人事異動とは?決め方やメリット・デメリットを徹底解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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人事異動とは?決め方やメリット・デメリットを徹底解説

人事異動とは、従業員の配置や勤務条件を変更することをいいます。人的リソースをバランスよく配置し、従業員の成長や企業の効率向上につなげることが目的です。

ただ、人事異動に失敗すると、従業員のモチベーション低下や離職に影響する可能性があります。そのため、どのように人事異動を実施すればよいか分からず悩む人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、人事異動のメリットやデメリット、具体的な手順などについて解説します。実施の際の注意点についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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1. 人事異動とは

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人事異動とは、企業が人事権を使って従業員の配置を変更するプロセスのことです。具体的には、職位や勤務地の変更、移籍などが挙げられます。

時期を問わず一年を通して実施されますが、事業戦略や組織戦略が変わる際におこなわれることが一般的です。

従業員の成長や組織の効率向上など、さまざまな目的で実施されます。企業が柔軟かつ効果的な組織を維持するために重要な戦略の一種といえるでしょう。

2. 人事異動を実施する主な4つの目的

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人事異動を実施する主な目的は以下の4つです。

  1. 人的リソースの効果的な活用
  2. 従業員のモチベーションの維持・向上
  3. 人材の育成・キャリア開発
  4. 組織の効率向上・戦略実現

2-1. 人的リソースの効果的な活用

人事異動の目的の一つに、人的リソースの効果的な活用が挙げられます。具体的には、従業員のスキル・特性に合ったプロジェクト・部門に配置するなどです。

実際、既存の部署での成果が期待できなかった従業員でも、異動をすることで活躍できるようになったケースは少なくありません。

さらに、各部門において人的リソースをバランスよく配置することもできます。効果的かつ効率的に人材を運用でき、業務の円滑な進行やチームワークの向上が期待できるでしょう。

2-2. 従業員のモチベーションの維持・向上

従業員のモチベーションを維持・向上させることも、人事異動の目的です。同じ業務に長期間従事していると、慣れが原因で業務への意欲が低下する恐れがあります。

マンネリ化が進むと、従業員のモチベーションの低下はもちろん、業績にも悪影響を及ぼす可能性があるため危険です。

人事異動を通じて新たな環境で業務に携わることでマンネリ化を防ぎ、モチベーションの維持・向上につなげられるでしょう。

2-3. 人材の育成・キャリア開発

従業員の人材育成とキャリア開発を促進することも、人事異動の重要な目的です。異動によって新しい業務に携わることで、これまで経験できなかったノウハウを身につけられます。

また、スキルや経験に関する成長機会を提供することで、従業員のキャリアを発展させることも期待できるでしょう。異動により従業員を育成担当として新しい環境に配置することも、人材育成において効果的です。

適材適所で育成担当を配置することで、部署全体のスキルや知識の向上につながり、組織全体のレベルアップを促進できるでしょう。

2-4. 組織の効率向上・戦略実現

組織の効率向上と戦略を実現することも、人事異動を実施する目的のひとつです。

具体的には、部門やプロジェクトの業績・生産性を向上させるために、部署の創設・廃止・統合などを実施して人事異動をおこないます。

新しい市場への進出や新技術の導入に伴う人員配置の変更など、企業が掲げる戦略や目標を達成するためにも欠かせません。

組織全体を効率的に機能させ、戦略的な目標を達成するための手段として、人事異動は重要なプロセスとなるでしょう。

3. 人事異動を実施する3つのメリット

3つのポイントを表している

人事異動を実施するメリットは、以下の3つです。

1. 従業員のスキルをうまく活用できる
2. 業務の属人化を防止できる
3. 従業員を成長させられる

3-1. 従業員のスキルをうまく活用できる

人事異動のメリットとして、従業員のスキルを適切に活用できる点が挙げられます。業務を円滑に遂行したいなら、その業務に必要な能力を持った人材を適切に配置することが欠かせません。

従業員のスキルや経験に応じて最適なプロジェクトや業務に配置できれば、組織全体の生産性が向上させられるでしょう。

3-2. 業務の属人化を防止できる

人事異動のメリットとして、業務の属人化を防止できる点も挙げられます。異動業務を実施することで、ほかの従業員にも自分の仕事を引き継いだり教えたりする必要があるためです。

特定の従業員だけでなく何人かで業務を遂行できる体制を整えられるため、知識やスキルが社内に浸透しやすくなります。

また、市場の変化や新しいビジネスニーズに迅速かつ柔軟に対応するための能力が向上し、組織全体が変化に適応しやすくなるでしょう。

3-3. 従業員を成長させられる

人事異動のメリットとして、従業員の成長を促進できる点も挙げられます。異動を通じて従業員に異なる業務や役割を経験させることで、多角的なスキルの獲得やキャリアの発展につながるからです。

また、挑戦的な仕事や成長の機会を提供することで、従業員はよりやりがいを感じ、成長に向かって熱心に働く可能性が高まるでしょう。

4. 人事異動の2つのデメリット

メリットとデメリットを秤にかける

人事異動を実施するデメリットは以下の2つです。

  1. 教育にコストと時間がかかる
  2. 失敗すると離職のリスクが高まる

4-1. 教育にコストと時間が かかる

人事異動のデメリットとして、教育にコストと時間が必要な点が挙げられます。

民間シンクタンクの産労総合研究所が実施した『2022年度 教育研修費用の実態調査』によれば、社員1人あたりの教育研修費用は平均で29,904円です。仕事の内容や人数によっては、1人あたり50万円以上のコストがかかる可能性もあります。

以上のように、短期的にはコストの増加をもたらす可能性がある点は留意しましょう。

参照:産労総合研究所|2022年度 教育研修費用の実態調査

4-2. 失敗すると離職のリスクが高まる

人事異動のデメリットとして、失敗すると離職のリスクが高まる可能性がある点も挙げられます。異動に不満を抱く従業員は、モチベーションが低下する可能性があるためです。

優秀な人材がモチベーション低下によって離職すれば、組織にとって大きな損失となるでしょう。

また、異動後すぐに離職が発生すると、教育担当の従業員の時間や労力も無駄になります。異動した従業員だけではなく、異動先の部署全体のモチベーション低下につながる可能性もあるため注意が必要です。

異動の際は、従業員の意向を十分に考慮して円滑な移行を心がけましょう。

5. 人事異動の決め方・手順

資料を確認している

人事異動の決め方・手順は以下のとおりです。

  1. 人事異動の必要性を考える
  2. 人事異動の候補者を決定する
  3. 従業員に通知して合意を求める
  4. 辞令を正式に発表する
  5. トレーニングとサポートをおこなう

ここからは、それぞれの手順についてさらに具体的に解説します。

5-1. 人事異動の必要性を考える

人事異動を実施したいなら、まずは組織の戦略や業務ニーズに基づき、人事異動の必要性を検討することが重要です。組織の戦略や課題に合致した人員配置ができなければ、人事異動による業績向上が期待できません。

例えば、部門ごとに人員の偏りが見られる場合は、配置転換をおこなって人員の配置を調整する必要があります。従業員のスキルや経験、キャリアの目標などを考慮し、最適な配置を検討することも大切です。

最新の人事データや各部門の責任者の意見をもとに、社内の人員配置を効果的に見直しましょう。

5-2. 人事異動の候補者を決定する

人事異動の必要性を検討できたら、次に異動の目的に基づいて、適している異動候補者を策定します。具体的には、勤務地や職種を変更すべき従業員を特定し、異動対象者が所属する部署の責任者に打診しましょう。

また、候補者が希望しているキャリア展開などを部署の上司から聴取し、意見を聞くことも重要です。

異動候補者のスキル・経験・人物像などを確認し、総合的に異動を実施するか否かを判断することが求められます。

5-3. 従業員に通知して合意を求める

人事異動の候補者が決定したら、次に異動する従業員に対して、異動の通知(内示)をおこないましょう。

従業員との面談を実施し、異動の理由や新しい業務内容などについて詳細な説明をすることが大切です。

なお、従業員が異動に対して納得できない場合は、理由を聞いたうえで異動を再度検討する必要性も考えられます。従業員の理解と合意を得ながら、円滑な異動を実現できるように努めましょう。

5-4. 辞令を正式に発表する

従業員への通知と合意取得ができたら、次は人事異動の正式な辞令を発表します。

内示の段階では人事異動はまだ確定しておらず、関係者にしか通達されません。一方で辞令は、異動が正式に決定したことを示す公式発表です。

辞令を発令することで、従業員に人事異動に関する情報が詳細に提供され、適切な手続きが進められます。

5-5. トレーニングとサポートをおこなう

異動を実施した後は、従業員に必要なスキルや知識を身につけるためのフォローを提供することが重要です。異動先の業務についてサポートがなされることで、従業員は円滑に業務に適応し、組織全体の成果に貢献できるようになります。

人事異動後は、異動によって生じた変化や結果を詳細に分析し、効果をしっかりと検証することも大切です。

異動が組織に寄与する影響を理解することで、今後の異動計画や組織運営の改善につなげられるでしょう。

6. 人事異動の適切な内示・発表の時期

時計

人事異動の適切な内示・発表時期は以下のとおりです。

決算月 適切な内示・発表の時期

  • 3月 3〜4月
  • 6月 6~7月
  • 9月 9~10月
  • 12月 12~1月

人事異動は年間を通じて実施できるため、企業によって時期は異なります。ただ、決算期に人事異動をおこなうことが一般的です。

例えば決算月が3月なら、3月中に内示・辞令を出して4月1日付けで人事異動を実施するケースがよくみられます。新しい経営年度の始まりとともに、組織の変革や方針の変更がおこなわれることが主な理由です。

また、人事異動を内示する際は、従業員が関与しているプロジェクトが終了するタイミングが適しています。

組織全体の運営に支障が生じることがないため、円滑に人事異動をおこなえるでしょう。

7. 人事異動の注意点

ビックリマークに注目している

人事異動をおこなう際は、従業員のモチベーションが低下しないように、不本意な異動は避けましょう。とくに、合意がないまま異動を実施すると、従業員の退職や関係の悪化などのリスクが生じる可能性があります。

人事異動の目的や戦略を明確に伝え、従業員との信頼関係を損なわないよう心がけることが大切です。

また、人事権の濫用や異動が、従業員に著しく不利益をもたらす人事異動もおこなわないように心がけましょう。実際、労働契約法においても以下のように明記されています。

労働契約の原則 第3条

3 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

引用:労働契約法のあらまし|厚生労働省

スムーズに人事異動を進められるよう、十分な検討や説明をすることが大切です。

8. 従業員は原則として人事異動を拒否できない

ばつマークを出す女性

人事異動が発表された場合、従業員は原則として拒否できません。従業員が所属している企業が就業規則に人事異動に関する規定を設けている場合、義務命令となるためです。

就業規則が人事異動の実施に関する明確な指針を示すことで、従業員はその異動に従うことが求められます。人事異動に拒否する意思を示すと、業務命令違反に該当する可能性があり、懲戒の対象となるわけです。

ただし、先ほども述べたように、人事権を乱用した不当な異動については、拒否が可能である点は覚えておきましょう。

9. ポイントを押さえて適切に人事異動をおこなおう

星を指さしている

人事異動を実施する際は、ポイントを押さえて適切におこなうことが重要です。適切に実施できなければ、従業員のモチベーション低下や、コストと時間が余計にかかるなどの失敗につながりかねません。

人事異動が効果的に機能すると、従業員の能力を引き出せて、生産性アップを実現できます。人事異動の手順や注意点などをしっかり確認し、正しい手順でおこないましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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