健康診断は40歳以上から必須項目が増える?特定健康診査について解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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健康診断は40歳以上から必須項目が増える?特定健康診査について解説

治療レポートにアクセスする医師

「40歳以上の従業員は健康診断の必須項目が増える?

「特定健診って聞くけど、具体的に何をチェックするの?」

企業の経営者や労務担当者にとって、従業員の健康管理は重要な業務の一環です。

40歳以上の従業員に対しては、生活習慣病予防を目的とした「特定健康診査(特定健診)」が義務付けられています。必須項目が増えるため、注意が必要です。

本記事では、特定健診の概要や検査項目、定期健康診断や人間ドックとの違い、さらに特定健診の実施の流れについて詳しく解説します。

従業員の健康を守るためにも、特定健診の重要性をしっかりと把握しましょう。

1. 健康診断は40歳以上から必須項目が増える!特定健康診査(特定健診)を解説

日本健康診断基準値表

40歳以上になると生活習慣病のリスクが高まるため、特定健康診断の対象となり、健康診断の必須項目が増えます。

特定健康診査(特定健診)は、40歳から74歳の医療保険加入者を対象に、生活習慣病の予防と早期発見を目的としておこなわれる健康診断です。

特定健診を受けることで、将来の健康リスクを軽減し、生活習慣病の予防や改善につながるアドバイスを受けられます。毎年、職場や地域で実施されているため、対象者は必ず受診することが大切です。

2. 特定健康診査の検査項目

カルテをチェックする男性医師

特定健康診査の検査項目を以下の流れで解説します。

  • 基本的な健診項目
  • 詳細な健診項目

2-1. 基本的な健診項目

基本的な健診項目は、すべての受診者が受ける検査です。

医師の判断で一部の項目を省略できる場合もありますが、基本的には以下の内容が含まれます。

健診項目 内容
既往歴や服薬歴の調査 これまでの病歴や現在の薬の服用状況、喫煙習慣などについて調査する
身体計測 身長、体重、BMI(体格指数)と腹囲を測定する。腹囲の測定は、内臓脂肪面積の測定に代替可能
血圧測定 高血圧のリスクを確認する
尿検査 尿中の糖や蛋白の有無を調べ、腎臓や代謝機能の状態を確認する

また、血液検査も必須項目の一つです。採取した血液から、以下の3つの項目を検査します。

検査項目 内容
肝機能検査(AST, ALT, γ-GTP) 肝臓の健康状態を確認する
血中脂質検査 HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪を測定し、脂質異常の有無を確認する
血糖検査 空腹時血糖やHbA1cを測定し、糖尿病のリスクを評価する

参考:特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第 4.1 版)|厚生労働省

2-2. 詳細な健診項目

詳細な健診項目は、医師の判断にもとづいて追加される検査です。

以下の4つの検査がおこなわれる可能性があります。

健診項目 内容
貧血検査 ヘモグロビン値や赤血球数を測定し、貧血の有無を調べる
心電図検査 血圧や不整脈のリスクがある場合に、心臓のリズムや状態を調べる
眼底検査 血糖や血圧の異常がある場合に、網膜の血管の状態を確認する
血清クレアチニン検査 血液中のクレアチニン濃度を測定し、腎臓が老廃物を適切に処理できているかを評価する

参考:特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第 4.1 版)|厚生労働省

3. 特定健康診査と企業の「定期健康診断」の違い

スーツの男性が赤十字マークを片手で持つ

特定健診と企業の定期健康診断は、目的や対象者、検査内容に違いがあります。

特定健康診査 企業の定期健康診断
主な目的 生活習慣病の予防 労働者の健康管理と職場の安全確保
対象者 40歳から74歳の医療保険加入者 常時雇用されている従業員
実施主体 医療保険者(国民健康保険や健康保険組合など) 企業や事業者
実施頻度 年に1回 年に1回
基本的な検査内容
  • ・質問票(服薬歴、喫煙歴)
  • ・身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
  • ・血圧測定
  • ・血液検査(肝機能、血中脂質、血糖)
  • ・尿検査(尿糖、尿蛋白)

※医師の判断で心電図や眼底検査などが追加される場合があり

  • ・質問票(既往歴、業務歴)
  • ・身体計測(身長、体重、腹囲)
  • ・血圧測定
  • ・視力・聴力検査
  • ・胸部X線検査
  • ・血液検査(貧血、肝機能、血糖、血中脂質)

※心電図検査なども必要に応じて実施される場合あり

なお、会社員で40歳以上の人は、定期健康診断を受ければ特定健診を別途受ける必要はありません。定期健康診断には特定健診の検査項目も含まれているためです。

また、会社員の扶養家族(例:妻や夫)が40歳以上の場合も、企業が実施する特定健診を受診できます。

4. 特定健康診査と人間ドックの違い

脳や心臓などのマークが聴診器を囲んでいる

特定健診と人間ドックはどちらも健康診断ですが、目的や検査内容、費用、法的義務の有無に違いがあります。以下にまとめました。

特定健康診査 人間ドック
主な目的 生活習慣病の予防 全身の病気(がんや心臓病、脳疾患など)の早期発見
対象者 40歳から74歳の医療保険加入者 自分の健康状態を詳しく確認したい人(任意)
一般的な検査内容
  • ・質問票(服薬歴、喫煙歴)
  • ・身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
  • ・血圧測定
  • ・血液検査(肝機能、血中脂質、血糖)
  • ・尿検査(尿糖、尿蛋白)

※医師の判断で心電図や眼底検査などが追加される場合があり

  • ・胸部・腹部CT
  • ・胃カメラ
  • ・大腸内視鏡検査
  • ・腫瘍マーカー検査
  • ・超音波検査(乳腺、甲状腺、腹部など)
  • ・MRI

など

費用 自治体や医療保険者(健康保険組合など)が実施するため、自己負担額は少額 基本的に自費で受けるため、検査内容によって費用が大きく変わる
法的義務 対象者は必ず受ける必要がある 個人の意思で受けるもので、法的な義務はない

定期健康診断や特定健診でカバーしきれない部分まで詳しく調べたい方は、人間ドックの受診がおすすめです。

5. 特定健康診査の実施の流れ

ステップ1から5まで記載された木のブロック

特定健診の主な流れは以下の通りです

流れ 内容
1. 特定健診の案内を受け取る 加入している医療保険者(国民健康保険や健康保険組合)から、特定健診の案内と受診券が送られる
2. 特定健診を受診する 指定された医療機関や施設で、特定健診を受ける
3. 判定 健診結果をもとに、メタボリックシンドロームのリスクを評価し、以下の3つのクラスに分類される

  • ・積極的支援(高リスク)
  • ・動機づけ支援(中リスク)
  • ・情報提供のみ(低リスク)
4. 結果の通知 個別に健診結果が送られ、対象者には特定保健指導についての案内が送られる
5. 特定保健指導 特定保健指導が必要と判定された場合、医師や保健師による生活習慣改善のサポートを受けて改善に取り組む

特定健康診断後に必要に応じて実施される特定保健指導は、3〜6ヵ月程度かけて取り組むことが一般的です。診断を受けて終わるのではなく、その後の健康増進に役立てます。

6. 特定保健指導の対象者

腹囲を測る男性

特定保健指導の対象となるのは、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上で、なおかつ以下の追加リスク項目のうち2つ以上に該当する方です。

※腹囲が基準以下でもBMIが25以上の場合は特定保健指導の対象

追加リスク項目 基準
血圧 収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
脂質 中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満
血糖 空腹時血糖値100mg/dl以上またはHbA1c(NGSP値)5.6%以上
喫煙歴 喫煙している場合に該当

また、特定保健指導の対象者は、健診結果に基づいて以下の3つのクラスに分けられます。

クラス 基準
積極的支援(高リスク) 腹囲やBMIが基準を超え、かつ追加リスクが多い場合
動機づけ支援(中リスク) 腹囲やBMIが基準を超え、追加リスクが1つだけの場合
情報提供のみ(低リスク) リスク要因が少ない場合

積極的支援と動機づけ支援の対象となった方は、医師や保健師による生活習慣改善に向けたアドバイスが受けられます。

参考:特定保健指導の実際 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

7. 40歳以上の従業員の健康診断は必須項目に注意しよう

白い背景に手描きでサービスを案内する男性の実業家

40歳以上になると健康診断の必須項目が増え、特に生活習慣病のリスクを確認する「特定健康診査(特定健診)」を受けることになります。企業は40歳以上の従業員がいる場合に注意が必要です。

特定健診を受けることで、従業員の健康状態を早期に把握でき、さらに将来の健康リスクを下げるためのアドバイスが受けられます。特定健診の必須項目をしっかりと把握し、従業員の健康を守りましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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