人事管理はExcel(エクセル)でできる?運用の基本と注意点を解説
更新日: 2026.4.24 公開日: 2023.6.14 jinjer Blog 編集部

だれでも手軽に使えてコストがかからず、自動集計や分析もできるExcel(エクセル)は、人事管理に役立つツールです。ただし、エクセルを使った人事管理には、メリットだけでなくデメリットもあります。人事管理では個人情報も取り扱うため、利用の仕方には気をつけなければいけません。
ここではエクセルを使った人事管理のメリットとデメリットや、注意点を中心に解説します。
目次
企業として人事データを適切に管理することはとても重要ですが、そもそもなぜ人事情報の管理が必要であり、その先に大きな活用価値があることについても、正しく理解できていますか?
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1. Excel(エクセル)を使用して無料でできる人事管理の内容


人事管理業務において、エクセルはさまざまな役割を果たします。エクセルを活用しやすいシーンを紹介します。
1-1. 採用管理
人材の採用選考にエクセルを活用すれば、応募者の情報や選考状況、スキルなどを確認しやすくなります。面接担当者や結果連絡をした日なども入力しておくことで、連絡漏れなども防げるでしょう。
さらに、面接結果を評価シートとしてまとめておけば、採用基準に基づいた的確な判断が可能になります。
1-2. 目標管理と評価
従業員ごとに設定した目標と実績、評価なども、エクセルで管理できます。比較やソートもしやすいため、進捗や前回からの変化もを可視化することも可能です。チームメンバーの目標や評価を一覧で確認でき、全体の状況も把握しやすいでしょう。期ごとにシートを分けておけば、過去の履歴も簡単に閲覧できます。
1-3. 勤怠管理
従業員の勤怠をエクセルで管理することも可能です。専用の勤怠管理システムよりは機能性に劣りますが、始業時刻と終業時刻を入力すると自動で勤怠時間や残業時間が計算されるような計算式を組んでおけば、手計算するよりも正確で素早い管理ができるでしょう。無料のテンプレートも豊富にあるため、従業員数が少ない場合の勤怠管理には非常に役立ちます。
1-4. 資格管理や研修履歴管理
従業員の研修履歴や、資格に関する管理もエクセルで管理できます。受講した研修や時期、保有資格などをエクセルで作成した表に記録することで、人材育成状況を把握しやすくなるでしょう。また、従業員の年齢や職位などを元に、研修受講者の抽出などをおこなうことも可能です。
1-5. 給与明細の作成
給与明細は、所得税法第231条によって「給与を支払う者は給与の支払を受ける者に支払明細書を交付しなくてはならない」と定められており、発行する義務があります。
フォーマットに決まりはないため、必要事項を網羅したうえでエクセルでも作成が可能です。フリーのテンプレートも数多く配布されており、自社に適したものも見つけやすいでしょう。
1-6. 労働者名簿の作成
労働基準法第107条では、常時1人以上の労働者(パート・アルバイト含む)を雇う場合、「労働者名簿」の作成・保管が従業員名簿の作成が義務付けられています。必要な項目をエクセルに入力ししておけば、情報が必要なときに抽出しやすいです。
なお、労働者名簿には以下の項目が必要です。
- 労働者氏名
- 生年月日
- 履歴
- 性別
- 住所
- 従事する業務の種類
- 雇入年月日
- 退職や死亡年月日、その理由や原因
2. 人事管理にExcel(エクセル)を使うメリットと課題


エクセルでの人事管理には、メリットとデメリットの両方があります。双方を踏まえて、利用シーンや利用の仕方について、社内ルールを決めておくと良いでしょう。
2-1. Excel(エクセル)による管理のメリット
エクセルで人事管理をおこなうメリットは、主に以下の3点です。
コストが抑えられる
エクセルなら、初期費用をかけずに人事管理業務の効率化が可能です。人事管理のために新たにシステムを導入する場合、導入費用やランニングコストが生じるでしょう。もともと保有しているエクセルを活用すれば、費用の負担なく手軽に人事管理をデジタル化できます。
だれでも操作できる
人事管理業務をおこなう担当者はもちろん、人事管理データにアクセスする管理職なども、エクセルファイルなら比較的スムーズに使いこなせるでしょう。使い慣れたツールで管理ができる点も、エクセルでの人事管理のメリットです。
エクセルは多くの企業で既に利用されているため、特別なトレーニングを受けることなく、誰でも簡単に操作が可能です。
他システムと人事情報を共有しやすい
エクセルで作成したデータは、CSVで保存することで多くのシステムとの連携が可能です。例えば、給与計算システムや経費精算システムなどにCSVデータを取り込んで活用することもできるでしょう。拡張性が高ければそれだけ業務効率の向上にもつながります。
2-2. Excel(エクセル)による管理の課題
エクセルでの人事管理は手軽で便利ですが、問題点も少なくありません。エクセルによる人事管理で気を付けたいのは、以下の3つの課題です。
セキュリティ上の問題がある
エクセルはセキュリティが甘く、不正アクセスや誤送信による情報漏洩リスクなどがあります。閲覧や編集にはパスワード制限がかけられますが、閲覧者の属性によってシステム的にブロックする機能などは持っていません。
個人情報を扱う人事管理ファイルは、社内でも限られた人以外閲覧できないようにしておく必要があるでしょう。パスワード入力画面などを見られただけで情報漏洩する可能性があるエクセルファイルは、セキュリティが万全とは言いがたいツールです。
また、いつ、だれが、どの部分を更新したのか履歴の確認ができないことから、不正改ざんリスクなどもあります。
人的ミスが起こりやすい
エクセルは、計算や入力などある程度の自動化が可能なソフトですが、基本的な数字は手で入力することになります。自動化のための計算式なども従業員が作成、更新することになるため、ヒューマンエラーが起こりやすいといえるでしょう。チェック機能も少なく、入力内容に不備やエラーがあっても気づけないリスクがあります。
できることが限定的
表計算ソフトであるエクセルは、人事管理に特化した専用システムに比べて機能が限定的です。ほしい機能を追加するのが困難だったり、手数が多くかかったりすることもあるでしょう。紙での管理に比べれば効率的でも、人事管理システムを使用した場合と比較すると業務効率は高いとはいえません。
3. Excel(エクセル)による人事管理の運用手順


エクセルで人事管理をおこなうときは、トラブルが起こらないように配慮しなければいけません。具体的なルールを設け、適切に運用することが重要です。どのような手順で導入すればよいのか解説します。
3-1. 最初に必要な機能を洗い出す
人事管理に活用するエクセルファイルを作成するときは、最初に必要な機能の洗い出しをしておきましょう。
エクセルの機能である関数や計算式を活用することで、人事管理業務の効率化が図れます。しかし、機能を追加していこうとすると、もともとの計算がうまくいかなくなってしまう、かえって使いづらくなるといった問題が起こる恐れがあります。最初に、持たせる機能や設計を固めてからファイルを作ることが大切です。
3-2. 機能を網羅したシートを作成する
人事管理で必要な項目は会社によって異なります。そのため、自社でどのような計算やデータが必要になるのか分析し、必要な機能を網羅しているシートを使いましょう。
機能が足りないと後から追加が必要になり、計算式や表示が崩れる恐れがあります。また、部分的に手動の計算を挟むと、間違いやデータの抜けに気づきにくくなります。できるだけエクセルのみで管理ができるように、必要な機能を最初から搭載しているシートを作ることが大切です。
フリーのテンプレートも活用し、自社に適したシートを作りましょう。
3-3. 閲覧・編集に関するルールを決める
人事管理に利用するエクセルファイルは、誰が、いつ、どのように情報を更新するのか、ルールを決めておかなければいけません。
エクセルファイルは、複数人で共有して閲覧や編集をすることもできます。しかし、複数人が同時に編集をおこなうと、どれが最新ファイルかわからなくなってしまう可能性があります。編集履歴も残らないことから、トラブル発生時の原因究明もしにくいです。
どのようなタイミングで、誰がファイルを更新するのかを決めて、編集中のトラブルが起こらないようにしておきましょう。
3-4. データの取り扱いに関するルールを決める
人事管理に利用するエクセルファイルには、従業員の個人情報が多数含まれています。個人情報が漏洩しないように配慮が必要です。管理者に対して十分な教育をするとともに、データの持ち出しやメール添付に関するルールを定めておきましょう。
人事管理データの入ったエクセルファイルを誤送信したり、保存されたUSBメモリを紛失したりすると、重大なセキュリティ事故になってしまいます。社内の従業員情報はもちろん、採用に関する情報などが含まれた場合、応募者に対する責任も問われ、社会的な信用を失いかねません。ファイルにアクセスできる人を限定するとともに、持ち出しに関しても十分な注意が必要です。
4. Excel(エクセル)による人事管理の注意点


個人情報保護法では従業員の情報も個人情報に該当するため、安全に管理することが使用者に義務付けられています。
なお、本記事における個人情報とは、氏名や生年月日、住所、顔写真、マイナンバーなど単体または組み合わせることで、個人を特定できる情報を指します。
エクセルでの人事管理にはデメリットの項目でも触れましたが、次のような問題点があります。
- データの改変・削除が容易
- 誰が・いつ・何をしたか操作履歴の把握が困難
- エクセルファイルの盗難・破損のリスク
- 法改正に手動で対応しなければならない
昨今のニュースをみていても、個人情報の流失は社会的信用を失う大きなダメージを企業にもたらします。また、労働基準法をはじめとした関係する法律の改正が頻繁におこなわれています。改正があった場合は、計算式やデータを手動で修正しなければなりません。大規模な改革だと、これまでのシートが使えなくなることも考えられます。個人情報保護法や労働基準法などを守るという観点から、エクセルでの人事管理は適していないケースも多いということを覚えておきましょう。
5. Excel(エクセル)以外の人事管理の方法


人事管理をエクセル以外でおこなう方法として、人事管理システムの利用が挙げられます。人事管理システムとは、その名のとおり人事管理のために開発されたシステムのことです。
人事管理システムについてわかりやすく説明します。
5-1. 人事管理システムがおすすめ
人事管理システムでは、従業員の基本情報をはじめ、勤怠管理、人事評価、研修履歴、資格など人事・労務に関する情報をシステム上で一元管理することができます。
集約した情報を分析することで、人材マネジメントや人材育成に活用することができるのが魅力です。また、入力や集計にかかる工数を減らすことができるため、業務効率も向上します。エクセルのように数式エラーもないため、人的ミスも発生しにくくなるでしょう。
さらに、人事管理システムにはサイバー攻撃などによるセキュリティ対策のほか、アクセス権限の設定、操作ログの取得などの機能が搭載されているものが多く、エクセルよりもセキュリティを強化することができます。
はじめに導入コストはかかるものの、情報の一元化や業務の効率化、セキュリティの強化などメリットが大きいため、一度導入を検討してみるのも手かもしれません。
5-2. Excelよりも人事管理システムが適している例
人事管理システムは多くの企業で業務効率化をサポートしますが、以下のような企業では特に効果が大きく出やすいです。
従業員数が多い場合
従業員数が多い場合、エクセルで1人ずつ管理していくと膨大な時間がかかります。ミスも発生しやすいため、人事管理システムで一元管理や自動化することで大幅に業務負担を軽減できます。
業務の自動化を進めたい場合
人事管理システムは、給与計算ソフトや勤怠管理システムなどと連携することで、人事や労務業務の広い範囲を自動化できます。タイムカードから自動的に労働時間を計算したり、シフトから給与を計算したりするなど、時間がかかる業務が人の手から離れます。
担当者の負担を軽減したい場合
人事管理システムは、前述した自動化や法改正への自動対応ができることで、人事・労務担当者の負担は大きく減ります。他の業務に使う時間を確保できるため、残業や休日出勤を減らせるでしょう。
人的ミスを防ぎたい場合
エクセルでは数値を手入力する必要があり、それが間違っていると計算結果も誤ったままになります。ミスを防ぐには人による入力を減らすことが効果的であるため、人事管理システムで自動的にデータの抽出ができれば人的ミスは減らせます。
法改正への対応に不安がある場合
クラウド型の人事管理システムは、ほとんどの場合法改正があると自動でアップデートされます。エクセルは手動で修正が必要で、法律への理解も求められました。そのため、誤った数値や認識で知らないうちに法律違反をするリスクがつきものでした。人事管理システムであれば、そういった心配がなくなります。
6. 人事管理はExcel(エクセル)からシステム管理にすることで効率化できる


エクセルを利用した人事管理は、紙で管理する場合に比べて、正確性や業務効率を高める効果が期待できます。ソフトを持っていれば、コストをかけずに運用できるという点も大きなメリットです。
しかし、人事管理システムに比べると、セキュリティや機能性に問題があるのも事実です。手軽だからと安易にエクセルで管理を始めてしまうと、後々不便を感じたり、トラブルの原因になったりする可能性もあります。
人事管理で取り扱う情報には、多くの種類があります。エクセルでの管理が適しているものもあれば、そうでないものもあるでしょう。エクセルでの管理に固執するのではなく、ほかのツールも含めてメリットとデメリットを幅広く検討することが大切です。



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