研修とは?実施する意味や種類・手順や成功させる秘訣を解説
更新日: 2024.7.2
公開日: 2024.2.29
OHSUGI
「研修の担当者になったけど、なにから着手すればよいのかわからない。」
「研修を有意義なものにして成功させたい。」
「そもそも研修を実施する意味はあるの?」
研修担当や運営スタッフの方は、上記のような悩みや疑問を抱えていないでしょうか。
研修は、明確な目的をもって実施すれば社員や企業の成長につながります。研修を成功させるためには、念入りな準備が大切です。
本記事では、研修を実施する目的や研修の種類、メリットやデメリットを解説します。担当者の方や運営スタッフの方はぜひ参考にしてください。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. 研修とは
研修とは、業務上の必要な知識やスキルを得るため、講師の指導や勉強会で学ぶことです。厳密には異なりますが「セミナー」と呼ぶ企業もあります。研修内容はさまざまで、例えばビジネスマナーやマネジメント、チームビルディングについての研修などが挙げられます。
研修を実施するうえで大切なことは、目的と方向性を決めることです。「なぜこの研修をおこなうのか」「着地点はどこか」を実施前に明確にしておきましょう。
社員に研修を実施する理由をあらかじめ伝えておくことも大切です。研修を成功させれば、社員の能力向上や作業の効率化などさまざまな効果を得られます。
1-1. 社内研修・社外研修の違い
研修の種類は社内研修や社外研修など多岐にわたります。そのため、目的によって実施方法や種類を選択することが大切です。
社内研修と社外研修の主な違いをまとめました。
– | 社内研修 | 社外研修 |
開催者 | 自社の社員 | ・アウトソーシング ・研修サービスの事業者 |
向いている研修内容 | ・新人向けの研修 ・キャリアごとの研修 ・スキルアップ研修 |
・専門性の高い研修 ・オンライン研修 |
メリット | ・コストを抑えられる ・社員のレベルに合わせた研修を実施できる |
・最新の情報に基づくプログラムの受講ができる ・専門性の高い人材育成に有効 |
デメリット | ・研修内容が限定的になる可能性がある | ・社内研修と比較するとコストが高くなる |
社内研修では、社員のレベルや業務の内容に合わせた研修を実施できます。
一方、社外研修では外部から講師を招いたり、社外で開催されている研修に出向いたりすることでスキルアップの向上が期待できるでしょう。
2. 研修を実施する意味・目的
研修を実施する意味や目的は下記の2つです。
- 社員の育成をする
- 社員の自己成長を促す
2-1. 社員の育成をする
研修を実施する理由の一つとして、「社員の育成」が挙げられます。それぞれのレベルに合わせた知識と専門性の向上を目指す「人材育成」が目的です。
例えば、新人研修や管理職研修、業種別研修などが挙げられます。キャリアアップの意識を高め、企業に貢献してくれる社員の育成をおこなうことで企業の利益につながるでしょう。
2-2. 社員の自己成長を促す
研修を実施するもう一つの理由は、「社員の自己成長を促すこと」です。自分に足りていない知識や技術は何か、自分で考えるきっかけとなります。
社員の関心のある専門分野や、同じ需要のあるターゲットを研修の対象にすることで企業全体のスキルアップにつながるでしょう。
3. 研修の種類
研修の種類は大きく分けて以下の3つです。
- OJT
- Off-JT
- e-ラーニング
3-1. OJT
OJTとは、「On the Job Training」の略で、業務をしながらノウハウを学んでいく方法です。実際の業務と結びついているため、効率的に学べます。
マンツーマンの指導が基本で、多くの企業で採用されている方法です。社員の理解度に応じてステップアップしていけるので、個々のレベルに合った指導ができます。
3-2. Off-JT
Off-JTとは、「Off the Job Training」の略で、OJTとは反対に配属先や実務から離れた研修です。外部研修や講習会、セミナーなどが該当します。
業務を離れて、研修のために時間を設けるスタイルが一般的です。講師との対話やグループワークなど、形式もさまざまです。
3-3. e-ラーニング
インターネットを利用して、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末で、テキスト・画像・動画などの教材を視聴する方法です。
オンライン環境さえあればだれでも参加可能で、大人数の同時受講やリモートでも実施できます。業種を問わず採用しやすい研修方法です。
4. 研修の種類別のメリット・デメリット
ここでは、OJT・Off-JT・e-ラーニングそれぞれを実施するメリットとデメリットについて解説します。
4-1. OJTのメリット
OJTのメリットは次のとおりです。
- コストがかからない
- 受講者のレベルに合わせられる
- コミュニケーションを取りやすい
- 基礎の見直しができる
- 即戦力を育成しやすい
- 指導者側の指導力の向上につながる
OJTは指導を受ける側のスキル向上が期待できるだけではありません。指導する側の指導力向上が期待できます。
4-1-1. OJTのデメリット
OJTのデメリットは次のとおりです。
- 教える側のスキルが問われる
- 教える側の負担が大きくなりやすい
- 業務全体の流れをつかみにくい
OJTは指導する側のスキルも問われる研修です。そのため、指導する側のスキルによっては望んでいる結果を得られない可能性があるでしょう。
4-2. Off-JTのメリット
Off-JTのメリットは次のとおりです。
- 教育の質を均一にできる
- 専門性の高い知識を学べる
- 業務を離れることで研修に集中できる
- 参加者同士の一体感が生まれ高め合える
Off-JTに取り組むことで専門性の高い知識を参加者がまんべんくな身に着けられる傾向にあるため、グループ研修などに適しています。
4-2-2. Off-JTのデメリット
Off-JTへの取り組みはメリットだけではありません。次のようなデメリットが懸念されます。
- 手間やコストがかかる
- 通常業務が中断される
- 受講者によって必要な知識と研修内容がかけ離れる可能性がある
4-3. e-ラーニングのメリット
e-ラーニングのメリットは次のとおりです。
- 時間や場所を問わず実施できる
- 担当者の負担が少ない
- 専門業者に依頼すれば独自の教材も作成できる
- 大人数でも実施しやすい
e-ラーニングは時間や場所を問わないうえに大人数でも実施しやすいため、リモートでの開催も可能です。
4-3-1. e-ラーニングのデメリット
e-ラーニングのデメリットとして以下が挙げられます。
- 受講者に自発性が求められる
- コミュニケーションを取れないため疑問をすぐに解決できない
- 学習システムの導入などにコストがかかる
5. 研修を実施する手順
研修を実施する手順は以下の6ステップです。
- 研修の目的と方向性の確認
- 研修で何が必要なのかを洗い出す
- 研修担当者や運営スタッフの選定
- 受講者の確認
- 研修内容・スケジュール・実施方法の決定
- 研修前のチェック
- 研修の実施
- 研修の振り返り
5-1. 研修の目的と方向性の確認
まずは「何のためにどのような研修をおこなうのか」目的と方向性を決めます。目的と方向性が決まっていなければ、「ただこなすだけの研修」になり実施する意味がありません。
研修によってどのような効果が得られるか、どのような人材を参加させるかを明確にしておきましょう。
5-2. 研修で何が必要なのかを洗い出す
研修の目的、方向性が定まったら、研修のために何が必要なのかを洗い出します。例えば会場の手配が必要なのか、資料や講師を準備するのかなど、必要な物を洗い出しましょう。必要な物を洗い出しておくことで研修の予算も立てられます。
5-3. 研修担当者や運営スタッフの選定
研修の進行は、研修担当者や運営スタッフがおこなうのが基本です。役割の分担をして、プロジェクトを効率的に進めていきましょう。
ひとりの人の負担が大きくならないようにすることがポイントです。
5-4. 受講者の確認
社員全員が参加するのか、選抜するのか、希望者を募るかなど受講者の確認をします。希望者を募る場合は、参加希望の提出期日を指定するのがコツです。
参加人数が決まったら、社内に通知します。
5-5. 研修内容・スケジュール・実施方法の決定
具体的な研修の実施計画を練り、決定します。研修方法によって得られる効果は異なるので、どのようなカリキュラムを組むか、実施方法はOJTかOff-JTかなど慎重に決めましょう。
また、研修を実施するためのコストはどれくらいか確認しておくことも重要です。必要な予算の見積もりをして、事前に確保しておきましょう。
5-6. 研修前のチェック
研修内容やスケジュール、実施方法などが決定したら実施前にチェックをしておきましょう。研修前のチェックが疎かになってしまうと、当日のミスにつながりかねません。研修前に必要な物や参加人数などを確認しておくことが大切です。
5-7. 研修の実施
実施計画に基づき研修をおこないます。研修当日は、機材トラブルはないか、参加者の席は確保されているかなど、チェックしなければいけないポイントを押さえて進行しましょう。
また、スケジュール通りに実施できるようタイムキープも重要です。
5-8. 研修の振り返り
研修を終えたら、担当者や運営スタッフ同士で改善点やよかった点を振り返ります。参加者アンケートの意見も参考にしてみてください。研修の内容は研修報告書として提出してもらうのもおすすめです。研修報告書の書き方で迷わないように、例文が入ったテンプレートを用意しておきましょう。
よかった点も改善点も、次回に活かせるよう議事録を残しておくことがおすすめです。
6. 研修を成功させる秘訣
研修を成功させる秘訣は以下の3つです。
- スケジュール管理を慎重におこなう
- 社内研修と社外研修をうまく使い分ける
- 実施した研修は必ず振り返る
6-1. スケジュール管理を慎重におこなう
どれくらいの時間をかけて研修を実施するのか、スケジュール管理を徹底しましょう。研修目的と期間を明確に設定することで、社員のモチベーションアップにつながります。
短期間に研修内容を詰め込み過ぎると、受講者の負担が大きくなるため逆効果になりかねません。
「理解できないまま研修が終わった」と、社員のモチベーションが下がる可能性も考えられます。
研修を実施する際は、無理のないスケジュール管理をおこなうことがポイントです。
6-2. 社内研修と社外研修をうまく使い分ける
「社内研修」と「社外研修」のメリット・デメリットを理解し、うまく使い分けましょう。
社内研修はコストを抑えられスケジュールも立てやすい一方で、研修内容が限定的になる可能性があります。
社外研修は、コストは高くなりますが専門性の高い研修をおこなえるでしょう。
それぞれの足りない部分を補いながら、うまく活用してみてください。バランスが大事です。
6-3. 実施した研修は必ず振り返る
実施した研修は必ず振り返りましょう。受講者の理解度や満足度を調査するために、アンケートの実施や、レポートを提出してもらうことがおすすめです。
「研修を実施して終わり」の企業は成長しません。よかった点や改善点など、アンケート結果を集計し次回の研修に活かしましょう。
目的が「研修を実施すること」にならないよう注意してください。
7. 研修の目的を明確にして社員のやる気を育てよう
研修を実施する際は、目的と方向性を明確に決めておくことが重要です。
研修を成功させることで、社員のスキルアップやモチベーションの向上が期待できます。社員ひとりひとりのレベルがあがることで、企業の成長にもつながるでしょう。
担当者の方は自社に合った研修を実施し、社員のやる気を育ててください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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