パルスサーベイとは?目的や実施するメリットをわかりやすく解説
更新日: 2025.6.27
公開日: 2022.11.9
jinjer Blog 編集部
企業にとって従業員が自社に満足しているか、業務に負担を感じていないかを把握することは重要です。これらの問題を見過ごしてしまうと離職につながってしまいます。
従業員の満足度や業務の負荷について把握する際に役立つのがパルスサーベイです。
今回はパルスサーベイの意味や実際に行う際の質問例を紹介します。
このようなお悩みを抱えていませんか?
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方はこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. パルスサーベイとは?
まずはパルスサーベイとはどのようなものなのか、実施する目的と合わせて知っておきましょう。
1-1. 意識調査方法のひとつ
パルスサーベイとは簡易的な質問を通して、従業員が自社に対して満足しているか、業務負担がないかなどを把握する方法のことです。
パルスサーベイと似た言葉として、モーラルサーベイが挙げられますが、両者は以下のとおり異なります。
- パルスサーベイ:毎日、週に1回、月に1回といった短いスパンで実施
- モーラルサーベイ:年に1回、数ヶ月に1回といった比較的長いスパンで実施
関連記事:サーベイとは?代表的なサーベイの種類や注意点を紹介
1-2. パルスサーベイの目的
パルスサーベイを実施する主な目的な、社内の課題に対して迅速に対応したり、従業員のモチベーションやエンゲージメントを向上したりすることにあります。
従業員の意識調査をおこなうことで抱えている不満や問題を把握し、それに対応することでよい影響をもたらすことが目的です。
問題の解決による安心感に加えて、従業員はパルスサーベイとその結果に向かい合う会社側の姿勢を見て信頼感を持ち、モチベーションが高まることが期待されます。
また、パルスサーベイは短期間で繰り返し実施されるため、自社内で簡単に調査が可能です。
設問数や回答工数を減らせば従業員側の負担も少なく、低負担・低コストの意識調査ができる点もパルスサーベイをおこなう理由のひとつです。
2. パルスサーベイのメリット
パルスサーベイのメリットは他の従業員に対する調査よりも、タイムリーに問題解決に取り組めるという点です。また、質問数が少なく、従業員側の労力や会社側のコストも抑えやすい点も大きなメリットです。
2-1. 従業員の満足度がタイムリーに把握できる
パルスサーベイは従業員満足度調査よりも、短いスパンで実施されます。そのため、従業員がどういう点で自社に満足していないかがタイムリーで把握可能です。迅速に従業員が抱えている問題を把握できれば、ヒアリングや対応もすぐにできるため長期間不満を抱える従業員は減るでしょう。
従業員満足度調査のようにスパンが長い場合、不満を抱えていた従業員が対策を講じるまでに退職してしまう恐れがあります。一方、パルスサーベイであれば迅速に対応可能なため、離職を防げるでしょう。
2-2. 自社内でコストを抑えて実施しやすい
従業員満足度調査を実施する場合、質問数が多くなるため、質問の設定や集計、分析に時間がかかってしまいます。従業員が少ない、調査に十分な時間が割けない企業は外部の調査会社に委託することもあります。一方、パルスサーベイは用意する質問数が少ないため、自社のスタッフでも運用可能です。
従業員側も時間的な負担が少ないため、業務を圧迫したりパルスサーベイがストレスになってしまったりするリスクが低いです。
2-3. エンゲージメントが向上する
パルスサーベイを利用することで、従業員満足度向上が期待できます。パルスサーベイでは頻繁に従業員が抱える悩みや不安を拾い上げられるため、迅速なフォローが可能です。そのため、フォローされた従業員側も会社の対応に安心してくれるでしょう。結果、従業員の自社に対する満足度向上につながります。
エンゲージメントの向上はモチベーションの回復や維持に直結します。会社全体の業績アップや従業員間の関係改善にも一役買ってくれるでしょう。
2-4. オンボーディングとして活用可能
パルスサーベイは新入社員や異動で新たに配属された従業員のオンボーディングに活用可能です。オンボーディングとは新しいメンバーの順応を促す取り組みです。
パルスサーベイによって短期間で繰り返し、新たに配属された従業員の状態を調査することで、問題点に対して早めに対応できます。
環境に慣れていない従業員でも、短時間でできるパルスサーベイなら負担になりにくく、会社側の取り組みに安心感を持ってもらえる効果も期待できます。
2-5. 従業員のメンタルヘルスを細かに把握できる
企業には従業員の健康面に配慮した経営が求められています。なかでも従業員のメンタルヘルスに対するケアは重要な課題です。
パルスサーベイは従業員が抱えている業務や会社に対しての悩みがわかるため、メンタルヘルスの状態を細やかに把握しやすくなります。
すぐに解決できない問題だとしても、会社側が理解する姿勢を示すだけでも従業員のメンタルは回復します。
メンタルヘルスの問題は隠れてしまいやすいため、深い部分まで把握したい場合はパルスサーベイの設問内容や実施方法には工夫をしなければなりません。
パルスサーベイを含む従業員満足度調査方法を理解したい方はこちらから「従業員満足度のハンドブック」をダウンロードしてご活用ください。
3. パルスサーベイの質問項目例
パルスサーベイの質問は次の3つに応じて作成します。
- 従業員幸福度・満足度について
- 経営理念・ビジョンの浸透について
- 業務について
それぞれの項目に2つ~3つ程度の設問数が適しています。どのような問いがよいのか、具体例を見ていきましょう・
3-1. 従業員幸福度・満足度について
従業員幸福度や満足度とは、従業員が仕事のやりがいや喜びびついて主観的に評価する数値です。従業員幸福度・満足度を調査することで、従業員がどういったことにやりがいを感じているか、どういったことに不満を感じているかが把握できるため、従業員のモチベーションアップに活かせます。
従業員幸福度を測定する質問として次のようなものが挙げられます。
- 友人や家族に自社を勧めたいか
- 自分のスキル業務で最大限発揮できているか
- 自分の意見が社内で尊重されているか
業種や事業規模によって設問内容をより具体的なものにするのもよいでしょう。
3-2. 経営理念・ビジョンの浸透について
企業活動を進めるうえでは、従業員が自社の経営理念やビジョンを理解していることが大切です。従業員が自社の経営理念やビジョンを理解していれば、経営層と同じ方向に向かって業務を進められます。経営理念やビジョンが従業員まで浸透しているかを測るには、次のような質問を用意しましょう。
- 会社の目的や目標、戦略を理解できているか
- 経営陣の事業方針は健全であるか
- 現在の事業方針や企業としての姿勢に疑問はないか
3-3. 業務について
従業員の生産性向上というパルスサーベイのメリットを得るためには、業務についての質問が欠かせません。従業員が抱えている業務を負担に感じていないか、従業員それぞれの特性に適した業務が割り振られているかといった点を洗い出しましょう。
また、チームや部署としての業務に負荷がないかも確認することも大切です。
業務について従業員に質問する際は次のような設問を用意しましょう。
- 現在の仕事量でプライベートと仕事が両立できているか
- 業務において適切な役目を負えているか
- 業務の量に偏りは感じていないか
4. パルスサーベイは「意味がない」と言われる理由と解決策
パルスサーベイは、その手軽さゆえに「実施して終わり」となり、期待した効果が得られない、あるいは従業員の不満をかえって募らせてしまうケースも存在します。
この章では、パルスサーベイが「無意味だ」と評されてしまう背景にある具体的な理由と効果的に実施する方法を解説します。
4-1. パルスサーベイが「意味がない」と感じられる主な理由
パルスサーベイは、その手軽さが大きな魅力ですが、運用方法を誤ると実施効果でず「意味がない」と言われてしまう可能性もあります。
意味がないと思われる主な理由は以下の通りです。
- 改善策の実行がなされない
- 調査がマンネリ化している
- 分析結果が公開されない
まず、調査そのものが目的となり、改善策の実行が伴わない場合が挙げられます。従業員は、せっかく回答しても「何も変わらない」と感じ、不満を募らせてしまうでしょう。
また、調査のマンネリ化も大きな要因です。毎回同じような質問に答えさせられると、従業員は回答に飽きてしまい、適当な回答をしたり、回答率が低下したりします。
さらに、短期間での運用を求められるため、運用側の負担が大きく、分析やフィードバックが追いつかない事態も発生しかねません。これらの問題は、パルスサーベイへの不信感へと繋がってしまうでしょう。
4-2. 意味のあるパルスサーベイを実施するための具体的な解決策
パルスサーベイを真に意味あるものにするためには、上記の課題を解決する必要があります。
まず、調査の目的を明確にし、従業員に共有することが重要です。「なぜこの調査をおこなうのか」「得られた結果をどう活用するのか」を伝えることで、従業員の協力意欲が高まります。
次に、質問の数と項目を精査し、従業員の負担を軽減しつつ、必要な情報を得るバランスを見つけましょう。毎回同じ質問ではなく、テーマを絞るなどの工夫も有効です。
そして最も重要なのは、スピーディーなPDCAサイクルを確立する事です。調査結果を迅速に分析し、具体的なアクションプランに落とし込み、その改善状況を従業員へ必ずフィードバックしましょう。これにより、「声が届く」という実感を与え、調査への信頼とエンゲージメントを向上させます。
5. パルスサーベイを有効活用して満足度の高い環境を目指そう
従業員が働きやすい職場であれば、エンゲージメントやモチベーションが高まって人材の定着や生産性の向上が期待できます。
そのような職場を整えるためには、各種調査が効果的です。なかでも、パルスサーベイであれば、短いスパンで調査するため従業員の悩みに対してタイムリーに対応できます。
パルスサーベイを効果的に実施して、従業員が常に働きやすい職場を目指しましょう。
このようなお悩みを抱えていませんか?
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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