【図解】給与計算ガイド!人事・総務・経理が知っておくべき基本知識を解説!
更新日: 2025.7.16
公開日: 2020.12.10
jinjer Blog 編集部
人事業務の一環として「給与計算」があります。給与計算の業務内容は多岐にわたるため、慣れるまでには相当な時間がかかることもあるでしょう。また、給与計算に特別な資格は必要ありませんが、労働基準法や所得税法など法律も多く関係するので、正確な知識を身につけておくことが求められます。
この記事では、給与計算の方法や業務の流れ、最低限知っておきたい基礎知識、業務上の注意ポイントなどを解説します。
【給与計算業務のまとめはコチラ▶給与計算方法を11ステップに分けて解説!注意点・効率化のポイントも】
初めての給与計算業務、何から手をつければ良いかわからないとお悩みではありませんか?
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目次
1. 給与計算とは
給与計算とは、従業員の給与を計算して支払う業務のことです。給与担当者は、従業員に給料を支払うために、毎月総支給額や控除額の計算をおこないます。給料は従業員の労働の対価となるので、ミスは許されません。
ここでは業務の基本となる給与計算の仕組みや資格の必要性について解説します。
【給与計算の基礎をおさえたい方はコチラ▶給与計算の基礎を解説!初心者でもわかる給与の仕組みや計算方法】
1-1. 給与計算の基本的な仕組み
給与計算において、給与に含まれるものは以下の3つに分類できます。
①基本給
②手当(通勤手当、役職手当、資格手当、家族手当、住宅手当など)
③変動的な給与支給額(残業代・深夜割増代・休日割増代)
この中で、②の手当に関しては企業によって有無が異なります。また、従業員によっても手当の有無や金額が違うため、給与計算業務を初めて担当する場合は就業規則を必ず確認しましょう。
基本的な給与計算は以下の計算式で表すことができます。
【総支給額】―【控除額】=【差引支給額(手取り額)】
【総支給額】:基本給に残業代などの各種手当をプラスした金額で、額面とよばれるもの
【控除額】:税金と社会保険料のこと(会社によって親睦会費などの特別な項目を設けていることもある)
【差引支給額】:従業員の銀行口座に振り込まれる金額のことで、手取り額ともよばれる
1-2. 給与計算をするのに、資格は必要?
給与計算業務をするのに、資格は必要ありません。ただし、給与計算をおこなうためには労働基準法や社会保険の仕組み、所得税、住民税などの知識が必要になります。最初は難しく感じるかもしれませんが、勉強しながら少しずつ慣れていきましょう。
なお、給与計算をするうえで取得必須の資格はありませんが、役立つ資格はいくつかあります。もっとも役立つのは社会保険労務士や税理士などの士業ですが、士業は国家資格なので専門的な勉強をしないと取得するのは難しいでしょう。
「士業は無理でも専門的な知識を身につけたい」という方は、民間資格がおすすめです。例えば、「給与計算実務能力検定試験」という民間の資格を取得すれば、給与計算業務に役立てられるので資格取得を目指してみてもよいでしょう。
関連記事:給与計算業務に資格は必要?代行する場合の資格の必要性についても詳しく解説
2. 給与計算の3つの方法|メリット・デメリットも解説
給与計算業務をおこなう際、いくつかの方法があります。ここでは、3つの方法とそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
2-1. 表計算ソフトを用いる
表計算ソフトを用いる方法とは、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを使い、関数などを組み合わせて給与計算する方法です。
表計算ソフトを使うメリットは、導入が手軽である点や既存ソフトを使うだけなのでコストがかからない点が挙げられます。また、ExcelやGoogleスプレッドシート以外にも、Web上では表計算の無料テンプレートが公開されています。テンプレートの中には、最初から計算式が搭載されているものもあるので、関数の設定などが苦手な方でも簡単に給与計算ができるのもメリットです。
一方のデメリットは、計算ミスが生じやすいことです。表計算ソフトは、入力をすれば自動計算してくれますが、計算式や関数式を入力段階で間違えてしまうと、正しい給与を算出できません。また、法改正で税率が変わったり、社会保険料や固定給などが変更になったりした場合、手動で修正しなければならず、給与計算ミスにつながる可能性もあるので、慎重に給与計算業務をおこないましょう。
関連記事:給与計算をエクセルでおこなう方法とは?4つのメリットと注意点を解説
2-2. 外部業者へ業務委託する
給与計算には、社労士や税理士など外部の専門業者にアウトソーシングするという方法もあります。
給与計算は複雑なタスクであり、法令や税法の変更にも対応しなければなりません。アウトソーシングすれば、専門知識を持つプロフェッショナルによる正確な計算が保証されるというメリットがあります。
一方で、アウトソーシングする場合はその分の費用や、担当者同士のコミュニケーションが必要です。また、給与計算に必要な従業員の勤怠情報などを、早めにかつ厳密なスケジュールに則って取りまとめなければなりません。このように、費用がかかることや担当者の業務スケジュールの柔軟性がなくなるという点がデメリットになります。
関連記事:給与計算の代行・アウトソーシングのメリット・デメリットと相場をご紹介
2-3. システムを導入する
表計算ソフトによる給与計算に限界を感じていて、給与計算業務を外部に委託する手間やコストを減らしたいと考えている場合、給与計算システムを導入して業務に取り組む方法がおすすめです。
給与計算システムを利用すれば、計算を自動化できるため、業務の効率化が期待できます。また、勤怠管理システムと連携させれば、勤怠の集計から給与の計算までをワンストップでおこなうことが可能です。さらに、給与計算に関わる法令や税法の改正があった場合も、自動でアップデートされるシステムを選べば未然に計算ミスを防止できるでしょう。
ただし、給与計算システムを導入・運用するにはコストがかかります。また、システムの操作が難しいと、かえって業務負担が増加する恐れもあります。費用や機能、使いやすさなどの観点から複数のツールを比較し、自社のニーズにあった給与計算システムを導入することが大切です。
関連記事:給与計算を自動化するメリット・デメリット、具体的な方法や手順も紹介
3. 給与計算の方法とその流れ(フロー)
給与計算業務の大まかな流れ(フロー)は、以下のようになっています。
- 従業員の勤怠情報を締め、労働時間を集計する
- 総労働時間から総支給額を計算
- 各種保険料・税金を計算
- 総支給額から各種保険料と税金を控除する
- 給料を振り込み、保険料と税金を納付
上記の流れを見るとわかるように、給与担当者は会社で働く全従業員の給与を確定する業務をおこなうので、それぞれの工程についてきちんと理解しておくことが大切です。
なお、勤怠情報の管理や労働時間の集計は、人事・総務が担当することもあれば、経理が担当することもあるので、自社の業務フローをよく確認し、効率化できるよう適宜見直しをしましょう。ここからは、給与計算業務のそれぞれの工程について詳しく紹介します。
3-1. 勤怠の締め・労働時間の集計
給与計算をする前に、まずは従業員の勤怠情報をみて抜け漏れや不審な箇所がないかを確認します。必要に応じて従業員や上長に確認をとり、全従業員の全労働日について正しい勤怠情報がそろった時点で、勤怠を締めます。
勤怠を締めた後は、総労働時間や遅刻・早退の時間、欠勤日の時間、時間外労働・休日労働・深夜労働のあった時間など、給与計算に必要な項目ごとに労働時間を集計します。
【勤怠の締めについて知りたい方はコチラ▶勤怠の締め作業の重要性とは?重要性や効率的に管理する方法をご紹介!】
【労働時間の集計方法を知りたい方はコチラ▶労働時間の正しい計算方法についてわかりやすく解説】
3-2. 総支給額の計算
算出した各種の労働時間数をもとに、給与の総支給額を計算します。
就業規則で規定されている「基本給」や、時間外労働・休日出勤などによって発生する「各種手当」、そして対象期間に発生した遅刻・早退を含む「欠勤控除」をもとに、総支給額の計算をします。
計算式で表すと以下の通りです。
【総支給額】=【基本給】+【各種手当】-【欠勤控除】
各種手当は「固定」と「変動」の2つに分かれています。
固定手当:通勤手当、役職手当、資格手当、住宅手当など
変動手当:残業手当、休日出勤手当、深夜手当など
変動手当である残業手当や休日出勤手当、深夜手当は、それぞれ割増率が決められています。
労働した時間帯や1日の労働時間、1週間の労働時間などで割増率が異なるので、慎重に計算をおこないましょう(詳細な計算方法は後述)。
3-3. 各種社会保険料の計算
総支給額を算出したら、次は控除する社会保険料の計算をします。
社会保険料の計算では、主に「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」の4つの保険料の計算が必要です。
健康保険料、厚生年金料、介護保険料:【標準報酬月額】×【保険料率】
雇用保険料:【雇用保険料】=【総支給額】×【保険料率】
「健康保険」「厚生年金保険」は、標準報酬月額にそれぞれの保険料率をかけて算出した額を会社と従業員で折半して計算をします。健康保険料率は地域や加入している健康組合によって異なるため、必ず加入先が提示している保険料額表を確認しましょう。
「介護保険」は、40歳から64歳までの健康保険加入者に課される社会保険です。こちらも標準報酬月額に保険料率をかけて算出した額を会社と従業員で折半します。健康保険と同様に、加入先が提示している保険料額表を確認しましょう。
「雇用保険料」はその月の総支給額に毎年厚生労働省より発表されている雇用保険の保険料率をかけると算出できます。
参照:令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内|厚生労働省
【社会保険料と給与計算について詳しくはコチラ▶社会保険料の計算方法とは?給与計算や社会保険料率についても解説】
関連記事:厚生年金保険料とは?保険料率や計算方法などわかりやすく解説
3-4. 住民税・所得税の計算
毎月支払う給与からは、社会保険料だけでなく、住民税と所得税の税金も控除する必要があります。住民税は都道府県と市区町村に納付し、所得税は国に納付する税金です。
住民税を給与から天引きする場合、毎年5~6月ごろ従業員が居住する自治体から送られてくる「決定通知書」を参考に、従業員の給与から差し引きます。
【住民税の計算について知りたい方はコチラ▶給与計算における住民税とは|住民税の計算・納付・注意点について解説】
次に給与から天引きする所得税を算出する際、まず給与総額から社会保険料や非課税手当を差し引き、その額をもとに「給与所得の源泉徴収税額表」と照らし合わせて源泉所得税額を算出します。なお「扶養控除等(異動)申告書」の提出の有無や、扶養親族の人数によっても、源泉所得税額は変わってくるので、慎重に計算をしましょう。
【所得税の計算について知りたい方はコチラ▶所得税とは?|源泉所得税の計算方法や税額表の見方を解説】
3-5. 差引支給額の計算
最初に計算した給与の「総支給額」から、「各種社会保険料と住民税・所得税」を差し引くと、「差引支給額」が算出されます。これが従業員の「手取り」となります。
【総支給額】-【保険料・税金などの控除額】=【差引給与額(手取り)】
関連記事:給与計算業務の流れ|月間と年間のスケジュールも紹介!
3-6. 台帳作成などの事務処理・給料の振込手配
差引支給額(手取り)が決定したら、賃金台帳への記入や給与明細の作成などの事務処理と各従業員への支払い手続きをおこないます。
賃金台帳は、原則最後に書き込んだ日から5年間(当面の間は3年)保管することが労働基準法によって義務付けられているため注意しましょう。
給与明細書の作成に関しては、労働基準法で義務付けられていないので必須ではありません。しかし、所得税法においては、企業は従業員に給与明細書を渡すことが義務付けられているため、作成して給与支払い時に渡す必要があります。
関連記事:給与明細とは?保管期間や注意点、記載項目までくわしく解説
3-7. 各種社会保険料・税金の納付
事務処理や振込手配が終わったら、各種社会保険料や所得税、住民税を納付します。
社会保険料は、各役所から送られる「納入通知書」をもとに月末までに納付しなくてはいけません。また、所得税や住民税などの税金は、税務署へ翌月10日までの納付が必要です。
社会保険料や税金の納付までが、給与計算の業務内容となります。
3-8. 給与計算の例
ここでは、実際にひとりの従業員の給与を計算した場合の例を紹介します。
■想定している従業員
年齢:25歳(独身)
所定労働時間:1日8時間(月平均所定労働時間160時間)/基礎賃金:1,562円
基本給:25万円/標準報酬月額:30万円(19等級)
勤務地:東京都(一般事業)/居住地:東京都/協会けんぽ加入
■総支給額
基本給 | 250,000円 |
残業:20時間:1,562円 × 25% × 20時間 | 39,050円 |
深夜残業:5時間:1,562円 × 50% × 5時間 | 11,715円 |
通勤手当 | 12,000円 |
計 | 312,765円 |
■各種社会保険料
健康保険料:30万円 × 9.91%(令和7年度3月分~) ÷ 2 | 14,865円 |
厚生年金保険料:30万円 × 18.3% ÷ 2 | 27,450円 |
介護保険料 | 0円 |
雇用保険料:312,765円 × 5.5/1,000(令和7年度~) | 1,720円 |
計 | 44,035円 |
■住民税・所得税
住民税(仮) | 5,000円 |
所得税:312,765円 ー(44,035円+12,000円)=256,730円(計算の基礎となる金額) | 6,750円 |
計 | 11,750円 |
■差引支給額
総支給額 ー(各種社会保険料+住民税・所得税):312,765円 ー(44,035円+11,750円) | 256,980円 |
4. 給与計算業務の基本的な知識
給与計算をミスなくおこなうために、給与担当者は「労働基準法」や「所得税法」、「企業の就業規則」など、多くの労務知識が必要となります。給与計算に特別な資格は必要ありませんが、効率や規則を考慮して給与計算をするため、業務に慣れるまでは時間がかかるでしょう。
給与計算をする際に押さえておくべき労務知識は数多くありますが、ここでは基本的な知識について紹介します。
関連記事:給与計算の初心者がこれだけは押さえるべき3つのポイント
4-1. 給与計算の賃金支払基礎日数
賃金支払基礎日数とは、給与の計算対象となる期間の日数のうち、給与を支給するために基本的に考慮される日数のことです。
月給制の場合は、各月の暦日数が支払基礎日数となります。一方、時給制の場合は、出勤日数がそのまま支払基礎日数となります。
月給制で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合は、就業規則や給与規定などに基づき、事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数が支払基礎日数となります。
関連記事:賃金支払基礎日数とは?基本となる数え方と間違えやすいケースを徹底解説
4-2. 賃金支払いの5原則
「賃金支払いの5原則」とは、労働基準法第24条で定められた給与(賃金)の支払いに関する法律です。
①通貨払いの原則
②直接払いの原則
③全額払いの原則
④毎月1回以上払いの原則
⑤定期日払いの原則
給与は、賃金支払いの5原則に則り、原則として、直接労働者に通貨でその全額を支払う必要があります。また、毎月1回以上期日を定めて支払う義務もあります。
もし、違反した場合は企業側に罰則が適用されるため、十分に気を付けましょう。
関連記事:賃金支払いの5原則とは?例外や守られないときの罰則について
4-3. 残業、休日出勤、深夜労働の割増賃金(手当)
法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた労働をさせる場合や、法定休日(週1日もしくは4週4回以上)に労働をさせる場合、通常の給与に割増率を乗じた割増賃金(手当)を支給する必要があります。また、深夜帯(原則22時~翌5時)に労働させる場合も、深夜労働の割増賃金の支払いが必要になるので注意しましょう。
割増賃金率の一覧
区分 | 割増率 |
---|---|
時間外労働:法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働 | 25%以上 |
休日労働:法定休日の労働 | 35%以上 |
深夜労働:深夜(22時から5時までの)労働 | 25%以上 |
1ヵ月60時間を超える時間外労働 | 50%以上 |
組み合わせ可能な割増賃金率
組み合わせ | 割増率 |
---|---|
時間外労働+深夜労働 | 50%(25%+25%)以上 |
休日労働+深夜労働 | 60%(35%+25%)以上 |
1か月60時間を超える時間外労働+深夜労働 | 75%(50%+25%)以上 |
上記の割増率を元に以下の計算式で割増賃金を算出します。
【対象となる時間数】×【基礎賃金(時給)】×【割増率】
残業などの手当が未払いだった場合、従業員から未払い賃金の請求を受けるだけでなく、労働基準法に基づき罰則が適用される恐れもあるため十分に気を付けましょう。
関連記事:労働基準法第37条における割増賃金規定の正しい計算方法
5. 給与計算業務で注意すべきポイント
給与計算は、従業員に渡す給与を決定する重要な業務です。ひとつのミスが従業員の信頼を失い、会社への不信感へと繋がりかねません。
そこで、ここでは給与計算業務をするうえで注意すべきポイントを詳しく解説します。
5-1. 業務範囲を確認する
給与計算業務は、会社によって担当部署が異なるケースもあります。
例えば、総務部や管理部が一括しておこなうケースや、人事部と経理部で手分けしておこなうケースなど色々なパターンがあります。また、担当部署が1つであっても、従業員数が多い場合は業務を分担するのが一般的です。
そのため、自分の担当領域や業務範囲を間違えないよう、必ず上司や先輩に確認しましょう。
関連記事:社労士の給与計算業務とは|相場ややり方、準備すべきことをご紹介
5-2. 適切に端数処理をする
給与計算では、残業代や社会保険料などの計算において端数が発生することもよくあります。端数処理のルールは法律で定められています。例えば、雇用保険料であれば、給与から天引きする場合、50銭以下は切り捨て、50銭1厘以上は切り上げて端数処理することが原則です。
残業代や割増賃金に関しても、端数処理のルールが決められています。このように、給与計算業務に取り組む中で端数が生じたら、法律に基づき正しく処理をおこない、給与計算をしましょう。
5-3. 法改正に気を付ける
社会保険制度や税制は、毎年のように改正がおこなわれています。例えば、令和7年度の雇用保険料率は、令和6年度から引き下げられています。
最新の法改正を反映させて給与計算をしなければ、社会保険料・税金の納付ミスや、未払い・過払い賃金の発生につながる恐れもあります。このような事態を生じさせないためにも、社内で法改正にきちんと対応できる仕組みを整備しておきましょう。
5-4. ミスをしないように細心の注意を払う
「給与計算業務は大変」といわれる理由のひとつに、ミスが絶対許されないことが挙げられます。
従業員に支給する賃金であることに加え、国や自治体に納付する税金や社会保険料の計算も一緒におこなうためミスは許されません。
給与計算にミスがあった場合、当該従業員に謝罪をしたうえで給与の追加支給や差し引きをおこない、本来の支給額になるよう調整することになります。しかし、謝罪をして差額分を支払っても、計算ミスというのは従業員からの信用を失いかねない行為です。また、社会保険料や税金の納付ミスにつながり、法令違反となる恐れもあるので、給与計算ミスを防ぐための対策が不可欠です。
まずはダブルチェックを採用するなど計算ミスが起こりにくい仕組みを作り、正確な給与計算ができるようにしましょう。
ただし、給与計算の業務は多岐に渡るため、事業をグロースさせるコアの業務に注力できなくなる可能性があります。そこでよく導入されるのが給与計算システムになります。
当サイトでは給与計算システム「ジンジャー給与」を例に、給与計算システムのサービス内容や費用感がわかる資料を無料で配布しております。システムを導入することによってミスや手間が減らせそうと感じた方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
【給与計算でミスを防ぐ方法を知りたい方はコチラ▶給与計算のミスを防止する5つの施策を原因別に解説】
【給与計算でミスした際の対応を知りたい方はコチラ▶給与計算ミスに気づいた時のお詫びの方法や注意点を文例とともに解説】
6. 給与計算の業務効率を上げる方法
給与計算システムの導入は、人事労務業務におけるDXの第一歩です。
給与計算を自動化することにより、給与計算業務が迅速かつ正確におこなわれるだけでなく、給与計算担当者の業務時間を大幅に短縮できます。空いた時間を活用すれば、人材活用のための人事戦略を考える時間などに充てることも可能です。
また、従業員情報を給与計算に紐づけることで、給与に関する人事データへのアクセスも簡単になります。人事データを上手く活用すれば、世の中の水準に合わせた給与配分の計算や、人員が増加した際の人件費のシミュレーションをおこなえるので、経営戦略における財務改善にも役立ちます。
関連記事:給与計算のDXを進めるには?効果や手順を詳しく解説
7. 給与計算業務の流れを正しく理解しておこう!
給与計算の業務内容は、毎月おこなう月間業務だけでなく、年間業務も含めるとかなりの数に上ります。
一つひとつの計算はさほど難しくありませんが、正確にデータを入力・管理したり、法改正や税制改正の情報をしっかりキャッチして逐一アップデートしたりすることは容易ではありません。
数字やコツコツと作業することが好きな人には向いている仕事かもしれません。しかし、より正確かつスムーズな給与計算のために、専用の給与計算システムやソフトなどを活用して業務効率のアップを目指しましょう。
関連記事:給与計算ソフトとは?メリットや選定ポイント7選を一挙ご紹介
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