目標を数値化するメリット・デメリットや方法を詳しく解説
更新日: 2024.11.20
公開日: 2023.5.31
OHSUGI
業務を進めるうえでは目標が重要です。しかし、設定した目標が曖昧では従業員が業務を進めづらいといったデメリットがあります。そのため、数値化された具体的な目標を設定するようにしましょう。
この記事では管理職や人事担当者向けに目標を数値化するメリットやデメリット、方法について解説します。
人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。
しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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1. 目標の数値化とは?
目標の数値化とは、目標達成の指標となる数値を設定することです。目標には濃淡があります。「顧客に満足してもらう」といった曖昧な目標もあれば、「前年よりも〇〇円売上を伸ばす」「前年比売上〇〇%を目指す」といった仕事の内容を数値化した目標もあります。曖昧な目標の場合、従業員によって捉え方が異なる可能性があります。一方、目標を数値化することで従業員全体がイメージを共有できるでしょう。
2. 目標を数値化するメリット
目標を数値化することで次のようなメリットにつながります。
- 目標に対しての行動計画を立てやすい
- 進捗が把握しやすい
- 公平な評価を下せる
とくに進捗の把握や公平な評価というメリットは、管理者の業務負担軽減にもつながります。
2-1. 目標に対しての行動計画を立てやすい
数値化された目標であれば、目標達成のための行動計画が立てやすくなります。例えば、「前年よりも〇〇円売上を伸ばす」という目標であれば、「1日〇件架電する」といったように具体的な行動計画が立てられます。具体的な行動計画が立てられたことで従業員は目標に向かって行動しやすくなります。
一方、「顧客に満足してもらう」のような曖昧な目標では、従業員はなにからスタートしていいのか判断に困るでしょう。
2-2. 進捗が把握しやすい
目標が数値化されているため、何パーセントまで達成しているのかといった進捗が具体的に把握できます。そのため、進捗が芳しくなかったらどこに問題があるか課題も見つけやすくなるでしょう。
目標の進捗把握は、組織やチームを目標達成に導く立場にある管理者にとって重要な業務です。そのため、進捗を把握して、目標が達成できていない、進捗が遅いのであればどこに問題があるかを見つけるようにしましょう。
2-3. 公平な評価を下せる
目標が数値化されていることで、目標を達成できていない場合であってもどれくらい目標に届かなかったかが判断できます。そのため、達成度合いに応じて従業員に数字に基づく客観的で公平な評価が下せます。曖昧な目標では従業員に対して客観的な評価を下すのが難しくなってしまいます。
3. 目標を数値化するデメリット
目標を数値化することで進捗が把握しやすいといったメリットがある一方で、次のようなデメリットが発生する恐れがあります。
- 数値を優先する考えが広がってしまう
- 数値化されていない業務が疎かになる
数値を優先する考えが広がると、従業員の不信感が増加してしまうかもしれません。
3-1. 数値を優先する考えが広がってしまう
目標を数値化してそれに応じて従業員を評価することで、数値を優先する考えが定着してしまう恐れがあります。例えば、数値でしか従業員を評価しない、数値目標達成のために手段を問わなくなるといった考えが広がってしまいます。このような考えは従業員や顧客の信頼低下につながりかねません。結果として、従業員の離職や顧客の減少につながることもあります。
従業員を評価し、目標達成を目指す立場にある管理者は、社員や顧客がいるからこそ目標を達成できるという考えを持っておくことが大切です。
3-2. 数値化されていない業務が疎かになる
数値化された業務については積極的に取り組むものの、数値化されていない業務は疎かになってしまう恐れがあります。例えば他の従業員のサポートや会議への参加など、数値化されていない業務には関心が寄せられなくなるかもしれません。
4. 目標を数値化する方法
目標は次のような方法で数値化します。
- 従業員の能力に応じて目標を数値化する
- 行動を数値化する
- 理解度を数値化する
また、人事部のような間接部門であっても、目標を数値化することを心がけましょう。数値化のコツをつかむことで、目標に向けた具体的な行動をとりやすくなります。
4-1. 従業員の能力に応じて目標を数値化する
目標は従業員それぞれの能力に応じて数値化しましょう。従業員は一人ひとりで能力が異なります。そのためには、達成度ランクを設定して、ランクに応じて目標を数値化していきましょう。例えば営業部門であれば月の売上別にランクを設定して、ランクによって目標を数値化します。
4-2. 間接部門も極力数値化する
営業部や製造部など会社の利益に直接かかわる直接部門に対して、会社の利益に間接的に貢献する人事部などの間接部門は目標の数値化が難しいとされています。しかし、間接部門であっても可能な限り目標を数値化しましょう。例えば人事部であれば「労働環境を改善する」という目標であれば、「従業員にアンケートを実施して満足度〇%以上」にするといった数値化が可能です。
4-3. 行動を数値化する
行動を数値化することも可能です。例えば社員を対象にした研修であれば、その研修がどれくらい参加した社員の研修に役立ったかを測るのは難しいでしょう。このような場合は研修の企画や実施回数といった行動を数値化します。
しかし、行動の数値化だけを目標にせず、業務の成果を数値化した目標も織り交ぜることがおすすめです。
4-4. 理解度を数値化する
上述のような研修の実施は理解度として数値化することも可能です。研修後に参加した従業員にアンケートを実施して、理解度を測ります。アンケートの質問項目は次のように段階を設けます。
- 5.大いに満足できた
- 4.満足できた
- 3.ふつう
- 2.不満
- 1.とても不満
質問項目に段階を設けることで、「アンケートのスコアを〇点以上にする」といったように理解度の数値化が可能です。
アンケート結果は理解度の数値化以外にも、その後の改善につなげる貴重な意見として活用可能です。
5. 目標を数値化して適切な進捗管理や評価につなげよう
目標は曖昧ではなく数値化することで、進捗管理がしやすくなる、数値に基づく公平な評価が下せるといったメリットがあります。一方で数値を優先する考えが蔓延してしまう恐れがあるため注意が必要です。
目標は従業員の能力に応じて数値化する以外にも、行動や理解度を数値化することも可能です。また、間接部門であっても数値化することがおすすめです。目標を数値化して、適切な進捗管理や評価につなげましょう。
人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。
しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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