無断欠勤とは?原因や対応方法・解雇の手続きを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

無断欠勤とは?原因や対応方法・解雇の手続きを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

無断欠勤とは?原因や対応方法・解雇の手続きを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

無断欠勤とは?原因や対応方法・解雇の手続きを解説

「無断欠勤する従業員の特徴は?」

「連絡こない無断欠勤する従業員への対応方法を知りたい」

「無断欠勤の従業員を解雇するまでの手続きを正しく把握したい」

無断欠勤する従業員に対して上記のような疑問や悩みがある人事・労務担当者の方は多いのではないでしょうか。

無断欠勤とは、会社の了承を得ず事前連絡なしで欠勤することです。

本記事では無断欠勤の概要や原因、対応方法、解雇の手続きまで解説します。無断欠勤が続くと検討する解雇について理解できる内容になっているため、ぜひ参考にしてください。

1. 無断欠勤とは?

無断欠勤とは、従業員が会社で定められている欠勤の手続きをおこなわないで、会社の了承なく無断で欠勤することを意味します。

本来、欠勤する際は、会社へ欠勤理由を事前に連絡したうえで了承してもらって休む手続きが必要です。法的な定義はないですが、就業規則で無断欠勤を定義し、その後の対応についても規定している会社が多くあります。

2. 無断欠勤が発生する主な4つの理由

無断欠勤が発生する主な理由は以下の4つです。

  1. 急病・事件・事故・災害
  2. メンタルヘルスの不調
  3. 職場でのハラスメントや人間関係が原因
  4. 退職を決めた故意の行動

それぞれの理由を解説します。

2-1. 急病・事件・事故・災害

急病になったり、事件や事故、災害に巻き込まれたりして不可抗力で無断欠勤になるケースです。突然の出来事により落ち着くまでに時間がかかり、連絡が滞りやすくなります。

病状や怪我が重症で入院中だったり、通信障害が発生している地域に避難したりしている場合は、連絡が困難です。最悪のケースでは、一人暮らしの方が自宅で亡くなっているケースもありえます。

2-2. メンタルヘルスの不調

メンタルヘルスの不調が起因して出勤に影響がでるケースです。仕事のストレスやプレッシャーが、精神的な健康状態を悪化させて、出社を困難にする状態になりかねません。

うつ病や適応障害などによる起因が多く、睡眠障害や倦怠感、気分の落ち込みが出社を困難にします。メンタルヘルスの不調による無断欠勤は、適切なフォローと支援が必要です。

2-3. 職場でのハラスメントや人間関係が原因

ハラスメントや人間関係の問題が原因で、従業員が出社できなくなるケースです。恐怖心や不安から会社へ連絡できないため、無断欠勤につながっています。

セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといったハラスメントや人間関係から生じるいじめなどが存在する職場環境は問題です。企業は無断欠勤を選択した従業員のケアをおこない、同時に上司や職場の同僚にヒアリングして原因究明をおこなわなければなりません。

2-4. 退職を決めた故意の行動

退職を決意した従業員が、上司への連絡や手続きを怠って無断欠勤を選びます。職場の人間関係や上司からのハラスメント、社員同士のいじめなどから会社に説明や連絡しづらく感じるケースです。

このような行動をするケースは基本的なビジネスマナーや社会的責任の欠如によるものと考えられます。必要な手続きを踏んで退職しなければならない旨を伝え、社会人として正しい行動を促しましょう。

3. 無断欠勤が発生した際の企業の対応方法3選

無断欠勤が発生した際に企業がおこなうべき対応方法を3つ紹介します

  1. 従業員と連絡を取る
  2. 無断欠勤の理由を聞いて原因究明する
  3. 無断欠勤に対して厳重注意する

それぞれの対応方法を見ていきましょう。

3-1. 従業員と連絡を取る

無断欠勤が発生した場合は、従業員と連絡を取ることが最優先の取り組みです。会社は登録されている電話やメールから連絡を試み、つながらない場合は各種SNSでの接触も有効な手段になります。

一人暮らしの場合は、急病により倒れていたり、事件や事故に巻き込まれたりしている可能性を考慮して自宅への訪問も選択肢の一つです。

無断欠勤がメンタルヘルスの不調やハラスメントによる場合は、しつこい連絡が従業員を追い込みかねないため適切な配慮をおこないましょう。

3-2. 無断欠勤の理由を聞き原因究明する

従業員本人と連絡が取れたあとは、従業員との会話を通じて無断欠勤した理由をヒアリングし、原因を究明します。

ヒアリング内容によっては、会社に責任がある場合や会社からフォローや支援の必要がある場合があるでしょう。会社に責任がある場合は、ハラスメントやいじめの被害が起因した無断欠勤であった場合です。

従業員を追い詰めた職場環境を改善していく必要があり、従業員本人の周辺だけでなく、全社を通して改善を図る必要があります。

また、急病や事故などが原因である場合は、適切なフォローとサポートをおこなって従業員が安心して復帰できるように配慮が重要です。

3-3. 無断欠勤に対して厳重注意する

無断欠勤の繰り返しに対しては厳重注意が必要になります。正当な理由なく無断欠勤を繰り返すのは社会人としてふさわしくない行為です。

出社できる状態でありながら手続きを怠った無断欠勤や退職を理由とした身勝手な無断欠勤には厳正な対応をおこなわなければなりません。

企業側は従業員へ口頭による厳重注意からおこない、必要に応じて書面での警告をおこなっていき段階的な対応をおこないます。改善が見られなければ、解雇の検討が必要となるでしょう。

4. 無断欠勤が続く従業員を解雇する手順

無断欠勤を続ける従業員を解雇するための手順は以下のとおりです。

  1. 連絡のこない従業員へ出勤を呼びかける
  2. 解雇の予告をおこなう
  3. 解雇通知書を送付する
  4. 解雇手続きする

それぞれの手続きについて解説します。

4-1. 連絡のこない従業員へ出勤を呼びかける

無断欠勤の理由を伝えず無断欠勤を続ける従業員には、解雇の前に出勤を呼びかけることが必要です。企業側は従業員へ出社させようとする努力義務があるため、電話やメールなどの連絡手段を確保する必要があります。

また、無断欠勤の理由は呼びかけの際にも可能な限り確認することが重要です。精神疾患やメンタルヘルス不調により理由を伝える行為自体が困難になっている場合があります。これらの理由が起因する無断欠勤であった場合は、不当解雇と判断されかねません。

4-2. 解雇の予告をおこなう

再三の出勤を呼びかけても無断欠勤が解消されない従業員に対しては、解雇をおこないます。労働基準法に基づいた手続きをおこなわなければなりません。

労働基準法によると従業員は労働者を解雇する際、遅くとも30日前に解雇予告をおこなう必要があります。解雇予告の方法は口頭または書面ですが、トラブル防止のためにも書面による予告が有効です。

書面には解雇する日と具体的理由を明記します。また、口頭による解雇予告であっても、従業員から作成を求められた場合は書面に同様の内容を記載して渡さなれければなりません。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

4-3. 解雇通知書を送付する

解雇予告を経て、従業員へ解雇通知書を正式に送付します。送付の際、内容証明郵便として証拠を残すことが必要です。

書面には無断欠勤の証拠を基に解雇日や解雇理由、必要な手続きに関する情報を明記します。なお、書面での交付は労働基準法で触れられていないため、作成を必須としているわけではありません。トラブル防止の観点からも書面で伝えることが大切です。

4-4. 解雇手続きする

解雇日をもって解雇が成立します。成立後、解雇に伴う最終的な賃金の精算や退職金の支払い、社会保険手続きなどの法的に求められる各種手続きが必要です。最後に解雇した従業員へ送付すべき書類を送付して、解雇に関する手続きが完了します。

また、解雇に対して不服を申し入れられる可能性もあるため、解雇に関する証拠などの書類をまとめて備えておきましょう。

5. 無断欠勤を理由に解雇する際の注意点3つ

無断欠勤を理由に解雇する際に注意する点を3つ紹介します。

  1. 解雇が認められる無断欠勤の日数を満たす必要がある
  2. 無断欠勤を証明できる証拠を保持している必要がある
  3. 無断欠勤の原因が企業側にある場合は解雇できない

それぞれについて見ていきましょう。

5-1. 解雇が認められる無断欠勤の日数を満たす必要がある

無断欠勤の日数が解雇するに相当であると認められることが重要です。1週間程度続いたぐらいでは解雇する日数として十分ではありません。

一般的に解雇で必要とされる日数は2週間以上とされており、裁判所においても正当な解雇として認められる目安とされています。

5-2. 無断欠勤を証明できる証拠を保持している必要がある

企業側は、従業員に非がある無断欠勤であっても正しく判断した証拠を提示しなければなりません。労働基準法は、解雇予告や解雇通知の規定があるとともに解雇権濫用を無効にする規定もあります。

タイムカードや出勤簿、パソコンへのログ記録など勤怠情報がわかる書類が該当します。また、無断欠勤が始まってからの連絡した記録のやり取りも証拠として有効です。無断欠勤へ対応する際、どのような状況であっても記録を忘れずにおこないましょう。

5-3. 無断欠勤の原因が企業側にある場合は解雇できない

無断欠勤の理由が、メンタルヘルスの不要や精神疾患などの場合は企業側に問題と責任があるとされ解雇できないでしょう。いじめやハラスメント、ストレス、プレッシャーなどの職場環境が起因する場合、企業側は職場環境の改善へ優先的に取り組みます。

また、企業はメンタルヘルスケアにも取り組み、従業員へ精神的なフォローをおこないましょう。

6. 無断欠勤に関する就業規則の整備

無断欠勤に関する就業規則の整備は以下の2点です。

  1. 無断欠勤に関する就業規則の明文化
  2. 従業員への就業規則の周知徹底

それぞれの内容を見ていきましょう。

6-1. 無断欠勤に関する就業規則の明文化

無断欠勤に対する対応を就業規則で明確に定めておくことが重要です。対応が一貫していれば、企業は混乱なく対応でき、従業員へも具体的に明示しやすくなります。

例えば、就業規則に無断欠勤が連続して14日以上、就労日を経過した場合に退職とみなされる。といった規定をしておくと効果的です。無断欠勤に起因するトラブルを防止するためにも就業規則へ明文化しておきましょう。

6-2. 従業員への就業規則の周知徹底

企業が規定した就業規則は従業員へ周知しておくことも欠かせません。就業規則は従業員にも理解してもらうことが重要です。

今後、無断欠勤について規定した際には社内メールにて資料を還元したり、説明会を実施したりして周知しましょう。従業員にとっても勤務に対する意識改善や無断欠勤の抑止につながります。

7. 無断欠勤への適切な対応で職場環境を改善しよう

無断欠勤は、事前に連絡しないで企業の了承を得ずに無断で欠勤することです。さまざまな理由があるなかで、正当な理由のない無断欠勤は解雇の対象となります。

解雇は注意点を把握して、労働基準法に基づいた手続きが重要です。また、無断欠勤の理由が、企業側に問題がある場合は問題改善に取り組みましょう。

メンタルヘルスの不調や精神疾患、職場環境の問題が起因となっている無断欠勤は、企業が職場環境の改善が最優先です。また、就業規則を明確にした従業員への周知徹底は、勤務態度の改善や無断欠勤の抑止につながります。

無断欠勤への対応は解雇手続きをするだけでなく、それぞれの事象にあった対応により職場環境の改善を目指しましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事