【2026年4月等施行】労働安全衛生法改正のポイント|企業が対応すべき内容を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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【2026年4月等施行】労働安全衛生法改正のポイント|企業が対応すべき内容を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

【2026年4月等施行】労働安全衛生法改正のポイント|企業が対応すべき内容を解説

パソコンを操作する様子

労働安全衛生法は、働く人の安全と健康を確保するために社会情勢や労働環境の変化に応じて改正を重ねています。近年では、2025年5月に改正労働安全衛生法が公布され、2026年4月以降、本格的な施行(※ストレスチェックの改正は2028年4月施行)が開始されています。

対応を怠ると労働災害リスクが高まるだけでなく、法令違反として罰則を受ける可能性もあるため、適切な対応が求められます。本記事では、近年の改正背景とともに、個人事業者への安全対策強化やストレスチェック制度の適用拡大など、最新の改正ポイントと企業の対応を解説します。

参考:労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)|厚生労働省

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1. 労働安全衛生法の改正の背景

パソコンでのデータ分析

近年、日本では少子高齢化により労働力不足が進み、高年齢者や女性、外国人など多様な人材の活用が求められています。また、働き方の多様化に伴い、新たな労働災害や健康課題への対応も重要になっています。

こうした社会環境の変化を踏まえ、2025年5月に成立した改正労働安全衛生法では、誰もが安心して働ける職場環境の実現を目的として、個人事業者等に対する安全衛生対策の強化、ストレスチェック制度の対象拡大、高年齢労働者の労働災害防止・健康確保対策の推進などが盛り込まれました。これらの改正は2026年4月以降に本格的に施行(※ストレスチェックの改正は2028年4月施行)されています。

参考:労働安全衛生法・作業環境測定法等改正の主なポイントについて~令和8(2026)年度から本格的に施行されます~|厚生労働省

1-1. 2024年・2025年施行の労働安全衛生法改正をおさらい

まずは2026年改正の内容を理解する前提として、2024年から2025年にかけて施行された主な労働安全衛生法関連の改正を振り返ってみましょう。

2024年から2025年にかけて、労働安全衛生法および関連省令・規則の改正が段階的に施行されました。主な改正内容は次のとおりです。

施行時期 改正内容 概要
2024年4月 化学物質管理制度の見直し ラベル表示・SDS交付対象物質の拡大、リスクアセスメントの強化、ばく露防止措置の充実など
2024年4月 化学物質管理体制の強化 化学物質管理者や保護具着用管理責任者の選任を義務化し、安全衛生管理体制を整備
2024年4月 SDS記載事項の拡充 SDSの通知事項を追加し、含有量表示の適正化や危険有害性情報の充実を推進
2024年4月 第三管理区分事業場への対応強化 作業環境改善や再評価の実施、保護具管理体制の整備などを強化
2025年4月 危険箇所等における安全措置の対象拡大 一人親方や下請事業者なども退避・立入禁止措置の対象に追加
2025年4月 一人親方等への安全情報の周知義務化 作業手順や危険有害情報、保護具の使用方法などの周知を義務化
2025年6月 熱中症対策の強化 熱中症のおそれがある作業において、報告体制の整備や対応手順の作成・周知を義務化

参考:労働安全衛生法の新たな化学物質規制|厚生労働省

参考:2025年4月から事業者が行う退避や立入禁止等の措置について|厚生労働省

参考:職場における熱中症対策の強化について|厚生労働省

近年は化学物質による健康障害や熱中症、一人親方等を含む多様な就業形態における労働災害への対応が課題となっており、こうした職場環境の変化やリスクの多様化に対応するため、制度の見直しが進められました。

2. 2026年施行の労働安全衛生法の主な改正内容

図1引用:労働安全衛生法・作業環境測定法等改正の主なポイントについて~令和8(2026)年度から本格的に施行されます~|厚生労働省

2025年5月に成立・公布された労働安全衛生法等の改正により、2026年から新たな制度が本格的に施行(※ストレスチェックの改正は2028年4月施行)されます。

今回の改正では、個人事業者等に対する安全衛生対策の強化、ストレスチェック制度の対象拡大、化学物質による健康障害防止対策の推進、高年齢労働者の労働災害防止対策の強化など、幅広い見直しがおこなわれました。

企業には、改正内容を正しく理解し、自社に求められる義務や対応事項を確認したうえで、計画的に準備を進めることが求められます。

参考:労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)|厚生労働省

2-1. 個人事業者等の安全衛生対策の強化

近年、建設業や物流業を中心に個人事業者やフリーランスが企業活動に関わる機会が増えていますが、従来の労働安全衛生法は労働者を主な対象としており、対応が十分ではありませんでした。

今回の改正では、個人事業者等を労働災害から守るため、発注者や元方事業者の責任を明確化し、安全衛生対策の強化が図られています。

2-1-1. 注文者等に求められる安全衛生への配慮【公布日施行】

建設工事に限らず、業務を発注する注文者等に対して、個人事業者等が安全かつ健康に業務を遂行できるよう、仕事の発注や業務委託をおこなう際に必要な配慮をする責務が新たに規定されました。

例えば、無理な工期や危険な作業方法を前提とした発注を避けるなど、安全に業務を実施できる作業条件の確保に努めることが求められます。

2-1-2. 混在作業場所における元方事業者等の措置義務の拡大【2026年4月施行】

建設現場や工事現場など、複数の事業者が同じ場所で作業する「混在作業場所」において、元方事業者が講じるべき安全衛生措置の対象が拡大されます。

これまで主に労働者を対象として実施されていた連絡調整や災害防止措置について、個人事業者等も対象に含めて対応することが求められます。これにより、同一現場で働くすべての関係者の安全確保を図り、作業間の事故や災害の防止を促進します。

2-1-3. 業務上災害に関する報告制度の新設【2027年1月施行】

個人事業者等に発生した業務上の死傷災害について、労働基準監督署への報告制度が新たに設けられます。休業4日以上または死亡に至る災害が発生した場合には、その発生状況などを速やかに報告しなければなりません。

また、脳・心臓疾患や精神障害については、通常の災害報告とは別に、個人事業者等本人が労働基準監督署へ報告できる仕組みが整備されます。これにより、行政は個人事業者等の業務上災害の実態を把握しやすくなり、今後の安全対策の推進や制度改善に活用することが期待されています。

2-1-4. 個人事業者等への安全衛生措置の義務化【2027年4月施行】

個人事業者等についても、安全確保のための取り組みが新たに義務付けられます。具体的には、構造規格や安全装置を備えた機械の使用、対象機械の定期自主検査の実施、危険・有害な業務に従事する際の安全衛生教育の受講などが求められます。

2-1-5. 作業場所管理事業者への連絡調整措置の義務化【2027年4月施行】

作業場所を管理する事業者には、同一の場所において危険または有害な作業がおこなわれ、複数の事業者や個人事業者等が関与する場合に、作業間の連絡調整などの災害防止措置を講じることが義務付けられます。

2-2. ストレスチェックの義務対象拡大【2028年4月施行】

現在のストレスチェック制度は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に対し、年1回の実施が義務付けられています。改正後はこの対象が拡大され、50人未満の事業場にも実施義務が課されます。

これにより、事業規模や業種にかかわらず、すべての事業場でストレスチェックの実施が求められることになります。なお、施行時期は「2028年4月1日」です。

今後は中小企業においても、従業員のストレス状況を把握し、高ストレス者への適切な対応や職場環境の改善につなげるなど、より実効性のあるメンタルヘルス対策が求められるでしょう。

参考:第185回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)|厚生労働省

関連記事:50人未満の事業所もストレスチェック義務化!いつからやるべきかや罰則などを解説

2-3. 化学物質による健康障害防止対策の強化

化学物質による労働者の健康障害を防ぐため、危険性や有害性に関する情報の確実な伝達や、ばく露状況を適切に把握するための仕組みの整備が進められます。これにより、事業者による化学物質管理の実効性が高まり、より安全な作業環境の確保につながることが期待されます。

2-3-1. 危険性・有害性情報の適切な通知の確保【公布後5年以内施行】

化学物質を譲渡・提供する事業者が、危険性・有害性に関する情報を適切に通知しなかった場合の罰則が新たに設けられました。また、通知した内容に変更が生じた際の再通知についても、これまでの努力義務から法的義務へと見直されています。

2-3-2. 営業秘密成分に関する代替化学品名等の通知【2026年4月施行】

化学物質の成分名が営業秘密に該当する場合は、一定の要件を満たす有害性が比較的低い物質に限って、成分名の代わりに代替化学名等を通知することが認められます。

ただし、代替表示が認められるのは成分名のみであり、人体への影響や応急措置、取扱い上の注意事項などの安全衛生に関する情報については、従来どおり通知する必要があります。

2-3-3. 個人ばく露測定の信頼性向上【2026年10月施行】

危険・有害な化学物質を取り扱う作業場では、労働者の有害因子へのばく露状況を把握するために実施される「個人ばく露測定」について、測定の精度と信頼性を確保する観点から、作業環境測定法に位置付けられました。これにより、個人ばく露測定は、有資格者が実施することが必要となります。

2-4. 機械設備に関する労働災害防止対策の強化

機械設備に起因する重大な労働災害を防止するため、特定機械等の製造許可制度や検査制度の見直しがおこなわれます。安全性の確保に加え、検査や講習における不正行為を防止するため、監督・指導体制も強化されます。

2-4-1. 特定機械等の製造許可・検査制度の見直し【2026年4月施行】

ボイラーやクレーンなどの特定機械等については、製造許可に係る手続きの合理化が図られます。これまで国が実施していた設計審査や製造時等検査について、一定の要件を満たした登録機関が実施できる業務範囲が拡大され、民間の専門性を活用した制度運用が進められます。

2-4-2. 特定自主検査・技能講習における不正防止対策の強化【2026年1月施行】

フォークリフトや車両系建設機械などの特定自主検査については、厚生労働大臣が定める基準に従って実施することが義務付けられました。また、検査業者が基準に違反した場合には改善命令が出され、違反の内容や改善命令への対応状況によっては、業務停止命令や登録取消しなどの行政処分を受ける可能性があります。

さらに、技能講習修了証やこれに類する書面の不正交付が禁止され、不正に交付された修了証に対しては回収命令を発することができるようになりました。回収命令に従わない登録教習機関に対しては、登録取消しなどの措置が講じられるほか、取消し後に再登録を受けられない期間(欠格期間)を10年以内の範囲で指定できることとされています。

2-5. 高年齢労働者が安全に働ける環境整備の推進【2026年4月施行】

高年齢者の労働災害を防止するため、事業者には、高年齢者の身体機能や健康状態の変化に配慮した作業環境の改善や作業管理などの措置を講じることが努力義務として求められています。

2026年4月1日から適用される「高年齢者の労働災害防止のための指針(エイジフレンドリー指針)」では、高年齢者の心身の状況や作業上のリスクを把握し、それらに応じた安全対策を進めることが重要です。

参考:高年齢者の労働災害防止のための指針(エイジフレンドリー指針)を策定しました。|厚生労働省

2-6. 治療と就業の両立を支える取り組みの推進【2026年4月施行】

2026年4月から職場における治療と就業の両立支援の取り組みが事業主の努力義務となりました。

事業主は「治療と就業の両立支援指針」に基づき、労働者からの相談に適切に対応するための体制整備や、必要に応じた就業上の配慮などの措置を講じるよう努めることが求められます。

参考:治療と仕事の両立について|厚生労働省

3. 労働安全衛生法に違反すると罰則を受ける可能性がある

チェック項目にチェックしながら進む

労働安全衛生法では、事業者に対して従業員の安全と健康を確保するための各種義務が課されています。これらの義務に違反した場合には、行政指導や是正勧告がおこなわれるほか、違反内容や重大性に応じて刑事罰の対象となることがあります。

例えば、危険防止措置を講じていなかった場合や、法令で定められた作業主任者の選任を行っていなかった場合などは、労働安全衛生法違反となり、行政指導や是正勧告の対象となります。改善が見られない場合や悪質な違反と判断された場合には、送検され、違反内容に応じて6ヵ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金などの刑事罰が科される可能性があります。

また、労働安全衛生法違反が原因で労働災害や健康被害が発生した場合には、企業は民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。さらに、行政による公表や報道を通じて企業名が明らかになることもあり、社会的信用の低下につながることで、人材採用や取引関係に悪影響を及ぼすおそれもあります。

近年では、長時間労働の是正やメンタルヘルス対策など、職場の安全衛生に対する社会的関心が高まっています。労働安全衛生法への適切な対応は、単なる法令遵守にとどまらず、安心して働ける職場環境の整備と企業の持続的な成長に直結する重要な取り組みといえます。

関連記事:労働安全衛生法に違反した場合の罰則と違反事例、企業の果たすべき対策を解説

4. 労働安全衛生法改正に対して企業が取り組むべきポイント

電子ペンでチェックする

2026年4月から本格的に施行(※ストレスチェックの改正は2028年4月施行)される労働安全衛生法の改正内容は多岐にわたり、企業には法令遵守だけでなく、従業員が安全かつ健康に働ける職場環境づくりが求められます。

改正への対応を円滑に進めるためには、自社への影響を正しく把握し、必要な体制整備や従業員への周知をおこなうことが重要です。ここでは、企業が取り組むべき主なポイントを解説します。

4-1. 自社にどの改正項目が関係するかを整理する

労働安全衛生法の改正内容は、すべての企業に同じように一律で適用されるわけではなく、企業規模や業種、従業員数、事業内容などによって、求められる対応の内容や範囲が異なる場合があります。

そのため、まずは改正内容をきちんと確認したうえで、自社にはどのような影響があるのかを整理しておくことが大切です。例えば、個人事業者等への安全衛生対策の強化やストレスチェック制度の適用範囲の見直しなど、自社の人員構成や労務管理体制に関連する改正項目の有無を確認しましょう。

また、改正項目ごとに施行時期が異なる点にも注意が必要です。自社に関連する改正については施行時期もあわせて確認し、必要な対応を計画的に進められるようスケジュールに落とし込んでおくとよいでしょう。

4-2. 社内ルールや管理体制を見直す

改正内容によっては、就業規則や安全衛生管理規程などの社内ルールを見直す必要があります。まずは、既存の運用方法が法改正後の基準に適合しているかを確認し、不足や見直しが必要な点があれば、速やかに改善していくことが重要です。

また、法改正への対応を特定の担当者だけに任せるのではなく、経営層も含めた組織全体で取り組むことで、継続的で実効性のある安全衛生活動につなげやすくなります。

4-3. 従業員への周知・教育を実施する

法改正の内容を適切に運用するためには、従業員への周知と教育が欠かせません。制度が変更されても、その内容が従業員に十分理解されていなければ、期待される効果を得ることは難しいでしょう。

例えば、ストレスチェック制度の対象拡大が適用される場合には、制度の目的や利用方法、従業員が受けられる支援内容などを丁寧に説明することが重要です。

研修や説明会、社内ポータルサイト、メール配信など複数の手段を活用し、従業員が理解しやすい形で情報を提供しましょう。継続的な教育をおこなうことで、安全衛生に対する意識向上と職場環境の改善につながります。

5. 労働安全衛生法の改正内容について理解しておこう

オフィスでのディスカッション

労働安全衛生法は、働く人の安全と健康を確保するために制定された法律であり、社会や労働環境の変化に応じて継続的に改正されています。2026年4月以降に本格施行(※ストレスチェックの改正は2028年4月施行)される改正では、個人事業者等への安全対策の強化やストレスチェック制度の対象拡大などが盛り込まれています。

これらに違反した場合は罰則の対象となる可能性があるほか、企業の社会的信用にも影響を及ぼすおそれがあります。そのため、企業は自社への影響を整理し、社内ルールの見直しや従業員教育を計画的に進めることが重要です。

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