健康診断の結果の保存期間は?保管までの流れや関連法律を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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健康診断の結果の保存期間は?保管までの流れや関連法律を解説

医師とチェックリスト

企業には、従業員の健康診断結果を法令で定められた期間保存する義務があります。保存期間を守らずに廃棄したり、独自に短縮したりすると違法になるおそれがあります。

本記事では、健康診断結果の保存期間や受領から保管までの流れをわかりやすく解説します。また、退職者や派遣社員の健康診断結果の取り扱いについても紹介します。

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1. 健康診断結果の保存期間

診察

健康診断結果の保存期間には、次のようなルールがあります。

  • 一般健康診断は5年
  • 特殊健康診断書は最長40年

1-1. 一般健康診断は5年

企業は一般健康診断の結果に基づいて「健康診断個人票」を作成し、5年間保存しなければなりません(労働安全衛生法第66条の3、労働安全衛生規則第51条)

保存期間の起算日について、労働安全衛生法令に明確な規定はありません。そのため、実務上は、健康診断個人票を作成した日または記載が完了した日を起算日として取り扱われるのが一般的です。

参考:労働安全衛生法第66条の3|e-Gov法令検索

参考:労働安全衛生規則第51条|e-Gov法令検索

1-2. 特殊健康診断書は最長40年

特殊健康診断の結果は、健康診断の種類に応じて5年から最長40年間保存することが義務付けられています。

特殊健康診断は、有機溶剤を取り扱う業務や特定化学物質を扱う業務など、有害な物質や環境にさらされる労働者を対象として実施されるものです。健康診断の種類ごとの保存期間は次のとおりです。

健康診断の種類 保存期間
四アルキル鉛健康診断 5年
有機溶剤健康診断 5年
特定化学物質健康診断 5年(特別管理物質の場合は業務従事日を起算日として30年、30年経過後は5年)

【例:2010年1月1日が業務従事日の場合】

  • 2010年実施分は30年保存
  • 2020年実施分は20年保存
  • 2040年実施分は5年保存
鉛健康診断 5年
高気圧業務健康診断 5年
じん肺健康診断 7年
除染等電離放射線健康診断 30年
電離放射線健康診断 30年
石綿健康診断 40年(業務に従事しなくなった日を起算日とする)

取り扱う物質や作業環境のリスクに応じて保存期間が異なっており、特に放射線や石綿などは長期的な健康影響が懸念されるため、長期間の保存が求められています。

保存期間は法令で個別に定めがある場合はそれに従います。一方、定めがないものは実務上「書類作成日(または記載完了日)」を起算日とするのが一般的です。

参考:⻑期保存が必要な健康診断結果等の取扱について|厚生労働省

1-3. 健康診断結果は紙・電子データのいずれでも保存可能

健康診断結果は、紙だけでなく電子データでも保存できます。紙と電子データにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、自社の運用方法や管理体制に応じて適した保存方法を選ぶことが大切です。

媒体 メリット デメリット
  • 直感的に閲覧しやすい
  • システム障害の影響を受けない
  • 保管スペースが必要
  • 紛失や劣化、災害による損傷のリスクがある
電子データ
  • 検索性・管理効率に優れている
  • 保管スペースを削減できる
  • アクセス管理うあバックアップなどセキュリティ対策が必要
  • 紙で受領した場合は電子化作業が必要

近年では、健康診断管理システムを導入して電子データで一元管理する企業も増えています。

いずれの方法で保存する場合も、保存期間中は個人情報の漏えいを防ぐための適切な安全管理措置を講じ、必要なときに健康診断結果を確認できる状態を維持することが重要です。

参考:健診結果等の保存期間について(現状)|厚生労働省

1-4. 健康診断結果を正しく保存しない場合のリスク

健康診断結果を法令で定められた期間保存しなかったり、適切に管理しなかったりすると、法令違反となるおそれがあります。

例えば、労働安全衛生法第66条の3に定める健康診断結果の記録・保存義務に違反した場合は、同法第120条に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、労働基準監督署の調査で健康診断結果の提示を求められた際に対応できないほか、従業員の健康状態を適切に把握できず、必要な就業上の措置や健康管理に支障をきたすおそれもあるでしょう。

さらに、健康診断結果の通知が遅れたことで病状が悪化したとして、従業員が企業に損害賠償を求めた裁判例もあります。

参考:健診通知の遅れ、雇用者に慰謝料330万|m3.com

企業側が敗訴した場合は損害賠償責任を負うだけでなく、企業の社会的信用が低下するリスクもあるため、健康診断結果は適切に管理することが重要です。

参考:労働安全衛生法第66条の3、第120条|e-Gov法令検索

2. 健康診断結果の受領から保存までの流れ

検査結果

健康診断結果の受領から保存までの流れは、次のとおりです。

  1. 健康診断結果を従業員へ通知する
  2. 産業医等の意見を踏まえて事後措置を実施する
  3. 労働基準監督署へ報告する

ここでは、それぞれの流れを詳しく解説します。

2-1. 健康診断結果を従業員へ通知する

健康診断の結果が届いたら、速やかに受診した従業員本人へ通知します。

健康診断の判定区分は健診機関によって異なりますが、一般的には「異常なし」「要経過観察」「要再検査」「要精密検査」「要治療」などに分類されます。

異常が認められなかった場合でも、労働安全衛生法に基づき、健康診断の結果は本人へ通知する必要があります。

2-2. 産業医等の意見を踏まえて事後措置を実施する

健康診断の結果、異常所見が認められた従業員がいる場合は、産業医などから意見を聴き、必要に応じて事後措置を実施します。具体的には、次のような対応が挙げられます。

  • 産業医による面談や保健指導を実施する
  • 必要に応じて就業制限や労働時間の短縮、配置転換を検討する
  • 再検査・精密検査の受診を勧奨する
  • 作業環境や業務内容の見直しを検討する

対応を検討する際は、健康診断結果だけでなく、業務内容や労働環境、産業医の意見などを総合的に確認することが重要です。

2-3. 労働基準監督署へ報告する

常時使用する労働者が50人以上の事業場では、定期健康診断の実施後「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監督署へ提出する義務があります。

健康診断の実施後は、遅滞なく提出しましょう。報告書には、主に次の内容を記載します。

  • 対象年
  • 健康診断実施年月日
  • 受診労働者数
  • 有所見者数
  • 事業場および健康診断実施医療機関などの情報

2025年1月1日からは、定期健康診断結果報告書の労働基準監督署への提出は電子申請が原則となっています。

そのため、やむを得ない事由がある場合を除き、従来の紙での提出ではなく、原則として電子申請で提出をおこなう必要があります。

参考:労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます(令和7年1月1日~)|厚生労働省

3. 健康診断結果を保存する際に確認すべきポイント

はてなと男性

ここでは、健康診断結果を保存する際に確認しておきたいポイントを解説します

3-1. 個人情報(退職者分を含む)を管理して漏洩を防ぐ

健康診断結果には従業員の健康状態に関する情報が含まれています。そのため、企業は次のような安全管理措置を講じなければなりません。

  • 閲覧できる担当者を必要最小限に限定する
  • 書類は施錠できる場所で保管する
  • 電子データは暗号化をおこなう

また、従業員が退職した後も、法令で定められた保存期間が満了するまでは健康診断結果を適切に保存する義務があります。

これは、退職後に健康障害が発生した場合に、在職中の健康状態や業務との関連性を確認するためです。

3-2. 保存期間を過ぎたものは適切な方法で廃棄する

保存期間を経過した健康診断結果は、個人情報として適切に廃棄する必要があります。

不要な情報を保有し続けると、情報漏えいや不正利用のリスクが高まるためです。廃棄する際は、次のような方法が望ましいでしょう。

  • シュレッダーや溶解処理などで確実に廃棄する
  • 廃棄作業は複数人で実施して相互チェックをおこなう
  • 廃棄の日時や方法などの詳細を記録して適切に管理する

また、電子データは通常の削除操作だけでは復元される可能性があります。

そのため、専用のデータ消去ソフトを使用するほか、ストレージの物理破壊や暗号鍵の破棄など、復元できない方法で廃棄することが重要です。

3-3. 派遣社員の結果は派遣元事業主が管理する

派遣社員の健康診断結果は、派遣元が責任を持つというのが原則です。一般健康診断の実施義務は派遣元にあるので、健康診断結果の保管義務も派遣元が負います。

一方、派遣先で有害業務に従事する場合、特殊健康診断の実施義務は派遣先にあります。そのため、派遣先は特殊健康診断の結果を保存しなければなりません。

なお、派遣先で実施した特殊健康診断の結果は派遣元にも通知されるので、派遣元でも必要な期間管理することが求められます。

参考:第3章 派遣元が実施すべき事項|厚生労働省

4. 健康診断に関する法律

タブレット

健康診断に関する主な法律は、次のとおりです。

  1. 個人情報保護法
  2. 労働安全衛生法令

ここでは、それぞれの内容について解説します。

4-1. 個人情報保護法

個人情報とは、生存する個人に関する情報であり、氏名や生年月日などにより特定の個人を識別できる情報、または個人識別符号が含まれる情報を指します(個人情報保護法第2条)。

健康診断結果は個人の健康状態に関する情報であり、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当します。そのため、企業は健康診断結果について、適切な安全管理措置を講じなければなりません。

具体的には、健康診断結果へのアクセス権限を限定するとともに、閲覧・複製の履歴を管理できる体制を整備することが重要です。

また、健康診断結果を適切に取り扱うため、個人情報保護に関する教育を定期的に実施することも大切です。

参考:個人情報の保護に関する法律第2条|e-Gov法令検索

4-2. 労働安全衛生法令

労働安全衛生法令では、企業に対して健康診断の実施や、健康診断結果に基づく医師からの意見聴取などを義務付けています。

医師が就業上の措置について適切な意見を述べられるよう、企業は健康診断結果に加え、必要に応じて従業員の勤務状況や作業環境など、判断に必要な情報を提供しなければなりません。

提供する情報の例としては、次のようなものがあります。

  • 労働者の作業環境
  • 作業内容・作業態様
  • 作業負荷の状況
  • 労働時間
  • 深夜業の時間や回数

これらの情報を踏まえて、医師は就業上の措置や健康管理に関する意見を述べます。

企業はその意見を勘案したうえで、必要に応じて労働時間の短縮や配置転換などの措置を講じ、従業員の健康障害の防止やメンタルヘルス対策につなげることが重要です。

また、2025年5月公布の改正労働安全衛生法により、労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックは2028年4月1日から義務化されるので、あらかじめ確認しておきましょう。

参考:ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策|厚生労働省

関連記事:労働安全衛生法における健康診断の実施は義務?種類・対象者・費用を解説

5. 健康診断結果の保存期間を把握し適切に保管しよう

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健康診断結果の保存期間は法令で定められており、一般健康診断は5年間、特殊健康診断は種類に応じて5〜40年間保存しなければなりません。

保存方法は紙・電子データのいずれでも可能ですが、健康診断結果は「要配慮個人情報」に該当するため、適切な安全管理措置を講じる必要があります。保存期間を経過した後は復元できない方法で適切に廃棄することが大切です。

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