OKRは意味ない?導入に失敗する原因と対策を詳しく解説
更新日: 2023.9.1
公開日: 2023.3.10
OHSUGI
OKRはGoogle社をはじめとしたシリコンバレーのIT企業が導入し、世界中に広がったメソッドです。なぜOKRを導入してもうまくいかないのでしょうか。
OKRの導入に失敗する企業には、4つの共通点があります。OKRの導入に失敗する原因を知り、適切な対策を実施しましょう。本記事では「OKRは意味ない」と感じている方向けに、OKR導入に失敗する原因や、失敗を防ぐための対策をわかりやすく解説します。
1. OKRは意味ない?
OKR(Objectives and Key Results)は、難易度の高い目標を設定し、チームや個人のパフォーマンスを改善する目標管理方法です。日本語で「目標と成果指標」と呼ばれるとおり、明確なゴールを示す目標設定(Objectives)と、目標達成度を評価するための成果指標(Key Results)の2つの部分にわかれます。
OKRを導入したものの、なかなか成果が目に見えない企業も存在します。しかし、OKRは決して意味のないメソッドではありません。OKRはインテル社で生まれ、Google社をはじめとしたシリコンバレーのIT企業を中心に普及したメソッドです。たとえば、Google社は2000年代初めにOKRを導入し、1年単位と四半期単位の2つのスパンで目標設定を行っています。
OKRを導入してもうまくいかない原因は企業の制度設計にあります。OKRの導入に失敗する原因を知り、対策を考えましょう。
2. OKR導入に失敗する原因
企業がOKRの導入に失敗する原因は、大きく分けて4つあります。
- 目標の数が多すぎて集中できない
- 目標のレベルが適切ではない
- 達成すべき目標が共有されていない
- 目標を定期的に更新していない
まずは目標の数やレベルが適切かどうかを見直しましょう。達成すべき目標を組織全体で共有したり、再検討する機会を設けたりすることも大切です。
2-1. 目標の数が多すぎて集中できない
OKRの運用がうまくいかない企業に多いのが、目標の設定数が多すぎるケースです。目標の数が多すぎると、チームや個人の負担が大きくなり、個々の目標にリソースを集中できません。Google社のコラムによると、目標の設定数は3~5個が理想的です。[注1]設定したい目標をリストアップして洗い出し、3~5個に絞りましょう。
目標は3~5個に絞ります。目標が多すぎるとチームにとって過度な負担になり、気が散って集中できなくなることがあります。
[引用元]OKRを設定する|Google re:Work
2-2. 目標のレベルが適切ではない
目標のレベルが低すぎたり、高すぎたりしてもOKRはうまくいきません。OKRで設定する目標は、ストレッチゴールと呼ばれます。ストレッチゴールとは、「自身が可能と考える設定値より高い目標」のことです。OKRでは、達成するのに努力が必要な目標を設定することで、チームや個人が自分の殻を破るのを助け、高いパフォーマンスを引き出します。Google社のコラムによると、達成率が60~70%となるような目標レベルが理想的です。[注1]目標があまりにも簡単に達成できてしまう場合は、より難易度の高い目標に修正しましょう。
OKRでは、目標の60~70%の達成率が理想的です。逆に、達成率が常に100%の場合、そのOKRの設定レベルが低いと言えるので、もっと野心的な目標を立てる必要があります。
[引用元]OKRを設定する|Google re:Work
2-3. 達成すべき目標が共有されていない
OKRを導入したら、目標と成果指標の2つを組織全体で共有することが大切です。[注1]
OKRは組織内で公開し、組織の目標と成果指標をすべてのメンバーに周知する必要があります。
[引用元]OKRを設定する|Google re:Work
OKRを公開すべき理由は2つあります。
- OKRを公開することで、チームや個人の取り組み状況が可視化される
- 目標を達成するためにほかのチームの協力が必要な場合、スムーズにコミュニケーションをとれる
目標と成果指標を共有すれば、個々のチームメンバーが今どのような課題に取り組んでいるのかが可視化されるため、職場の活性化やモチベーションアップにつながります。また、ほかのチームの協力が必要な場合は、すばやく協力体制を構築し、フォローし合うことが可能です。
2-4. 目標を定期的に更新していない
OKRにおける目標は、1年単位や四半期単位で見直す必要があります。市場環境の変化などの外的要因や、マーケティング戦略の見直しなどの内的要因により、企業が設定すべき目標は変わります。最新の情報に基づいてOKRの目標を再検討しましょう。
3. OKR導入の失敗を防ぐための対策
OKRの失敗を防ぐための対策は2つあります。
- OKRの重要性をきちんと説明する
- ウィンセッション(Win Session)を実施する
まずはOKRの重要性をきちんと説明しましょう。わからない点があれば、いつでも質問できる環境をつくることが大切です。また、OKRの成功率を高める取り組みがウィンセッションです。ウィンセッションを実施し、チームメンバー一人ひとりの進捗状況を共有しましょう。
3-1. OKRの重要性をきちんと説明する
そもそもOKRの重要性が伝わっていない場合、OKRを導入しても従業員が協力してくれません。まずはOKRを導入する目的や、従業員に求めたいことを整理し、組織全体に共有しましょう。Google社のコラムでは、OKR導入のヒントとして、以下の4点の情報共有が必要だと解説しています。[注1]
- OKRとは何か?
OKRとは何か、どのように機能するかをわかりやすく説明します。- なぜOKRを使用するのか?
現状において組織がどのように目標設定をしているかを検証し、その問題点や限界を指摘します。- OKRはどのように機能するか?
スケジュール、各自に求められること、重要な節目となる指標、目標達成度をどのように自己管理するかなどについて説明します。- それでもOKRに懐疑的?
質疑時間を十分にとり、疑問をできるだけ挙げてもらうようにします。
[引用元]OKRを設定する|Google re:Work
3-2. ウィンセッション(Win Session)を実施する
OKRとセットで導入したいのが、ウィンセッションと呼ばれる形式のミーティングです。ウィンセッションとは、チームメンバーが毎週の取り組みを報告し、お互いに称え合う取り組みを指します。チームメンバーの進捗状況が可視化されるだけでなく、小さな成功体験を積み重ねることで、目標達成に必要なモチベーションを維持できるのがウィンセッションの特徴です。ストレッチゴールの達成には、体力だけでなく気力も必要です。ウィンセッションを定期的に開催し、従業員のメンタル面をサポートしましょう。
4. OKRの導入が失敗する理由を知り、適切な制度設計を
OKRは導入しても意味のない目標管理方法ではありません。OKRの運用がうまくいかない場合、考えられる原因は4つあります。
- 目標の数が多すぎて集中できない
- 目標のレベルが適切ではない
- 達成すべき目標が共有されていない
- 目標を定期的に更新していない
まずは目標の数やレベルが適切かどうかを見直しましょう。目標は設定したら終わりではなく、組織全体で共有したり、四半期ごとに再検討したりすることも大切です。OKRの導入が失敗する理由を知り、適切な制度設計を行いましょう。
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