源泉徴収票の発行手続きの手順を分かりやすく解説 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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源泉徴収票の発行手続きの手順を分かりやすく解説

書類に捺印を押す様子

源泉徴収票と聞くと、多くの人は毎年年末に発行されるものというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
源泉徴収票は1年間の給与や所得税が記載されている重要な書類です。
本記事では、源泉徴収票の発行手続きの手順や注意点について細かく解説しています。

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1.源泉徴収票の発行手続きの手順

ステップを表す図

源泉徴収票とは、勤務している会社から1年の間に支払われた給与額や、従業員が支払った所得税が書かれている書類です。

源泉徴収票は転職の際や確定申告でも必要となりますが、そうでない場合も毎年年末調整後に従業員分発行しなければなりません。
一つずつ順を追って理解していけば、難しそうに思える源泉徴収票の発行もできるようになるでしょう。

1-1.給与所得控除後の金額の計算を行う

源泉徴収票を作成するためにまず行うことは、給与所得控除後の金額を算出することです。
給与収入金額から給与所得控除額を引いて、給与所得控除後の金額を求めます。
給与所得控除額は給与に応じて決められており、毎年金額が異なりますので国税庁のホームページで確認する必要があります。

令和3年分の給与所得控除額[注1]

給与収入金額 給与所得控除額
162万5000円以下 55万円
162万5001円から180万円まで 給与額 × 40% – 10万円
180万1円から360万円まで 給与額 × 30% + 8万円
360万1円から660万円まで 給与額 × 20% + 44万円
660万1円から850万円まで 給与額 × 10% + 110万円
850万1円以上 195万円

[注1]国税庁|給与所得者と税「給与所得の金額の計算」

1-2.課税所得額の計算を行う

所得控除額は、基礎控除をはじめ配偶者控除や社会保険料控除、生命保険料控除などさまざまです。
それぞれ控除額が決められていますので、対象となる控除額の合計を計算し、先ほど求めた給与所得控除後の金額から引いて課税所得額を算出します。

1-3.所得税の計算を行う

課税所得額に決められた所得税率をかけて計算します。これが「源泉徴収税額」と呼ばれるものです。
こちらも国税庁によって税率が定められており、所得税率は5%~47%の区分によって分かれています。

課税所得額 税率 控除額
194万9000円以下 5% 0円
195万円から329万9000円まで 10% 9万7500円
330万円から694万9000円まで 20% 42万7500円
695万円から899万9000円まで 23% 63万6000円
900万円から1799万9000円まで 33% 153万6000円
1800万円から3999万90000円まで 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

[注2]国税庁|No.2260 所得税の税率

1-4.復興特別所得税の計算を行う

復興特別所得税とは、東日本大震災の復興のための財源確保を目的として2013年から2037年まで課税される税金であり、納税者すべてが対象です。
課税額は、課税所得額の2.1%相当です。
所得税と復興特別所得税の合計税率は「所得税率 × 102.1%」で算出することが可能です。

2.源泉徴収票を発行できる人は?

税理士さんが計算する様子

源泉徴収票を作成する上で必要なものは、従業員の給与額、所得税、社会保険料などです。
従業員の給与や保険に関わる業務は多くの会社で「経理部門」が担当しているため、必然的に源泉徴収票の発行は経理が行っていることが多いでしょう。

発行先が税務署や役所なのではと勘違いする人も多いようですが、会社が行っていますので注意が必要です。
退職した場合でも、退職先の経理に連絡をすれば源泉徴収票は発行してもらえます。

しかし、もし退職した会社が倒産していた場合は、別途手続きが必要です。
一般的には、所轄の税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出します。
もしくは倒産した会社を管理している「破産管理人」に依頼することで源泉徴収票を発行してもらえるでしょう。

3.源泉徴収票の発行手続きの注意点

重要なポイント

源泉徴収票を作成して発行する際にはいくつか注意すべき点があります。

3-1.マイナンバーの記載は不要

平成27年に所得税法施行規則等の改正が行われたことによって、個人情報保護の観点から
源泉徴収票にマイナンバーの記載はしてはいけないことになりました。
改正以前は、個人番号を記載して源泉徴収票を交付しなければならない決まりであったため、その変更点には注意が必要です。

3-2.通勤手当を支給金額に含めてはいけない

源泉徴収の対象となるものは、給与以外に原稿料や講演料、弁護士など特定の資格を持つ人に支払う報酬料などが挙げられますが、通勤手当や出張時などに支給された交通費は非課税扱いになります。

3-3.税務署に提出しなければならないケース

会社の経理担当者は、毎年1月末までに法定調書を税務署へ提出する必要があります。
法定調書とは、その年に会社が従業員に支払った給与が書かれたもので、源泉徴収票も含まれます。
税務署に提出する書類にはマイナンバーの記載が必要ですので間違えのないようにしてください。

ただし、税務署に法定調書として提出しなければならない対象は全員ではありません。
年末調整を行った上で提出義務がある人は下記の通りです。

・150万円を超える給与が支払われた役員
・250万円を超える給与が支払われた弁護士、司法書士、税理士など
・上記以外で500万円を超える給与が支払われた者

4.源泉徴収票を発行するタイミングは?

時計で時間を確認する様子

会社は毎年の年末調整後のタイミング以外に、どのようなときに源泉徴収の発行が必要になるのでしょうか。
源泉徴収票を再発行するさまざまなパターンを見てみましょう。

4-1.紛失したとき

源泉徴収票をなくしてしまったため再発行してほしいと従業員から申告があった場合、会社は依頼に応じる必要があります。
これは所得税法によって発行の義務が定められているため、拒否できるものではありません。

会社が源泉徴収票の交付依頼に応じないと、退職者によって税務署に「源泉徴収票不交付の届出書が」提出されることも考えられます。
そうすると最悪の場合、税務署から行政指導が入る可能性もあります。

4-2.転職するとき

年度の途中で転職する場合、転職先に前職で発行された源泉徴収票を提出しなければなりません。
通常、退職するときに会社から退職者へ配布するものです。
転職先で年末調整を行う際に、前職での源泉徴収額と合わせて計算する必要があります。

もし、年内に退職して年明けに転職をした場合、新しい勤務先で年末調整ができないため、自分で確定申告を行うことになります。
このケースでも源泉徴収票は必要ですので、退職後は大事に保管しておきましょう。

年末調整で前職の源泉徴収票の提出が必要なときの対応方法について別記事でも解説しておりますので、併せてご確認ください。

4-3.確定申告を行うとき

従業員が副収入として20万円以上の所得がある場合や、2か所から給与の支払いを受けている場合などには従業員本人が確定申告をしなければなりません。
確定申告には源泉徴収票の記載内容が必要です。

4-4.収入証明が必要なとき

源泉徴収票は、会社に在籍していることや年収の証明にもなる書類です。
そのため、住宅ローンなど融資を受けるときや、賃貸契約の審査に源泉徴収票が使用される場合があります。

他にも子どもを保育園に入園させるときの申請時に就労証明として提出したり、保育料を決定する際に収入証明として源泉徴収票の提示が求められます。

5.源泉徴収票の発行手続きを行う経理担当者は注意事項を把握しておこう

みんなで話し合う様子

会社の経理担当者は、従業員の課税所得額を計算して年末調整後に源泉徴収票を交付しなければなりません。毎年行うべきことなので、手続きの手順をしっかり理解して注意点についても心得ておきたいところです。

従業員から源泉徴収票の発行依頼をされた場合、それに応じる必要があるので速やかに対応しましょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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