スキルマップとは?導入で得られるメリットや作り方を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

スキルマップとは?導入で得られるメリットや作り方を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

スキルマップとは?導入で得られるメリットや作り方を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

スキルマップとは?導入で得られるメリットや作り方を解説

スキルマップを作成する

スキルマップとは、社員が有しているスキルや能力を数値などで一覧にして評価したものです。

社員が現在どの程度のスキルを有しているか把握できるため、今後の人材育成や最適な人員配置に役立ちます。しかし「スキルマップを自社でどのように活用すればいいのかわからない」と、お悩みの方もいるでしょう。

そこで本記事では、スキルマップを導入する目的やメリットを解説します。作成方法についても解説するため、スキルマップの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

人事評価のebook

1. スキルマップとは?

従業員のスキルマップ

スキルマップとはどのような表なのか、まずは特徴や目的を知っておきましょう。

1-1. 必要なスキルや保有スキルを一覧にした表

スキルマップとは、現在取り組んでいる業務に関する社員のスキルや能力を、数値などで一覧にして評価した表を指します。

社員のスキルを一覧にして可視化することで、現在の能力レベルの把握や今後の人材育成に役立てられるのが特徴です。

スキルマップで設定する項目は、社員の職位や業務内容によって変化するものです。有用なスキルマップを作るには、スキルマップを作る目的や求めるスキルなどを明確にし、進めていく必要があります。

1-2. さまざまな名称で呼ばれることがある

「力量管理表」「力量表」「技能マップ」と呼ばれることもあります。

海外ではスキルマトリックス(Skills Matrix)と呼ばれるのが一般的で、国内外問わずさまざまな呼び方が入り交ざっている状態です。

いずれも同じ目的と内容の表を指す言葉であるため難しく考える必要はありませんが、企業内で名称は統一しておいた方が混乱されにくいでしょう。

2. スキルマップを導入する目的2選

考えを可視化しながら話す女性

スキルマップを導入する目的は以下の2つです。

  1. 社員の保有スキルの把握
  2. 社員のモチベーションアップ
  3. 人材育成の方針決定

導入する目的を明確にして、スキルマップを活用しましょう。

2-1. 社員の保有スキルの把握

社員の保有スキルを把握するために、スキルマップを導入します。スキルマップを利用することで、自社の社員が業務に必要なスキルをどの程度習得しているかを把握するためです。

スキルマップを通じて社員に不足しているスキルや能力がわかり、今後の人材育成に役立つでしょう。またスキルの習得状況を把握しておけば、新規事業の立ち上げや人事異動の際に、最適な人員配置が実現できます。

2-2. 社員のモチベーションアップ

スキルマップを導入する理由として、社員のモチベーションアップがあげられます。社員にスキルマップを見せることで、成長意欲が出てきたり業務への取り組み方が変化したりするためです。

例えば、社員にスキルマップを見せて足りないスキルを自覚させることで、今やるべきことが明確になります。目標ができることで、社員の成長意欲が向上するでしょう。またほかの社員のスキルマップを見て競争心が働き、仕事へ熱心に取り組むようになる可能性が高いです。

スキルマップを導入すれば、社員の競争心や成長意欲を駆り立て、モチベーションアップにつながります。

2-2. 人材育成の方針決定

前述したように、スキルマップを導入すると従業員の保有スキルやそのレベルを可視化できます。

個人の能力がめいかくになることで、企業側が求めるスキルと従業員のスキルを照らし合わせ、人材育成の方針を決めていくことができます。

不足している部分を効率的に補うにはどうすればよいか、今まで以上に人材育成がしやすくなり、人的資源を有効活用できるようになるでしょう。

3. スキルマップの導入事例が多い業種

電子パーツを作る

スキルマップはすべての業種で有効ですが、その中でもスキルや経験が重要な製造業やIT業界では導入事例が多いです。

3-1. 製造業・建築業

国際的な品質マネジメント規格の「ISO 9001」の要求事項には、従業員の力量も含まれています。

そのため、ISO 9001の取得数が多い製造業や建築業では、ISOの取得や審査に対応するために、スキルマップを導入して正確に従業員のスキルを把握する企業が増えています。

3-2. IT業界

IT業界では専門性や技術力、知識量が非常に重要です。しかし、形にならないスキルも多いため、従業員のスキル把握が難しい状態です。

それを解消するためにスキルマップを導入し、従業員ひとりひとりのスキルを可視化しようと試みる企業が増えています。

スキルの可視化によって正確な能力がわかれば、適材適所の人員配置や適正な待遇も可能になるため、従業員のモチベーションアップにもつながっています。

4. スキルマップを活用するメリット3選

プラスの積み木を並べる

スキルマップを活用するメリットは以下の3つです。

  1. 従業員の能力がわかりやすくなる
  2. 公平な人事評価ができる
  3. 適切な人員配置が実現できる
  4. 効果的な人材育成が実現できる

スキルマップの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

4-1. 従業員の能力がわかりやすくなる

スキルマップの導入によって、従業員の能力が目に見える形で整理されます。

結果や数字だけでは見えていなかった、埋もれている能力やスキルの発掘にもつながるため、人材不足の解消や生産性の向上が狙えることもあります。

能力を活かせていない従業員のモチベーション低下も防げるため、さまざまな方面に対するメリットが発生するでしょう。

4-2. 公平な人事評価ができる

スキルマップを活用することで、公平な人事評価ができるでしょう。スキルを数値化すれば、社員一人ひとりの能力を客観的に評価可能です。

例えば、Excelの技能レベルを習得している項目ごとに1〜5などで数値化できます。技能が高い社員を把握できるため、人事評価の際に悩まずに済むでしょう。

人事評価担当の主観的ではなく、数値を参照した客観的な評価が可能になる点が、スキルマップを活用するメリットです。

4-3. 適切な人員配置が実現できる

適切な人員配置を実現できる点は、スキルマップを活用するメリットです。スキルの習得状況を見て、各部署で必要になるスキルを保有した社員を配置できます。

社員は自身が保有しているスキルを存分に発揮し活躍できる可能性が高いため、モチベーションアップにもつながるでしょう。また現状の社員に足りないスキルも浮き彫りになります。スキルマップは、新たな人材を採用する際に参考になるでしょう。

4-4. 効果的な人材育成が実現できる

スキルマップを活用することで、効果的な人材育成を実現可能です。スキルの習得状況を把握できれば、既存の社員に備わっているスキルだけでなく、足りないスキルも浮き彫りになるでしょう。

例えばExcelを扱う能力が不足している場合、外部から講師を招いて研修を実施するなど、スキル習得に向けた対策を立てられます。スキルマップを活用して備わっていないスキルを中心に研修をおこなうことで、効率的な人材育成が可能となるでしょう。

5. スキルマップを活用するデメリット3選

デメリットと書かれたメモ帳

スキルマップを活用するデメリットは以下の3つです。

  1. 効果を得られるまでに時間がかかる
  2. 数値だけで評価する傾向にある
  3. 作成や管理に時間を取られることがある

スキルマップの導入がマイナスにならないためにも、デメリットを把握しておきましょう。

5-1. 効果を得られるまでに時間がかかる

効果が得られるまで時間がかかることが、スキルマップを活用するデメリットです。スキルマップを作成するだけでは、会社にとって大きな効果は得られません。研修や教育を実施するなど、社員がスキルを習得するための機会を与えましょう。

すぐに習得できないスキルもあるため、中長期的に社員の成長を観察する必要があります。現状を把握し、今後の人材育成や最適な人員配置に役立てるためにスキルマップを作成することが大切です。

5-2. 数値だけで評価する傾向がでやすい

数値だけで評価する傾向にある点は、スキルマップを活用するデメリットといえます。スキルマップを作成すると、数値だけで社員を評価しがちです。しかし部署での態度やほかの社員からの信頼などは、スキルマップの評価だけでは判断できません。

スキルマップだけでなく、社員の人柄や周りからの信頼度など数値化できない点も評価することが大切です。

5-3. 作成や管理に時間を取られることがある

スキルマップは、管理するスキルの選定や従業員が持つスキルの把握、更新など、作って維持するために多くの作業が求められます。

企業内である程度統一した形式でないと活用しにくいため、部署別に任せることも難しく、担当者の負担は大きくなりやすいです。

スキル管理ができるシステムやアプリなどを導入すれば解消できますが、手作業や一元管理ができない環境では煩雑な業務によって負担増になる可能性が高いです。

6. スキルマップの作り方6ステップ

ステップを踏んで成長する

スキルマップは以下の6ステップで作成できます。

  1. 作成する目的を明確にする
  2. 必要なスキルをリストアップする
  3. 項目を決める
  4. 評価者や評価基準を定める
  5. テストを実施する
  6. マニュアルを作成して運用する
  7. 定期的な更新や見直しをおこなう

ぜひスキルマップを作る際の参考にしてください。

6-1. 作成する目的を明確にする

まずは、なぜスキルマップを作るのかを明確にしましょう。作成する目的によって、項目や評価基準が変化するためです。

例えば、作成する目的が「公平な人事評価を実現するため」だった場合、業務に必要なスキルや能力を中心に評価する必要があります。自社ではどのような目的で活用するかを考慮してからスキルマップを作成しましょう。

6-2. 必要なスキルをリストアップする

作成する目的が明確になったら、業務に関連するスキルをリストアップします。職種や部署で必要になるスキルが異なるためです。

例えば、営業ならコミュニケーションスキルや資料作成のスキルなどが業務に関連するでしょう。社員へのヒアリングや作業マニュアルなどを参考にして、スキルをリストアップしてみてください。

6-3. 項目を決める

業務に関連するスキルをリストアップしたら、評価する項目を決めましょう。例えばシステムを作る会社が項目を決める場合、システム作成に必要なスキルに「プログラミングスキル」を項目として設定したとします。

さらに細かく「Python」や「Ruby」など扱えるプログラミング言語を設定すれば、スムーズに評価項目を設定可能です。評価する項目を具体的に設定すれば、スキルマップの作成が容易になります。

6-4. 評価者や評価基準を定める

項目が決まったら、評価者や評価基準を定めます。

評価者はスキルマップの目的に合わせて選定しなければなりません。人材育成が目的ならば上司、研修後の効果を調べることが目的なら研修の講師や担当者が適しています。

評価基準の定め方には以下のような方法があります。

  • 1~5などの数字で設定する
  • A~Eなどのアルファベットで設定する
  • ◯や✕などの記号で設定する

おすすめは1〜5などの、数字で段階的に評価する方法です。スキルの熟練度がひと目で把握できるため、部署内の平均値を求める際にも役立ちます。

6-5. テストを実施する

評価基準を定めたら、運用を開始するのではなくテストを実施しましょう。いきなり本格的に導入すると、作成時に抜けていた部分があった場合に、気づきにくくなるためです。

まずは数人の社員や一つの部署で試験的に導入してみて、評価をおこなう上司や評価を受ける社員から意見をもらいましょう。

6-6. マニュアルを作成して運用する

テストを実施したら、マニュアルを作成して実際にスキルマップを運用します。テストを受けた社員からの意見をもとに、マニュアルを作成することも大切です。使い方や活用方法をマニュアルに落とし込むことで、スキルマップに関して社員に説明する手間が省けます。

また運用を開始してからも社員からフィードバックをもらいながら、改善しましょう。社員のスキル習得状況の変化を把握するためにも、スキルマップの定期的な更新が必要です。

6-7. 定期的な更新や見直しをおこなう

スキルマップを導入したあとも、定期的に見直しをおこないましょう。

企業や人的資源の状況によって必要なスキルは変化し、さらに従業員が保有しているスキルにも有効期限や経年による変化が生じるからです。

常に新鮮なデータを得られるように、更新や見直しのタイミングもあらかじめ定めておくとよいでしょう。

7. スキルマップのテンプレート

積み木を並べて物事のつながりを表現する

スキルマップは業種によって変える必要がありますが、基本になる形はある程度きまっています。そのため、テンプレートを活用すると作成がスムーズに進みやすいです。

厚生労働省でも無料のテンプレートを提供しているため、迷った場合は参考にするとよいでしょう。

厚生労働省が無料で提供している職業能力評価シートは、卸売業やアパレル業など15種類の業種のスキルマップを作成可能です。独立行政法人情報処理推進機構のテンプレートは、IT分野のスキルマップ作成に役立ちます。

変更が必要な部分もありますが、基本の形としてテンプレートを活用してみてください。

参考:職業能力評価シート|厚生労働省

参考:情報システムユーザースキル標準(UISS)と関連資料のダウンロード|独立行政法人情報処理推進機構|独立行政法人情報処理推進機構

8. 【職種別】スキルマップの項目例

質問への回答

以下の表では、職種別にスキルマップの項目例を記載しています。どのような項目を選べばいいかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。

職種 項目例
営業 ・交渉力
・積極性
・コミュニケーション能力
・商品知識
・計画性
・プレゼン力
事務(人事部門) ・人事評価
・採用
・研修
・福利厚生
・事務処理スキル
・労務関係の法的知識
エンジニア ・プログラミング
・チームマネジメント
・プロジェクトマネジメント
・リーダーシップ
・顧客への対応
・設計

職種やおこなっている業務によって、スキルマップに記載する項目は異なります。自社の業務内容を確認して、評価する項目を定めましょう。

9. スキルマップを活用して効率的な人員配置やモチベーションアップを目指そう

従業員のスキルを見る

スキルマップは、社員が保有しているスキルや能力を一覧にしたものです。社員のスキルを一覧にして習得状況を把握すれば、人材育成や最適な人員配置に役立ちます。

また足りないスキルも浮き彫りになるため、今後どのような研修・教育を実施すべきかが明確になるでしょう。スキルの習得状況がわかれば、社員の成長意欲を刺激しモチベーションアップにつながります。

スキルマップを活用して、社員のスキルを向上させ組織全体の底上げを図りましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

人事評価のebook

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事