長時間労働の問題点は?原因と改善策を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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長時間労働の問題点は?原因と改善策を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

長時間労働の問題点は?原因と改善策を解説

「長時間労働の問題点は?」

「長時間労働が起こる原因は?」

上記の疑問を持つ労務担当者の方もいるのではないでしょうか。

長時間労働は、日本の労働環境において深刻な問題となっています。過労死やメンタルヘルス悪化のリスクが増加する中で、企業はその影響を真剣に考える必要があるでしょう。

本記事では、長時間労働の問題点や原因を探り、解決するための具体的な改善策を紹介します。最後まで読むことで労働環境を見直し、より健康的で効率的な働き方を実現しましょう。

1. 長時間労働の問題点

長時間労働の問題点として考えられるのは、主に以下の5つです。

  1. 労働基準法に違反すると指導や罰則を受ける可能性がある
  2. 従業員の集中力が減少する
  3. 従業員が離職しやすくなる
  4. メンタルの不調に陥りやすくなる
  5. 従業員が過労死する可能性がある

それぞれ詳しく解説します。

1-1. 労働基準法に違反すると指導や罰則を受ける可能性がある

長時間労働が常態化している企業は、労働基準監督署からの指導や罰則を受ける可能性があります。

従業員の健康と安全を守るために定められているのが労働基準法です。違法な長時間労働をしている企業に対する監視は年々強化されています。

実際、労働基準監督署は多くの企業を調査しているのが現状です。違法な時間外労働が確認されると、企業に対して「是正勧告書」や「指導票」などが交付されるでしょう。

通知を受けた企業は、指定された期日までに改善し、是正報告する義務があります。

1-2. 従業員の集中力が減少する

長時間労働の問題として、従業員の集中力が減少することが挙げられるでしょう。

内閣府の「平成29年度年次経済財政報告」では、労働時間が短い国ほど生産性が高いデータが示されています。長時間働くことが必ずしも高い成果につながるわけではありません。

むしろ、長時間労働が続くと疲労が蓄積して従業員の集中力が低下するため、生産性の減少につながります

参考:平成29年度年次経済財政報告|内閣府

1-3. 従業員が離職しやすくなる

長時間労働が常態化している企業では、従業員が労働環境に不満を抱き、離職する可能性があるでしょう。

長時間労働の是正に取り組んでいる企業は、従業員の転職や離職が少ない傾向があります。適切な労働環境が従業員の定着に寄与しているといえるでしょう。

一方で、離職者が多い企業では新たな人材の採用が必要となり、そのたびに採用コストが増加します。新たに採用された従業員の育成コストも発生するため、企業にとっては大きな負担です。

1-4. メンタルの不調に陥りやすくなる

長時間労働が続くと、従業員の心身に大きな負担がかかり、メンタル不調に陥りやすくなるでしょう。

職場環境が整っていても、一定数の従業員は労働環境のストレスからメンタルの問題を抱えることがあります。例えば、「令和4年版 過労死等防止対策白書」の令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査結果によると、令和2年度中に病気休職を取得した教職員は7,635人おり、そのうち精神疾患での病気休職者は5,180人にも及んでいます。

特に、時間外労働が月45時間を超えると、精神障害や自殺リスクが増大し、その他の健康障害も発生しやすくなるでしょう。具体的には、事故やけが、過敏性大腸炎、腰痛、さらには月経障害などの身体的不調も引き起こす可能性があります。

参考:令和4年版 過労死等防止対策白書|厚生労働省

1-5. 従業員が過労死する可能性がある

長時間労働により、従業員が過労死する可能性があるでしょう。「令和2年版過労死等防止対策白書」では、過労死に至った人の半数以上が、精神障害の発症からわずか1ヵ月以内に命を落としています。

企業が従業員の健康状態に気づいた時点では、すでに深刻な状況に陥っている場合が多く、迅速な対応が難しいのが現実です。過労死が発生すると、企業は労働環境を適切に管理できないと評価され、社会的信用を失う可能性があります。

参考:令和2年版 過労死等防止対策白書|厚生労働省

2. 長時間労働の現状

日本は、世界的に見ても長時間労働が深刻な問題です。「令和4年版 過労死等防止対策白書」によると、週に49時間以上働く日本人労働者の割合は15.1%に達しています。その内訳は男性が21.7%、女性が6.9%です。

この数字は、アメリカやドイツ、イギリス、フランスなどの先進国の中でも特に高く、韓国に次ぎます。特に、日本の男性労働者の約5人に1人が過度な労働に従事している状況です。

参考:令和4年版 過労死等防止対策白書|厚生労働省

3. 長時間労働の原因

長時間労働の原因は、主に以下の3つです。

  1. 人手不足で非効率的な働き方が広がっている
  2. 管理職のマネジメント能力が不足している
  3. 周囲が働いていると帰りづらい

それぞれ詳しくみていきましょう。

3-1. 人手不足で非効率的な働き方が広がっている

近年、日本の社会においては、人手不足で非効率的な働き方が広がっています。残業が当たり前の文化が根強く残っており、IT業界や建設業界で顕著であり、深刻な人手不足が課題です。

人材の不足は、既存の従業員に業務が集中する原因となり、長時間労働が常態化しやすくなります

このような状況では、根本的な解決が難しいのが現実ですが、個々の労働者が長時間働くことを減らす意識を持つことは重要です。例えば、業務の効率化を図ることで、無駄な時間を省き、労働時間を短縮できます。

3-2. 管理職のマネジメント能力が不足している

管理職のマネジメント能力が不足しているのも長時間労働の原因です。多くの企業において、部下の長時間労働を無視する管理職が少なくありません。このような姿勢が続くと、改善策を講じることは難しく、長時間労働がますます広がります。

管理職のマネジメント能力が欠如していることが、この問題の根底にあるのです。この状況を打破するためには、まず管理職と部下のコミュニケーションを強化しましょう。部下の働き方を理解し、必要なサポートをすることが求められます。

3-3. 周囲が働いていると帰りづらい

自分の業務が完了していても、周りの同僚がまだ働いていると、帰りにくい雰囲気が生まれます。この状況は特に若手社員に顕著で、実際に仕事が終わったにもかかわらず、周囲に合わせて残業を続けるケースが少なくありません。

結果として、長時間労働が助長されることになります。このような文化を改善するためには、上司が積極的に帰宅する姿勢を示すことが重要です。業務を終えた部下には、率先して帰宅を促すことで、残業を強いる風潮を変えられるでしょう。

4. 長時間労働を改善するための対策

長時間労働を改善するための対策は、下記の2つです。

  1. リモートワークやフレックスタイム制度を導入する
  2. 出勤・退勤管理ツールを導入する

それぞれ詳しく解説します。

4-1. リモートワークやフレックスタイム制度を導入する

リモートワークの導入により、従業員は自宅やカフェなど、自分が快適と感じる場所で仕事を進められるでしょう。タスクを終えた後はスムーズに仕事を終えられるため、長時間労働を抑制する効果があります。

さらに、フレックスタイム制度の導入も長時間労働の解消に良いでしょう。上司の指示に従うのではなく、従業員自身が勤務時間を選択できることが特徴です。コアタイムを設定することで、労働時間の自由度が高まり、出勤時間を調整できます。

4-2. 出勤・退勤管理ツールを導入する

長時間労働の改善には、出勤・退勤管理ツールの導入が効果的です。ツールを活用すると、上司の裁量に頼らず、全社員が自らの勤務状況を把握できます

勤怠管理ツールを選ぶ際には、ユーザーが簡単に操作できるシステムであることが重要です。操作が難しいと、利用者はシステムに時間を費やすことになり、結果的に効率が低下します。

さらに、既存のシステムとの連携が可能な勤怠管理ツールを選ぶことも大切なポイントです。

5. 長時間労働の問題を解消しよう

長時間労働は、個人の健康や企業の生産性に深刻な影響を与える重大な問題です。原因としては、人手不足やマネジメント不足、職場の雰囲気などさまざまな要因が挙げられます。

しかし、テレワークの導入や勤怠管理ツールの活用などの対策を講じることで、状況を改善できるでしょう。企業は、労働環境を見直し、従業員の健康を守ることが求められています。より良い働き方を実現するために、持続可能な労働環境を築いていきましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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