外国人雇用管理指針の改正とは?2026年6月から人事が確認すべき変更点 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

外国人雇用管理指針の改正とは?2026年6月から人事が確認すべき変更点 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

外国人雇用管理指針の改正とは?2026年6月から人事が確認すべき変更点 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

外国人雇用管理指針の改正とは?2026年6月から人事が確認すべき変更点

技能実習生

外国人労働者を雇用する企業に向けた「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(通称:外国人雇用管理指針)が改正され、2026年6月14日から段階的に適用が始まっています。

今回の改正は、外国人雇用状況届出制度の運用改善と、2027年4月に控える「育成就労制度」の創設という2つの制度変更を背景にしたものです。人事担当者が対応する必要のある実務も多いため、事前に正しく理解しておきましょう。

本記事では、改正の背景と主なポイントを、適用時期の違いも含めて整理します。

参考:外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針|厚生労働省

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1. 外国人雇用管理指針が改正される背景

はてな

厚生労働省の集計によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人となり、前年から26万8,450人(11.7%)増加しました。これは、外国人雇用状況の届出が義務化された2007年以降で過去最多の水準です。

「自社は外国人を雇っていないから関係ない」という企業でも、人手不足を背景に外国人材の採用を検討する場面は今後さらに増えていくと見込まれ、雇用管理のルールを押さえておく重要性は増しているといえます。

外国人雇用管理指針は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第7条に定められた事項について、事業主が適切に対応できるよう、講ずべき措置をまとめたものです。今回の改正は、主に2つの政策的な動きを受けたものです。

1つ目は、2026年1月23日に「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」が決定した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」です。この対応策では、外国人雇用状況届出制度について、実効性を高めるための運用改善が求められました。届出義務があるにもかかわらず、実際の摘発件数がごく一部にとどまっているとの指摘があり、在留カード確認の徹底など、届出の正確性を高める仕組みが必要とされました。

2つ目は、2027年4月1日に施行される改正出入国管理及び難民認定法・改正技能実習法です。この改正により、これまでの技能実習制度に代わって「育成就労制度」が新たに創設されます。育成就労制度は、人材育成と人材確保を目的とし、一定の要件のもとで本人の意向による転籍(転職)を可能にするなど、技能実習制度とは異なる枠組みを持つ制度であり、受け入れる事業主側の管理体制にも新たな対応が求められます。

これらを踏まえ、厚生労働省は2026年5月15日に労働政策審議会職業安定分科会の答申を経て、2026年5月29日付(厚生労働省告示第227号)で指針の一部改正を告示しました。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)|厚生労働省

2. 外国人雇用管理指針の改正内容

ひらめきのイメージ

改正内容は大きく5項目に整理できます。ここで注意したいのは、すべての項目が同時に適用されるわけではないという点です。項目によって適用開始日が「2026年6月14日」「2026年10月1日」「2027年4月1日」の3段階に分かれています。人事担当者は、自社に関係する項目がいつから適用されるのかを正確に把握しておく必要があります。

適用開始日 改正項目 
2026年6月14日 同一労働同一賃金ガイドラインの適用明記
日本語学習支援・教育訓練への配慮
届出違反の罰則に関する留意・在留カード読取アプリの活用
2026年10月1日 短時間・有期雇用労働者又は派遣労働者として雇い入れた際の明示事項として、通常の労働者との待遇差の内容・理由等の説明を求めることができることを明記
2027年4月1日 「特定技能」「特定活動」に関する届出項目の削除、および育成就労外国人の受入れ等に関する雇用管理項目の新設

参考:外国人雇用管理指針改正の主なポイント|厚生労働省

2-1. 雇用管理・再就職援助に関する事業主責任の明確化

指針の基本的考え方の部分に、労働施策総合推進法第7条が定めるとおり、事業主には外国人労働者の雇用管理の改善に努める責務、および離職の際の再就職援助に関し必要な措置を講ずるよう努める責務があることが明記されました。

あわせて、秩序ある共生社会の実現に向けては、日本人労働者が共生社会について理解し協力することと、外国人労働者側が共生の理念や日本の文化などを理解し責任ある行動をとることの両方が重要であり、事業主が適切な雇用管理をおこなうことがその前提になるという考え方も盛り込まれています。

さらに、不法就労を防止する観点から、事業主が外国人に不法就労をさせた場合には出入国管理及び難民認定法上の罰則が適用され得るという認識のもと、適切な措置を講ずるべきことも明記されました。採用時の在留資格・在留期間の確認は、これまで以上に「事業主の責任」として位置付けられました。

参考:外国人の雇用|厚生労働省

2-2. 短時間・有期・派遣の外国人労働者に関する待遇説明の見直し

外国人である短時間・有期雇用労働者や派遣労働者にも、従来から同一労働同一賃金に関する法令・ガイドラインが適用されます。今回の改正では、その点が外国人雇用管理指針上も明確に示されました。

さらに同年10月1日からは、雇い入れ時に、通常の労働者との待遇差の内容・理由について説明を求められる旨を明示することが必要になります。日本人の短時間・有期雇用労働者や派遣労働者向けの待遇差説明の対応を、外国人労働者にも同様に運用できているか、説明資料や運用フローを点検しておきましょう。

参考:同一労働同一賃金特集ページ|厚生労働省

2-3. 日本語学習支援と教育訓練に関する項目の追加

日本語教育の推進に関する法律(2019年法律第48号)の趣旨を踏まえ、外国人労働者本人だけでなく、その家族に対しても日本語学習の機会の提供等の支援に努めることが事業主の責務として指針に加えられました。

研修やOJT、業務マニュアル、安全衛生教育などの実施にあたっても、日本語能力に配慮した対応その他必要な措置を講ずるよう努めることが規定されています。やさしい日本語での資料作成、多言語マニュアルの整備、通訳・翻訳ツールの活用など、教育訓練の「伝わり方」そのものを見直す契機になりそうです。

なお、この項目には、改正法の施行を踏まえた育成就労外国人の帰国旅費に関する規定も含まれていますが、当該規定の具体的な内容や事業主が負担すべき範囲の詳細は、省令・指針・Q&A等により今後さらに明確化される見込みです。適用は2027年4月1日からとされています。

参考:日本語教育の推進に関する法律|e-Gov法令検索

2-4. 外国人雇用状況届出に関する確認・届出方法の見直し

外国人雇用状況届出についても、2つの見直しがおこなわれました。

1つ目は2026年6月14日からの適用です。届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合には、労働施策総合推進法に規定する罰則が適用され得ることが指針上に明記されました。

在留カードを確認する際には出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」を活用し、券面情報との整合性を確認することが適切とされています。同日から在留カードの券面レイアウトも変わるため、確認担当者への周知もあわせておこなっておきましょう。

2つ目は2027年4月1日からの適用です。現在、「特定技能」の外国人は従事する特定産業分野を、「特定活動」の外国人はその活動内容を、それぞれ届出時に確認・記載する必要がありますが、この記載が届出事項から削除されます。氏名・在留資格・在留期間といった基本的な確認事項は変わりませんが、「分野」「活動類型」欄の確認・転記の手間は軽減される見込みです。

参考:在留カード等 読取アプリケーションを積極的にご活用ください!|厚生労働省

2-5. 育成就労制度の創設に伴う雇用管理項目の追加

技能実習制度に代わる育成就労制度の創設(2027年4月1日施行予定)を踏まえ、指針にも育成就労外国人に関する雇用管理項目が新設されます。事業主は、外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律に定める内容に留意し、育成就労の適正な実施と育成就労外国人の保護に取り組むことなどが規定されます。

確認しておきたいポイントは、次の4点です。

  1. 受入れ体制:監理支援機関や登録支援機関との役割分担、社内の受入れ担当者の配置など、受入れに必要な体制が整っているか
  2. 費用負担:渡航費用、住居費、講習費用などについて、事業主と本人のどちらがどこまで負担するのかを整理できているか
  3. 帰国旅費:育成就労外国人が帰国する際の旅費について、法令・指針・Q&Aなどで示される事業主負担の範囲を踏まえ、自社としてどこまで負担するのかを確認できているか。
  4. 転籍制限の説明:一定の要件を満たせば本人の意向による転籍が認められるため、その条件や手続きを本人にきちんと説明できる体制になっているか

この項目は2027年4月1日からの適用ですが、技能実習生を受け入れている企業や、今後外国人材の受入れを検討している企業にとっては、早めの準備が重要です。

参考:育成就労制度|出入国在留管理庁

3. 外国人雇用管理指針の改正で人事が見直すべきポイント

話し合う女性

人事担当者が実務面でどのような見直しを進めればよいか、4つの観点で解説します。

3-1. 労働条件通知書や雇用契約書の記載を確認する

短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者として外国人を雇用している場合は、通常の労働者との待遇差について、その内容や理由を具体的に説明できる状態になっているかを確認しましょう。

基本給や賞与だけでなく、各種手当や福利厚生、教育訓練の機会なども説明の対象となるため、待遇ごとに整理しておくことが望まれます。

さらに2026年10月1日からは、雇入れ時に「待遇差の説明を求めることができる」旨を労働者に明示することも必要になります。労働条件通知書のひな形や説明用資料を、施行日までに改定しておきましょう。

労働条件通知書や雇用契約書の内容が外国人労働者本人にきちんと伝わっているかという点も重要です。専門用語の多い書面は誤解を生みやすいため、やさしい日本語への言い換えや母国語・英語などの多言語対応の必要性も含めて、この機会に点検しておくとよいでしょう。

参考:同一労働同一賃金特集ページ|厚生労働省

3-2. 在留カード確認と届出フローを整備する

採用時はもちろん、在留期間の更新時にも在留カードを確認し、在留資格・在留期限・就労制限の有無から就労の可否を正しく判断できる体制になっているかを見直しましょう。

確認のタイミングやチェック項目を社内ルールとして文書化しておくと、担当者が変わっても運用の質を保ちやすくなります。

外国人雇用状況届出についても、誰が・いつまでに・どのような方法で届け出るのかを明確にし、届出漏れを防ぐ社内フローを整理しておくことが重要です。雇入れ時だけでなく離職時にも届出が必要になる点は、見落としが起こりやすいため注意が必要です。

在留カードの偽変造対策として、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」の利用手順についても、確認を担当する従業員にあらかじめ周知しておきましょう。

参考:「外国人雇用状況の届出」について|厚生労働省

参考:在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ|出入国在留管理庁

3-3. 日本語学習支援と研修体制を整える

外国人労働者本人だけでなく、その家族も日本語を学べる機会や、自治体・国際交流協会などが運営する地域の日本語学習支援窓口の情報を案内できる体制を整えましょう。日本語能力の向上は、業務上のコミュニケーションの円滑化だけでなく、地域社会への定着や離職防止にもつながる重要な取り組みです。

現場で使用するマニュアルや研修資料、安全衛生教育の内容についても、外国人労働者の日本語能力に配慮した形に見直しておく必要があります。イラストや写真、動画の活用、やさしい日本語での言い換え、母国語版の併用など、理解度に応じた工夫を検討しましょう。特に安全衛生教育は労働災害の防止に直結するため、内容が確実に理解されているかをテストや面談で確認する仕組みも有効です。

参考:「生活者としての外国人」のための日本語学習サイト|文化庁

3-4. 育成就労制度への対応を準備する

技能実習制度に代わる育成就労制度の開始に向けて、自社の受入れ体制や、監理支援機関との役割分担をあらかじめ確認しておきましょう。育成就労制度では就労を通じた人材育成と人材確保が目的とされるため、育成計画の作成や日本語教育など、受入れ企業側に求められる対応も変わってきます。

帰国旅費の負担や、一定要件を満たした場合に認められる本人意向の転籍など、労働者本人への説明が必要な事項も整理しておきましょう。説明資料をやさしい日本語や母国語で用意するなど、外国人労働者が納得して働き始められる環境づくりを、施行前から計画的に進めることが望まれます。

参考:育成就労制度|出入国在留管理庁

関連記事:育成就労制度とは?2027年4月施行の概要や技能実習・特定技能との違いを解説

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今回の改正で実務上最も注意すべきは、適用時期が3段階に分かれている点です。特に2026年10月1日施行の「待遇差説明を求められる旨の明示」は、労働条件通知書のひな形改定が必須となるため、逆算して準備を始める必要があります。また、在留カード確認は従来「望ましい対応」と受け止められがちでしたが、罰則の明記により事業主責任が一段と重くなりました。

読取アプリの利用手順を採用フローに組み込み、確認記録を残す運用を徹底してください。育成就労制度への移行は2027年4月とまだ先ですが、費用負担や転籍要件の整理には時間がかかります。現在技能実習生を受け入れている企業は、監理団体任せにせず、今期中に自社の受入れ体制の棚卸しに着手することをおすすめします。

解説:社会保険労務士

4. 外国人雇用管理指針の改正に関するよくある質問

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実際の現場で人事担当者が迷いやすいポイントをQ&A形式でまとめました。

実務に直結する疑問を3つピックアップしていますので、自社の対応状況と照らし合わせながら確認してください。

4-1. 日本語学習支援は企業の義務ですか?

法的な強制力を伴う義務ではなく、努力義務として位置づけられています。

指針では、外国人労働者本人やその家族に対して、日本語学習の機会の提供等の支援に努めることが事業主の責務とされています。ただし、これは「できる限り取り組むべき」という努力目標であり、対応しなかったこと自体に罰則が科されるものではありません。

しかし、日本語能力への配慮は研修や安全衛生教育の実効性にも直結するため、積極的な対応が望まれます。

4-2. 在留カード等読取アプリの利用は必須ですか?

指針上は「活用することが適切」とされており、法令で使用が義務付けられているわけではありません。

ただし、事業主には在留資格や就労の可否を正しく確認する責任があり、券面情報の確認を怠って不法就労を招いた場合には、出入国管理及び難民認定法上の罰則が適用され得ます。

読取アプリを使えば偽造カードの見分けや有効期限の確認がしやすくなるため、確認業務の精度を高める手段として活用しておくと安心です。

参考:外国人の適正雇用について|警視庁

4-3. 外国人労働者にも同一労働同一賃金は適用されますか?

適用されます。

もともとパートタイム・有期雇用労働法や労働者派遣法にもとづく同一労働同一賃金の考え方は、国籍にかかわらずすべての労働者が対象です。

今回の改正では、短時間・有期雇用・派遣の外国人労働者も指針の対象であることが改めて明確化されました。

また2026年10月1日からは、待遇差の内容や理由の説明を求められる旨を雇入れ時に明示する必要があります。

外国人労働者であることを理由に、この手続きを省略できるわけではないため注意しましょう。

参考:同一労働同一賃金特集ページ|厚生労働省
参考:パートタイム・有期雇用労働法とは|厚生労働省

関連記事:同一労働同一賃金で各種手当はどうなる?最高裁判例や待遇差に関して
関連記事:同一労働同一賃金の説明義務はどう強化された?注意点や説明方法も解説

5. 外国人労働者の雇用環境を整備しよう

笑顔の男女

厚生労働省は、事業主が自社の対応状況を確認できる「外国人労働者の雇用管理改善等に係る自主点検表」も公開しています。今回の改正内容とあわせて活用し、就業規則や雇入れ時の説明資料、届出フローなどを一度棚卸ししてみることをおすすめします。

外国人労働者数は年々増加しており、人手不足に悩む企業にとって、外国人材の受入れは選択肢のひとつではなく前提になりつつあります。

今回の指針改正を機に、届出や説明対応といった最低限のルール遵守にとどまらず、日本語学習支援や公正な待遇説明など、外国人労働者が安心して長く働ける環境づくりに取り組むことが、人材の定着や採用競争力の向上にもつながっていくはずです。

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