組織サーベイの種類やメリット・デメリットを徹底解説
更新日: 2023.9.1
公開日: 2022.11.13
OHSUGI
組織サーベイという言葉を聞いたことがありますか。会社を経営している方でも、知らない人は多いのではないでしょうか。組織サーベイを利用することで、今まで知らなかった会社の一面を知ることができます。会社の新しい課題を見つけたり、状況を改善したりするのに役立つのが組織サーベイなのです。
本記事では組織サーベイについて解説いたします。組織サーベイの種類やメリット・デメリットについても解説しているので、ぜひご確認ください。
1. 組織サーベイとは?
組織サーベイとは組織の状態を確認するためのツールのことです。組織の状態とはエンゲージメント(従業員の会社に対する愛着)などを指します。
従業員のモチベーションやエンゲージメントなどを正確に把握するのは難しいです。上司にモチベーションなどについて尋ねられても、正直に答えてくれる社員は少ないでしょう。仮にモチベーションが低下していたとしても「仕事に対してやる気がありません」とは答えられません。
組織サーベイはアンケート調査の形式で実施されることが一般的です。そのため、従業員が素直な気持ちで回答しやすいのがポイントです。
また、社内アンケートと何が違うのかと思う方もいるでしょう。一般的に組織サーベイは、調査の実施とその後の行動までを含んでいます。つまり、アンケートで調査を行って、改善するべき点があれば改善を実行するところまでが組織サーベイなのです。
一般的な社内アンケートは、情報収集のみが目的となっています。つまり、行動までは意味に含まれていません。これが組織サーベイと社内アンケートの違いです。
2. 組織サーベイの種類
組織サーベイにはいくつかの種類があります。それらについて確認していきましょう。
2-1. 従業員サーベイ
従業員サーベイとは、人事制度や就業規則を改定する際に利用される組織サーベイです。人事制度や就業規則の改定は、何か問題や改善点がなければ行われません。改定する際に、人事は「どうすれば改善につながるか」を考え、仮説を立てます。
人事が仮説として立てた課題を検証するために用いられるのが従業員サーベイです。仮説が本当に正しいのかを事実ベースで検討するために、従業員から情報を収集するのが目的です。
2-2. モラールサーベイ
会社には経営目標が存在しています。例えば「利益〇〇円達成」という目標があったとしましょう。それを達成するためには、社員のパフォーマンスの向上が欠かせません。パフォーマンスが向上しなければ、生産性は高まらないからです。
社員のパフォーマンスを向上させるために、どういった要素が影響しているかを知るために利用されるのがモラールサーベイです。従業員サーベイと同様に、事実情報を集めるのが目的となっています。
2-3. エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイは、会社に対するエンゲージメントや仕事に対するエンゲージメントを調査して、会社の生産性を知るために用いられます。エンゲージメントが高ければ高いほど、会社の生産性は高い傾向にあります。
つまり、客観的に会社にどれくらいの生産性があるかをエンゲージメントサーベイでは知ることができるのです。社員のエンゲージメントが高いと思っていても、実際は低かったというケースもあります。このように従業員が持っている隠れた不満も、エンゲージメントサーベイでは明らかにできるのです。
3. 組織サーベイのメリット・デメリット
組織サーベイは今まで知ることができなかった会社の情報を知れるので、メリットばかりと思いがちです。しかし、組織サーベイを実施することによるデメリットもあるので注意してください。
まずは組織サーベイのメリットを解説いたします。
3-1. 組織の状態を数値化できる
組織サーベイは組織の状態を数値化できます。従業員のモチベーションやエンゲージメントは見えるものではありません。楽しそうに仕事をしている社員が、実は転職を検討しているというケースもあります。このように普段の業務の中では見えない部分を、組織サーベイによって数値化することで見えるようにできるのが組織サーベイのメリットです。
なぜ、見えるようにする必要があるのかというと、数値にすることで改善しているかどうかを知ることができます。何か施策を実施して、従業員のモチベーションが上がったとしましょう。しかし、組織サーベイを実施していないと、その施策に効果があったかどうかを客観的に判断できません。
組織サーベイを実施していれば、前回の数値と現在を数値を比較して、効果があったかどうかを判断できます。また、効果がない施策を実施していたとしても、数値上で効果が表れていなければすぐにそれをやめることが可能です。
従業員のモチベーションを高めるために、いろんな工夫をしている会社はたくさんあるでしょう。しかし、本当に効果があるのかを分析している会社は多くありません。組織の状態が数値化できれば、結果が数値に表れてくれるので、より会社にとってメリットのある施策を実施できるのです。
3-2. 離職防止の対応ができる
組織サーベイを実施すると、社員の状態をある程度知ることができます。そのため、社員が離職を考えているかどうかも判断可能なのです。もし、社員が離職を考えているのであれば、離職防止の対応を行いましょう。
社員に退職届を提出されてしまうと、その決断が揺らぐのは稀です。しかし、迷っている段階であれば、阻止できる可能性は大いにあります。早めに離職を考えているかどうかを組織サーベイによって察知して、対策を実施することで離職防止に繋げられるのです。
また、なぜ離職を考えているのかを知り、それを改善することで他の社員の離職を防止できるのもメリットです。社員が会社に対して何を不満に思っているか、どういったところを改善してほしいのかは調査しない限りわかりません。それを明らかにするだけでも、組織サーベイを利用するメリットはあります。
これらが組織サーベイのメリットです。一方で組織サーベイを利用するデメリットもあるので注意してください。
3-3. 社員の負担が大きくなってしまう
社員は日々の業務の他に、組織サーベイを受験することになります。もちろんですが、組織サーベイを受験している間は、業務を行うことができません。そのため、日々の業務に遅れが生じてしまうのです。
遅れを取り戻すためには残業などの時間外労働が必要かもしれません。結果として、社員の負担が大きくなってしまいます。組織サーベイの実施そのものが、社員にとってのストレスになる可能性があるのです。
これを軽減するためには、実施の時期について考えなくてはいけません。忙しくなりやすい月末や年末は避ける、ある程度幅を設けて空いた時間で実施してもらうなどの工夫が必要です。
4. 組織サーベイは目的を踏まえて実施
組織サーベイは会社にとって数多くのメリットがあります。しかし、従業員目線になってみると面倒な作業が1つ増えるだけです。そのため、組織サーベイを実施する目的を明確にして、その結果を有効に活用しなければいけません。
組織サーベイの実施そのものが目的になっているケースもあります。しかし、大切なのは組織サーベイを実施することではなく、その結果を踏まえて会社がどのように変化していくかです。組織サーベイを実施したものの、会社の状況は一切変わっていないといったことがないように注意してください。
従業員の離職を減らすためには、離職兆候をなるべく早くキャッチし、フォローすることが重要です。
パルスサーベイなら、従業員自身のコンディションについての簡単な質問に短いスパンで継続的に回答してもらうため、従業員の不満や不安をキャッチしやすく、離職につながる前にフォローが可能です。
パルスサーベイのシステムがどのようなものか詳しく知りたい方は、以下のボタンからクラウド型人事管理システム「ジンジャー人事労務」のサーベイの紹介ページをご覧ください。
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