社内FA制度とは何?社内公募制度との違いや導入するメリット・デメリットを解説
更新日: 2025.5.1
公開日: 2025.4.17
jinjer Blog 編集部
「社内FA制度とは何?」
「社内FA制度を導入するメリットは?」
上記のようにお悩みの方も多いでしょう。
社内FA制度とは、従業員が希望部署と直接交渉して、異動を実現する制度です。導入により従業員のモチベーション向上が期待できるでしょう。
本記事では、社内FA制度の概要や注目されている背景を解説します。社内FA制度を導入するメリット・デメリットや導入する際の注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
このようなお悩みを抱えていませんか?
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方はこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 社内FA制度とは
社内FA制度は、一定の条件を満たした従業員にFA権を与え、希望の部署へ異動できるようにする制度です。
FAとはフリーエージェントの略で、組織に雇われずに自由に働ける人を指します。
通常の人事制度は、経営者や人事部が配属先を決定しています。一方、社内FA制度は従業員が自身のスキルや経験をアピールして希望部署と直接交渉できるのが特徴です。
従業員が希望するキャリアパスを実現できるため、モチベーションの向上や離職率の低下につながります。
2. 社内FA制度が注目されている背景
社内FA制度が注目されている背景には、労働市場の変化があります。従来の労働環境では、年齢や勤続年数で給与と役職が上がる年功序列制度が一般的でした。
現在は、時代の流れとともに年功序列から成果主義に転換する企業が増えています。成果主義は、従業員の能力や成果を評価して昇給や昇格が決まる制度です。
従業員が成果を上げるには、仕事に対するモチベーションが重要になります。しかし、企業側が従業員の職務や部署を決めている状態では、従業員のモチベーションを高めるのは難しいでしょう。
モチベーションを向上させるには、従業員が自ら活躍する場を選べる環境が必要なため、社内FA制度が注目されています。
3. 社内公募制度と社内FA制度の違い
社内公募制度と社内FA制度は、どちらも従業員が社内の異動を希望できる制度ですが、主体が違います。
社内公募制度は、部署が求める人材を公募し、従業員に応募してもらう形式です。部署が主体となって人材を募集する必要があります。
対して、社内FA制度は、従業員が異動したい部署を主体的に希望して、交渉をおこなう制度です。公募がなくても、従業員は異動を実現できる可能性があります。
社内FA制度のほうが、従業員の主体的なキャリア形成を重視した制度であるといえるでしょう。
4. 社内FA制度を導入する3つのメリット
企業が社内FA制度を導入するメリットは、以下の3つです。
- 優秀な人材を獲得しやすくなる
- 従業員のモチベーション向上につながる
- 従業員の離職防止につながる
それぞれのメリットについて詳しく説明します。
4-1. 優秀な人材を獲得しやすくなる
社内FA制度を導入することで、優秀な人材の獲得につながります。従業員が自らのキャリアプランを実現しやすい企業であると注目されるからです。
求職者からのニーズが高まることで、優秀な人材を採用しやすくなるでしょう。また、社内FA制度により従業員が自らのスキルや経験を活かせる部署へ異動しやすくなるため、優秀な人材の育成にもつながります。
4-2. 従業員のモチベーション向上につながる
社内FA制度を導入するメリットとして、従業員のモチベーションが向上することも挙げられます。従業員が自らのキャリアを主体的に選択できるため、仕事に対する意欲が高まるからです。
社内FA制度を利用するためには、従業員が一定以上のスキルや経験を身に付ける必要があります。FA権の獲得を目指す従業員の主体性を高めることにもつながるでしょう。
4-3. 従業員の離職防止につながる
従業員の離職防止につながるのも、社内FA制度を導入するメリットです。従業員が希望するキャリアに挑戦できる機会を得られるため、外部にキャリアチェンジの機会を求める必要性が低くなります。
社内FA制度を導入して、職場環境を変えられる選択肢を増やすと、配属先への不満を抱えた従業員の離職も防止できるでしょう。
5. 社内FA制度を導入する3つのデメリット
企業が社内FA制度を導入するデメリットは、以下の3つです。
- 人間関係が悪化する可能性がある
- 小規模の会社では導入しにくい
- 従業員がFA権の獲得難易度に不満を感じる場合がある
それぞれのデメリットについて詳しく説明します。
5-1. 人間関係が悪化する可能性がある
従業員が社内FA制度を利用することで、社内の人間関係が悪化する可能性があります。社内FA制度は上司や人事部を介在せずに従業員が異動希望を出すため、上司が不満を感じる場合があるからです。
また、優秀な従業員が異動することで、残された従業員のモチベーションが低下する可能性もあります。人間関係の悪化を防ぐためには、社内のコミュニケーションを深め、風通しのよい職場環境を作ることが大切です。
5-2. 小規模の会社では導入しにくい
小規模の会社では社内FA制度の導入が難しい場合があります。部署や職種の数が限られているため、従業員が希望する異動先がない可能性があるからです。
小規模な会社では、従業員一人ひとりの役割が大きく、異動することで業務に支障が出る場合もあります。従業員数が少ない会社では、ジョブローテーションや社内公募制度など別の方法を検討するのがよいでしょう。
5-3. 従業員がFA権の獲得難易度に不満を感じる場合がある
FA権の獲得難易度によっては、従業員が不満を感じる場合があります。一部の従業員しか制度を利用できず、不公平感が生まれるからです。
FA権を取得できない従業員のモチベーション低下につながる可能性もあります。不満を防ぐためには、従業員が公平に制度を利用できるような獲得条件の検討が大切です。
6. 社内FA制度を導入する際の注意点
社内FA制度を導入する際は、以下の点に注意しましょう。
- FA宣言の公表は慎重におこなう
- FA権の取得条件を適切に設定する
- 不採用者のフォローアップをおこなう
それぞれの注意点について詳しく説明します。
6-1. FA宣言の公表は慎重におこなう
社内FA制度におけるFA宣言の公表は、従業員に不利益を与える可能性があるため、慎重におこなう必要があります。
FA宣言をした従業員が必ず部署異動できるとは限りません。異動がかなわなかった従業員のFA宣言が公表されると、現在の部署で評価が下がったり、上司との人間関係が悪化したりする可能性があります。
FA宣言の公表範囲やタイミングは、慎重に検討しましょう。公表しない場合は、FA宣言に関する情報を適切に管理し、従業員のプライバシーを保護する必要があります。
6-2. FA権の取得条件を適切に設定する
FA権の取得には、厳しすぎないように適切な条件を設定しましょう。取得のハードルが高すぎると、一部の従業員しか制度を利用できず、ほかの従業員のモチベーション低下につながる可能性があるからです。
一方で、FA権の取得条件が緩すぎると、制度の利用者が増加し、組織が混乱する可能性があります
FA権の取得条件は、従業員のスキルや経験、組織のニーズなどを考慮し、従業員が納得できる要件を設定しましょう。
6-3. 不採用者のフォローアップをおこなう
社内FA制度で異動が実現できなかった不採用者のフォローアップをおこなうことが大切です。不採用となった従業員は、自身の能力やキャリアパスに不安を感じ、モチベーションが低下する可能性があります。
フィードバックやキャリア相談の機会を設けて、従業員のモチベーションを維持できるようにフォローしましょう。
7. 社内FA制度の導入ステップ
社内FA制度の導入ステップは以下のとおりです。
- 導入目的を明確にする
- FA権の取得条件を検討する
- 制度を従業員に周知する
- 効果検証を実施する
まずは導入目的を明確にしましょう。従業員のモチベーション向上や離職の防止などが挙げられます。
定めた目的を実現できるFA権の取得条件を検討しましょう。勤続年数や資格の保有などが要件になります。取得条件を検討する際には、FA宣言の公表範囲や不採用者のフォローアップ体制も一緒に決めておくことが大切です。
制度が完成したら、従業員が制度を公平に利用できるよう、社内FA制度の内容周知を徹底しましょう。導入後は、制度の利用状況や従業員の満足度を確認し、必要に応じて制度の改善をおこなうことが重要です。
8. 社内FA制度を導入して従業員のモチベーションを向上させよう
社内FA制度は、従業員が自身の経験やスキルを異動したい部署にアピールすることで、臨んだ部署へ異動できる制度です。
従業員が主体的にキャリアパスを選べるため、離職率の低下やモチベーションの向上につながります。有効活用して従業員のモチベーションを向上させましょう。
このようなお悩みを抱えていませんか?
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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