欠勤控除とは?該当するケースと計算方法を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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欠勤控除とは?該当するケースと計算方法を詳しく解説

欠勤申請

欠勤控除とは、社員に支給する予定だった給料から、欠勤した時間分の給料をカットすることを指します。

正しく算出しないと、社員から「給料が減っている」と申し出を受け、労使間のトラブルにつながるため注意が必要です。

しかし「欠勤控除の詳しい計算方法がわからない」とお悩みの方もいるでしょう。

そこで本記事では、欠勤控除の概要と計算方法について解説します。欠勤控除について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

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1. 欠勤控除とは

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欠勤控除とは、社員に支給する予定だった給料から、欠勤した時間分の給料をカットすることです。勤怠控除とも呼ばれています。

欠勤控除は、勤務していない時間分の給料を企業が支給する必要はないとされる「ノーワーク・ノーペイの原則」に則った考え方です。

会社が月給制だった場合、固定給から欠勤した日数分の給料をマイナスして給料を支給しましょう。また欠勤控除は早退や遅刻にも適用されます。

企業側は、働かなかった時間分の給料をカットしても原則として問題ありません。

関連記事:日給月給制とは?月給制との違いやメリット・デメリットを詳しく解説

2. 欠勤控除に該当する2つのケース

注意点を解説する

欠勤控除に該当するケースは以下のとおりです。

  1. 有給休暇を使わずに休んだ場合
  2. 体調不良や子どもの迎えなどで遅刻・早退した場合

欠勤控除に該当するケースを把握して、適切に給料を支給しましょう。

2-1. 有給休暇を使わずに休んだ場合

有給休暇を使わずに仕事を休むと、欠勤として扱われるため給料が発生しません。例えばインフルエンザにかかり、有給休暇を申請せずに仕事をしていない場合、休んだ期間は欠勤扱いです。

企業側は休んだ3日間を欠勤控除として、給料をカットしても問題ありません。しかし病気や怪我などで4日以上休む社員は「傷病手当金」を受け取れるので、休む日数を把握しておく必要があるでしょう。

社員自らが休むことを申し出た際は、欠勤扱いになります。企業側から「感染拡大を防ぐために休んでください」と医師による指導等の範囲を超えて命令したケースでは「休業手当」の支給が必要です。

個人の都合で休む場合は、欠勤控除に該当することを把握しておきましょう。

2-2. 体調不良や子どもの迎えなどで遅刻・早退した場合

体調不良や子どもの迎えなど、自己都合で遅刻・早退した場合は欠勤として扱われます。遅刻・早退して働いていない時間分は欠勤控除の対象です。

しかし会社の就業規則で以下のルールを定めていれば、遅刻・早退による欠勤扱いを防げます。

  • 有給休暇の事後申請が可能
  • 時間単位で有給休暇を取得可能

有給休暇が残っておらず、事後申請や時間単位の申請ができない場合、欠勤控除の対象となるため、給料を支給する必要はありません。

関連記事:勤怠控除とは?計算方法と注意するべきポイントを紹介

3. 欠勤控除に該当しない2つのケース

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欠勤控除に該当しないケースは以下のとおりです。

  1. 有給休暇を取得して休んだ場合
  2. 会社の都合で休みになった場合

欠勤控除に該当しないのに給料をカットすると、労使間のトラブルに発展する可能性が高いです。社員へ正しく給料を支払うために、必ず目を通しておきましょう。

3-1. 有給休暇を取得して休んだ場合

有給休暇を取得して休んだ場合は、欠勤扱いに該当しません。遅刻や早退にも当てはまらないため、1日分の給料が満額支払われます。

また企業によっては、以下のような休暇を設けているケースも珍しくありません。

  • 慶弔休暇
  • リフレッシュ休暇
  • 裁判員休暇
  • ボランティア休暇

会社の休暇制度を使って休んだ場合も、休暇制度が有給扱いの場合には欠勤控除の対象となりません。自社の就業規則を確認して、どのような休暇制度を設けていたかを把握する必要があります。

また日本では労働基準法の改正で、2019年4月からすべての企業は社員に年次有給休暇を5日取得させることを義務付けました。

社員が病気や怪我で出勤できないときは、有給休暇の取得を促すことも大切になるでしょう。

参照:年5日の年次有給休暇の確実な取得|厚生労働省

3-2. 会社の都合で休みにした場合

会社の都合で仕事を休みにした場合は、欠勤控除に該当しません。欠勤扱いにならないケースは、以下のとおりです。

  • 感染症拡大を防ぐため会社が休みになった
  • 自然災害による影響で会社から出勤停止命令が出た

また建物の改修工事や設備の故障によって休みにした場合も、会社の都合で休業としているため、欠勤控除には該当しません。

また会社の都合で休業した場合、社員に対して「休業手当」として平均給料の6割以上を支給する必要があるため、注意しましょう。

4. 欠勤控除の4つの計算方法

勤怠管理システムを操作している

欠勤控除の4つの計算方法は以下のとおりです。

  1. 月の平均所定勤務日数で算出する
  2. 1ヵ月の所定勤務日数で算出する
  3. 月の暦日数で算出する
  4. 遅刻・早退は月給額を勤務時間で割って算出する

それぞれ具体例を用いながら解説します。

4-1. 月の平均所定勤務日数で算出する

欠勤控除は、年間所定勤務日数をもとに、以下のように月の平均所定勤務日数を用いて算出できます。

年間所定勤務日数÷12=月の平均所定勤務日数

月の給料÷月の平均所定勤務日数×欠勤日=欠勤控除額

例えば、月の給料が25万円で、月の平均所定勤務日数が22日あり、5日欠勤したケースでの計算式は以下のとおりです。

25万円÷22日×5=56,818円(欠勤控除額)

月の平均所定勤務日数を用いて計算すると、1日あたりの欠勤控除額は常に一緒です。月ごとに控除額が変わらないので算出しやすく、多くの企業で取り入れられています。

4-2. 1ヵ月の所定勤務日数で算出する

欠勤控除額を、1ヵ月の所定勤務日数を用いて算出する方法は以下のとおりです。

月の給料÷1ヵ月の所定勤務日数×欠勤日=欠勤控除額

例えば、月の給料が25万円で、1ヵ月の所定勤務日数が24日のうち、4日欠勤したケースでの計算式は以下のとおりです。

25万円÷24日×4日=41,666円

1ヵ月の所定勤務日数で算出する方法の特徴は、月々で欠勤控除額が変わる点です。ゴールデンウィークや年末年始など、長期休暇がある月は所定勤務日数が減ります。

所定勤務日数が減ると、欠勤日数が同じでも控除額が高くなる点に注意が必要です。

4-3. 月の暦日数で算出する

欠勤控除は、以下のように1ヵ月の暦日数を使って算出可能です。

月の給料÷1ヵ月の暦日数×欠勤日=欠勤控除額

月給を25万円支給しており、1ヵ月の暦日数が31日で、5日欠勤したケースでの計算式は以下のとおりです。

25万円÷31×5=40,322円

暦日とは、深夜0時から午後12時の間を一区切りとする一日のことです。月の暦日数とは、欠勤があった給料を計算する期間の実日数を指します。

暦日数は28日や30日など月によって違うため、欠勤控除額が変わります。毎月異なる暦日数を当てはめる必要があり、計算に手間がかかるでしょう。

4-4. 遅刻・早退は月の給料を勤務時間で割って算出する

遅刻・早退があった場合に欠勤控除額を算出する際は、以下の式を活用しましょう。

1ヵ月の給料÷所定勤務時間×欠勤時間=欠勤控除額

遅刻や早退は、以下の例のように月給を1ヵ月の労働時間で割ってから計算します。

月の給料 25万円
1ヵ月の労働日数 22日
1日の所定勤務時間 8時間
1ヵ月の遅刻・早退の時間 5時間

25万円÷176(22日×8時間)×5=7,102円

欠勤していない時間分まで給料をカットすると、労働基準法に違反する恐れがあるため、間違えないように注意して計算しましょう。

関連記事:勤怠管理における遅刻早退の控除の取り扱いや処理の方法について

5. 欠勤控除を算出する際の4つの注意点

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欠勤控除を算出する際の注意点は以下の4つです。

  1. 欠勤控除について就業規則に記載する
  2. 控除後の給料が最低賃金よりも低くならないようにする
  3. 残業代について明らかにしておく
  4. 税金の計算に注意する

欠勤控除を適用したいと考えている方は、必ず目を通しておきましょう。

5-1. 欠勤控除について就業規則に記載する

欠勤控除について就業規則に記載しておかなければ、労使間のトラブルに発展する可能性があります。

有給休暇や給料に関することは、労働基準法で規定されていますが、欠勤控除については法律で定められていません。

就業規則に記載しておかないと、「勝手に給料がカットされていた」と、社員から申し出を受ける可能性があります。

またリフレッシュ休暇などの、控除の対象にならない休暇と条件についても記載することが大切です。労使間でのトラブルが起きないように、欠勤控除の概要は、必ず就業規則に記載しておきましょう。

5-2. 控除後の給料が最低賃金よりも低くならないようにする

欠勤控除を適用する際は、支払う給料が最低賃金よりも低くならないようにしましょう。最低賃金は、企業が社員に最低限支払う必要がある給料の下限額です。

例えば1ヵ月のうちに数日だけ働いて、残りの日数を欠勤した場合、欠勤控除が高くなり最低賃金を下回ります。

最低賃金を下回らないようにするための対策として、以下のように給料計算を欠勤した日ではなく、勤務した日でおこないましょう。

1日あたりの給料×勤務した日

また就業規則に「一定以上の欠勤があった場合は欠勤日ではなく出勤日で給料の計算をおこなう」と、記載しておくことも大切です。

5-3. 残業代について明らかにしておく

従業員が残業した場合、残業代を支払う必要があります。しかし、みなし残業として固定残業代を支払っている場合は注意しましょう。事前に控除する旨を給与規定で定められていれば、固定残業代も欠勤控除の対象として扱えます。固定残業代を欠勤控除の対象とすると煩雑な計算が求められます。そのため、まずは残業代をどのように取り扱うのかを明らかにしておきましょう。

5-4. 税金の計算に注意する

欠勤控除を適用すると所得税などを算出する前に、本来支払う予定だった給与額から控除分の金額を差し引く必要があります。欠勤控除で給与の支給額が減少すれば、所得税額は少なくなります。しかし、所得税を算出した後に欠勤控除すると税額が変動してしまいます。

欠勤控除したあとの金額から、納税額を計算するようにしましょう。

6. 違法となる欠勤控除の取り扱い

注意事項をを伝える

違法となる欠勤控除の取り扱いの例は以下のとおりです。

  • 半日で早退したのに1日分の給料を差し引いた
  • 計算する際に欠勤した時間よりも多く控除した

欠勤控除でカットできる給料は、業務に従事していない時間分だけです。業務に従事した時間分の給料までカットすると、労働基準法違反に該当します。

また欠勤控除を求める際は、端数を切り捨てましょう。切り上げて計算すると、業務を実施した時間も給料をカットする可能性があるためです。

欠勤控除を適用する際は、社員が業務をおこなった時間よりも多く控除しないように注意が必要です。

7. 欠勤控除は正しく適用しよう

チェックポイントにチェックする

欠勤控除は社員に支払う予定だった給料から、休んで勤務していない時間分の給料をカットすることを指します。

業務に従事していた時間分まで控除すると、労働基準法違反に該当するため、注意が必要です。また就業規則に欠勤控除について記載しておかないと「給料が減っていた」と、社員から申し出を受ける可能性もあるでしょう。

労使間でのトラブルが起きないように、欠勤控除について社員へ周知しておくことが大切です。欠勤控除を正しく算出して、社員へ適切な給料を支給しましょう。

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