オンボーディングと従来型研修の違いとは?メリットや研修の流れを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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オンボーディングと従来型研修の違いとは?メリットや研修の流れを解説

手を上げて質問する

「オンボーディング研修とはどういうもの?」

「オンボーディング研修の目的は?」

「オンボーディング研修を自社に導入するメリットは?」

上記のようにお悩みではありませんか。

オンボーディング研修は人材の定着に役立つ新人育成方法です。

本記事ではオンボーディング研修の概要や目的、実施ステップなどを詳しく解説します。人材がなかなか定着しない、早期離職が多いとお悩みの方は、ぜひご一読ください。

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人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. オンボーディングとは

会議をする人

オンボーディング研修とは、新入社員が早く職場環境に慣れられるよう配慮した形式の人材育成方法です。

集合研修とは別に個人に合わせて必要な技術や知識を提供したり、組織になじめるようサポートしたりします。

オンボーディング(on-boarding)とは英語で乗り物に乗っている状態のことです。新入社員を新しい乗務員にたとえています。自分たちの乗っている乗り物に慣れてもらうためのサポートを提供するイメージです。

2. オンボーディングと従来型研修の違い

研修の様子オンボーディングと従来型研修の違いは、主に研修の期間と内容、さらには組織全体の関与にあります。

従来型研修は、新入社員が入社後の1ヵ月から3ヵ月程度の期間に行われ、必要な知識や基本的なスキルを短期間で習得させることを目的としています。こうした研修は主に人事部が担当し、完了後はOJTにより実務経験を重ねることになります。

一方、オンボーディングはこれに対して、入社後も長期間にわたり、定期的な面談やモニタリングを通じて新入社員を支援する施策が中心です。また、オンボーディングでは人事部のみならず、企業全体が新入社員の育成に関与し、各部署が役割を果たすことで、より統合的な育成環境が整えられます。

2-1. オンボーディング研修の目的

オンボーディング研修の大きな目的は新入社員の早期離職の防止です。オンボーディング研修を実施することで人材の定着を目指します。

新入社員の早期離職は企業にとって非常に大きな損失です。人材の募集から採用まで、またさまざまな教育に多大なコストと時間がかかっています。時間をかけて人材を育てても、人材が定着しなければいつまでも採用活動を続けなければいけません。

オンボーディング研修では、個人が必要としている知識やサポートを提供することで「仕事が合わない」「組織になじめない」などのトラブルの予防に努めます。

また、オンボーディング研修では早く職場になじませることで成長の促進も可能です。

3. オンボーディングのメリット4つ

メリット

オンボーディング研修には以下のメリットがあります。

  1. コストの削減
  2. 生産性の向上
  3. チームの結束力向上
  4. 職場環境の改善

3-1. コストの削減

オンボーディング研修を上手に運用していけば、コストの削減が可能です。

新入社員の早期離職が発生すると、採用コストや教育コストが無駄になります。職場で活躍する前に離職するため、早期離職が続けば企業にとって大きな損失です。

オンボーディング研修で新入社員それぞれに最適なサポートを提供すれば、人材の定着を期待できます。長く真面目に働いてもらえる環境をしっかり整えることで、余計な採用コストや教育コストをカット可能です。

3-2. 生産性の向上

最適なオンボーディング研修を提供すれば、社員の生産性の向上にもつながります

社員が能力を発揮するには働きやすい環境が必要です。オンボーディング研修により必要なサポートを提供すれば、社員が能力を発揮しやすい環境を作れます。

新入社員のできることが広がりさまざまなことが一人でできるようになれば、指導する先輩社員や上司も自分の業務に集中可能です。

オンボーディング研修の実施により新入社員の加入した職場全体の生産性の向上が期待できます。

3-3. チームの結束力向上

オンボーディング研修はチームの結束力向上にも貢献可能です。

オンボーディング研修では新入社員が即戦力になれるようチーム全体でサポートします。新入社員が加入する前の段階で業務の方針や考え方を共有・整理するため、結束力の向上を期待できます。

新入社員のまわりを中心にコミュニケーションの機会も増えるので、社員同士の交流も活発になるでしょう。

オンボーディング研修は単なる新入社員の教育ではなく、チーム全体の仲間意識や団結力の向上のきっかけにもなるのです。

3-4. 職場環境の改善

オンボーディング研修は職場環境の改善のきっかけにもなります

オンボーディング研修で大切なのは新入社員が働きやすい環境を整えることです。質問しやすい環境を作ったり、信頼関係を構築するために積極的にコミュニケーションを取ったりします。

結果的に新入社員だけでなく全員にとってより働きやすい環境となり、社員の職場に対する満足度も向上するでしょう。

4. オンボーディング研修のデメリット2つ

デメリット

オンボーディング研修は人材の定着を促進させる育成方法ですが、以下のようなデメリットもあります。

  1. 体制の構築に時間がかかる
  2. 既存社員の協力が得られなければ意味がない

4-1. 体制の構築に時間がかかる

オンボーディング研修は体制の構築に時間がかかります。実施を考えてすぐに実行できる研修ではないため、長期的な取り組みが必要です。

業務に必要な知識や技術の整理、マニュアルの作成など教育の準備そのものにも時間がかかります。加えてオンボーディング研修ではメンター制度や上司との1on1、懇親会など、多数の施策を実施するため、体制を構築するまで長期間の準備が必要です。

通常業務に加えてオンボーディング研修の準備をしていかなくてはいけないため、余裕のない職場ではさらに構築まで時間がかかるでしょう。

4-2. 既存社員の協力が得られなければ意味がない

オンボーディング研修は既存社員の協力がなければ成立しません。既存社員の協力が得られない場合、オンボーディング研修を成功させるのは非常に難しいでしょう

既存社員の協力を得るには、なぜオンボーディング研修が必要なのか、既存社員にどのようなメリットがあるのか説明することが大事です。研修を導入する前にしっかり社員に説明し、全員の協力が得られるようにしましょう。

5. オンボーディングを実施する研修ステップ・流れ

チェックボックスとゴールのイメージ

オンボーディング研修は主に以下の流れで実施します。

  1. 目標・プランの設定
  2. 体制の構築
  3. プランの見直し
  4. オンボーディング研修の実施
  5. 振り返り

5-1. 目標・プランの設定

研修を通して身につけてほしい能力や知識、なっていてほしい姿などを設定します。いつまでにどの程度成長することを求めるかのおおまかなスケジュールも設定しましょう。1ヵ月や半年、1年など期間ごとにゴールを決めてください。ゴールは理想が高いと新入社員のプレッシャーとなるため、現実的なものを設定しましょう。

この目標設定のプロセスでは、具体的かつ測定可能な成果を明確にし、時折確認や見直しを行うことが重要です。定期的に進捗を振り返り、必要に応じて柔軟に目標を調整することで、新入社員が自身の成長を実感しやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。

また、サポート体制を整え、メンターを設けることで、新入社員が安心して成長の段階を進む手助けを提供することが期待されます。このように、効果的な目標設定とサポートにより、より良いオンボーディング体験を実現し、新入社員の早期離職防止に寄与します。

5-2. 体制の構築

新入社員の直属の上司や配属先、その他関係のある部署にもオンボーディング研修の実施を連絡しましょう。なるべく多くの社員に関わってもらうことでより充実した研修を実施できます。特に、上司やメンターが新入社員の成長を見守る姿勢を持つことが重要です。

オンボーディング研修の実施にあたり業務の調整が必要な社員がいれば、研修期間中の業務を軽減するなど配慮しましょう。また、関与する社員にも研修の目的や重要性を理解してもらうことで、より協力的な環境が整えられます。これにより新入社員が職場になじむ際のフォローが充実し、組織全体でのサポート体制を確立することができます。

5-3. 研修プランの見直し

体制の構築ができたら改めてプランを見直します。研修に関わるさまざまな社員に見てもらい、足りない事項や現場からの意見があれば修正しましょう。この見直しのプロセスは、新入社員のニーズに応じた研修内容にするために欠かせません。新入社員がどのようなスキルや知識を必要としているのか、また、実際の業務にどのように役立つのかを考慮して、研修内容を柔軟に調整することが重要です。

定期的にフィードバックを受けながらプランを更新することで、実践的かつ効果的なオンボーディングプログラムを維持し、新入社員の迅速な戦力化を促進します。さらに、参加者全員が研修に対して意見を持つことができる環境を整えることで、チーム全体のコミュニケーションも活発化し、一層の結束力向上につながるでしょう。

5-4. オンボーディングの実施

プランが決定したらオンボーディング研修のスタートです。始めはなかなか思う通りに進まないかもしれませんが、次回の研修に活かせるよう改善点をメモしてください。また、オンボーディング研修を導入したばかりの場合は新入社員にも伝えておくとよいでしょう。何か気づいたことがあれば共有してもらうことでより良い研修を実施できます。

さらに、新入社員のフィードバックをもとに研修内容を柔軟に調整することも重要です。定期的な評価を行い、研修の進捗を確認しながら、参加者のニーズに合わせた内容へと適宜修正することで、より効果的なオンボーディング体験を提供できるでしょう。また、参加者全員が意見を出しやすい環境を作ることで、チームの結束力も強化され、一体感のある学びの場となります。これにより、新入社員が自信を持って業務に取り組めるようサポートし、組織全体の成長につなげることが期待されます。

5-5. 研修の振り返り

オンボーディング研修の期間が終了したら、新入社員や直属の上司、その他の関わった社員にヒアリングを実施しましょう。よかった点や悪かった点、今までの体制と比べて何か気づいたことなどがあれば共有してもらい、次回以降の研修に役立ててください。

また、特に新入社員からのフィードバックを重視することで、研修内容が実際の業務にどれだけ適応できているかを把握でき、今後の改善点を具体的に明示することが可能です。研修後の振り返りのセッションを設けることで、参加者同士の意見交換も活発になり、共に学ぶ姿勢を醸成することが期待されます。これにより、次回の研修プランもさらに充実したものになるでしょう。

6. オンボーディングを取り入れた企業の事例

考える人オンボーディングを取り入れた企業の事例として、いくつかの成功例が挙げられます。これらの企業は、組織全体でのサポート体制を整え、新入社員のスムーズな適応を図っています。これらの事例は、オンボーディングが組織にどれほど重要であるかを示す好例ですのでぜひ参考にしましょう。

6-1. 多様な人材のスキル統一化を図るオンボーディング

多様な人材が集まる企業において、スキルの統一化を図るためのオンボーディングは重要な施策です。たとえば、サイボウズの営業本部では、IT業界や営業職の経験が異なる新入社員が入社します。そこで、入社後の3ヵ月間にわたり、特化したオンボーディング研修を実施し、「提案独り立ちに向けて必要な基礎スキルを補う」ことを目指しています。これにより、組織や製品の理解を深め、提案パターンの習得や商談実習を通じてスキルのキャッチアップを促進しています。

6-2. テレワークでも研修できるオンボーディング

テレワーク環境においてもオンボーディングは重要な施策です。メルカリの取り組みでは、必要な情報をポータルに集約し、オンライン会議ツールを活用した「リモートメンターランチ」を実施することで、新入社員がスムーズに業務に馴染むことを目指しています。

また、オンボーディングの進捗を確認するために「オン・ボーディングサーベイ」を実施し、各技術領域ごとのKPIを設けて状況を定量的に可視化することで、研修の効果を高める工夫がなされています。これにより、リモートでも新入社員が適応しやすい環境を整えています。

7. オンボーディング研修を実施するときのポイント3つ

ポイント

オンボーディング研修を実施するときは、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 信頼関係の構築をサポートする
  2. スモールステップ法を導入する
  3. メンターを育成する

7-1. 信頼関係の構築をサポートする

人事部や採用担当者は新入社員が職場で信頼関係を構築できるようサポートしましょう

信頼関係・良好な人間関係の構築はオンボーディング研修の重要な要素です。しかし、現場に余裕がなくなかなか新入社員とコミュニケーションを取れないこともあります。

チーム内で交流できるイベントや座談会などを企画し、信頼関係の構築をサポートしましょう。

7-2. スモールステップ法を導入する

新入社員が前向きに取り組めるようスモールステップ法を取り入れましょう

スモールステップ法とは学習・目標のステップを細分化し、挫折や大きな失敗を防ぐ方法です。目標を細分化することで着実に前に進んでいる実感が持て、モチベーションの維持ができます

オンボーディング研修のなかにスモールステップ法を取り入れ、達成感を味わえる研修にしましょう。

7-3. メンターを育成する

オンボーディング研修を実施する前にメンターを育成しましょう

メンターは業務のことだけでなく人間関係など業務外の悩みの相談にも乗る存在です。優秀なメンターがいればより職場になじみやすくなるので、新入社員に近い立場社員のなかからメンターにふさわしい人材を探しましょう。

8. 研修におけるオンボーディングの特長を理解して正しく導入しよう

人事異動の図

オンボーディング研修は新入社員の早期離職を予防する人材育成方法です。オンボーディング研修を導入すれば教育コストの削減や生産性の向上などが期待できます

既存社員の協力など体制の構築には時間がかかりますが、しっかり体制を整えてから実践してみましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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