従業員エクスペリエンスとは?向上させる5つのコツを紹介
更新日: 2023.9.1
公開日: 2022.12.3
OHSUGI
近年、ビジネスシーンにおいて従業員エクスペリエンスの注目度が高まりつつあります。従業員エクスペリエンスとは、従業員が職場で享受する全ての経験のことです。
本記事では従業員エクスペリエンスを高める方法やメリットについて詳しく紹介していきます。
1. 従業員エクスペリエンスとはどのようなもの?
従業員エクスペリエンスとは、従業員がその企業で働く中で得る経験のことで、英訳したときのEmployeeExperienceの頭文字を取ってEXとも呼ばれます。
従業員の経験とは、会社組織で働く中での経験のほか、自身の健康状態、スキルアップの目標、満足度など、会社にいる時間に経験できる全ての要素を指します。
従業員が会社で過ごす時間に何を体験し、どのように考えたり感じたりしたのかに着目するのが従業員エクスペリエンスのポイントです。従業員が仕事をする中での満足度や幸福度を高めることを従業員エクスペリエンスの定義とすることも多いものです。
終身雇用の時代には、従業員は企業の論理や方向性に従うことが当然とされてきました。しかし近年では終身雇用の制度が崩壊し、転職しながらスキルアップを目指すビジネスパーソンが増加しつつあります。また、生産人口の減少やコロナ禍の影響などによって離職が加速し、一部の企業は存続が危ぶまれる状況になっています。
従業員エクスペリエンスとは、従業員を自社に定着させることを主目的とした施策です。従業員が会社の中でさまざまな経験をして満足度を高めていくことは、企業の環境改善や成長につながりやすいといわれます。
2. 従業員エクスペリエンスを向上させるメリット
従業員エクスペリエンスの向上によって、企業には以下のような数多くの良い効果がもたらされます。
2-1. 帰属意識が高まりやすくなる
従業員エクスペリエンスを向上させるよう意識すれば、従業員の帰属意識は高まりやすくなります。
帰属意識とは企業という集団に所属している自覚のことです。終身雇用の時代、多くの会社員には当然のように帰属意識が身についていました。しかし近年ではよりよい環境を求めて転職するのが当たり前となっていることから、帰属意識も低下しやすくなっています。
帰属意識の低下は従業員の離職につながりやすくなります。多くの従業員が離職した場合には日々の業務に支障が生じやすくなる上、人材の確保にも大きな手間やコストがかかってしまいます。
従業員の離職を防いで定着率を上昇させるためにも、従業員エクスペリエンスの向上を目指したいものです。
2-2. 生産性が向上しやすくなる
従業員エクスペリエンスの高い企業ほど事業の生産性向上が実現できているといわれます。従業員が多くの良い体験をして充実した日々を送ることによって、個々のモチベーションは上昇し、パフォーマンスも向上しやすくなります。
個人のパフォーマンス向上はやがてチーム全体に伝播します。結果として、生産性向上という良い効果が企業全体にもたらされやすくなるのです。
2-3. 企業価値の向上につながる
従業員エクスペリエンスの向上は企業価値を向上させることにもつながります。
従業員が日々の仕事に充実感を覚え、高いモチベーションを維持して取り組んでいる企業では、不平や不満が噴出することはほぼありません。結果として企業の評判が良くなり、優良企業として認識されやすくなります。
優良企業であるという認識が広がれば企業のブランディング力も自然と向上します。好循環を生み出すためにも、ぜひ従業員エクスペリエンスを意識した施策を実践してみましょう。
3. 従業員エクスペリエンスを向上させる5つのコツ
従業員エクスペリエンスの向上は企業や従業員に多くのメリットを与えます。
単に待遇を良くすれば従業員エクスペリエンスが向上するというわけではありません。ここからは、従業員エクスペリエンスを向上させるためのポイントについて説明します。
3-1. 従業員を十分に理解する
個々の従業員を十分に理解することが、従業員エクスペリエンスを高めることにつながります。従業員と日常的なコミュニケーションを取ることに加え、こまめな面談や調査の機会を設けることも重要なポイントです。面談や調査によって企業の問題や従業員が抱える悩みが明らかになります。
3-2. 従業員の主体性を意識する
従業員エクスペリエンスの改善を上層部だけで行おうとしてもうまくはいかないものです。
従業員を置き去りにした施策を実行すると、かえって疎外感から従業員のモチベーションが低下してしまう可能性も考えられます。
組織は従業員が一丸となって動かしていくものと考え、従業員を巻き込むような改善策を行いましょう。主体性を意識して従業員エクスペリエンスの改善をすれば、従業員はアクティブな気持ちを持てるようになっていきます。
3-3. エンプロイジャーニーマップを作成する
従業員エクスペリエンスを可視化するためにエンプロイジャーニーマップを作成する企業もあるものです。エンプロイジャーニーマップとは従業員が職場で体験できる事柄を時系列ごとにまとめた表のことです。
エンプロイジャーニーマップを作ることによって従業員エクスペリエンスは可視化され、従業員の体験と心情の変化を具体的に理解できます。
従業員が抱く不満や問題点を事前に把握しやすくなるのも、エンプロイジャーニーマップを作成するメリットです。
採用から退職までの一連のフローを盛り込み、従業員がどの場面でどんなエクスペリエンスを得るのかを整理しましょう。
3-4. オフィス環境の改善を行う
オフィス環境の改善も従業員エクスペリエンス向上に効果を発揮します。
良好なオフィス環境が整っていれば従業員はクリエイティビティな刺激を受けることができ、良いアイディアが生まれやすくなります。また、従業員同士の活発なコミュニケーションが展開されやすいのもオフィス改革を行う良さです。
オフィスは単に仕事をする場ではなく、従業員が一日の大半の時間を過ごす重要な拠点です。従業員エクスペリエンス向上を目指し、ぜひオフィスの環境改革に踏み切りましょう。
3-5. 調査やデータ収集を行う
従業員エクスペリエンスの向上のために調査やデータ収集を行うのも有効な方法です。
従業員が普段の業務の中で何を体験しているのか、現状にどのような不満を抱いており何を求めているのかといった情報を効率的に収集しましょう。
従業員満足度調査や従業員意識調査などを通して定期的なデータ収集を行い、その内容を仔細に分析すれば実用的なフィードバックを得ることができます。
4. 従業員エクスペリエンスを向上させるメリットは多い
終身雇用制度の崩壊によって離職率が増加の一途をたどり、人手不足に悩まされる企業も増えてきました。その対策として大きな効果を発揮するのが従業員エクスペリエンスの考え方です。
従業員エクスペリエンスとは従業員が組織の中で経験すること全てを指します。従業員エクスペリエンスを改善することによって定着率アップやモチベーション向上といった多くの効果が見込めます。
エンプロイジャーニーマップを作成し従業員の視点で改革を行うなどの工夫で、従業員エクスペリエンスの向上に注力してみましょう。
従業員の離職を減らすためには、離職兆候をなるべく早くキャッチし、フォローすることが重要です。
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