ワークフローの承認ルートとは?重要性と承認フロー作成のコツを解説
更新日: 2024.5.24
公開日: 2022.12.7
OHSUGI
社内で書類を作成すると、上司や別の部署の担当者など、複数の従業員にチェックしてもらわなければなりません。
この一連の流れを承認ルートといいます。
承認ルートは明確化されていないことも多く、業務を非効率にしている原因の一つでもあります。
今回はワークフローにおける承認ルートとは何か、承認ルートの重要性や基本形について解説します。
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。 ①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる ②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる ③稟議の紛失リスクがない
ワークフローシステムが自社の課題解決につながるかどうかを知るためには、まずワークフローシステムが何かを知っておく必要があります。
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1. ワークフローの承認ルートとは?
報告書の作成、経費の精算など、業務の中には複数の担当者、部署の承認を得なければ遂行できないものもあります。
このとき、誰が書類を作成して、誰が申請し、誰が承認するかといった一連の流れを承認ルートと呼びます。
ワークフローの改善には承認ルートの見直しが必要なケースも多いです。
業務効率化を目指すのであれば、まずは承認ルートを確認しましょう。
2. ワークフローにおける承認ルートの重要性
正しいワークフローの作成には、承認ルートの確認が大切です。
その理由を3つ紹介します。
2-1. 業務フローを効率化する
承認ルートを明確にすると、業務フローを効率化できます。
業務内容によっては複数の部署、担当者に承認を受ける必要があります。
このとき、承認する担当者を一人だけに設定すると、他の部署の担当者が書類を確認しにくくなってしまいます。
書類を円滑に回して承認を受けるためにも、承認ルートを明確にして誰がどの書類を持っているかを把握することが大切です。
2-2. 担当者不在時に対応できる
担当者が常にすぐに承認してくれるとは限りません。
出張、休暇、会議などですぐに書類を確認してもらえない可能性もあります。
そのときに代理の担当者をあらかじめ決定しておけば、承認をスムーズに進められます。
別の担当者も代理の担当者のことを把握できているので、その後のやりとりもスムーズにできます。
2-3. 申請や決裁時の不正、偽造、ミスを防ぐ
承認ルートが明確になっていると、いつ誰が承認したかを客観的に把握できます。
反対に、承認ルートが不明慮なままだと申請内容を全員が確認できなかったり、途中で承認が滞ったり、さらに不正、偽造、ミスが発生する可能性もあります。
すべての担当者が正しく承認ルートに携わっていればミスや不正の可能性も低減でき、クリーンな経営ができます。
このように、ワークフローの承認ルートを定めることにはいくつかのメリットがあります。しかし、複雑な承認ルートの場合、紙などの管理だと紛失したり、誰で承認が止まっているのかがわからなかったりと承認ルートを敷いていてもミスが発生する可能性があります。
何段階にも及ぶ複雑な承認ルートを設けている場合、ワークフローシステムを導入することでリアルタイムの承認状況が確認できたり、紙を紛失してしまったりというミスを防ぐことができます。一方で、ワークフローの電子化についていまいちイメージできていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。当サイトでは、ワークフローシステムで解決できる課題と導入イメージを紹介した資料を無料でお配りしています。ワークフローを電子化した際の業務フローを具体的に知りたい方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
3. ワークフローにおける承認ルートの種類を基本型から紹介
ワークフローの承認ルートにはさまざまな型があります。
直線型、指名型、条件分岐型、並列型の基本の型を解説します。
3-1. 直線型
直線型はその名のとおり、申請から承認、最終決定を行う担当者までが直線でつながっている型です。
直線型の承認ルートに則って承認を進めるだけなので、スムーズに作業を進められます。
最終決定を行う担当者は、特定の肩書、職位を持つ人が担当することが多いです。
3-2. 指名型
指名型は直線の承認ルートの中に新しく承認者を追加したものです。
承認を進めていく中で、他部署の担当者の承認や確認が必要になるケースもあります。
そのときに担当者を指名して追加します。
指名型は派生していく可能性が高く、指名された承認者がさらに別の承認者を指名するパターンもあります。
すべての承認者をきちんと把握できるよう、情報を共有しなければなりません。
3-3. 条件分岐型
条件分岐型は、申請内容や金額等一定の条件によって承認ルートが分岐する形式です。たとえば、申請書の金額が10万円未満の場合は課長が最終決裁を行い、10万円以上であれば課長が承認し、さらに部長が最終決裁を担当する設定が考えられます。このように、申請内容の重要性や金額が増えるほど、必要な承認ステップが増える仕組みです。
他には、会議の中で対応するエリアが西日本に決定したら西日本を担当する部署に、東日本に決定したら東日本を担当する部署に……と、ルートを適宜変更する必要があります。
条件分岐型は規模が大きくなればなるほど承認者が増える傾向にあります。
こうした設定により、申請プロセスの最適化が図れ、各グループや部門の特性やニーズに応じた柔軟なフローを実現できます。また、上長による適切な判断を得ることで、企業全体の業務効率を向上させることが期待されます。条件分岐型を導入することで、ワークフローシステムの精度とスピードが大幅に向上し、経営層のニーズにもしっかりと応えることができます。
3-4. 並列型
並列型は特に大規模な業務で取り入れられる承認ルートです。
一つの業務を複数の承認ルートに同時に提出し、最終的に一人の決裁者に届くようにしなければなりません。
すべての承認ルートで承認した上で最終決定に進む、過半数の承認を受けて最終決定に進む、いずれか一つでも承認されれば最終決定に進むなど複数のパターンがあり非常に複雑です。
業務内容によってどのパターンを選択するか適宜確定しなければなりません。
複雑になる分承認がどこで止まっているか、なぜ止まっているか、正しいルートを通っているかなど確認すべき事項も増え、ミス、不正も多くなりやすいです。
3-5. 未定義のケース
未定義のケースでは、あらかじめ承認者や決裁者を決めず、申請内容に基づいて随時承認ルートを指定する方法を採用します。このような未定義の承認ルートは、新規事業開発のように複数の部署が連携する際の利用が特に有効です。事業内容によって関係部署が変わるため、事前にパターン化するのは困難ですが、未定義のルートであれば申請内容に合わせて適切な承認者を臨機応変に設定でき、柔軟に対応できます。具体的には、予備のルートや担当者を追加することで迅速かつ適切な承認プロセスを実現し、企業全体のワークフローの効率化に寄与します。このアプローチにより、変化の多いビジネス環境でも柔軟かつ効果的に対応できます。
3-6. 代理が必要なケース
特定の条件や承認者が不在時、迅速かつ確実に承認フローを進行するためには代理が必要な場合があります。例えば、課長が外出している場合や部長が不在の際に適用されます。柔軟な承認ルートを確保するため、事前に代理承認者を設定することが重要です。こうすることで即座に他の社員が申請や承認を行い、スムーズなワークフローの継続が保証されます。上位の職位にある決裁者が不在でも事前に設定されたルートにより迅速な決裁が実現されます。これにより、重要な決裁の遅延リスクを最小限に抑えられます。
4. ワークフローの承認ルートを見直す4つのコツ
業務を効率化しクリーンに業務を遂行するためには、承認ルートの見直しは必要不可欠です。
見直しの際に意識すべきコツを4つ紹介します。
4-1. 導入の準備はしっかり行う
ワークフローにおける承認ルートの見直しをする際は、事前準備をしっかり行いましょう。
業務のすべてを洗い出し、本当に必要な承認の数、最短で最終決定に進むためのルートなどを確認しなければなりません。
改善のためには一人だけではなく、多くの担当者や部署の人間が話し合いに参加する必要があります。
どの方法が効率的か、どのような点が非効率だと感じているかなどを聞き出し、承認ルートの見直しに活用してください。
業務の無駄の見直し、効率化はワークフローの管理において重要です。
承認ルートをスムーズなものにするためにも事前準備は特に入念に行いましょう。
4-2. 代理となる担当者を決定する
担当者が不在時にもスムーズの最終決定に進むためには、代理となる担当者を決定しておくことも大切です。
せっかく承認ルートを見直しても代理人を決定していなかった場合はその段階で業務がストップし、余計な日数がかかってしまいます。
事前に代理人を決定し、すべての担当者に把握しておいてもらえれば、担当者が不在だった際にも円滑に業務を進められます。
代理人は事前に決定し、他の担当者にも代理人を周知させておきましょう。
4-3. 担当者や担当部署に周知させる
承認ルートを決定しても、担当者、担当部署が把握していなければ意味がありません。
決定した承認ルートはすぐに担当者、担当部署に連絡し、全員が承認ルートを正しく把握できるようにしてください。
ワークフローを管理するのが大変な場合は専用のシステムを導入することも可能ですが、システムの操作についても全員が把握しておかなければなりません。
じっくり時間をかけて丁寧に研修し、従業員全員が使いこなせるようにしましょう。
4-4. 条件別に承認ルートを設定する
承認ルートには上記で解説したとおりさまざまな型があります。
業務内容の条件別に、承認ルートを設定しておかなければなりません。
規模が大きい場合は並列型が便利ですが、これにはミスや不正が起きやすいデメリットがあります。
日常的な業務は基本的に直線型を採用し、臨時に指名型も取り入れるなど、臨機応変な対応が必要です。
5. ワークフローの承認ルート設定に関するよくある質問
ここまでワークフローの承認ルートについて説明をしてきましたが、意味や種類は何となく理解ができたけれどはじめてのDX化で実際の設定に向けてまだまだ不安という方に、承認フローを設定をする際のよくある質問にも回答します。
5-1. 承認ルートの決め方がわかりません
ワークフローの承認ルートを決めるには、まず現行の業務フローを可視化し、ステップごとに責任者を明確にすることが重要です。この作業を通じて業務の特徴を把握し、多様な承認ルートを検討できます。次に、不必要なステップを省き、最短で効果的な承認フローを構築します。これにより、効率的で明確な承認過程が実現し、業務管理者や経営層としての責任を果たすことが可能となります。
5-2. 承認ルートの無駄が多く改善したい
承認ルートの無駄を減らすためには、シンプルで簡単な基本型のワークフローを採用することが重要です。まず、現行のルールやプロセスを見直し、不要な承認・回覧ステップを廃止することが優先されます。基本型で紹介しているような一般的な事例を参考に問題点を可視化し、それに基づいて改革を行うことで、現状のワークフローにおける無駄を洗い出しましょう。
正しい承認ルートの改定は、意思決定のスピードを向上させます。また、会社内の情報システムを活用し、通知機能を使って業務の対中を防ぎ業務効率を向上させることもできるため、大変な作業ではありますが承認ルートの無駄を削減し、業務のスムーズな進行を実現しましょう。
6. ワークフローの承認ルートを正しく設定して効率化を図ろう
承認ルートを決定しておくことで業務を効率化できるだけでなく、ミスや不正を防ぎ、クリーンな経営ができるといったメリットがあります。
承認ルートにはさまざまな型があるので、業務内容に応じて最適なスタイルを選択しましょう。
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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