請求書の作成方法5ステップをイチから分かりやすく解説
更新日: 2024.1.17
公開日: 2021.11.10
jinjer Blog 編集部
顧客や取引先から注文を受けた商品・サービスを納品・提供したら、その報酬を請求するための「請求書」を発行する必要があります。
請求書は会社の売上につながる大切な書類であり、ミスや不備があると思わぬ損失を出してしまう原因となります。
提供した商品・サービスに応じた代価をきちんと回収できるよう、請求書の正しい書き方をしっかり押さえておきましょう。
今回は、請求書の作成方法と、作成する際のポイント、注意点などについてわかりやすく解説します。
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1.請求書の基本的な作成手順
請求書を作成する手順は会社によって異なる場合がありますが、ここでは基本的な作成方法を5つのステップにわけて説明します。
1-1.請求書に記載する項目を整理する
請求書のフォーマットには法的な決まりがなく、会社ごとに自由に決定することができます。
次のステップで請求書のフォーマットを作成するために、まずは請求書に記載する項目を整理しておきましょう。
ここでは、請求書に最低限記載すべき8つの項目と、それぞれの概要をまとめました。
1-1.①相手の名称
請求書を送る相手の屋号や名称を記載します。
(株)などと略さず、正式な名称を記載し、最後に「御中」をつけます。
必要であれば担当者のいる部署や、担当者の名前を記載してもOKです。
1-1.②請求者の情報・押印
請求者、つまり自社の名称や所在地、連絡先(電話番号やメールアドレス)、担当者名を記載します。
請求者の情報を記載したら、名称にやや重なるようにして会社印を押します。
使用するのは角印が一般的ですが、丸印でも問題ないです。
1-1.③請求書の発行日
請求書を発行した日付を年月日で記載します。
1-1.④タイトル
「請求書」「御請求書」など、一目で請求書であることがわかるようなタイトルを記載します。
1-1.⑤請求内容
商品名やサービス名など、請求の対象となる品目を記載します。
認識の相違が発生しないよう、基本的には事前に送付している見積書に沿って書くようにしましょう。
次に、商品・サービスごとの単価や数量、金額を記載します。
金額が大きい場合でも、「万円」「千円」などと略さず、すべて数字で表記します。
数量の概念がないサービスの場合は、「一式」や「1」と書けばOKです。
商品・サービスごとの金額を出したら、それぞれを合計して「小計」を記載し、そこに消費税率を乗じて「消費税額」を表記します。
最後に、小計と消費税額を合わせた「合計額」を記載します。
1-1.⑥請求金額
上記で計算した合計額をそのまま転記します。
請求内容は一般的に表で記載します。請求金額はその上に目立つよう分かりやすく記載しましょう。
請求金額にはすでに消費税が加算されていますので、金額の最後に(税込)の文字も入れておきます。
1-1.⑦支払先の情報
請求金額の支払先として、振込先の銀行名・支店名・口座番号・口座名義を記載します。
1-1.⑧支払期日
いつまでに入金してほしいのか、その期限を年月日で記載します。
事前に取り交わす契約書や注文書にも支払期日が明記されていますが、請求書にも忘れずに記載しましょう。
1-2.請求書のフォーマットを作成する
請求書に記載する項目を整理したら、それをもとに請求書のフォーマットを作成します。
インターネットで検索すると、フリー素材の請求書テンプレートがたくさん見つかりますので、記載項目を網羅したフォーマットを選んで使用してください。
レイアウトにこだわりたい場合は、自分で編集可能なテンプレートを探すか、ExcelやWordなどを使って自作するのもひとつの方法です。
1-3.必要事項を記載(入力)する
請求書のフォーマットが決まったら、ステップ1で整理した項目を記載(入力)していきます。
単価や数量、金額など、数字を入れる項目にミスがあると請求金額が変わってしまいますので、慎重かつ正確に記載します。
Excelの関数を使うか、あるいは専用のソフトを使えば、金額や小計、合計額などは自動で算出されるので、計算ミスを防止できます。
1-4.添え状を作成する
請求書を送付する際は、マナーとして添え状を同封します。
添え状には相手の名前、請求者の名前と共に、タイトル(請求書送付のご案内など)、本文を記載します。
本文には時候の挨拶と、書類を送付する旨を記載した上で、「何の書類を」「何枚」送付したかを明記します。
1-5.請求書を送付する
作成した請求書と添え状を封筒に入れ、宛先と差出人を記載します。
封筒の表面の左下には「請求書在中」のスタンプを押し、一目で請求書であることがわかるようにします。
なお、請求書を郵送ではなくメールなどに添付して送る場合は、編集しづらいPDFファイルに変換して送付しましょう。
2.請求書を作成する際のポイント
請求書を作成する際に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
2-1.請求書Noを振っておくと便利
必須項目ではありませんが、請求書に通しNoを振っておくと、書類の管理が楽になります。
また、顧客から問い合わせがあったとき、請求書Noで照会すれば、迅速に対応することが可能です。
2-2.請求書の発行日は相手の締め日に合わせる
会社では、請求書の日付をもとに仕訳や帳簿の記入を行いますので、請求書の発行日は相手の締め日に合わせて記載するのが一般的です。
支払サイト(取引期間の締め日から支払期日までの期間)は企業によってまちまちですので、事前に相手先の締め日を確認してから請求書の日付を記載しましょう。
2-3.重要な部分は太字・サイズ大で明記する
請求書の中でも特に重要な部分は、フォントを太字にし、かつサイズも他より大きめにしてメリハリをつけましょう。
具体的には、タイトルや請求金額、相手の名前などは太字・サイズ大にすると、一目で重要な項目が目に入るようになります。
3.請求書の作成で注意すること
請求書を作成する際気を付けておきたいポイントを2つご紹介します。
3-1.電子データとして送付する場合は事前に相手先へ確認を!
現在は電子帳簿保存法により、帳票類を電子データとして保存することが法的に認められています。[注1]
しかし、2021年10月時点では事前に税務署への申請が必要(2022年1月施行の法改正から不要)となるため、企業によっては電子データでの保存に対応していない可能性があります。
電子データでの送付を検討する場合は、あらかじめ事前に請求先に連絡し、了承を得るようにしましょう。
[注1]国税庁「電子帳簿保存法の概要」
3-2.メール便での送付はNG
郵便法第4条では、日本郵便株式会社および契約によって同社から郵便業務の一部の委託を受けた者以外が信書の送達をすること、および信書信書の送達を委託することを禁じています。[注2]
ここでいう「信書」とは、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書のことを指しており、請求書も信書に該当します。
近年は、宅配便のシステムを利用して書類などを配送するメール便を活用してDMなどを送る企業が増えていますが、信書にあたる請求書をメール便で送付すると、郵便法に違反することになりますので注意しましょう。
[注2]e-Gov法令検索「郵便法」
4.請求書を作成するときは、必要な項目を正確に記載するのがポイント
請求書のフォーマットに明確な規定はないものの、相手に取引内容や請求金額がはっきりわかるよう、必要な項目を正確に記載することが大切です。
特に請求書の要になる請求金額、品目、単価、数量などは、数字のミスがないよう、慎重に記載する必要があります。
なお、請求書はPDFファイルなどに変換して電子データとして送付することができますが、相手が帳票を紙で保存している場合も考慮し、事前に電子データでの送付が可能かどうか問い合わせておきましょう。
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