時短勤務はいつまで取れる?気になる基準と就業規則の決め方 | jinjerBlog

時短勤務はいつまで取れる?気になる基準と就業規則の決め方

時短勤務はいつまで取れるか

短時間勤務制度(以下、時短勤務)は育児・介護休業法により定められた制度です。
従業員から申し出があれば、1日の所定労働時間を6時間とすることが法律で決められています。

育児では「子が3歳に達するまで」、介護では「利用開始日から連続する3年以上の期間」取得可能で、利用する期間は個別の対応が求められます。

この記事では、人事担当者向けに、時短勤務はいつまで取れるか、就業規則の決め方や、フルタイム勤務に戻す際の注意点を解説します。

▼時短勤務についてより詳しく知りたい方はこちら
時短勤務とは?導入するための手順と問題点を解説

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1.時短勤務がいつまで取れるかは育児・介護により異なる

育児をする時短勤務社員

時短勤務がいつまで取れるかは、育児時短勤務か、介護時短勤務かにより異なります。
それぞれのケースの取得期限を解説します。

1-1.子育ての場合:子どもが3歳未満の間まで

育児・介護休業法では、3歳未満の子どもを育てている従業員がいる場合、時短勤務制度を設けなければならないとしています。
期間は法律上「子が3歳に達する日まで」です。

具体的には「3歳になる誕生日の前日まで」時短勤務を取ることが可能です。

1-2.3歳以降の時短勤務は企業の努力義務

3歳以降の子を養育する従業員に対して、法律上、導入が義務とされる制度は現在ありません。(2021年10月現在)

ただし、3歳から小学校入学前までの子を養育する従業員に対しては、下記の制度を整えることが、厚生労働省により求められています。(努力義務)

● 育児休業に関する制度
● 所定外労働の制限に関する制度
● 短時間勤務制度
● 始業時間変更などの措置

そのため、小学校入学以降の児童がいる従業員にも、時短勤務を取らせたいなら、企業独自で制度を整える必要がありすます。

1-3.介護の場合:利用開始日から連続する3年以上の期間

介護が理由の時短勤務では「利用開始日から連続する3年以上の期間」取得が可能です。
また、その間に2回まで利用できます。

法律上、取得期間に決まりが定められていないため「いつまで時短勤務を取るか」は会社との話し合いで決定しましょう。

2.時短勤務の期間を就業規則で決める際の考え方

ルール

前述のとおり、時短勤務を取れる期間は、子育てか介護かにより異なります。
また、実際に制度を利用する期間は、従業員の状況により判断が必要です。

ここでは、時短勤務の期間について、就業規則での取り扱いや運用方法を解説します。

2-1.時短勤務の期間を就業規則で定める

育児・介護に関する時短勤務制度を取り入れる際は、就業規則にきちんと明記したうえで、従業員へもしっかりと周知することが必要です。

また、労働時間や賃金の変更も含まれるため、労働者代表に意見書を書いてもらうこと、管轄の労働基準監督署への届け出も必要です。

2-2.時短勤務の申請期限を就業規則で定める

時短勤務の際は、該当の従業員から、他の従業員への引継ぎも必要です。
そのため、余裕をもった申請期限を就業規則で定めるようにしましょう。

1ヵ月前後が一般的です。

2-3.育児時短勤務の期間の記載例

育児時短勤務の期間の記入例は以下のような内容にしましょう。

(適用期間)
第〇条
育児時短勤務を利用する者は、1回につき、1ヵ月以上1年以内の期間について申請できる。

(手続き)
第〇条
育児短時間勤務を利用する際は、原則として当該勤務予定日の1ヵ月前までに、短縮を開始する日と終了する日を明らかにし、育児短時間勤務申出書により会社に申し出なければならない。

なお、期間は「労働者との話し合いにより決定する」などでも問題ありません。
また、3歳以上でも時短勤務を利用できるように定めたい場合は、別途「会社が認めた場合、小学校○年修了まで育児短時間勤務を利用できる」など記載しましょう。

2-4.介護時短勤務の期間の記載例

介護時短勤務の期間の記載例は以下の通りです。

(適用期間)
第〇条
介護短時間勤務を利用する者は、利用開始日から3年の間2回までの範囲内で、従業員本人の申し出に基づく、連続した3ヵ月以上の期間を個別に定める。

(手続き)
第〇条
介護短時間勤務を利用する際は、原則として当該勤務予定日の2週間前までに、短縮を開始する日と終了する日を明らかにし、介護短時間勤務申出書により会社に申し出なければならない。

介護時短勤務は上限が定められていないため、期間は個別に決定するほうが望ましいでしょう。
また、突発的に介護が必要となるケースも考えられるため、申請期限も2週間前とするのが一般的です。

3.時短勤務からフルタイムに戻す際の4つの注意点

気を付けての図

時短勤務からフルタイムへの変更は、従業員の状況によっても異なります。
1年間の申請だったとしても、経済的な理由から早めにフルタイムに戻すケースもありえます。

ここでは、変更の際の注意点を解説します。

3-1. フルタイムへの希望は速やかに対処する

従業員から時短勤務を終了し、フルタイムへ変更したいとの申し出があれば、速やかに対処しましょう。
その際、本人の意志だけでなく、本当に対応可能か、子や家族の状況も合わせて聴取するのが望ましいでしょう。

もし、フルタイムに変更したいとの申し出があり、正当な理由なく時短勤務を強要した場合「時短勤務を申請したことを理由とする不利益な取り扱い」に該当します。

また、本人の意志に反した、時間外労働・深夜業の制限も、上記に該当するため、注意しましょう。

3-2. 不利益な取扱いの禁止

時短勤務を申請したことを理由とする不利益な取り扱いには、下記の事項が含まれます。

● 解雇
● 減給
● 賞与の不利益な算定
● 人事考課の不利益な算定(降格や昇進を行わないなど)
● 契約社員の契約更新を行わない
● 正社員からアルバイトなど労働契約内容の変更を強要

善意であったとしても、従業員本人の意思に反した雇用形態の変更は、上記に該当します。
禁止事項に抵触しないように注意しましょう。

3-3. 労働者の配置に関する配慮

家族に介護や育児が必要な者がいる従業員では、フルタイム勤務後も転勤などの配置換えの際は、特に配慮するよう法律で定められています。(配慮義務)

具体的には、下記のことが求められます。

● 労働者本人の意志を汲み取る。
● 労働者の介護・育児が必要な家族の状況を把握する。
● 転勤した際の介護・育児の代替手段の有無を確認する。


特に、労働者に対して「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる」転勤命令は、裁判の結果、無効となったケースも存在します。[注1]

[注1]全基連(公益社団法人全国労働基準関係団体連合会)|全情報

3-4. 給与・社会保険料などの変更

時短勤務からフルタイムへの変更の際は、下記のとおり、給与計算や社会保険料の計算が変わってきます。

● 所定労働時間の変更
● 残業代の発生
● ボーナスの査定
● 社会保険料の変更

時短勤務中の社会保険料は「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」が適用されます。
フルタイムに戻すことで時短以前よりも残業を減らした場合など従前の標準報酬月額から変更となる可能性もあるため、人事担当者は特に注意しましょう。

関連記事:時短勤務時の給料はどうなる?知っておきたい減額率の考え方
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4.時短勤務制度を導入して、働きやすい環境を整えよう

にこやかな女性

介護・育児休業法では「子が3歳に達する日まで」、介護時短勤務は「介護時短勤務の開始日から連続する3年以上の期間」に取得できるよう整えることが義務付けられています。

また、3歳以上の子のいる従業員の時短勤務は、企業の努力義務とされています。
時短勤務を導入する際は、就業規則への明記が必要な他、人事関係の部署では、給与計算などが変則的になる点に注意しましょう。

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