給与計算のDXを進めるには?効果や手順を詳しく解説
更新日: 2024.1.24
公開日: 2023.6.1
OHSUGI
近年、人事労務分野におけるDX化が注目を集めています。DXとはデジタルトランスフォーメーションの略語で、企業の人事労務をはじめとした手続き業務をデジタル化、クラウド化することを指します。
煩雑になりがちな企業の給与計算でDXを進めれば、業務効率が大きく高まります。本記事では、給与計算のDX化について詳しく解説します。
関連記事:給与計算とは?業務内容ややり方・流れ、基礎知識をわかりやすく解説
給与計算の効率化方法を徹底比較!
給与計算は間違いが許されない、確認作業が何回も必要な業務です。
また、給与明細の発行や、封入作業、郵送作業など従業員一人ひとりに対しての対応に手間がかかっている方も多いのではないでしょうか。
今回は「給与計算の手間を削減したいけど、この課題ってどの解決策が一番いいの?」とお考えの
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1. 給与計算のDX化とは?
DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)を略した呼び名です。
DXでは、デジタルテクノロジーを導入してビジネスのプロセスを改良または創造していきます。これによって、ビジネスの状況をよりよいものへとブラッシュアップすることが可能です。
DXはしばしばデジタル化と混同されがちですが、両者の定義は少し異なっています。デジタル化とはあくまで、業務効率化などを目的としてビジネスのプロセスをデジタルのツールに置き換えることです。紙の資料を廃止してペーパーレス化の資料を作ることや、タイムカードを使わずシステムを使って勤怠管理をすることはデジタル化に該当します。
DXにおいては、デジタル化はあくまで手段と考えられています。デジタルへと移行したことがきっかけでビジネスに変化がもたらされて初めて、DXが達成されたといえるのです。
給与計算業務をDX化することは労務分野に大きな効果をもたらします。給与計算業務には従業員のデータ登録や勤怠管理、計算の実行や検証、明細書発行や振込、書類保管といった数多くのフェーズがあります。金額は月ごとに変動することも多く、給与計算業務に携わる人には大きな負荷がかかっています。
アナログな手法で行われる給与計算業務ではミスが起きるリスクもあります。また、給与計算のノウハウが属人化し、一部の従業員に負担がかかるケースも考えられます。
これまでアナログ手法を用いていた給与計算の業務にDXを導入することで、業務効率化や生産性の向上が見込めます。
2. 給与計算のDX化による効果
給与計算の手間を省き効率を高めるためにも、積極的にDX化を行いたいものです。ここからは、給与計算をDX化することによって得られる効果について考えていきましょう。
2-1. 作業スピードがアップする
給与計算に特化したシステムを導入すれば、給与計算業務のスピード感がアップしやすくなります。
アナログな手法で給与計算をしているケースでは、給与の締め日前後に多くの時間や手間がかかってしまいます。こういった現場でシステムを導入すれば、給与計算が自動化され、給与計算にかかる時間を大きく短縮できます。
煩雑な処理に時間を取られることがなくなれば、その時間を別の作業にあてることが可能となります。結果として、部署全体の作業効率や生産性が大きく高まります。
2-2. ミスが起こりにくくなる
給与計算のDX化では、ミスが起こりにくくなる効果も得られます。
紙のタイムカードを集計するときには、数字の転記ミスや給与額の計算ミスが起きる可能性があります。従業員数が多いほど作業も煩雑になり、ミスのリスクも高まります。
金銭を扱う部署で大きなミスが起きた場合、トラブルに発展することもあるので注意が必要です。
DX化によって勤怠管理や給与計算の作業を自動化できれば、転記や計算のミスが起きる心配がなくなります。DX化を進めていくためにも、正確に給与計算ができる環境を整えたいものです。
2-3. 属人化が起きにくくなる
給与計算は属人化が起きやすい業務のひとつです。
一部の担当者が紙媒体やエクセルの資料で作業しているケースでは、入力内容にばらつきが出て給与計算に混乱をきたすことがあります。また、給与計算を長期間担当していたスタッフが退職したあとに給与計算業務のスピードや質が大きく落ちるケースもあります。
給与計算業務をDX化すれば、複数の従業員が手軽にシステムを扱えるようになります。結果として属人化が起きにくくなり、作業効率も高まります。
2-4. コストを削減できる
DX化を進めることはコスト削減にもつながります。
デジタルシステムを導入すれば紙の書類を扱う機会は減っていきます。結果として、紙やインクにかかる購入費用、文書を保管する物理的スペースの削減、書類作成や保管にかかる人件費の削減などが実現できます。
またDX化には、作業工数が減ることによる人件費の削減効果も期待できます。コスト削減のためにも、給与計算のDX化を積極的に進めたいものです。
2-5. 法改正に対応しやすくなる
所得税や社会保険料など、給与計算におけるルールは法改正で変わることがあります。専用の給与計算システムを導入しておけば、法改正があったときでも設定を変更するなどの方法で手軽に対応できます。
法改正にスムーズに対応でき、給与計算の処理で混乱やミスが起きにくくなるのも、DX化を行うことで得られる大きな効果です。
3. 給与計算のDX化を進める手順
給与計算のDX化を行うときには、具体的な手順を把握しておくことが重要です。ここからは、給与計算のDX化を行うときの具体的な手順を見ていきましょう。
関連記事:給与計算方法を11ステップに分けて解説!注意点・効率化のポイントも
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3-1. 自社に合ったシステムを選ぶ
まずは給与計算を最適化できる専用ツールを選んで導入しましょう。
給与計算システムにはパッケージソフトやクラウドシステムなどの種類があります。使用感やコスト面などを比較し、使いやすいシステムを選びましょう。
勤怠管理システムや人事システムと連携できるタイプのシステムを選べば、より効率が高まります。
3-2. システムの設定や登録をする
給与計算システムを導入したら、システムの設定や情報の登録を行います。
システム上には個々の従業員の職種や雇用形態などのデータを反映できます。また、出勤日数や時間外労働時間、給与振込口座、各種手当、社会保険料や所得税率、控除項目といったデータも必要です。
給与計算を問題なく進めるためにも、抜けや漏れがないようデータを登録しておきましょう。
給与計算システムには給与計算後に必要となる各種処理の登録もできます。税務処理、経費処理、退職処理などの各項目について適切に定義しておきましょう。
3-3. 管理者や担当者の研修を行う
給与計算のDX化を成功させるためには、システムの管理者や給与計算の担当者がシステムの仕組みや操作方法を熟知している必要があります。管理者や担当者がシステムについて十分に学べるよう、研修の機会を設けるとよいでしょう。
給与計算業務においては属人化を避け、複数の従業員が対応できる環境を整えておくのがベターです。誰もが直感的に使えるようなシステムを選んで導入すれば、スムーズにDX化を実現できます。
3-4. 従業員に対する周知を行う
給与計算システムを導入する際には、従業員に対して丁寧な周知を行いましょう。
とくに、電子化した給与明細書のダウンロード方法やダウンロード期限について伝えておくことは大切なポイントです。従業員の混乱を招くことがないよう、問い合わせに丁寧に答えるなど適切な対処を行いましょう。
4. まとめ
給与計算に特化した専用システムを導入し、スマートなDX化につなげよう
給与計算業務に専用システムを導入することで、作業が快適になったと実感する担当者は多いものです。給与計算のDX化を推進することは、経理業務の効率化や生産性向上へとつながっていきます。
システムの導入にあたって担当者への研修や従業員への周知を十分に行うなど工夫し、DX化をスムーズに進めていきましょう。
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