無断欠勤とは?原因・理由や会社側の対応方法・解雇処分の注意点を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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無断欠勤とは?原因・理由や会社側の対応方法・解雇処分の注意点を解説

歩道

無断欠勤とは、会社の了承を得ず事前連絡なしで欠勤することです。無断欠勤は、状況に応じた慎重な対応が求められる重要な問題です。

本記事では、無断欠勤の主な原因・理由や企業側の対応方法、発生による影響・リスクについて解説します。また、無断欠勤が続く場合に解雇手続きを検討する際の注意点についても紹介します。

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1. 無断欠勤とは?

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無断欠勤とは、従業員が会社で定められている欠勤の手続きをおこなわないで、会社の了承なく無断で欠勤することを意味します。

通常、欠勤する際は事前に会社へ連絡し、その理由を説明して了承を得る必要があります。法的な定義はないですが、就業規則で無断欠勤を定義し、その後の対応についても規定している会社が多くあります。

2. 無断欠勤が発生する原因や理由

メモ

無断欠勤が発生する原因はさまざまです。ここでは、無断欠勤が生じる理由について詳しく紹介します。

2-1. 急病・事件・事故・災害

急な病気や事件・事故、自然災害などに巻き込まれた場合、やむを得ず無断欠勤となることがあります。突然の出来事により、連絡が遅れることも少なくありません。

病状やけがが重く入院していたり、通信障害が発生している地域に避難していたりする場合には、本人が連絡を取ることが困難です。また、一人暮らしの従業員が自宅で倒れたまま発見が遅れるという深刻なケースもあります。

2-2. メンタルヘルスの不調

メンタルヘルスの不調が原因で、出勤に支障をきたすケースがあります。仕事上のストレスやプレッシャーが精神的な健康状態を悪化させ、出社が困難になることも少なくありません。

とくに、うつ病や適応障害などが原因となるケースが多く、睡眠障害、倦怠感、気分の落ち込みなどの症状が出勤を困難にさせます。メンタルヘルスの不調による無断欠勤に対しては、適切なフォローや支援が不可欠です。

2-3. 職場でのハラスメントや人間関係が原因

ハラスメントや職場の人間関係が原因で、従業員が出社できなくなるケースもあります。

恐怖や不安から会社へ連絡できず、結果として無断欠勤につながることもあります。

セクシャルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)、人間関係の悪化に伴ういじめなどが発生している職場環境は、重大な問題です。企業は、無断欠勤に至った従業員への適切なケアをおこなうとともに、上司や周囲の職場環境について丁寧にヒアリングをし、原因を明らかにする必要があります。

2-4. ビジネスマナーや責任感の欠如

寝坊や二日酔いで出勤が難しく、遅刻や欠勤について説明するのが気まずいと感じる従業員が、無断欠勤を選択することもあります。これは、ビジネスマナーや責任感の欠如から発生するものです。

無断欠勤が繰り返される場合、ビジネスマナーや自己管理能力を向上させるための研修・教育が必要です。また、無断欠勤が会社に与える影響を従業員に理解させ、報告・連絡・相談の重要性を再確認させることが重要といえるでしょう。

2-5. 退職を決めた故意の行動

退職を決意した従業員が、上司への連絡や所定の手続きをおこなわず、無断で欠勤するケースがあります。背景には、職場の人間関係の悪化やハラスメントなどにより、会社に対して連絡や説明をしづらいと感じている可能性があります。

このような行動は、周囲の業務や会社の運営に影響を与えるため、企業側としては冷静に状況を確認し、丁寧に対応することが求められます。従業員には、退職に際して必要な手続きを踏むことの重要性を伝え、円満な退職に向けてサポートする姿勢が大切です。

3. 無断欠勤による影響やリスク

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無断欠勤が繰り返されると、会社にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、度重なる無断欠勤によって生じるリスクについて詳しく解説します。

3-1. 生産性が低下する

事前に欠勤の連絡があれば、会社側は人材確保や業務フロー見直しなど、必要な対策を講じることができます。しかし、無断欠勤の場合、前もって人員が不足することを把握できないため、イレギュラーな対応を迫られ、生産性の低下を招く恐れがあります。無断欠勤を未然に防ぐためにも、あらかじめ対策を講じておくことが重要です。

3-2. 社内の人間関係や雰囲気が悪化する

多くの業務はチームで進められており、無断欠勤が発生すると円滑な連携が難しくなり、業務に支障をきたすだけでなく、ほかの従業員の不満にもつながります。社内の人間関係や職場の雰囲気が悪化し、働きにくい職場環境になるリスクもあります。

また、無断欠勤が許される環境だと、会社のルールを遵守し、真面目に働いている従業員のモチベーションが低下し、退職・転職による離職率の上昇につながる可能性もあります。そのため、無断欠勤に対しては、その理由を確認したうえで、毅然とした態度で対応することが重要です。

3-3. 顧客や取引先からの信頼を損なう

無断欠勤が多発すると、顧客や取引先との連携にも支障をきたす恐れがあります。無断欠勤による生産性の低下により、納期に遅れが生じるなど、深刻なトラブルにつながる可能性もあります。このように、無断欠勤は社内だけの問題にとどまらず、外部にも影響を及ぼすため、正しい対応方法について理解しておくことが大切です。

4. 無断欠勤が発生した際の企業の対応方法

ステップ

無断欠勤が繰り返されると、会社にさまざまな損害をもたらします。ここでは、無断欠勤が発生した際の企業の対応方法について詳しく紹介します。

4-1. 従業員と連絡を取る

無断欠勤が発生した場合は、従業員と連絡を取ることが最優先の取り組みです。会社は登録されている電話やメールから連絡を試み、つながらない場合は各種SNSでの接触も有効な手段になります。

一人暮らしの場合は、急病により倒れていたり、事件や事故に巻き込まれたりしている可能性を考慮して自宅への訪問も選択肢の一つです。

無断欠勤がメンタルヘルスの不調やハラスメントによる場合は、しつこい連絡が従業員を追い込みかねないため適切な配慮をおこないましょう。

4-2. 無断欠勤の理由を聞き原因究明する

従業員本人と連絡が取れたあとは、従業員との会話を通じて無断欠勤した理由をヒアリングし、原因を究明します。

ヒアリング内容によっては、会社に責任がある場合や、会社からフォロー・支援が必要になる場合も考えられます。

例えば、ハラスメントやいじめが原因で無断欠勤に至った場合、職場環境そのものに問題があるため、従業員本人の周囲だけでなく、全社的な改善が求められます。また、急病や事故などが原因である場合は、適切なフォローとサポートをおこなって、従業員が安心して復帰できるように配慮することが重要です。

4-3. 無断欠勤に対して厳重注意する

無断欠勤の繰り返しに対しては厳重注意が必要になります。正当な理由なく無断欠勤を繰り返すのは社会人としてふさわしくない行為です。

出社できる状態でありながら手続きを怠った無断欠勤や、退職を理由とした身勝手な無断欠勤には、厳正な対応をおこなわなければなりません。

まずは口頭で厳重に注意し、改善が見られなければ書面での警告をおこなうなど、段階的な対応を取ります。それでも改善が見られない場合は、最終的に解雇を検討することになります。

4-4. 懲戒処分も検討する

厳重注意をしても、無断欠勤が繰り返される場合には、解雇以外に、減給・降格や出勤停止などの懲戒処分も検討しましょう。懲戒処分は、企業秩序の維持や従業員の規律意識向上に役立ち、無断欠勤の再発防止にもつながります。

ただし、懲戒処分をおこなう場合、あらかじめ就業規則にその旨と内容を明記しておく必要があります。また、懲戒処分が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合、その権利を濫用したものとして無効になる恐れもあるので注意しましょう。

関連記事:労働契約法15条に定められた「懲戒」の対象者と無効にする権利について解説

5. 無断欠勤を防止するための対策

注意

無断欠勤があったら適切な対応を取ることが大切ですが、無断欠勤を発生させないよう、対策を講じることも重要です。ここでは、無断欠勤を防止するための対策について詳しく紹介します。

5-1. 採用・教育プロセスを見直す

無断欠勤を防止するためには、採用や教育のプロセスを見直すことが重要です。採用段階では、事前に協調性やストレス耐性をチェックすることで、無断欠勤のリスクが高い人材を見極め、採用を控えることができます。

また、採用後の教育も欠かせません。例えば、新入社員に対しては、ビジネスマナー研修を実施することで、報告・連絡・相談の重要性を理解させ、無断欠勤を未然に防ぐことができます。さらに、やむを得ず欠勤する場合の適切な手続き方法についても、早い段階で周知・指導しておくことが大切です。

5-2. メンタルヘルスサポートを強化する

近年では技術革新やグローバル化が急激に進み、身の回りの変化が激しく、ストレスを感じやすい社会であるといえます。精神的な不調により出勤が困難となり、会社への連絡すらためらってしまうことで、無断欠勤に至る従業員もいるかもしれません。

このような課題に対応するためには、メンタルヘルスサポートに関連した福利厚生の導入が有効です。例えば、ストレスチェックの実施、ストレスマネジメント研修の提供、相談窓口の設置、カウンセリングサービスの導入などが挙げられます。従業員の精神的な健康を支援することで、無断欠勤の防止につながるだけでなく、働きやすい職場環境の整備にも貢献します。

5-3. 勤怠管理を徹底する

出勤状況を正しく管理していない場合、欠勤の連絡を疎かにするようになり、無断欠勤が発生する原因となりかねません。勤怠管理は無断欠勤を防止するだけでなく、正しく労働時間を把握し、適切な給与を支払うためにも重要です。

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5-4. 社内の労働環境を改善させる

職場の人間関係やハラスメントが原因で無断欠勤をする従業員がいる場合、その根本的な要因を解消しなければ問題は解決しません。

まずは、無断欠勤をした従業員に対してヒアリングをおこない、状況を正確に把握したうえで、労働環境を改善するための施策を検討しましょう。すべての従業員が働きやすい職場をつくることで、無断欠勤の防止につながるだけでなく、生産性の向上や離職率の低下といった効果も期待できます。

6. 無断欠勤が続く従業員を解雇する手順

チェック

無断欠勤が繰り返される場合には、最終的に解雇を検討せざるを得ないこともあります。ここでは、無断欠勤を理由に従業員の解雇を進める際の適切な手順について詳しく解説します。

6-1. 連絡のこない従業員へ出勤を呼びかける

無断欠勤の理由を伝えず無断欠勤を続ける従業員には、解雇の前に出勤を呼びかけることが必要です。企業側は従業員へ出社させようとする努力義務があり、そのため電話やメールなどの連絡手段を確保する必要があります。

また、無断欠勤の理由は呼びかけの際にも可能な限り確認することが重要です。精神疾患やメンタルヘルス不調により、理由を伝える行為自体が困難になっている場合があります。これらの理由が起因する無断欠勤であった場合に解雇手続きをしてしまうと、不当解雇と判断されかねません。

6-2. 解雇する前に退職勧奨をする

解雇するには、それ相応の正当な理由が必要です。不当解雇とみなされれば、当該解雇は無効となり、従業員とのトラブルに発展する恐れがあります。

そのため、再三の出勤を呼びかけても無断欠勤が解消されない従業員に対しては、退職勧奨を検討することが大切です。退職勧奨とは、会社が従業員に対して、自発的な退職を促す行為を指します。従業員の同意が得られれば、合意に基づく退職となり、基本的に不当解雇の問題は生じません。

ただし、退職を強要したとなれば、民法上の「不法行為(第709条)」や刑法上の「強要罪(第223条)」などに抵触し、損害賠償を請求されたり、罰則を課せられたりするリスクがあります。退職勧奨をする場合、従業員の意思を尊重し、慎重かつ丁寧に対応することが求められます。

6-3. 解雇の予告をおこなう

退職勧奨をしても、従業員から同意が得られず、なお無断欠勤が解消されない場合には解雇をおこないます。解雇手続きには、労働基準法に基づき解雇予告が必要です。

労働者を解雇する際、遅くとも30日前に解雇予告をおこなう必要があります。期日までに解雇予告をしない場合、解雇予告手当の支払い義務が生じることもあるので注意しましょう。

解雇予告の方法は口頭または書面ですが、トラブル防止のためにも書面による予告が有効です。書面には解雇する日と具体的理由を明記します。また、口頭による解雇予告であっても、従業員から作成を求められた場合は書面に同様の内容を記載して渡さなれければなりません。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

6-4. 解雇通知書を送付する

解雇予告を経て、従業員へ解雇通知書を正式に送付します。送付の際、内容証明郵便として証拠を残すことが必要です。

書面には無断欠勤の証拠を基に解雇日や解雇理由、必要な手続きに関する情報を明記します。なお、書面での交付は労働基準法で触れられていないため、作成を必須としているわけではありません。トラブル防止の観点からも書面で伝えることが大切です。

なお、解雇通知書を作成・送付しない場合、従業員から解雇理由の証明書を請求される可能性があります。この場合、労働基準法第22条「退職時等の証明」により証明書の交付が義務付けられているので、速やかに作成して、送付しましょう。また、証明書の内容は従業員が希望する事項に限られ、希望しない事項を記載してはならない点にも注意が必要です。

6-5. 解雇手続きする

解雇日をもって解雇が成立します。成立後、解雇に伴う最終的な賃金の精算や退職金の支払い、社会保険手続きなどの法的に求められる各種手続きが必要です。最後に解雇した従業員へ必要な書類を送付することで、解雇に関する手続きが完了します。

また、解雇に対して不服を申し入れられる可能性もあるため、解雇に関する証拠などの書類をまとめて備えておきましょう。

関連記事:労働基準法における解雇とは?種類や方法・解雇が認められる理由から円満解雇するための秘訣を解説

7. 無断欠勤を理由に解雇する際の注意点

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無断欠勤を理由に解雇をおこなう場合、適切な手続きを踏まなければ、不当解雇とみなされる可能性があります。ここでは、無断欠勤を理由に解雇を検討する際の注意点について詳しく解説します。

7-1. 解雇が認められる無断欠勤の日数を満たす必要がある

無断欠勤の日数が解雇するに相当であると認められることが重要です。なお、無断欠勤が何日続いたら解雇できるかについて、法律上の明確な基準は設けられていません。

しかし、1週間程度続いたぐらいでは解雇する日数として十分ではありません。一般的に解雇で必要とされる日数は2週間以上とされており、裁判所においても正当な解雇として認められる目安とされています。

7-2. 無断欠勤を証明できる証拠を保持している必要がある

企業側は、たとえ従業員に非がある無断欠勤であっても、正しく判断した証拠を提示しなければなりません。

労働基準法には解雇予告や解雇通知の規定がある一方で、労働契約法には解雇権の濫用を無効とする規定も設けられています。そのため、無断欠勤を理由に解雇する場合には、客観的に合理性があり、社会通念上相当であると認められる証拠書類を整えることが重要です。

具体的には、タイムカードや出勤簿、パソコンへのログ記録など、勤怠情報が確認できる書類が該当します。また、無断欠勤が始まってからの連絡のやり取りも証拠として有効です。無断欠勤へ対応する際、どのような状況であっても、対応過程の記録を忘れずにおこないましょう。

参考:労働契約法|e-Gov法令検索

7-3. 無断欠勤の原因が企業側にある場合は解雇できない

職場内でのいじめやパワハラ・セクハラなど、無断欠勤の原因が企業側にある場合、解雇は認められません。このようなケースで解雇をした場合、不当解雇として無効とされる可能性があります。

まずは当該従業員やその周囲にヒアリングをおこない、無断欠勤の理由を明らかにしましょう。もし会社側に問題があることが判明した場合、職場環境の改善を含む適切な対応を取ることが重要です。

7-4. 無断欠勤の原因が精神疾患の場合は解雇できない

うつ病や適応障害など、精神的な不調が原因で無断欠勤をする従業員についても、直ちに解雇することは認められない可能性が高く、慎重な対応が求められます。精神疾患が原因であることが判明した場合は、会社の就業規則に基づき、病気休職制度の利用を促すようにしましょう。

休職期間が満了した後は、当該従業員との面談や、主治医・産業医との連携を通じて復職の可能性を慎重に確認します。復職が難しいと判断される場合には、本人の同意を得て退職を勧めるか、最終的には就業規則に則った解雇手続きを検討することになります。

関連記事:休職期間満了後に解雇や退職勧奨はできる?不当解雇とならない注意点を解説

8. 無断欠勤に関する就業規則の整備

虫眼鏡

無断欠勤を防ぐため、減給や降格、解雇など、懲戒処分を導入したいと考える人もいるかもしれません。懲戒処分を下すには、それ相応の理由に加えて、就業規則に定めがあることが条件です。

ここでは、無断欠勤に関する就業規則の整備のポイントについて詳しく紹介します。

8-1. 無断欠勤に関する就業規則の明文化

無断欠勤に対する対応を就業規則で明確に定めておくことが重要です。対応が一貫していれば、企業は混乱なく対応でき、従業員へも具体的に明示しやすくなります。

例えば、就業規則に無断欠勤が連続して14日以上就労日を経過した場合に退職とみなされる、といった規定をしておくと効果的です。無断欠勤に起因するトラブルを防止するためにも就業規則へ明文化しておきましょう。

8-2. 従業員への就業規則の周知徹底

企業が規定した就業規則は従業員へ周知しておくことも欠かせません。就業規則は従業員にも理解してもらうことが重要です。

今後、無断欠勤について規定した際には、社内メールにて資料を配布したり、説明会を実施したりして周知しましょう。従業員の勤務に対する意識を高め、無断欠勤の抑止にもつながります。

関連記事:就業規則に違反した社員に対する企業側の正しい対処方法とは

9. 無断欠勤に関連するよくある質問

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ここでは、無断欠勤に関連するよくある質問への回答を紹介します。

9-1. 無断欠勤を有給扱いにできる?

年次有給休暇(有給)は、原則として事前に時季を指定して取得するものです。そのため、無断欠勤をした後に「有給を使いたい」と申請することは、基本的には認められていません。

ただし、事故や急病などにより、やむを得ず会社に連絡できなかったケースも考えられます。このような場合には、事後申請を一定の条件のもとで認める運用をおこなうことで、従業員に配慮した柔軟な対応が可能です。

事後申請を認める場合には、その条件や手続き方法を就業規則に明記し、従業員へ周知しておくことが重要です。明確なルールを設けておくことで、不要なトラブルを防ぎ、公平な運用がしやすくなります。

関連記事:有給休暇の事前申請は義務化可能?有給申請は何日前まで?ルールも紹介

9-2. 無断欠勤時の給料減額(減給)は違法?

給料(賃金)は、労働の対価として支払われるものです。したがって、無断欠勤の場合は、労働がおこなわれていないため、「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づき、その時間分の賃金を基本給から控除することに問題はありません。

一方で、無断欠勤が繰り返されることによって懲戒処分として減給をおこなう場合には、労働基準法第91条に基づく制限があります。以下のいずれかに該当する場合、減給処分は違法とされる可能性があります。

  • 1回の減給額が1日分の平均賃金の半額を超える場合
  • 減給の総額が1賃金支払期における金額(月給など)の10分の1を超える場合

また、懲戒処分として減給をおこなうには、就業規則にその旨を明記し、あらかじめ従業員に周知しておくことが必要です。規則にない処分を突然適用することは、トラブルの原因となるため注意しましょう。

関連記事:労働基準法第91条に規定された「減給の限度額」とは?法律上の意味や計算方法

9-3. 無断欠勤により損害が生じたら賠償を請求できる?

従業員の無断欠勤により会社に実際の損害が発生した場合、民法第415条「債務不履行による損害賠償」に基づき、損害賠償を請求できる可能性があります。

ただし、労働基準法第16条「賠償予定の禁止」により、あらかじめ無断欠勤に対する損害賠償の金額を就業規則などに定めておくことはできません。したがって、損害賠償を請求する際は、個別の事案ごとに損害の発生とその因果関係を立証する必要があります。

参考:民法|e-Gov法令検索

10. 無断欠勤への適切な対応で職場環境を改善しよう

メガホン無断欠勤は、事前に連絡しないで企業の了承を得ずに無断で欠勤することです。さまざまな理由があるなかで、正当な理由のない無断欠勤は懲戒処分(減給・出勤停止・解雇など)の対象となります。

ただし、解雇を含む対応をおこなう際は、労働基準法などの関係法令に基づいた適正な手続きを踏むことが重要です。また、無断欠勤の原因が企業側にある場合(職場環境の問題やハラスメントなど)は、まずその問題を改善することが求められます。

メンタルヘルスの不調や精神疾患、職場環境の問題が起因となっている無断欠勤は、職場環境の改善が最優先です。また、就業規則を明確に定め、従業員へ周知徹底することは、勤務態度の改善や無断欠勤の抑止につながります。

無断欠勤に対する対応は、一律に解雇をおこなうのでなく、各事案の背景に応じた適切な対応をし、職場全体の環境改善を図ることが重要です。

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