work | OKRを設定する

1-3. 企業・組織・個人それぞれで設定する

目標の設定方法は、企業・組織・個人によって異なるため、それぞれ個別に設定する必要があります。

まずはOKRのOに該当する企業としての目標を設定します。具体的には、企業の経営目標や経営戦略など、全社的な指針を検討・決定します。

次に、チームや部門といった組織単位での目標を設定します。各々のチームや部署で、企業が掲げる目標を達成するために必要なこと、求められていることを検討し、適切な目標を定めます。

最後に、従業員個人の目標を設定します。チームや部門で設定した目標を達成するためのタスクを細分化し、従業員に割り振ることで、自分が何をすべきか、どんな目標を立てるべきかが明確になります。

個人の目標は、上位に位置するチームや部門ごとの目標、ひいては企業の目標の達成に貢献する内容を設定することが大切です。

1-4. KRについても着目する

OKRを意識した目標を設定する場合、KRについても着目しましょう。KRを考える際は次のような3つを意識することが大切です。

  • 定量的に測れる
  • 客観的に評価可能
  • 困難だが実現可能

KRはOを達成したことが分かる指標です。そのため、どうして達成したのかが分かるように具体的な数字を設けましょう。

2. OKRにおける目標設定の具体例

悩む男性

例えば、SaaSにおけるOKRの具体例を考えてみましょう。

  • サービスの収益を前年比◯%の割合で成長させる
  • カスタマーサクセスを実現し、サービスの顧客満足度を高める

顧客満足度の向上をストレッチゴールに設定する場合「5つの新機能をリリースする」といった成果指標が考えられます。数値化可能な成果指標を設定することで、目標達成度を客観的に評価することが可能です。例えば、3つの機能をリリースした場合は0.6(60%)、4つの機能をリリースした場合は0.8(80%)がOKRのスコアになります。

Google社のコラムでも、OKRの具体例が2つ挙げられています。

目標 [製品名]の収益の成長を加速させる
成果指標 ● xx機能を全ユーザーにリリースする
● xxに取り組み、ユーザー1人あたりの収益をxx%増加させる
● 収益に特化した3つの実験を実施し、収益の成長を促進する要因を特定する
● xx機能をリリースするための技術サポート体制を第1四半期中に整備する
目標 [製品名]の評判を上げる
成果指標 ● 3つの業界イベントで講演をおこない、[製品名]の市場牽引力を再構築する
● トップユーザーxx人を特定し、個人的に働きかける
● ユーザーのエラー報告に対する応答時間をxx%短縮する

OKRにおける目標は、設定したら終わりではありません。可能であれば四半期ごとに再検討し、チームや個人の能力に合わせて調整していくことが大切です。

参考:Google re:Work | OKRを設定する

2-1. 企業の目標設定の具体例

企業全体のOKRは、その下の組織や従業員個人の目標設定の指標となるものですので、会社の経営戦略と連動するものや、従業員のモチベーションを高めるものを選択するのがポイントです。
具体的には、自社商品でトップシェアを獲得する、新規参入するビジネスを全国展開させる、顧客満足度の向上を目指す等です。

目標が定まったら、達成度を測る具体的な成果例を決定します。
例えば自社商品でトップシェアを獲得するために、当該商品の売り上げ前年比2億円アップを目指すなど。
企業全体の目標は規模が非常に大きいため、一度に複数の目標を掲げると達成が難しくなる上、組織や従業員に負担がかかります。
企業の目標は多くても2~3個以下に抑えたほうがよいでしょう。

2-2. 組織の目標設定の具体例

チームや部門など組織の目標は、上位にある企業の目標達成に直結するものを設定するのが基本です。
例えば自社商品でトップシェアを獲得することを企業目標に掲げている場合は、当該商品の魅力や強みを既存の取引先に紹介する、競合他社の商品を分析し、より良いアピール方法を模索するなどです。
分析や調査は個々でおこなうよりも、メンバーや他部門と連携し、その結果を踏まえて今後のチームとしての行動方針を決めたほうが、足並みを揃えて業務に取り組めるようになります。

目標を定めたら、売り上げや案件の獲得数など、具体的な数値を落とし込みます。
例えば自社商品を既存の顧客3,000人にアピールするなどが挙げられます。
ここで設定した成果例は、次に紹介する個々の目標や成果例のベースになりますので、チームメンバーの数や能力などを鑑み、達成可能な数値を定めることが大切です。

2-3. 個人の目標設定の具体例

従業員個人の目標は、チームや部門で設定した目標や成果例をもとに決定します。
例えばAさんはCエリアで既存顧客へのアピールをおこない、Bさんは自社商品への反響を調査・分析するといった目標を掲げます。
個人の目標や、従業員の役職や等級、能力などに合わせて、適宜調整しながら設定することを意識します。
目標が定まったら、具体的な数値をあげて個人の成果例を決めていきます。
例えばAさんは既存顧客100人にアポを取り、自社商品をアピールする。Bさんは自社商品に寄せられた意見や感想1,000件分を集計し、分析するなどです。
目標達成に必要なタスクはメンバーの人数に応じて細分化しますが、全員が足並みを揃えてタスクを処理できるよう、仕事量や仕事内容を調整することが大切です。

3. OKRにおける目標設定の注意点

注意

OKRにおける目標設定では、以下の5点に注意する必要があります。

  • ビジネス上の価値が低い目標を設定しない
  • 現状維持でよしとしない
  • 曖昧な言葉は使わない
  • 目的は途中で変更しない
  • 管理者だけでOKRを設定しない

3-1. ビジネス上の価値が低い目標を設定しない

OKRで設定する目標は、自社のビジネスと関わりがあるものにしましょう。ビジネス上の価値が低い目標を設定しても、自社にとって利益はほとんど生まれないため、投入したリソースがムダになります。自社のビジネス目標から逆算し、目標の達成が収益増につながるようなストレッチゴールを設定しましょう。

3-2. 現状維持でよしとしない

前述のとおり、OKRは簡単には達成できないストレッチゴールを設定し、チームや個人のパフォーマンスを改善するマネジメント手法です。現状維持でよしとするのではなく、さらなる高みを目指すための目標を設定する必要があります。

Google社のコラムでも、目標を設定する際のヒントとして、以下の2点が記載されています。

「採用を続ける」、「市場での地位を維持する」、「Xを継続する」など、さらなる高みを求めない表現は使わないようにします。
「山を登る」、「パイを5つ食べる」、「Yという機能を実装する」など、到達点や状態を示す表現を使用します。
引用:Google re:Work | OKRを設定する

3-3. 曖昧な言葉は使わない

OKRで設定する目標は、明確かつ具体的な言葉で表現しましょう。曖昧な言葉で表現すると、目標が達成されたかどうかを具体的に検証できません。また、目標が抽象的すぎると目標達成までのプロセスがイメージしづらいため、目標達成度の悪化につながることもわかっています。[注1]

具体的、客観的、かつ明確な言葉を使用します。目標が達成されたかどうか、客観的に見て明らかであることが必要です。目標の具体性が高いほど、達成できる割合も高いことが調査により明らかになっています。
引用:Google re:Work | OKRを設定する

参考:Google re:Work | OKRを設定する

3-4. 目的は途中で変更しない

一度目的を設定したら、途中で変更は避けましょう。目的に向けて従業員それぞれの目標が設定されています。そのため、途中で目的を変更してしまっては、それまでの従業員の苦労が無駄になってしまいます。目的は変更されてしまっては従業員のモチベーションも低下しかねません。

3-5. 管理者だけでOKRを設定しない

管理者だけでOKRを設定してしまうと、従業員から納得を得られない可能性があります。OKRは導入することで、組織が同じ方向を向いて動けるというのがメリットのひとつです。そのため、管理者がOKRを設定したら従業員とすり合わせを心掛けましょう。

4. OKRの目標設定方法を知り、チームのパフォーマンスを高めよう

笑顔で打合せする人々

目標管理制度(MBO)や重要業績評価指標(KPI)などの目標管理方法と違い、OKRは程よい難易度のストレッチゴールを設定するのが特徴です。OKRにおける目標達成率は60〜70%が理想的とされています。現状維持でよしとせず、簡単には達成できないチャレンジングな目標を設定しましょう。
また、目標の数を3~5個に絞ることで、チームが目標達成に向けて専心できます。OKRはチームや個人のパフォーマンス向上が期待できる目標管理方法です。Googleをはじめとした企業の取り組みを参考にしながら、適切な形でOKRを取り入れましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

人事評価のebook

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事