サービス残業とは?罰則や発生を防ぐ対策も紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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サービス残業とは?罰則や発生を防ぐ対策も紹介

「サービス残業について詳しく知りたい」

「サービス残業させると罰則があるって本当?」

上記のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

サービス残業とは、賃金の支払いが発生しない時間外労働です。サービス残業をさせると罰則を受ける可能性があるため、対策方法を確認しましょう。

今回は、サービス残業や罰則、発生を防ぐ対策について紹介します。サービス残業を解消したい人事労務の方は、ぜひご一読ください。

1. サービス残業とは?

サービス残業とは、賃金の支払いが発生しない時間外労働を指します。本来は、従業員の残業時間をカウントした上で1時間あたりの賃金を支払わなければいけません。サービス残業の例は、以下のとおりです。

  • 従業員が時間外におこなっている労働を企業が認めないことで無給になっている
  • 従業員自身が残業を企業に申告しないことで無給になっている

事情を問わず、無給の時間外労働はすべてサービス残業に該当します。

2. サービス残業が違法な理由

サービス残業が違法である理由として、労働基準法第37条により時間外労働には割増賃金を支払わなければならないと定められていることが挙げられます。

サービス残業は業務に対して報酬を支払わない状態を意味するため、無報酬である点で法律違反です。

残業代の支払いが適切ではなかった場合、6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金になるので注意しましょう。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

3. サービス残業に該当する行為

サービス残業に該当する行為は、次のとおりです。

  1. 始業開始前の業務
  2. 残業時間を切り捨てた報告
  3. 勤務時間の虚偽申告

それぞれ詳しく解説します。

3-1. 始業開始前の業務

始業開始前の業務は、サービス残業に該当します。始業開始前の労働も時間外労働とみなされ、労働時間を申告しなければ労働基準法に違反するためです。

今では終業時刻が過ぎたあとのサービス残業が厳しく見られる傾向にあり、始業開始前に労働が増加するケースが増えています。

始業開始前や終業時刻後を問わず賃金の発生しない時間外労働はサービス残業と見なされるので、時間外業務自体をなくすことが大切です。

3-2. 残業時間を切り捨てた報告

残業時間を切り捨てた報告は、サービス残業に該当します。労働基準法では、労働時間を1分単位で報告する必要があるからです。

60分残業した従業員に50分の賃金のみ支払う行為は、違法行為と見なされます。しかし、残業時間の端数を切り上げて賃金を支払う場合は合法です。

3-3. 勤務時間の虚偽申告

勤務時間を偽ると、サービス残業と見なされます。勤務時間を偽ることで無給の時間外労働が発生した場合、労働基準法に違反するためです。

労働時間の終了時刻にタイムカードを押すと、以降の残業は無給でおこなう必要があるためサービス残業になります。残業時間の虚偽申告は、上司の指示や組織自体の意図で起こりやすいため注意が必要です。

4.  サービス残業が起こる主な原因

サービス残業が起こる主な原因は、次のとおりです。

  1. 経営陣が理解していない
  2. 経営者がコストを削減しようとしている
  3. 「みんなやっている」という集団意識がある

それぞれ詳しく解説します。

4-1. 経営陣が理解していない

サービス残業が起こるのは、経営陣が理解していない要因も考えられます。理解が足りないために、非意図的にサービス残業を従業員にさせるのです。

しかし、「知らなかった」との建前で意図的にやらせている可能性もあります。本当に知らなかったとしても労働基準法に違反する行為なので、残業について事前に理解を深める必要があるでしょう。

4-2. 経営者がコストを削減しようとしている

企業のコストを削減するために、意図的なサービス残業を発生させている可能性もあります。残業代は企業から支払われる賃金であり、支払うほど企業の金銭的負担が増えるためです。

従業員も「会社の方針だからしかたない」「残業代の請求によるリスク」などの考えにより、甘んじて受け入れているケースも少なくありません。

4-3. 「みんなやっている」という集団意識がある

「みんなやっている」という集団意識も、サービス残業が発生する要因です。サービス残業は違法行為ではあるものの珍しくないため、「周りがやっているから改善する必要はない」と判断する経営者もいます。

従業員も「ほかの人もしている」とサービス残業に正当性があると誤解すると、さらなる悪循環を生むでしょう。

5. サービス残業により課される罰則

サービス残業により課される罰則は、次のとおりです。

  1. 未払いの残業代や付加金の支払い
  2. 労働基準法による罰則

それぞれ詳しく解説します。

5-1. 未払いの残業代や付加金の支払い

サービス残業が発生すると、従業員に対して未払いの残業代や付加金の支払いが発生する可能性があります。

サービス残業をした従業員は、会社に対して未払いの残業代を請求できる権利をもつためです。

社員は3年分の残業代をさかのぼって請求が可能で、企業が応じない場合は裁判する選択を取れます。

請求されれば結果的に支払う必要が出るため、サービス残業が発生しないようにすることが大切です。

5-2. 労働基準法による罰則

サービス残業が発生すると、労働基準法による懲役や罰金刑が科されます。労働基準法第37条にて、6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が課されると決められているためです。

サービス残業をさせてもすぐに罰則が科されるとは限りません。社員などの申告から立ち入り調査や臨検が実施され、発覚後に是正勧告が出ても改善されない場合は罰則を受けます。

参考:労働基準法119条|e-Gov法令検索

6. サービス残業が起こらないようにする対策

サービス残業が起こらないようにする対策は、次のとおりです。

  1. 残業代の正しい支給条件を周知する
  2. 割増率を適用する
  3. 従業員の残業時間を記録する

それぞれ詳しく解説します。

6-1. 残業代の正しい支給条件を周知する

サービス残業を防ぐために、残業代の正しい支給条件を周知させましょう。

従業員全体で支給条件を理解することで、「残業代を請求する権利がある」という意識を持ちやすくなり、未払いの防止につながります。

結果として、従業員の労働時間に合った正しい賃金の支払いを実現できるでしょう。

6-2. 割増率を適用する

サービス残業を防ぐためには、割増率を適用することも大切です。割増率とは、残業代を支給する際に上乗せする必要がある割合を指します。

割増率には次の3つがあり、それぞれに条件や割合が定められていることが特徴です。

種類 条件 割増率
時間外割増 労働時間が1日8時間以上もしくは週40時間以上 1.25(月60時間以上の場合は1.5)
深夜割増 22時から翌朝5時までに労働 1.25
休日割増 法定休日に労働 1.35

割増率を適用することで、残業代を正しく支給できるようになるでしょう。

参考:1.時間外(法定外休日)労働の割増率|厚生労働省

6-3. 従業員の残業時間を記録する

サービス残業を防ぐために、従業員の残業時間を記録しましょう。従業員の残業時間がわからないと、残業時間に応じた賃金の支払いが難しくなるためです。

残業時間を正確に把握する方法として、タイムカードやパソコンのログイン履歴を活用するものが挙げられます。

しかし、タイムカードの押し方などに不正があると正確な残業時間を把握できなくなるため、正しく押させるよう指導することが大切です。

7.サービス残業が起こらないように適切な対策をしよう

今回は、サービス残業について紹介しました。サービス残業が発生すると従業員だけでなく企業もリスクを負う可能性があるので、事前に対策が必要です。

残業代のシステムや割増率の理解、従業員の残業時間の把握などが有効といえます。

企業が意図的に強いらなくても、従業員同士の集団意識により発生する可能性がある点には注意が必要です。

企業側だけが改善するのではなく、必要に応じて従業員への指導も実施しましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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