厚生年金保険料とは?概要と計算方法、法改正などによる注意点を解説 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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厚生年金保険料とは?概要と計算方法、法改正などによる注意点を解説

厚生年金保険料

毎月給与から天引きしされているものの中に厚生年金保険料があることはご存知でしょうか。

厚生年金保険料とは、企業に勤務する会社員や公務員など70歳未満の人が原則として加入する公的年金制度にかかる保険料のことです。

毎年保険料率の改訂や値上げなどで価格が変わるため、支払金額の計算ミスなど気を付けながら業務をおこなう必要があります。

そこで本記事では、「厚生年金保険料とは」といった基礎知識から、法改正や値上げなどの注意点などを解説します。

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保険料率の見直しが毎年あるため、更新をし損ねてしまうと支払いの過不足が生じ、従業員の信頼を損なうことにもつながります。

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1. 厚生年金保険料とは

厚生年金保険

厚生年金保険料とは、厚生年金保険の適用を受ける事業所(企業)に勤務する会社員や公務員など70歳未満の人が原則として加入する、公的年金制度にかかる保険料です。

毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に、一定の保険料率を掛けて計算され、保険料を事業主と従業員で折半して納付します。

1-1. 厚生年金と国民年金の違い

厚生年金と国民年金の違いで覚えておくべきことは、以下の3点になります。

①加入対象者
②保険料
③保険料の支払い負担

厚生年金が70歳未満の会社員や公務員などを対象としているのに対して、国民年金は一般的に「基礎年金」とも呼ばれており、20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入することになっている年金です。

国民年金の保険料は定額であり、令和3年度は月額16,610円となっています。国民年金の支給額は加入期間に応じて決まり、加入期間が満期の40年間ある場合には満額がもらえますが、それより少ないと少しずつ減っていくシステムです。

上述しましたが、保険料の支払い負担に関しては、厚生年金は事業主と従業員で折半であるのに対して、国民年金は加入者が全額負担しなければなりません。

2. 厚生年金保険料の計算方法

計算方法

厚生年金保険では、毎月の給与(基本給や残業手当、通勤手当などを含めた税引きされる前の給与)と賞与(給与とは別でもらえるボーナス や年末手当などの特別配当・報奨金)に共通の保険料率をかけて計算します。

ただし、受け取った給与や賞与そのままの金額に保険料率をかけるのではなく、標準報酬月額や標準賞与額を算出し、その値に保険料率をかけて出さなければいけないので注意が必要です。

  • 毎月の給与(標準報酬月額)×保険料率
  • 毎月の賞与(標準賞与額)×保険料率

上記の計算によって算出された金額の合計が支払うべき厚生年金保険料になります。ただし事業所との折半になりますので、合算した料金を半分にした料金が、従業員の支払うべき料金となります。

従業員が払うべき保険料は、給与計算時に源泉徴収(天引き)します。給与計算で控除するのは従業員が負担する分だけですので、保険料総額に対して2で割る必要があります。

また、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定がおこなわれます。給与の変動に合わせて厚生年金保険料も変動しますので、担当者は改訂後の標準報酬月額で納付額を算出するように注意しましょう。

2-1. 標準報酬月額の計算

標準報酬月額の決定や改訂には、次の5つの方法があります。

①資格取得時の決定
②定時決定
③随時改定
④育児休業等終了時の改定
⑤保険者決定

①の「資格取得時の決定」とは、事業所が従業員を雇用した時(資格取得時)に、その従業員に対して報酬を支払った実績がないため、事業主は、就業規則や労働契約等の内容に基づいて報酬月額を決定し、資格取得月からその年の8月までの各月の標準報酬とすることを指します。

ただし、6月1日から12月31日までに資格取得した人は、翌年の8月までと期間が異なるため注意が必要です。

②の「定時決定」とは、毎年7月1日時点で使用されている事業所において、4月・5月・6月に受けた報酬の総額をその期間の総月数で割ることで出た額を報酬月額として標準報酬を決定することを指し、9月から翌年8月までの各月の標準報酬となります。

もし該当月(4月から6月のどれか)の賃金支払基礎日数が17日未満である場合は、標準報酬月額の計算に使えません。

そのため、もし上記のようなことが起きた場合は、条件を満たしている2か月間で標準報酬月額を求めるという形になります。また、条件を満たしている月が1か月しかない場合は、その月の報酬を等級表にあてはめて、標準報酬月額を求めます。

③の「随時改定」とは、従業員の報酬が昇給・降給等で変動があり、変動後に継続した3か月間に受けた報酬総額を3で割ることで出た額が、以前提示決定した報酬月額に比べて「著しく高低を生じた場合」において、厚生労働大臣が必要と認めたときに改定することを指します。

④の「育児休業等終了時の改定」とは、従業員からの届出により、育児休業等が終了する翌日が属する月から後の3か月間に受けた報酬の平均額に基づき、その翌月から新しい標準報酬月額に改定することを指します。

⑤の「保険者決定」とは、厚生労働大臣が算定する額を従業員の報酬月額として標準報酬月額を決定(改定)することを指しており、その対象となるのは以下の場合になります。

  • 資格取得時決定における算定方法及び定時決定における算定方法による算定が困難なとき
  • 資格取得時の算定額が著しく不当であるとき、定時決定の算定額が著しく不当であるとき
  • 随時改定の算定額が著しく不当であるとき
  • 一時帰休による変動があったとき

関連記事:賃金支払基礎日数とは?基本となる数え方と間違えやすいケースを徹底解説

2-2. 標準賞与額の計算

標準賞与額とは、実際の税引き前の賞与の額から千円未満の端数を切り捨てたもので、支給1回につき、150万円が上限となります。

ただし同月に2回支給された場合は合算して考え、150万円を超えるときは150万円とされます。

2-3. 厚生年金保険料率について

厚生年金保険の保険料率は、18.3%で固定されています。

以前は、年金制度改正に基づき平成16年から段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月を最後に引上げが終了しております。

平成16年以降の保険料率の推移は以下の通りです。

保険料率の推移

2-4. 等級表を用いた厚生年金保険料の確認方法の例

等級表

<厚生年金保険料の計算例>
4月〜6月の平均給与額:300,000円、賞与額:430,500円の従業員(厚生年金基金なし)の場合

  • 毎月の給与にかかる厚生年金保険料
     ・厚生年金保険料額表によると、300,000円は22等級で標準報酬月額は300,000円
     ・厚生年金保険料 = 300,000円 × 18.300% × 1/2 = 27,450円
  • 賞与にかかる厚生年金保険料
     ・賞与430,500円(千円未満を切り捨て) → 標準賞与額430,000円
     ・厚生年金保険料 = 430,000円 × 18.300% × 1/2= 39,345円

上記2点の合算値である66,800円が、この従業員の厚生年金保険料となります。

関連記事:【2022年度】社会保険の料率や改定タイミング、計算方法について徹底解説!

3. 厚生年金保険料の支払期限はいつまでか

期限

厚生年金保険料の徴収は、日本年金機構がおこなうこととされ、事業主は従業員負担分の保険料と事業主負担分の保険料を併せて、翌月の末日までに納めることになっています。

従業員分の保険料を差し引くことで徴収する場合は、当月支払う予定の給与から前月の標準報酬月額にかかる保険料を差し引くことができ、賞与に関しては、標準賞与額にかかる保険料を差し引くことができます。

例えば、5月分保険料の納付期限は6月末日となり、差し引くタイミングは、6月の給料日ということになります。

関連記事:社会保険料の納付方法や滞納するリスクについて

4. 厚生年金保険料を考える上での注意点

注意点

厚生年金保険料の計算をおこなうにあたり、納付額が毎年変動する可能性があるなどの注意点や、保険料の免除などの知っているだけで労使共に得をすることがあるため、本章では5つご紹介します。

4-1. 厚生年金保険料の会社負担額について

厚生年金と国民年金の違いで解説したように、厚生年金保険料は、従業員が全額負担するというわけではなく、事業主と半分ずつ支払う折半の形式を取っています。

こちらは知っている方が大半だと思いますが、もし知らなかった方やあやふやだった方はこれを機に覚えておきましょう。

4-2. 保険料の値上げをすることがある

厚生年金保険料の金額が変動するタイミングは、9月と決まっています。

4月から6月の給与と賞与をもとに保険料を算出しているため、残業が多くなってしまったり、昇給により基本給が増えるようなことがあると、昨年と比べて保険料が上がることに繋がります。

従業員を不安にさせないためにも、もし保険料が上がりそうだとわかっている場合は、該当する従業員へ一声かけるだけで、労使間トラブルの対策をすることができるためおすすめです。

4-3. 2020年に標準報酬月額の上限が改定

厚生年金保険法における標準報酬月額の上限等級は、2019年度までは31級の62万円が上限となっていましたが、2020年度分から1等級が追加され、上限が引き上げられました。

先ほどの「2-4. 等級表を用いた厚生年金保険料の確認方法の例」で紹介した表は改定後の等級表になりますので、詳しくはそちらをご覧ください。

4-4. 厚生年金保険料が免除されるケース

厚生年金保険料が以下のケースでは免除されます。

①産前産後休業期間中

産前産後休業期間について、厚生年金保険の保険料は、従業員のが産前産後休業中に事業主が年金事務所に申し出ることにより従業員・事業主の両方の負担が免除されます。

申し出は事業主側でおこなわなければなりませんので、産前産後休業に入る従業員がいる場合は忘れずに対応しましょう。

なお、この免除期間は、従業員が年金額を計算する際には、保険料を納めた期間として扱われるので、労使ともにメリットが多く、おすすめです。

②育児休業等期間中

育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業期間について、厚生年金保険の保険料は、育児休業を取得している期間中に事業主が年金事務所に申し出ることにより、従業員・事業主の両方の負担が免除されます。

こちらも産前産後休業と同じように、申し出は事業主がおこなわなければならないので、忘れずに届け出をしましょう。

関連記事:産休で社会保険が免除される期間や免除される費用についても解説

4-5. 厚生年金保険料を支払うことで受けられる控除

納税者が自分自身、または生計を共にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その金額について所得控除を受けることが可能です。

こちらの制度で控除できる金額は、その年に支払った金額、または給与や公的年金から差し引かれたあ金額の全額になります。

控除を受けるのに必要な手続きについては、年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に、該当する保険料か掛け金の金額を証明する書類を添付して提出する必要があります。

参照:国税庁「No.1130 社会保険料控除」
関連記事:社会保険料控除とは?対象となる社会保険料の種類や必要な書類について

5. 厚生年金保険料の正しい知識をいれ、慎重に計算をおこなおう

老夫婦

将来の生活を支えてくれる厚生年金保険ですが、どのように算出しているかご存知でしたでしょうか。

受け取る給与の額によって保険料が決まっていくため、立場が上がり昇給をすると保険料があがり、仕組みを知らない従業員からは不満の声が上がってしまう可能性もあります。

そのため、まずは人事担当者が厚生年金保険について正しく理解し、従業員に説明できるようにしておくことが重要です。

本記事に、厚生年金保険の概要から計算方法、間違えやすい注意点までをまとめてありますので、少しでも不安な点がある方は、これらの内容を都度確認するようにしましょう。

保険料計算の手間とミスから解放されたい方へ

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保険料率の見直しが毎年あるため、更新をし損ねてしまうと支払いの過不足が生じ、従業員の信頼を損なうことにもつながります。

当サイトでは、社会保険4種類の概要や計算方法から、ミス低減と効率化が期待できる方法までを解説した資料を、無料で配布しております。

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「保険料の計算が合っているか不安」
「給与計算をミスする不安から解放されたい」
という担当の方は、「社会保険料の給与計算マニュアル」をご覧ください。

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目黒颯己

目黒颯己

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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