シフト表作成の基本知識からおすすめアプリやツールの選び方
更新日: 2025.9.29 公開日: 2021.11.12 jinjer Blog 編集部

パートやアルバイトが多い職場だけでなく、正社員でもシフト勤務の企業は多いです。シフトを作成する際は従業員の希望通りにするのはもちろん、不平不満が出ないようにする、法律で定められた規定を超えないようにするなど、さまざまな点に配慮しなければなりません。シフト作成に関するコツや注意点、効率的にシフト作成をするためのツールなどについて紹介します。
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
システムを利用したペーパーレス化に興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。
1. シフトの基本的な作成方法と仕事の流れ


シフトの基本的な作成方法を確認しましょう。
シフト作成がスムーズにできなければ従業員が困るだけでなく経営自体にも悪影響が出ます。
毎月の作業ですので、正確に、かつスピーディーにシフト作成ができるようにしましょう。
1-1. 従業員にシフト希望を提出してもらう
まずは従業員にシフトの希望を募ります。
あとから把握しやすいように、決められたテンプレートを用意して配布するのがおすすめです。
締め切りを決めて、締め切り日からすぐにシフト作成に取り掛かれるようにしましょう。
1-2. 予定表を作成する
月々の予定表を作成します。
サービス業や飲食業であれば土日や祝日を把握し、その日は多めに従業員を配置するなどの配慮が必要です。
ファッションビルなどにテナントを借りている店舗の場合はそのビルの休館日やセール日なども把握しておく必要があります。
1-3. シフトをあてはめていく
予定表と従業員のシフト希望をもとにシフトをあてはめていきます。
必要以上に人員を配置しないよう削れる部分は削りましょう。
どうしても希望者が少なく店舗や施設が回せない可能性がある場合はその日、その時間に入れる人がいないか確認することも必要です。
早めに聞けば予定を調整してくれたり、別の曜日と交換したりすることもできます。
2. Excelでシフト作成するデメリット


シフト作成はExcel(エクセル)を活用できるものの、以下のようなデメリットにつながりかねません。
- ミスが発生する
- 属人化につながる
2-1. ミスが発生する
Excelでのシフト作成は、手作業でのデータ入力や数式の操作が主となるため、以下のようなヒューマンエラーが発生しやすくなります。
- 入力ミス
- 数式の間違い
- コピペミス
- 最新版の管理不足
ミスが発生すると修正作業に時間を取られてしまい、従業員の負担が増加するうえに、効率も低下しかねません。
2-2. 属人化につながる
Excelによるシフト作成は、以下のとおり作成者のスキルや知識に大きく依存する傾向があります。
- 作成者への依存
- ブラックボックス化
- ノウハウの蓄積不足
例えばExcelの関数について、知識が少ない従業員では対応しきれない可能性があります。その結果、関数についての知識が深い従業員に負担がかかり、属人化しかねません。
3. シフト作成に使えるアプリやツールとは


Excelのデメリットを解消し、より効率的かつ正確にシフト作成を行うために、さまざまなアプリやツールが開発されています。主な種類は以下のとおりです。
- シフト管理ツール
- グループウェア・コミュニケーションツールのシフト機能
- 勤怠管理ツールの一部機能
これらのツールは、それぞれの特性や費用対効果を考慮し、自社の従業員数、シフトの複雑さ、予算などに合わせて最適なものを選択することが重要です
4. アプリやツールでシフト表を作成する管理者のメリット


シフト作成をツールで自動化するメリットを紹介します。店長など普段エクセルや手書きでシフト表を作成している管理者側のメリットから、シフト表を受け取る側の従業員のメリットをまとめます。
4-1. シフト表を作成する側である管理者(店長)のメリット
シフト作成アプリを導入することで、管理者には多くのメリットがあります。一つ目は、シフト表の管理工数を削減できる点です。従来の紙やExcelでのシフト作成は非常に時間と手間がかかりますが、アプリを使えば自動でシフト希望を取り込み、スタッフのスキルや店舗の状況に応じた配置がより少ない工数で完了します。これにより、店舗の通常業務に集中する時間を確保できます。
次に、転記や共有時のミスを減少させることができます。アプリによるシフト作成は、シフト確定後に自動的にスタッフに通知が届くため、転記ミスや共有忘れのリスクを大幅に低減します。スタッフも手元のスマホで簡単にシフト表を確認できるため、店舗に来る手間も省けます。
さらに、複数人のシフト調整も簡便です。シフト作成アプリなら、シフト希望未提出のスタッフに自動でアラートを出し、欠員が出た場合には近隣店舗からヘルプを要請する機能もあります。これにより手間を省きつつ、適正なシフトを維持できます。
最後に、法律や勤務条件に違反しない労務管理が可能です。シフト作成アプリはシフト表作成時に労働基準法や所定労働時間を自動でチェックし、不適切なシフト配置をアラートで教えてくれるものもあります。これにより、労務トラブルの予防と企業の社会的信用度向上が期待できます。
4-2. シフト表を受け取る側である従業員のメリット
シフト管理アプリやツールの導入は、従業員にとって大きなメリットがあります。例えば、従業員はシフト希望の日程をアプリ上で簡単に申請できるため、手書きの煩わしさや提出忘れのリスクを軽減できます。さらに、シフト変更があった場合にも即座に通知が届くため、コミュニケーションミスを防ぎスムーズな運営が可能です。また、シフト確定後はアプリを通じて自宅や外出先でもシフトを確認できるため、店舗に出向かずにスケジュール管理が行えます。これにより、従業員は時間を有効に使うことができ、業務の効率化が図れます。シフト作成ツールの選定は、従業員との円滑なコミュニケーションと効率的な業務運営に寄与します。
5. シフト表を作成するアプリ・ツールの選び方


シフト表を作成するアプリやツールは数多く存在します。どんな基準で選定すべきなのか、費用や機能をはじめポイントを紹介します。
5-1. 勤務形態や悩みに対応しているソフトを選ぶ
シフト作成アプリやツールは多種多様に存在し、独自の特徴を持っています。自社の業界の勤務形態やシフト管理の悩みに対応できるアプリを選ぶことが重要です。例えば、夜勤がある飲食店や介護施設では、その時間帯に働けるスタッフを効率的に管理する必要があります。また、スケジュール管理が簡単にできるソフトを選ぶことで、シフトの調整が楽になります。
シフト作成アプリには、シフトの自動作成や労働時間の最適化をおこなう機能、さらに勤怠・給与管理まで一元化できるものがあります。スタッフの人数が多い場合、自動作成機能が非常に役立ち、シフトの共有や連絡機能も重要です。一方、スタッフの人数が少ない場合、共有や連絡だけで十分なこともあります。
したがって、自社の勤務ルールや業種を考慮し、必要な機能とその優先順位を明確にすることが、シフト管理の効率化に繋がります。業界に適したツールを導入することで、スタッフのスケジュール管理が容易になり、業務の円滑な運営が期待できます。
5-2. 勤怠管理や給料計算ツールと連携できるソフトを選ぶ
シフト作成ソフトは、勤怠管理や給料計算ツールと連携できるものを選ぶことが重要です。シフトの作成や管理は、勤怠や給与の管理と密接に関係しています。エクセルなどで手作業でシフトデータを管理すると、多くのリスクやミスの原因となります。連携できるアプリを使用することで、シフトデータは自動的に勤怠管理ツールや給与計算ソフトに反映され、労務管理の効率が向上します。これにより、従業員の労働時間や給料の一括管理が実現し、業務が簡潔に完結します。また、共有機能が搭載されたソフトであれば、データの更新や確認もリアルタイムでおこなえ、不正やエラーのリスクも軽減されます。シフト作成アプリを選定する際には、自社が利用しているツールとの連携性を必ず確認しましょう。
5-3. 操作が簡単で自動複製ができるものを選ぶ
シフト作成の効率を大幅に向上させるためには、直感的で操作が簡単、かつ自動複製が可能なシフト作成アプリを選ぶことが重要です。これにより、シフト提出や勤怠調整が簡単におこなえるため、スタッフの働きやすさと満足度を向上させることができます。また、有料のシフト作成アプリのなかには、事前に設定した条件(必要人数、スキル、休憩時間、連続勤務日数など)に基づいてAIが最適なシフトを自動で作成できるものあるため、時間と手間を大幅に削減できます。さらに、高度なシフト自動作成機能を求める場合、過去のシフトデータや売上予測などの分析結果を活用できるパソコン向けのシフト管理ツールが優れています。欠員の発生を最小限に抑え、人件費削減や人員配置の最適化を実現したい管理者にとって、最新の有料シフト管理ツールは非常に有用なツールとなります。
5-4. PCやスマホ両方に対応しているものを選ぶ
シフト作成ツールはPCやスマートフォン両方で操作できるものを選ぶことが重要です。特に外出先やリモートワーク時でも、簡単にシフトを確認・修正できると便利です。確定したシフトをアプリ上で共有できるツールを選ぶことで、店舗に足を運んだり、他のスタッフに確認する必要がなくなります。これにより、スタッフが自分のスマートフォンアプリからシフトを迅速に確認でき、急な変更にも柔軟に対応できます。さらに、シフトを早めに知りたい場合や次回の出勤日まで間が空いている場合などにも非常に便利です。このようなツールを活用することで、シフト管理の効率性と柔軟性が大幅に向上します。
5-5. 無料アプリでは機能不足が懸念され課題が残る
無料アプリは初期コストがかからず手軽に導入できる点が魅力的です。しかし、シフト管理を担当する店長や管理者にとって、無料アプリでは提供される機能が限られているため、必要な機能を満たせないケースが多いです。特に勤怠管理や給料計算などの複雑な作業と連携できない場合、手動で入力作業が増え、管理効率が低下する懸念があります。そのため、操作性や機能が充実した有料ソフトの導入を検討することは、シフト作成の効率化に寄与します。有料ソフトは高機能で、例えばシフトパターンの自動生成やリアルタイムでのスタッフ間の連絡機能などが備わっており、業務の円滑化をサポートします。結果的に工数削減と正確な管理が実現するため、導入コスト以上の価値を提供する可能性があります。
してくれる便利なものまで多種多様なので、目的に応じたツールを探してみてください。
6. シフト作成をアプリ・ツールを使うコツ


シフト作成が苦手な方のために、シフト作成を上手くおこなうコツを紹介します。
スムーズにシフトを作成して、効率的に経営を続けられるようにしましょう。
6-1. 一目でカレンダーを把握できるシフトにする
まず、シフト表は誰もが一目で把握できるようにする必要があります。
見にくいシフト表の場合、従業員が見間違えて出勤せず、人員が足りなくなってしまうことも考えられます。
どの曜日のどの時間帯に、どのメンバーがどんな勤務しているのかという情報をわかりやすく一覧で見やすくまとめましょう。
必要であればカラー印刷をする、従業員全員にデータを送信するなどの配慮もおすすめです。
6-2. シフトの締め切りを明確にする
従業員からのシフト希望を集めなければシフト作成を進められないため、シフトの提出日は毎月明確にしておきましょう。
締切日を過ぎるとシフト作成時に希望の枠に入れられない、最低限の枠にしか入れられないなどの厳しいルールを設けておくことも大切です。
6-3. 無駄のない配置を考える
店舗や施設によって、無駄のない人員配置を考えることは大切です。
土日に混雑する店舗や施設であれば平日よりもシフトを多く入れる必要があります。反対に、閑散としている時間帯に多くのシフトを入れてしまうと、人件費の無駄になってしまいます。
人件費を削るために最小限のシフトしか入れなかったりすると、従業員一人あたりの作業負担が大きくなり、サービスにも悪影響が出てしまうので注意してください。
6-4. 各従業員の特性を考えて配置する
シフトは、ただその曜日や時間に必要な人数がいればいいというものではありません。
入ったばかりで仕事をあまり業務を覚えられていない新人のメンバーばかりを多くシフトに配置してしまうと、作業がスムーズにいかなくなってしまいます。
また、飲食店の場合はキッチン担当、ホール担当などそれぞれの役割を考えたシフトを作成する必要もあります。
接客が得意な従業員、会計業務が得意な従業員、周囲によく気が付く従業員など、従業員のそれぞれの特色をきちんと把握した上でバランスのいいシフトを作成することが大切です。
7. アプリやツールでシフト表を作成する際の注意点


シフトを作成する上で注意しておきたい点について解説します。
問題のないシフトを作成することで店舗や施設を効率的に経営できますので、これらの注意点はしっかり確認しておきましょう。
7-1. 従業員からの不満が出ないようにする
従業員から不満の出ないシフトを作成するよう心がけましょう。
連勤が続いている従業員がいる、またはシフトを削られるなど、従業員側よりさまざまな不満が出る可能性があります。
シフト希望表に要望欄などを設けて、最低何時間働きたいのか、何連勤までに留めて欲しいのかなどを聞いておくとスムーズです。先ほども解説した通り、人件費を削りすぎて従業員の負担が必要以上に増えるということもないようにしてください。
7-2. 柔軟な対応を取れるシフト作成をする
従業員を限界までシフトに入れてしまうと、万が一体調不良などで休まれた際に、代わりの人員を探せなくなってしまいます。
小さな子どもを持つ従業員などは、急に出勤できなくなる可能性もあります。
そのような場合にその従業員に無理をさせるのではなく、柔軟に対応できるシフトを作成することも大切です。
人件費に余裕があるなら一人欠けても問題ない程度のシフトにする、人件費をあまりかけたくないのであれば代わりの人を探せるように何人かはあえてシフトに入れないなどの工夫が必要です。
7-3. 飲食店等チェーン店の場合は本部との連携が大切
全国チェーンで展開している店舗だと、本部と店舗との連携が取りにくい場合が多いです。
とくに、シフト作成は各店舗に任せきりというケースが多いです。
店舗によってシフト作成方法が違い、ハードな作業を担当者一人に任されてしまう場合もあります。
専門のツールなどを使い、本部ときちんと勤務状況の連携が取れる状況にしておくと、万が一問題のあるシフトが発覚した場合も適切な指導を入れられます。
これは本部が徹底して管理しなければならないため手間がかかりますが、トラブルが起きるのを防ぐためにも早めに対処しましょう。
8. 脱手書きシフト!クラウド化でシフト作成業務を効率化しよう


シフト作成は複雑な処理や計算が必要で煩わしい作業の一つでもありますが、問題があるシフトを作成していると労働基準法に違反してしまう可能性もあります。
従業員のモチベーションを維持するためにも、不満の出にくいシフトを作成しましょう。
シフト作成が苦手な方はシフト作成専門のツールを取り入れるなどの方法もおすすめです。
スムーズにシフトを作成して、経営者だけでなく従業員も働きやすい職場を目指しましょう。



人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
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