前受収益とは?仕訳方法や前受金との違いを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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前受収益とは?仕訳方法や前受金との違いを解説

現金の収支と収益や費用の計上は必ずしも同じタイミングで発生するとは限りません。そのため、このタイミングのズレは経過勘定という勘定科目を用いて仕訳処理を行います。
ここでは、経過勘定の中のひとつ「前受収益(まえうけしゅうえき)」について解説するとともに、前受収益と混同されやすい「前受金」や「仮受金」との違いについても解説します。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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1. 前受収益(まえうけしゅうえき)とは?

お金をもらう様子

たとえば近年急速に拡大をみせるサブスクリプションサービスでは、年払いや月額など、この先提供される予定のサービスに対して料金を支払うことが少なくありません。
一方、これらのサービスや商品を提供する側は、サービスや商品の提供が継続して行われる契約において、まだ提供していないサービスや商品に対する代金を事前に受け取ることになります。
前受収益とはこのような代金を処理する際に用いる勘定科目のことを指します。

受け取っている代金はサービスや商品の提供が完了すればその時点で収益は計上されるものの、サービスや商品の提供が決算をまたぐ場合には、翌期以降に計上される収益を繰り延べる必要があります。この繰り延べる部分の収益が前受収益です。前受収益は決算をまたぐ場合には発生するものの、当期のうちにサービスや商品の提供が完了する場合には発生しません。

なお、前受収益が発生しやすい業種としては、サブスクリプション型の業種だけではなく、地代や利息などが発生する不動産業や金融業、保険業などの投資関係の業種が挙げられます。

1-1. 1年基準(ワン・イヤー・ルール)適用の判断

企業会計原則では、貸借対照表上における流動と固定の区別基準のひとつとして一年基準(ワン・イヤー・ルール)を定めています。1年基準では貸借対照表の作成日(決算日の翌日)から現金化されるまでにかかる期間が1年以内の場合は流動資産または流動負債であるとし、1年を超える場合には固定資産または固定負債とみなされます。

そして、前受収益にこの1年ルールが適用されるかを判断するためのポイントは「その収益をが営業活動のメインになっているか否か」です。前受収益がメインとなる営業活動に直接関係する場合は、正常営業循環基準(※)が適用され、1年を超える場合でも流動資産として計上されます。
つまり、正常営業環境基準により先に区分をした上で、1年基準を適用する形となります。

※企業会計原則において、正常な営業サイクルの中にある資産や負債は流動資産や流動負債にするという基準のこと

関連記事:長期前受収益とは?前受収益との違いや仕訳方法を詳しく解説

2. 前受収益の仕訳方法

解説 男性

ここからは前受収益の仕訳方法について具体的な例を交えながら解説します。
まず、サブスクリプションサービスを提供するA会社の当期の決算は年1回、12月31日とします。

2-1. 受取時の処理

A会社は取引先B社と2022年7月1日にサブスクリプションサービスの契約を行い、B社はA社に年払いで480,000円の代金を支払いました。

借方 現金(資産) 480,000円 / 貸方 前受収益(負債) 480,000円

期中に1年間の契約で受け取った代金は、次期以降分も含め実際に受け取った金額で計上します。

関連記事:前受収益は負債として仕訳すべき?仕訳例も紹介

2-2. 決算時の処理

A社は2022年12月31日に決算を迎え、B社との契約において翌期分の収益の繰越処理を行いました。

借方 売上(収益) 240,000円 / 貸方 前受収益(負債) 240,000円

前受けしている翌期分を「前受収益(負債)」に振替えし、「売上(収益)」の残高を当期分のみの金額に修正します。


これにより、当期の会計上の「売上(収益)」の残高は240,000円になります。

2-3. 翌期の処理

2023年1月1日に前期末から繰り延べた売上を再振替しました。

借方 前受収益(負債) 240,000円 / 貸方 売上(収益) 240,000円

翌期の期首(2023年1月1日)には、期末(2022年12月31日)に繰り延べた分を再び収益の勘定科目に戻し入れて翌期の収益として計上します。

3. 前受金や仮受金との違い

比較 はてな

前受収益は継続してサービスや商品の提供が行われる契約において、まだ提供していないサービスや商品の代金を当期に計上する際に用いる勘定科目です。特別な意味を含み負債計上する勘定科目には前受収益のほかにも「前受金」や「仮受金」などがあり、これらは仕訳をする上でも間違えやすい取引です。
ここでは、前受収益と混同しやすい前受金と仮受金について解説します。

3-1. 前受金(まえうけきん)とは

前受金(まえうけきん)はサービスや商品の売買などを行った際に、代金の一部または全部を事前に受けとった場合に用いる勘定科目です。一般的には「手付金」や「内金」などと呼ばれるものが勘定科目における前受金に該当し、例えば取引先がサービスや商品の購入意思を示すために頭金として支払うケースなどが挙げられます。

一見、前受収益と似ているようにも思えますが、前受収益との大きな違いは「継続期間の有無」です。前受収益は時間の経過とともに収益化されていくものであるのに対し、前受金は商品やサービスを提供した時点で収益化されるのです。

なお、前受金を受け取っていても、取引先がキャンセルをすれば前受金は返還しなければならず、この場合、貸借対照表では「負債の部」として流動負債に分類されます。サービスや商品が提供されれば売上などの勘定科目として振替えられることになります。

3-2. 仮受金(かりうけきん)とは

仮受金(かりうけきん)は前受収益や前受金と同様、先にお金を受け取った場合に用いられる勘定科目です。しかし、前受収益や前受金との違いは、受け取った理由が不明で最終的な会計処理も確定できない場合に一時的に用いるという点です。

具体的な例としては、取引先からの入金が本来10,000円であるはずにもかかわらず、実際には12,000円が入金されていた場合などです。つまり、借受金は、取引先あるいは社内との情報共有が正しく行なわれている場合には本来発生しないものといえるでしょう。

仮受金はあくまでも一時的に発生する勘定科目であるため、そのまま決算をすることはできません。決算期まで残ってしまった場合は内容を確認し、何らかの適切な勘定科目に振り替える必要があります。そのため、貸借対照表には記載されません。

借受金が発生すると、その理由を明確にするための調査などに膨大な時間がかかる可能性があります。日頃から仮受金が発生しないよう情報共有やこまめな仕訳を怠らないことが大切です。

4. 違いを理解し正確な仕訳を

ポイント

前受収益はサービスや商品の提供が継続的に行われるものの代金を事前に受け取った場合の処理に用いられる勘定科目です。前受収益は決算をまたいで用いられるため仕訳の際には特に注意が必要です。

また、これまでは投資関係の業態で用いられるケースが多かったですが、近年のサブスクリプション型ビジネスの拡大により、今後はますます用いられることの多い勘定科目といえるでしょう。

さらに、前受収益は前受金とは名前だけではなく性質も似ているため、「継続期間の有無」をポイントに両者の違いをしっかりと覚えておきましょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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