給与計算の初心者がこれだけは押さえるべき3つのポイント | jinjerBlog

給与計算の初心者がこれだけは押さえるべき3つのポイント

給与計算は従業員を雇う場合、必ず行う必要があります。経験と知識を必要とする業務であり、さまざまなリスクを含んだ作業です。

今回は、給与計算の初心者の方向けに、給与計算の正しい方法や注意点についてご紹介していきます。

1. 給与計算前に準備しておくもの

まず、給与計算を実施するにあたって、あらかじめ準備しておくべきものについて確認しておきましょう。

ここでは、給与計算前に準備しておくもの4点として取り上げていきます。

  1. 就業規則や給与規定の作成
  2. 保険への加入
  3. 従業員情報の把握および更新
  4. 従業員の勤怠管理

以下、具体的にこれら4点についてご紹介してきます。

1-1. 就業規則や給与規定の作成

給与計算前に準備しておくものとして、就業規則や給与規定の作成が挙げられます。

従業員の勤務に関するルールや労働条件を定めた就業規則は、10人以上の従業員を要する事業所では必ず作成・届出をしなければならないものとなっています。

また給与規定は、従業員に給与を支払う上で、給与計算のもとになりますので、こちらについてもあらかじめ準備しておきましょう。

1-2. 保険への加入

給与計算を行う上で、保険への加入は重要な項目となります。条件にあてはまる従業員はすべて加入する義務がありますので、忘れることのないようにしましょう。

なお、対象となる保険は次の5つとなります。

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 介護保険
  4. 雇用保険
  5. 労災保険

1-3. 従業員情報の把握および更新

従業員は、勤続年数や役職の変更により、基本給や手当等が変更になります。また勤務地・居住地の変更があった場合は、通勤手当が変わることもあるでしょう。

このような従業員の情報については、給与計算に大きく関係する部分でもあります。

そのため、常に最新の情報を把握し、給与計算時には情報の更新をしておきましょう。

1-4. 従業員の勤怠管理

最後に、給与計算時に欠かせないものとして、従業員の勤怠管理の情報が必要になります。

従業員の勤怠管理情報は、通常の労働時間の計算のほか、時間外労働分、またパート・アルバイトで働く従業員の給与計算に利用します。

2. 給与計算の正しい方法

ここからは、給与計算を行う上での正しい方法3つについてご紹介します。

  1. 支給額を計算する
  2. 保険料の計算を行う
  3. 所得税・住民税の計算を行う

以下、具体的にこれら3つの方法について解説します。

2-1. 支給額を計算する

まず、給与として支給する額の計算を行います。

給与支給分は大きく2つのものに大別され、固定的な給与(基本給・職務手当)と変動的な給与(残業代や深夜手当・休日手当)から構成されています。

固定的な給与については、雇用契約書や就業規則を参考に算出しますが、変動的な給与については別途計算の必要があります。

変動的な給与支給額の計算方法

残業手当や深夜手当・休日手当といった変動的な給与支給額は、以下の計算式で計算を行います。

時間外労働の時間数×1時間あたりの賃金×割増率
  • 1時間当たりの賃金は「月給÷1ヶ月あたりの平均所定労働時間」から算出(月給は基本給に役職手当・資格手当を含める)
  • 1ヶ月あたりの平均所定労働時間は「{ (365日-年間所定休日数)×1日の所定労働時間数 } ÷ 12(ヶ月)」から算出

なお、割増率は労働基準法にて定められたものを用いる形となりますので、給与計算前にはあらかじめ確認をしておきましょう。

2-2. 保険料の計算を行う

給与計算を行う上で算出の必要がある保険料には、次の3つが挙げられます。

  1. 雇用保険料
  2. 健康保険料
  3. 厚生年金保険料

以下、これら3つの保険料の計算についてご紹介します。

雇用保険料の計算方法

雇用保険料は、厚生労働省の雇用保険料率表をもとに以下の計算式で算出します。

雇用保険料=月支給額合計×保険料率

健康保険料の計算方法

健康保険料は、全国健康保険協会の都道府県ごとの保険料額表をもとに、以下の計算式で算出を行います。

健康保険料=標準報酬月額×保険料率

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は、日本年金機構の保険料額表をもとに以下の計算式で算出を行います。

厚生年金保険料=標準報酬月額×保険料率

2-3. 所得税・住民税の計算を行う

所得税および住民税は、会社が給与からあらかじめ差し引いて徴収し、従業員の代わりに税務署に納付する(源泉徴収)という形をとっています。

そのため、これら2つについても控除の対象となります。

3. 給与計算で初心者が注意すべき3つのこと

ここでは、給与計算の実施において初心者が注意すべき点を3つ取り上げ、紹介します。

  1. 賃金支払い5原則を守る
  2. 最低賃金ルールを確認する
  3. 残業代の支払いは正確に

以下、具体的にこれら3つの注意点について解説します。

3-1. 賃金支払い5原則を守る

「賃金支払い5原則」とは、労働基準法第24条で定められたもので、必ず守らなければならないものです。

  1. 通貨で支払う
  2. 直接本人に支払う
  3. 全額払いする
  4. 毎月1回以上支払う
  5. 支払期日を特定する

これらの原則を守らない場合、30万円の罰金の対象となりますので、注意が必要です。

なお、状況に応じて労働協約を締結し、規定を設けることにより、本人の同意を得た上で、例外が認められる場合もあります。

3-2. 最低賃金ルールを確認する

基本的に、給与を支払う場合は地域別の最低賃金ルールに則った形での支給が必要となります。

このルールは、毎年秋に見直しをされていますので、都度従業員の給与が最低賃金ルール以下の金額となっていることはないか、確認を行うようにしましょう。

3-3. 残業代の支払いは正確に行う

法定労働時間を超えて働いた労働分については、残業代として支払う義務があります。この残業代については上述の通り、法で決められた割増賃金で支払う必要があります。

割増賃金は、時間外と休日・深夜で割増率が異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。

4. 給与計算は事前に準備が大切!焦らず正確に行おう

今回は、給与計算を初めて行う担当者の方に向けて、給与計算前に準備しておくものや給与計算の正しい方法、注意すべき点についてご紹介してきました。

給与計算のミスは、労働問題など大きなトラブルに発展することもありうる事項です。

本記事で紹介した給与計算におけるルールをあらかじめ確認した上で、間違いのない計算を行うよう心がけましょう。

なお、手動での給与計算等で計算ミスのリスクを感じる場合は、計算の自動化が可能な給与計算システムの導入を検討してみるのもおすすめです。