時短勤務の給料計算方法は?減額率の考え方と育児時短就業給付金や実務上の注意点
更新日: 2026.7.31 公開日: 2021.11.12 (大手外資企業HRCoE/社会保険労務士)

時短勤務は育児や介護との両立支援策として多くの企業で導入が進んでいますが、時短勤務者の給与計算の方法が正しいかどうか不安に思う人事担当者も少なくありません。
基本的な考え方として、労働時間が減ればそれに応じて給料を減額するのが一般的です。同時に、労働者に不利益となる不当な減額は許されない点に注意が必要です。
本記事では、時短勤務における給料減額のルールや計算方法、注意点を解説します。最新の法改正による新制度にも触れながら、時短勤務の給料を適正に扱うポイントを確認しましょう。
「社内で時短勤務をした例が少ないので、勤怠管理や給与計算でどのような対応が必要か理解できていない」とお悩みではありませんか?
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目次
1. 時短勤務の給料を判断する2つの考え方


時短勤務とは、1日の所定労働時間を短縮して働く制度のことで、法律上は育児・介護休業法に定められた「所定労働時間の短縮措置」を指します。
前提として、そもそも時短勤務とはどのような制度で、だれが対象になるのかを最初に整理しておきましょう。
育児・介護休業法では、3歳未満の子を養育する労働者に対して、事業主は原則として1日の所定労働時間を6時間とする短時間勤務制度を設ける必要があります。
また、2025年10月施行の育児・介護休業法改正では、3歳から小学校就学前の子を育てる従業員向けに、短時間勤務を含む「柔軟な働き方を実現するための措置」5つの中から2つ以上の施策を講じることが企業に義務付けられました。
介護関係の法令では、対象家族を介護する労働者に対して、所定労働時間の短縮等の措置を講じることが法律上求められています。
時短勤務中の給料を考える際は、まず「短縮した時間分の賃金を減額できるのか」と「時短勤務を理由に不利な扱いをしていないか」を分けて判断することが重要です。ここからは、給料減額の基本となる「ノーワーク・ノーペイの原則」と、企業が注意すべき「不利益取扱いの禁止」を整理します。
なお、本記事では、主に育児を理由とする時短勤務を前提に解説します。
1-1. ノーワーク・ノーペイの原則
ノーワーク・ノーペイの原則とは、「労務の提供がない部分の給料は発生しない」という考え方を指します。
そもそも、給料とは労働者が提供した労働力の対価として支払うものです。時短勤務は、フルタイム勤務に比べて労働時間が減少し、提供される労働力も少なくなるため、短縮された労働時間分の給料を減額しても問題ないとされます。
ただし、減額できるのは「減少した時間分」です。例えば、労働時間が8時間から6時間になるのであれば、減額していいのは2時間分だけで、それ以上減額すると「不利益取扱い」にあたるので注意してください。
1-2. 不利益取扱いの禁止
不利益取扱いの禁止は、育児・介護休業法内で定められている法令上の禁止事項のことです。育児や介護による休業や時短勤務を請求した従業員に対し、その請求を理由とした解雇やそのほか不利益な扱いをしてはなりません。
厚生労働省の資料によると、時短勤務を請求した従業員の不利益に該当する行為には次のような例が当てはまります。
- 時短勤務請求者を解雇すること
- 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
- 正社員を非正規雇用社員とするような労働契約内容の変更を強要すること
- 労働者が希望する期間を超えて、残業制限や所定労働時間の短縮措置等を適用すること
- 給料やボーナスにおいて不当な減額をおこなうこと
- 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価をおこなうこと
「時間短縮に比例した減額」を超えた給料設計は、「給料やボーナスにおいて不当な減額をおこなうこと」として不利益取扱いと評価されるリスクを高めます。
参考:Ⅱ 妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い」|厚生労働省
関連記事:時短勤務の残業時間とは?制限や企業の対応方法を解説
関連記事:時短勤務はいつまで取れる?気になる基準と就業規則の決め方
2. 時短勤務の給料計算方法


時短勤務者の給料は、短縮前との労働時間の比率に応じて算出するのが基本です。
時短勤務の給料計算式
通常の基本給 ÷ 通常の所定労働時間 × 時短勤務の所定労働時間 = 時短勤務の基本給
1時間あたりの賃金単価は維持したまま、労働時間に応じて支給額を決定します。短縮した勤務時間分だけ適切に減額し、働いた分に見合う給料を支払うことが重要です。
ここでは、一般的な時短勤務の給料の計算式の例や減額後の給料について解説します。
2-1. 【日給月給制】時短勤務者の給料計算方法の例
日給月給制は、月単位で決まった基本給を支払い、欠勤や遅刻・早退があればその分を減額する賃金設計です。フルタイム従業員に対する給料計算において広く用いられています。
1日8時間勤務から6時間勤務へ変更した場合の月給例
|
フルタイム時の月給(額面) |
時短勤務後の月給(額面) |
減額率 |
|
20万円 |
15万円 |
25% |
|
25万円 |
18万7,500円 |
25% |
|
30万円 |
22万5,000円 |
25% |
|
35万円 |
26万2,500円 |
25% |
|
40万円 |
30万円 |
25% |
なお、この表は額面(総支給額)のため、実際にはここから税金や社会保険料が差し引かれます。従業員が気にしやすいのは、額面よりも手取り額です。
手取りは社会保険料、所得税、住民税、扶養の有無、居住地などによって変わりますが、簡易的には「額面×75〜85%程度」で見るとイメージしやすくなります。
例えば、月給20万円の人が時短勤務で額面15万円になった場合、手取りの目安は15万円×75〜85%=11万2,500円〜12万7,500円程度です。月給30万円の人が額面22万5,000円になった場合は、22万5,000円×75〜85%=16万8,750円〜19万1,250円程度がひとつの目安になります。
2-1-1. 月給20万円・1日8時間から6時間になった時短勤務者の給与計算例
ここでは、月給20万円の従業員が1日8時間勤務から6時間勤務に変更した場合を例に計算方法を見ていきましょう。
■例題の前提条件
【基本給】20万円
【通常の所定労働時間】1日8時間
【時短勤務時の所定労働時間】1日6時間
【月の出勤日数】20日
まずは、月の所定労働時間を算出します。
【通常の月の所定労働時間】8時間×20日=160時間
【時短勤務時の月の所定労働時間】6時間×20日=120時間
これらの数字を計算式に当てはめます。
20万円(基本給)÷ 160時間(所定労働時間)× 120時間(時短勤務時の所定労働時間)=15万円
減額された金額は5万円、つまり減額率は1日2時間分にあたる25%です。減額率について法令上の明確な規定はありませんが、このケースであれば25%までの減額は妥当であると考えられます。
ただし、時短勤務開始直後は、社会保険料の標準報酬月額や住民税がすぐに下がらないことがあります。その場合、額面が25%減った以上に手取りが少なく感じられることもあるため、従業員にはあくまで概算であることを説明しましょう。
2-2. 時給制の場合
時給制の場合、所定労働時間を短縮すると自動的に減少時間分の給料総額が減るため、給与計算システムの設定などを変更する必要がない場合が多いでしょう。
【時給】1,400円
【短縮後の所定労働時間】1日6時間
【当月の所定労働日数】20日
【月給相当額】1,400円×6時間×20日=168,000円
2-3. 完全月給制の場合
完全月給制は、欠勤や遅刻・早退があっても月給から控除せず満額を支給する賃金計算方法を指します。
完全月給制を取り入れているにもかかわらず、時短勤務の給料計算時に「月給から、働かなかった時間分の給料を控除する」運用をすることは避けましょう。完全月給制の定義と矛盾するため、実務では、次のいずれかの方法で計算するのが安全です。
- フルタイムの給料をそのまま維持する。
- 時短勤務に合わせて給料を減らすなら、時短勤務時の賃金計算ルールを就業規則に整備したうえで、労働条件(所定労働時間と給料)の変更として、個別に合意を取る。
なお、就業規則の変更による不利益変更には合理性が必要で、個別同意による場合も、本人の自由な意思に基づくものと認められるだけの事情が求められます。詳しくはリンク先の記事を参考にしてください。
関連記事:賃金規程の変更後に届出が義務付けられているケースや変更手続きの流れ
2-4. 給料が減らないケース例
時短勤務にすると給料が減る企業が多いのは事実です。しかし「時間比例で給料を下げる」運用がなじみにくく、減額しないケースも存在します。
【歩合給(出来高払制)】
歩合給(出来高払制)は、「売上に対して○%」「1件○円」など、成果に応じて支払う賃金制度です。歩合給を主とする従業員の場合、「固定給(最低保障)+歩合給」という形で支給されることが一般的です。
この場合、固定給部分については労働時間の減少に応じた減額に合理性がありますが、歩合給部分は成果に応じて支給されるため、単純に労働時間に比例して減額することに合理性がありません。
【管理監督者(労働基準法41条2号)】
管理監督者は、重要な職務や権限を担い、自らの労働時間に一定の裁量があること、かつ、それに見合う処遇を受けることが前提とされています。そのため、時短勤務になっても通常の従業員のように「短縮した時間分だけ時間比例で給料を減額する」という考え方を当然に当てはめることはできません。
管理監督者としての職務・権限・裁量を維持したまま、育児などの事情により一時的に勤務時間を調整するだけであれば、基本給や役職手当を維持する運用が一般的です。
一方、時短勤務にともない当面の間、求める責任・成果も縮小し、処遇を見直すことに従業員との合意がある場合は給料を減額することも考えられます。就業規則や賃金規程に根拠を設けたうえで、適用期間や給料額について本人と個別に合意し、書面に残しておきましょう。
ただし、担当範囲や責任、決裁権限を大幅に縮小する場合は、管理監督者としての実態が失われないか注意します。場合によっては、管理監督者として扱い続けるのではなく、通常の時短勤務者として労働時間管理や時間外割増賃金の扱いを整理することも検討します。
厚生労働省は「管理監督者であっても時短制度に準じた措置を講じることは可能で望ましい」としています。
本人の合意を取る場合は、単に口頭で伝えるだけでなく、わかりやすい資料を用意して説明し、質問や意見を受け付け誠実に対応することが必要です。そのうえで、署名や記名押印のある合意書として書面で証拠を残しましょう。
合意のプロセスが十分でないと、「同意は真意ではなかった」として後から無効となることがあります。不安がある場合は、社会保険労務士など専門家に相談しながら進めましょう。
【裁量労働制】
裁量労働制の対象者が時短勤務を利用する場合の扱いは、裁量労働制をそのまま維持するのか、一時的に対象から外して通常の時短勤務として扱うのかについて、就業規則でどのように定めているかによります。
裁量労働制は、実際の労働時間ではなく、労使協定や労使委員会の決議で定めたみなし労働時間にもとづいて労働時間を算定する制度です。そのため、みなし労働時間や賃金設計を変更しない限り、基本給が直ちに下がらない運用も考えられます。
ただし、裁量労働制を維持したまま運用すると、業務量、給料額の整合、社内での公平性が問題になることがあります。みなし労働時間を短くする場合も、業務量を見直し、労使協定や労使委員会の決議内容と整合させる必要があります。
みなし残業代を支給している場合は、時短勤務中も支給を続けるのか、停止・減額するのかを就業規則や賃金規程にもとづき整理し、実際に時間外・深夜・休日労働が発生した場合の精算方法も明確にしておきましょう。
3. 2025年法改正|時短勤務中の収入減を補う育児時短就業給付金とは


2025年4月1日から、雇用保険の給付として育児時短就業給付金が創設されました。これは、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業し、給料が低下した場合に、一定の要件を満たすと支給される給付金です。
3-1. 育児時短就業給付金の支給例
育児時短就業給付金は、時短勤務中の給料低下を補う制度ですが、減った給料を全額補填する制度ではありません。原則として、支給対象月に支払われた賃金額の10%相当額が支給されます。
ただし、支給要件、時短勤務中の賃金額、支給限度額、ほかの給付との関係などによって調整されるため、全員が一律に10%を受け取れるわけではありません。
また、この10%は「減少した金額の10%」ではなく、「時短勤務中に支払われた賃金額の10%」として考える点に注意が必要です。例えば、月給20万円が時短勤務で15万円になった場合、減少額5万円の10%である5,000円ではなく、時短勤務中の賃金15万円の10%である1万5,000円が支給額の目安になります。
給付を受けられる人の要件や限度額など、詳細はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:育児時短就業給付とは?対象者と支給額・期間や申請方法を解説
4. 時短勤務における給料減額率の考え方


時短勤務制度を的確に運用するためには、適切な給料減額率の考え方を押さえておく必要があります。
先述したように、ノーワーク・ノーペイの原則では時短勤務者の給料減額が可能となっています。ただし、従業員の不利益とならないよう、適切な減額率を定めなければなりません。
ここでは時短勤務における給料減額率の一般的な考え方を解説していきます。
4-1. 基本給は労働時間の減少と比例して減額する
時短勤務が適用される従業員の給料は、労働時間の減少に比例して基本給が減額されます。
具体的には、例えば所定労働時間が8時間から6時間に短縮される場合、労働時間は通常の75%となります。したがって、基本給も通常の75%に設定した状態で、給料計算がおこなわれます。
4-2. 時間外割増・深夜割増・休日割増は適用される
時短勤務においても、時間外労働や深夜労働が発生した場合には、法定の割増賃金が適用されます(時間外25%以上、法定休日35%以上、深夜25%以上)。
時間外割増は法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超過する労働に対して、25%の割増率が適用されます。ただし、割増が必要なのは原則として法定労働時間を超える部分です。所定労働時間を超えただけでは時間外割増は適用されません。
また、就業規則で所定労働時間を超えた部分についても割増賃金を支払うと定めている場合は、その規定に沿って支払う必要があります。
時短勤務の場合、特に育児や介護などの事情を抱える従業員が多いため、残業や深夜勤務、休日労働を求める際には本人の都合を十分に配慮する必要があります。
適法かつ公平な賃金計算をおこなうため、企業は関連法規を十分に理解し、適切に運用することが求められます。違反が発覚すると罰則が科される可能性もあるため、法律を遵守した対応が欠かせません。当サイトでは、時短勤務制度における法令遵守のための資料を無料で提供していますので、ぜひこちらからダウンロードしてご活用ください。
4-3. ボーナス(賞与)は減額幅が大きいことも
時短勤務は勤務時間が減少するため、月の基本給だけでなくボーナスの減額も認められます。そのため、時短勤務者のボーナス(賞与)は、減額される傾向にあります。
ボーナス支給額は企業の就業規則に基づき計算されますが、一例をあげると次のような計算方法になります。
基本給を基準とする場合、例えば基本給の2ヵ月分がボーナスであると仮定します。時短勤務で基本給が25万円から18万7,500円に減少した場合、ボーナスは従前の50万円から37万5,000円に下がり、その減額幅は125,000円です。
業績評価にもとづく支給方法の場合、短時間勤務者には労働時間に見合った目標設定や評価基準の調整をすることが望ましいです。フルタイム従業員と同じ基準のままでは、労働時間が短い分、どうしても成果を出しづらく減額幅が大きくなってしまうことがあります。
営業ノルマは労働時間に応じて減じた目標を設定するなど、職種に応じて、公平な評価につなげる工夫を検討するとよいでしょう。
4-4. 固定残業代の扱い方を事前に定めておく
固定残業代とは本来、一定時間分の残業代をあらかじめ定額で支給するものです。時短勤務では残業自体が抑制されるため、固定残業代を減額または支給停止しても法的に問題はありません。
注意すべきは、就業規則との整合性です。仮に就業規則で固定残業代を支給する定めしかなく、短時間勤務の場合の減額の記載がなければ、原則として満額支給が必要という解釈もありえます。そのため、短時間勤務時の固定残業代の取扱いについて明文化し、従業員にも周知しておくことが重要です。
4-5. 社会保険料で手取り金額はさらに少なくなる
時短勤務時の給料の手取り金額は、基本給の減額率以上に少なくなります。社会保険料は、大きく収入が減ったとしても、随時改定や育児休業等終了時改定が反映されるまで従前の標準報酬月額で計算されるため、給料が下がっても一定期間は高い保険料が引かれ続けます。
住民税も、前年の所得に基づいて翌年度に課税され、6月から翌年5月まで徴収される仕組みであり、給料が下がったときに直ちに下がるわけではありません。
その結果、時短勤務者として復帰直後は「給料は減っているのに、控除額は高いまま」という状態となり、手取り額が想定以上に少なくなることを理解しておきましょう。
関連記事:時短勤務における社会保険の取り扱いや間違えやすいポイント
5. 時短勤務の給料に関する実務上の注意点


短時間勤務の運用で給料計算をおこなう際に、人事労務担当者が特に注意すべきポイントをまとめます。不当な減額によるトラブルを防ぎ、従業員が安心して制度を利用できるよう、4つの点を確認しておきましょう。
5-1. 給料や手当の減額率を就業規則に明記する
時短勤務にともなって基本給などを減額する場合は、その計算方法や減額率を就業規則に明記しておきましょう。
基本的に、時短勤務時の給料減額に関しては、法令上の明確な規定がありません。そのため、就業規則に記載がないと給料の算出方法が不透明になりやすいです。
例えば、住宅手当や家族手当のように労働時間と直接関係しにくい手当は、減額対象にするかどうかを慎重に判断する必要があります。退職金も、時短期間分を減額対象とするかは企業ごとの定め方によります。
あいまいなまま運用すると、担当者によって計算が変わったり、従業員から説明を求められたときに根拠を示せないことがあります。このような状況を防ぐためにも、わかりやすいルールを設定しておくことが重要です。
5-2. 社会保険料改定のために標準報酬月額を見直す
時短勤務により固定的賃金が変更された従業員に対しては、社会保険料の適正な計算と支払いをおこなうために、標準報酬月額の見直しを実施しましょう。
時短勤務により固定的賃金が変わった場合、標準報酬月額の随時改定や、育児休業等終了時改定の要件に該当するか確認します。
随時改定は、固定的賃金の変動があり、変動後3ヵ月間の平均で2等級以上変わる場合が対象です。育児休業後に復帰して3歳未満の子を養育している場合は、育児休業等終了時改定の申出ができることがあります。
関連記事:社会保険の随時改定とは?標準報酬月額を改定する条件やタイミング、手続きや注意点を解説
5-3. 従業員への説明を徹底する
給料減額にあたっては、従業員に対し変更の必要性や理由をしっかり伝え、納得を得るプロセスが欠かせません。なぜ短時間勤務で給料減額となるのか、減額後の具体的な金額・計算方法、将来的に原状復帰や増額の機会があり得るのかなど、従業員が気にする点を丁寧に説明します。
説明を怠った場合、後になって従業員から「聞いていない」「不誠実な対応をされた」などとしてトラブルになるリスクがあります。
育児時短就業給付金については、支給要件や支給額の調整があるため、ハローワークのパンフレットを時短勤務者に案内しておくとよいでしょう。
参考:育児時短就業給付の内容と支給申請手続|厚生労働省・ハローワーク
5-4. ほかの従業員との不公平を生まないようにする
近年では、福利厚生の一環として時短勤務でも給料を保証する企業が増えています。ただし、時短勤務に伴う減給を実施しない場合は、ほかの従業員との不公平が生まれる可能性があるので注意が必要です。
育児という明確な理由があるとはいえ、少ない労働時間で今まで通りの給料を受け取ることで、周囲の従業員が不公平さを感じるおそれがあります。そのため、給料を保証する際は制度の趣旨をしっかりと示し、理解を得ることが大切です。
6. 時短勤務の給料は減額の根拠と運用ルールをセットで整理しよう


時短勤務の給料設計とその説明責任は非常に重要です。基本原則に沿って適正に計算された給料は、従業員の納得感と安心感につながります。反対に運用を誤ると「思ったより給料が減って生活が苦しい」「計算方法が不明で不信感を持つ」といった不満が生じかねません。
時短勤務による給料の減額は労働時間に比例しておこない、不当な減額は避けましょう。さらに、就業規則の整備や社会保険手続きなど必要な対応を確実に実施することが大切です。
時短勤務のルールが整備や運用面で不安がある場合は、社会保険労務士など専門家の助言を活用するとよいでしょう。適切な給料計算と制度運用で、従業員が安心できる時短勤務環境を整えましょう。
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