委託販売の意味やメリット・デメリットを詳しく紹介

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経費管理

更新日: 2024.1.15
公開日: 2023.1.16 jinjer Blog 編集部

委託販売は商品の販売を第三者に委託する仕組みです。委託販売者は販売業務をアウトソースできる代わりに、所定の販売手数料を受託販売者に支払います。その他の販売形態と比較して、委託販売にはどのような強みがあるのでしょうか。この記事では、委託販売の仕組みやメリット・デメリット、委託販売の代表的な手法をわかりやすく解説します。

1. 委託販売とは？
2. 委託販売のメリット
3. 委託販売のデメリット
4. 委託販売の方法
5. 委託販売の仕組みを知り、メリットやデメリットを理解しよう

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1. 委託販売とは？

委託販売とは、どのようなビジネスモデルを指すのでしょうか。
委託販売とは、一般的には製造業者や商社などが商品の所有権を持ちつつ、別の業者に商品の販売を委託することを指します。
つまり、商品の販売を第三者に委託する仕組みが委託販売に当たるのです。商品の販売業務を代行する手数料として、相手方は販売手数料を受け取ります。

1-1. 委託販売の仕組み

委託販売では、商品の販売を委託する側の企業を「委託販売者」、受託する側の企業を「受託販売者」と呼びます。受託販売者の例として、問屋、仲立商、代理商などが挙げられます。

委託販売者

・商品の販売を委託する企業のこと
・商品の所有権は委託販売者が持つ

受託販売者

・商品の販売を受託する企業のこと

・委託販売者から販売手数料を受け取る

委託販売の流れは次のとおりです。なお、商品の販売価格の決め方は、委託販売者が最低価格を指定する「指値」、市場価格の成り行きに任せる「成行」の2種類があります。

委託販売者が受託販売者に商品を積送（委託販売における商品の受け渡しのこと）する
受託販売者が顧客に商品を販売する
受託販売者が委託販売者に仕切精算書（売上報告書）を送付し、売上を報告する
仕切精算書にもとづいて、委託販売者が受託販売者に販売手数料を支払う

1-2. 試用販売や割賦販売との違い

委託販売と誤解されることがあるのが、試用販売・予約販売・割賦販売の3つです。委託販売とその他の販売形態の違いは以下のとおりです。

委託販売	商品の販売を第三者に委託する販売形態
試用販売	商品のサンプルを送付し、購入を促す販売形態
予約販売	商品を販売する前に、対価の一部または全部を受け取る販売形態
割賦販売	商品を先に引き渡し、対価を分割払いで受け取る販売形態

委託販売・試用販売・予約販売・割賦販売の4つの販売形態を合わせて「特殊商品販売」と呼ぶ場合があります。特殊商品販売を行った場合、通常とは異なる仕訳が必要になります。

1-3. 委託販売の仕訳方法

委託販売の仕訳はどのように行うのでしょうか。委託する商品を相手方に積送する場合、借方には「積送品」、貸方には「商品」または「仕入」の勘定科目を記載します。例えば、100万円の商品の販売を委託販売者に積送した場合、以下のように仕訳します。

借方	金額	貸方	金額
積送品	1,000,000	仕入	1,000,000

2. 委託販売のメリット

委託販売のメリットは3つあります。

実店舗がなくても商品を販売できる
販売業務をアウトソースできる
人気店舗の知名度を活かせる

委託販売なら、実店舗を持たない企業でも自社の商品を販売できます。他社の販路や知名度をそのまま活かせるため、広告宣伝を行う必要もありません。また、販売のプロに販売業務を委託できるため、業務効率化につながります。

2-1. 実店舗がなくても商品を販売できる

委託販売は商品を受託販売者に受け渡し、販売業務を委託する販売方式です。そのため、実店舗を持たない企業でも、在庫があれば商品を販売できます。特に海外市場へ進出する場合、委託販売を採用するケースがみられます。実店舗などの出先機関がなくても、現地の企業と委託販売契約を締結すれば、販路をゼロから開拓する手間やコストをかけずに商品を販売できます。

2-2. 販売業務をアウトソースできる

委託販売は、販売のプロである問屋、仲立商、代理商に販売業務を委託する仕組みです。商品を売るための販売戦略や、店舗集客、商品陳列などに割くリソースを節約し、販売業務をアウトソースできます。商品開発や製造など、自社の強みにリソースをを集中させることが可能です。

2-3. 人気店舗の知名度を活かせる

百貨店や人気店舗に商品販売を委託すれば、既存の販路やブランドイメージを利用できます。商品が売れる可能性が高まるため、新商品を市場に投入する場合や、世間での知名度が低い商品を販売する場合に委託販売が採用されることがあります。

3. 委託販売のデメリット

一方、委託販売にはデメリットもあります。

手数料の支払いが必要になる
売れ残ると委託販売者が在庫リスクを抱える

委託販売では、商品の販売金額に応じた販売手数料の支払いが必要です。販売手数料が適正でない場合、商品の利益率が低下する可能性があります。また、委託販売の商品の所有権は委託販売者が持っています。商品が売れ残った場合、委託販売者が在庫リスクを抱える点にも注意しましょう。

3-1. 手数料の支払いが必要になる

委託販売契約を締結する場合、所定の販売手数料の支払いが必要になります。契約内容にもよりますが、販売手数料の金額は商品価格の2%～3%前後に設定されることが一般的です。
しかし、委託先によっては、10%以上の販売手数料を請求される場合もあります。販売手数料が見合っていない場合、商品の利益率が低下し、営業利益が落ちる原因になる場合があります。委託販売契約を締結するときは、販売手数料が適切かどうか事前に検討しましょう。

3-2. 売れ残ると委託販売者が在庫リスクを抱える

委託販売では、商品の所有権を委託販売者が保有します。受託販売者に引き渡した商品が売れ残っても、在庫リスクは原則として委託販売者が負うことになります。販売業務をアウトソースしても、商品が売れなければ利益になりません。委託販売を行うときは、受託販売者をしっかり選ぶ必要があります。

4. 委託販売の方法

委託販売の方法は、実店舗に委託販売する方法と、ネットショップに委託販売する方法の2種類あります。

実店舗に委託販売する方法
ネットショップに委託販売する方法

この2つの販売方法の違いは、委託した商品を販売してもらう場所です。実店舗に委託販売する方法のメリットは、顧客が商品を自分の目で見て確認できる点です。
例えば、雑貨を委託販売する場合、人気カフェや本屋などの一角を借りることで、効果的に商品の魅力を演出できます。また、ネットショップに委託販売する企業も増えています。ネットショップに商品販売を委託すれば、商品情報の登録や、注文の受付、梱包、配送などの手間を削減できるため、業務効率化につながります。
実店舗に委託販売するのか、ネットショップに委託販売するのか、それぞれの利点を比較して選びましょう。