経費精算は月またぎできるのか?精算期限と気を付けるべきポイントを紹介
更新日: 2024.10.7
公開日: 2020.4.1
OHSUGI
経理担当者としては、その月に発生した経費はその月のうちに精算してもらいたいところでしょう。しかし、ときには経費精算が月をまたいでしまうこともあります。
今回は、そもそも税法上月またぎの経費精算として仕訳はできるのか、どのような場合は経費精算がおこなえないのか、月またぎの経費精算が起きてしまう原因について解説します。
①月・年またぎの経費精算はそもそも可能なのか?
②税法上は可能?
③年度またぎの経費精算は要確認!
④前月文の領収書を翌月に精算する場合の経費処理
⑤月をまたいでの費用が発生する場合の経費処理
月、年度またぎの経費精算に関して気になった時にいつでも確認できる資料です。大変わかりやすくまとめておりますので、無料でこちらからダウンロードしてご覧ください。
目次
1. 月(年)をまたぐ経費精算とは
月(年)をまたぐ経費精算には、2種類の経費精算があります。
1-1. 月末の経費を精算するケース
例えば領収書の提出期限が領収書の日付から10日以内という社内ルールを持つ会社があるとします。
ある従業員には6月27日の領収書があり、7月4日に経費精算の申請をおこなって7月8日に精算がおこなわれたなら、月またぎの経費精算となるのです。
社内ルールに違反している場合は論外ですが、社内ルールに則って経費精算しても月またぎになる可能性は十分にあります。
1-2. 出張など一定期間にわたって経費が発生しているケース
例えば、従業員が月またぎで1週間の出張におこなった場合の経費です。この場合も、基本的には領収書の日付で経費を分けて考えます。
年度をまたいでいても考え方は同じで、領収書の日付が前年度のものであれば前年度の経費、今年度の日付であれば今年度の経費となります。
2. 月またぎの経費精算はできるの?
月をまたいで経費精算をおこなえるのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、税法上経費精算の月またぎは可能です。
商法上は経費精算の事項は5年と定められています。そのため、年度をまたいだ経費精算であっても、翌年度の経費として精算し、翌年度の費用に計上すれば法律上は問題ありません。
とはいえ、経理担当者は更正の請求など複雑な手続きが必要です。こうした事態にならないように、できるだけ早く経費精算の申請をおこなってもらう必要があるでしょう。
3. 年度またぎの経費精算は会社の信用を損なう恐れがある
先述のとおり、経費精算の請求期限は5年間です。そのため、従業員は期限内であればいつでも経費精算の申請をすることができます。
しかし、月またぎや年度またぎの経費精算は経理担当者に負担をかけるだけでなく、会社の信用を大きく損なう可能性があるため、決められた期限内におこなうようにしましょう。
特に、年度またぎで経費精算する場合は、決算や税務報告の修正が必要となります。「会社の財務状況を正しく申告できない」ということは、投資家や取引先からの信頼を失い、取引の見直しにつながる可能性もあるでしょう。一従業員の小さなミスでも、経理担当者は決算をやり直さなければならず、社外からも「ルールを守れない会社」と見られることにつながりかねません。
このような事態を防ぐためには、社内の経理規程を定めて、周知徹底する必要があります。また、「月またぎや年度またぎが発生した場合の影響」について知ってもらうことも一つです。
とはいえ、月・年またぎの経費精算が起こった時に、経費処理ができるかどうかわからない時に毎回調べたり、人に聞いたりするのはとても工数がかかります。
当サイトで無料配布しております資料「経費精算の月・年またぎの注意」では本記事の内容をわかりやすくスライド形式でまとめており、月や年をまたいだ際の経費精算に関しての疑問はこれひとつで気になったタイミングにすぐ確認して解決できるので、経理業務をより正しく効率的にすすめることができます。資料は無料となっておりますので、ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。
4. 月またぎの経費精算が発生してしまう原因と対策
経費精算をスムーズにおこなうために、月またぎの経費精算はできるだけ少なくしたいところです。
従業員に遅れのない経費精算をおこなってもらい、経理担当者の負担を軽減するためには、どんな課題に対して、どのような対策が必要なのでしょうか。
ここでは、経費精算が月またぎとなってしまう原因と対策を解説いたします。
4-1. 原因① 従業員にルールが浸透せず、経費精算の期日が曖昧になっている
経費精算の遅れは上司や経理担当者に大きな負担をかけるものです。月またぎの経費精算が発生する場合、従業員にはできるだけ早く申請書を提出してもらう必要があります。
しかし、社内の経費精算に関するルールに対して厳守するような文化や仕組みがなかったり、ルール自体が曖昧となっていたりする場合は、経費精算の遅れが発生しやすい状況になるでしょう。
経費精算に関する社内ルールを従業員に守ってもらえるよう、まずは徹底的に周知しましょう。
デメリットやペナルティがあることを従業員が理解できれば、おのずとルールを守ってくれるようになるはずです。
また、経費精算に関するガイドライン資料を作成し、定期的に期日をメールなどで配信することで、従業員にルールが浸透していくでしょう。
4-2. 原因② 経費精算業務に手作業が多く面倒と感じている
紙で経費精算申請書を作成している場合、書類の作成に時間がかかるため、どうしても面倒くさいと感じてしまう方が多いのではないでしょうか。
さらに、手作業によって記入ミスのリスクもあるため、承認者や経理担当者の負担も大きくなってしまいます。
会社の規定に則った申請書の作成、領収書の保管、押印による承認依頼、目視による確認作業など、経費精算だけでもかなりの工数が発生してしまいます。
負担やミスを減らすためには、手続きの簡素化や経理管理システムの導入を検討することもおすすめです。人件費の削減に繋がり、業務の効率化も図れるでしょう。
5. 月またぎを発生させないためは従業員全員の協力が必要
月またぎの経費精算は税法上問題なく、社内ルールの範囲内でおこなうことは可能です。しかし、月またぎの経費精算手続きは煩雑であるため、経理担当者の負担が増加してしまいます。また、イレギュラー対応は税務署からの追及や別のミスにつながる恐れがあるでしょう。
月またぎを発生させず、経理部門の負担軽減のためには、経費清算の申請する従業員も申請を承認する管理職も協力して社内ルールを守っていくことが重要です。
経理担当者と申請する従業員双方の負担を軽減させるためには、経理管理システムを導入するのも1つの手です。月またぎの経費精算にお悩みの経理担当者はぜひ参考にしてみてください。
①月・年またぎの経費精算はそもそも可能なのか?
②税法上は可能?
③年度またぎの経費精算は要確認!
④前月文の領収書を翌月に精算する場合の経費処理
⑤月をまたいでの費用が発生する場合の経費処理
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