押印申請とは?申請書の書き方やテンプレートを紹介!電子化するメリットも
更新日: 2024.5.31
公開日: 2024.4.24
OHSUGI
「押印申請とは何か」
「押印申請の必要性はあるのか」
上記の悩みをお持ちではないでしょうか。
押印申請とは、印鑑を押すことを求める手続きです。ビジネスのシーンでは、契約書や誓約書を交わす際に押印申請をすることがあります。
本記事では、押印申請の概要や必要性、課題について解説します。
押印申請の概要や課題に対する解決策を理解することで、業務の効率化を図れるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
目次
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。 ①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる ②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる ③稟議の紛失リスクがない
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1. 押印申請とは
ワークフローにおける押印申請とは、業務上の書類に印鑑を押すことを求める手続きです。ビジネスにおいて押印は、特に重要な書類を扱う際に正式な手続きとして求められます。
実際のビジネスシーンでは、稟議書や決裁書で押印が必要です。そのため押印申請をして、書類の承認を求めることが一般的といえます。
1-2. 押印申請の目的と必要性
押印申請は、取り引きや書類の正確性・信頼性を確保するために重要です。特に重要書類は、「正式な手続き」として押印申請が必要になるシーンが多いでしょう。
また、押印申請は本人確認や意思確認の意味合いがあります。「適正な手順を踏んで決裁された」「関係者が合意した」など、押印した本人の意思表示が含まれるのです。
一方で、押印が必要であるか否かは、特段の定めがない限り法律で定められているものではありません。つまり、本人であることを証明できれば、本来押印は必要ないものなのです。
日本政府も「脱ハンコ」を推し進めているものの、日本では印鑑文化が深く根付いています。実際、印鑑による押印を求める企業が多いことも事実です。
参照:書面規制、押印、対面規制の見直し・電子署名の活用促進について|内閣府
1-2. 承認印とは?どこに押す?
承認印は、社内文書や契約書に対する承認や確認を示すために使用される印鑑です。企業内での正式な承認証として用いられ、通常は書類の右上もしくは指定された場所に押印されます。承認印が押されることで、書類の正当性と信頼性が確認され、管理職や書類作成担当者にとって非常に重要な役割を果たします。
1-3. 押印申請書の保管期限
押印申請書の保管期限は各企業の内部規定によりますが、一般的には5年が適切とされています。しかし、法的な問題が発生する可能性がある書類は、具体的な内容に基づいて7年間の保管が推奨されます。例えば、注文書、契約書、領収書などの帳簿記帳に関する書類は7年間の保存が必要です。この運用により、オフィス内での効率的な文書管理が可能になり、法的リスクを低減することができます。
2. 押印申請の書き方と申請書テンプレート例
押印申請書は押印申請を行う際に必要な書類です。基本的には申請者の名前、申請書類名、押印が必要な部数、押印を必要とする印鑑の種類など記載するフォーマットです。ここでは押印申請書の書き方やテンプレートを紹介します。
2-1.押印申請の書き方の手順
押印申請書の正しい書き方について、手順を詳細に説明します。まず、申請書のタイトルには「押印申請書」と記載し、文書の目的を簡潔に説明します。例えば、「取引契約書の締結」に対する押印申請の場合、その旨を明記してください。次に、押印が必要な理由や背景を詳述し、申請の正当性を示しましょう。
続いて、必要な情報や証拠資料を添付します。これには、関係する契約書の草案、関連書類、取引相手の情報などが含まれます。これにより、担当者が迅速かつ正確に審査できる環境を整えます。最後に、押印依頼の担当者名と連絡先を記載します。これにより、押印担当者が確認する際に確認事項が発生した場合でもスムーズに連携でき、手続きの透明性と効率性を確保します。
2-2. 押印申請書のテンプレート
効率的な押印申請手続きの実現には、押印申請書テンプレートの活用が重要です。以下は具体的な押印申請書のテンプレート例です。書式を参考に自社のフォーマット作成をしてみましょう。
押印申請書 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 申請日:____年____月____日 部署名: 申請者名: ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 申請の目的: (例)新規取引先との契約書に関する承認依頼。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 詳細事項: (例)契約書の内容および条件。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 添付資料: (例)契約書の写し、関連資料。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 確認・承認者: (例)上司、関係部署の署名欄。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 備考: (例)緊急案件の場合、優先順位を明記。 |
3. 従来の押印申請が抱える課題
ワークフローにおける押印申請の課題は以下の通りです。
- コストや手間がかかる
- 担当者が不在の際に業務が滞る
- 進捗状況の把握が難しい
3-1. コストや手間がかかる
押印申請に紙媒体を使用している場合、コストや手間がかかります。具体的には以下の通りです。
コスト | 手間 |
・印鑑の製作費
・書類を印刷するための紙代やインク代 |
・申請の手続き
・承認待ちの時間 ・作成したデータの印刷作業 |
また、紙媒体の書類は保管スペースも必要になるでしょう。書類は定期的に整理し、古いものは破棄しなければいけません。
3-2. 担当者が不在の場合業務が滞る
押印申請を承認する担当者が不在の場合、先の工程に進めないため手続きが滞る可能性があります。
業務が一時ストップすると、申請から認証まで想像以上に時間がかかるでしょう。取引先との書類の承認が滞った場合、商機を逃す可能性も考えられます。
3-3. 進捗状況の把握が難しい
紙媒体で印鑑を使って承認する場合、申請者が進捗状況を把握することが難しくなります。紙媒体を使用している場合、書類は手渡しです。
そのため「書類の所在がわからない」「どこまで承認が進んでいるか把握できない」などの問題が発生する可能性が考えられます。
どこで書類が止まっているか定かでなければ、問い合わせる相手もわかりません。結果として、業務が停滞するおそれがあるのです。
4. 押印申請を効率化する方法
押印申請を効率化する手段として、以下の2つの方法が挙げられます。
- 電子印鑑を取り入れる
- ワークフローシステムを取り入れる
4-1. 電子印鑑を取り入れる
電子印鑑を取り入れることで、押印申請を効率化できます。電子印鑑とは、その名の通り「電子データ化された印鑑」です。
印鑑に「認印」と「実印」があるように、電子印鑑にも種類があります。電子印鑑の種類は以下の2つです。
電子印鑑の種類 | メリット | デメリット |
印影を画像データ化した電子印鑑 | ・実印の印影を画像データ化するだけなので、だれでも簡単に作成できる
・社内用であれば手軽に使用できる |
・複製が簡単なため法的効力が弱い
・重要書類には不向き |
印影に識別情報やタイムスタンプ情報を組み込んだ電子印鑑 | ・信頼性とセキュリティ性が高い
・法的効力が認められている ・不正押印や文書の改ざんなどを防止できる |
・電子印鑑作成にコストがかかる |
電子印鑑は、システム上で電子データに押印できます。そのため、承認フローの時短化や効率化につながるでしょう。
ただし、印影を画像データ化した電子印鑑は実印に比べると信頼性が高くありません。企業間で交わす契約書など、重要書類には使用できないことがあります。
企業によっては電子印鑑を認めていない場合もあるためです。そのため、自社が導入済みでも、取引先で電子印鑑の使用が可能なのか事前に確認しなければいけません。
4-2. ワークフローシステムを取り入れる
ワークフローシステムを取り入れることで、押印申請を効率化できます。
ワークフローシステムとは、一連の業務を自動化できるシステムのことです。書類の作成や申請・承認・保管などを一元管理できます。
申請・承認フローの一環として押印申請の自動化も可能で、電子印鑑よりも幅広い業務範囲をカバーできる点が特徴です。
ワークフローシステムによって、使用できる機能は異なります。
例えば、スマートフォンやタブレットに対応しているワークフローシステムがありますが、ネットワークの環境さえあれば、どこにいても承認が可能です。
つまり、担当者が会社から離れている場合でも出先で対応できるため、フローにかかる時間をより短縮できます。
時間や場所にとらわれず業務を進められるので、ワークフローシステムを取り入れる企業が増えているのです。
5. 押印申請のワークフローを電子化するメリット
押印申請を電子化するメリットは以下の通りです。
- ワークフローの効率化を図れる
- 不正を防げる
- リモートワークに対応できる
- コストを削減できる
5-1. ワークフローの効率化を図れる
押印申請を電子化すると、一連の作業をWeb上で完結できるため、ワークフローの効率化を図れます。
書類作成のためにフォーマットを探したり、過去の書類を保管場所に探しに行ったりする手間がありません。
また、担当者が不在だった場合、代理の承認者へ回送できます。承認をおこなっていない担当者への通知も可能です。
特定の場所で業務が滞ることがなくなるため、スピーディーかつスムーズな連携を取れるでしょう。
5-2. 不正を防げる
押印申請を電子化すれば、ログイン情報や履歴・承認の過程を確認できるので不正の予防が可能です。
ワークフローシステムには、さまざまな機能が搭載されています。例えば、押印すると書類の変更ができなくなる機能を導入すれば、文書の改ざんを防げるでしょう。
変更履歴が残る機能を導入すれば、なりすまし押印などを防げます。
5-3. リモートワークに対応できる
押印申請を電子化するメリットとして、リモートワークに対応できることが挙げられます。紙の申請書類の受け渡しが不要で、申請者も承認者も遠隔地から押印できるためです。
近年、リモートワークを導入している企業が増えている一方で、「ハンコ問題」が浮き彫りとなりました。
「ハンコ問題」とは、紙書類の処理や押印のためだけに、従業員がやむを得ず出社しなければいけないことです。原因として、リモートワークを導入したにもかかわらず、紙媒体のワークフローで業務をおこなっていることが考えられます。
実際に、Adobeがリモートワークで働いているビジネスマン500人を対象に、アンケート調査を実施しました。「紙書類を確認するために出社した経験があるか」という質問に「ある」と回答した人が6割を超えたのです。
参照:アドビ、「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果」を発表||Adobe
押印のためだけに出社しなければいけない体制は、「テレワークを実現した」とはいえないでしょう。押印申請を電子化すれば、さまざまな働き方に対応できます。
5-4. コストを削減できる
押印申請を電子化することでペーパーレス化が可能になり、コストが削減できます。紙媒体を利用している場合、紙代や印刷代・保管場所など、さまざまなコストが発生するでしょう。
また、紙媒体の場合、記載ミスや押印ミスがあれば書類を作成し直さなければいけません。やり直しになった場合、単純に2倍のコストがかかります。
押印申請を電子化すれば、修正も簡単なので書類を作成し直す手間もかかりません。
6. 押印申請に関わるよくある質問
押印申請について詳しく説明してきましたが、運用に関わる不安を抱える方もまだまだいらっしゃると思います。ここでは押印申請を運用する上で関連してよく発生する疑問点をまとめましたのでぜひ参考にしてください。
6-1. 押印はどの印鑑で行えばいい?
企業の管理職や書類作成担当者が押印申請書に使用すべき印鑑について説明します。一般的には実印、認印、会社印などの正式な印鑑を使用しますが、具体的な状況に応じた選択が重要です。特に重要な書類や契約書の場合は、偽造防止や信頼性を高めるために実印の使用が推奨されます。実印は市区町村で登録された個人の印鑑で、法的効力を持つため信頼性が高いです。一方、日常的な業務での書類には認印や会社印が適しています。これにより効率的な押印手続きが実現できます。また、押印の電子化を検討することでさらに効率的な業務運営が可能になります。
6-2. 押印と捺印の違いは?
押印とは、記名押印が省略され、印鑑を押す全般を指します。記名とは、自署以外で氏名を記載することで、印刷された名前やゴム印、社印、代筆された名前などが含まれます。押印は記名された箇所や署名も記名もない箇所に印鑑を押すことを意味します。
一方、捺印は署名捺印が省略された形です。直筆の署名と共に印鑑を押すことを指し、署名捺印が完全な形になります。署名とは本人が手書きした直筆のサインで、筆跡鑑定により本人の証明が可能です。署名と捺印が揃うことで書類が本人の意思に基づいて作成された高い証拠能力を持ちます。ただし、一般的には印鑑を押すこと自体を捺印と呼ぶ場合もあります。
効率的な押印申請手続きや電子化を進める上で、押印と捺印の違いを正確に理解することは重要です。電子化により手続きが簡略化されるため、時間と労力の節約が期待できます。
6-3. 押印依頼書とは?
押印依頼書とは、書類の承認や契約の手続きを進めるために、他の部署や上司に印鑑を押してもらう重要な書類です。企業の管理職や書類作成担当者にとって、効率的な押印申請手続きは業務のスムーズな進行に欠かせません。押印依頼書を電子化することで、ペーパーレス化が進み、時間やコストの削減が図れます。電子化された押印依頼書は、簡便に管理・検索でき、承認フローも迅速に完了します。これにより社内の業務効率が大幅に向上し、締切に追われるストレスも軽減されます。
6-4. 押印義務が廃止された書類はある?
一部の行政手続や法的書類で脱ハンコが進み、押印義務が廃止されています。例えば、法人の設立登記申請や商業登記の申請書類、一部の税務関係書類などで押印が不要になりました。企業内部でも、契約書や稟議書において電子署名の導入により押印義務の見直しが進行中です。これにより、効率化とペーパーレス化が図られ、業務時間の短縮や経費削減が期待されています。電子化によるメリットとしては、リモートワーク環境でも柔軟に対応できる点や保存・管理が容易になる点が挙げられます。企業の管理職や書類作成担当者は、このような事例を参考にして自社の業務改善を検討することが重要です。
6-5. 契約書に押印する印鑑はシャチハタでもいい?
契約書等の重要な書類に押印する際、シャチハタは適切ではありません。シャチハタはインク内蔵型の印鑑で、簡易的な確認や日常業務での使用に適していますが、法的効力が求められる契約書には実印や認印を使用することが推奨されています。特に実印は市区町村での登録が必要なため、契約に関する信頼性を高める効果があります。電子契約が進む現在では、電子印鑑やデジタル署名も選択肢として考慮できますが、それぞれのメリットとデメリットを理解し、適切な方法を選ぶことが重要です。
6-6. 自署押印とは
自署押印とは、自分自身が手で署名を行い、その署名の隣や上に印鑑を押す手続きのことです。この方法により書類の正当性と信頼性が確保されます。また、自署押印は法的な効力を持つため、企業の管理職や書類作成担当者にとって特に重要です。この手続きにより文書の改ざん防止や意思確認が明確になり、信頼性が向上します。さらに、自署押印の電子化により、時間とコストの削減、ペーパーレス化が推進されます。管理職の方々は効率的な押印方法の導入を検討すべきであり、電子印鑑システムの利用は業務の効率化と法的リスクの低減に寄与します。
7. 押印申請の電子化を検討し作業効率を高めよう
押印申請を電子化することで、一元管理が可能になり作業の効率化を図れます。また、ペーパーレス化できるので、コストの削減につながるでしょう。
書類を手渡しする必要がないため、リモートワークなどさまざまな働き方にも対応できます。
一方で、日本では今もなお印鑑文化が深く根付いているのが現状です。そのため、ワークフローシステムで承認できない書類もある点は注意しなければいけません。
しかし、日本政府も「脱ハンコ」を推し進めています。企業にとっても、業務の効率化を図るために押印申請の電子化は不可欠といえるでしょう。
システムを事前に理解することで、懸念点も解決できます。企業の生産性向上のためにも、押印申請の電子化を検討してみてください。
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