納品書兼請求書とは?作成方法や注意点を分かりやすく解説
更新日: 2024.1.17
公開日: 2021.11.20
jinjer Blog 編集部
膨大な事務作業が課題となっている企業は、少なくありません。
特に納品書と請求書を別々に送付するのが面倒と感じる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、納品書と請求書の両方を兼ねた納品書兼請求書について解説します。
作成方法や注意点もわかりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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1.納品書兼請求書とは納品書と請求書の両方を兼ねた文書
納品書兼請求書とは、納品書と請求書の両方を兼ねた文書のことです。
納品書兼請求書を発行することで、納品書と請求書の両方の内容を一枚にまとめて発行できます。
一般的に納品書は商品を納品する際に発行し、請求書は月末に向けて発行するので、2回に分けて書類を発行する必要があります。
しかし、請求書兼納品書はどちらの効力もあるので、1度発行すれば済んでしまうのです。
2回に分けて書類を発行する必要がなくなるので、手間を省くことができます。
ちなみに納品書兼請求書は、一度きりの取引の場合によく使用されます。
また数回にわたる取引でも、納品ごとに請求が必要な場合も使用されているでしょう。
たとえば、デザインやイラストの製作費を支払うケースが当てはまります。
関連記事:納品書と請求書の違いは?発行時に気をつける6つのポイント
2.納品書兼請求書は一定期間保管する必要がある
納品書兼請求書は、請求書として扱う必要があるので一定期間保管する必要があります。
保管する期間については、法人か個人事業主かで異なります。
たとえば、法人の場合は法人税法の帳簿書類等に該当するため、7年間保管しなければなりません。
ちなみに、事業初年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間となります。
また欠損金の繰越控除を適用する場合は、10年間の保管が必要です。
そのため、法人の場合は基本的に7年間か10年間保管する必要があるでしょう。
一方で個人事業主の場合は、所得税法によって5年間の保管期間が基本です。
所得税法についても、事業初年度の確定申告の提出期限の翌日からになります。
消費税納税業者の場合は7年間の保管が必要です。
請求書を保管する期間は、法人か個人事業主かの違いだけでなく条件によっても異なります。
そのため、法人の場合は10年間、個人事業主の場合は7年間を保存期間と把握することで整理がしやすいでしょう。
3.納品書兼請求書のメリットを3つ紹介
納品書兼請求書を導入するメリットは、さまざまあります。
以下では、主に3つのメリットについて紹介します。
3-1. 経費削減に繋がる
納品書兼請求書の最大のメリットは、経費が削減できることです。
納品書と請求書を一緒に発行及び送付できるので、さまざまな面の費用を抑えられます。
たとえば、納品書と請求書を別々に発行するとそれぞれの用紙代や印刷代がかかっていました。
また2回に分けて送付する必要があったので、郵送代や封筒代まで発生します。
しかし、納品書兼請求書を利用することで、発行及び送付の作業を1回で済ませられます。
特に大企業にとっては、大きな経費削減となるでしょう。
3-2. 業務の効率化が図れる
自社で納品書と請求書の作成から送付まで行っている場合は、業務の効率化が図れます。
これまで2回に分けて行っていた業務を1度にまとめて行えます。
また納品書と請求書をまとめて扱えるため、作業がスムーズになるでしょう。
業務の効率化によって、他の作業に時間を割くことが可能です。
特に個人事業主にとっては本業に充てる時間が増えるので、収入アップにも期待できます。
3-3. 保管がしやすくなる
納品書兼請求書は、保管のしやすさもメリットの1つです。
納品書と請求書を別々に保管する場合に、多くの保管スペースが必要です。
しかし、納品書兼請求書は1枚のみ保管すれば問題ないので、保管スペースを多くとりません。
また保管する書類を少なくできるので、整理もしやすくなるでしょう。
4.納品書兼請求書の作成方法
納品書兼請求書を作成する際は、必須項目を記載する必要があります。
国税庁では、納品書と請求書の記載事項を、以下の5つ挙げています。[注1]
・書類作成者の氏名または名称
・取引年月日
・取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
・税率ごとに区分して合計した税込対価の額
・書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
上記の5つの項目は、納品書兼請求書を作成する際に必ず記載する必要があります。また支払期限や振込先まで記載しておくと、取引先も把握しやすくなるのでおすすめです。
[注1]国税庁|No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた
5.納品書兼請求書の作成で注意する5つのこと
納品書兼請求書は、作成する際に必須項目も記載する必要があります。
ただし、他にも注意すべきポイントがあります。
ここでは、主に5つの注意点を紹介しましょう。
5-1. 取引年月日は納品日を記載する
納品書兼請求書の取引年月日は、納品日を記載しましょう。
納品書兼請求書は、納品書としての役割もあることから納品した日付を記載する必要があります。
ただし、納品日以外にも、出荷日や到着予定日を記載するケースもあります。
納品書兼請求書は重要な書類になるので、初めての取引先の場合は、事前に取引年月日をいつにするのか確認しましょう。
5-2. 送付先は取引先に確認する
納品先と請求先が異なる場合は、どちらに送ったらよいか悩むことが多いです。
一般的に納品書兼請求書は、請求先である本社に送るケースが多いです。
商品を納品する際には、納品先が営業所や支店の場合でも納品書兼請求書は本社の経理担当者に送付します。
商品と納品書兼請求書の送付先が異なるので間違えないように注意が必要です。
商品と納品書兼請求書の送付先が違う場合は、取引先から指示があることがほとんどです。
また指示がない場合はどのように対応したらよいか確認しましょう。
5-3. 納品先に担当者が不在の場合は指示を待つ
納品先に担当者が不在の場合は、担当者に連絡しましょう。
勝手に納品先に渡してしまうと、後々トラブルになる可能性があります。
トラブルを防ぐためにも担当者が不在の場合は、独断で動かずに指示を待つ必要があります。
また納品書兼請求書は、むやみに見られないように封筒に入れるなどの配慮が必要になります。
5-4. 送付するタイミングは納品物と一緒
納品書兼請求書は納品書と請求書の両方の役割があるので、送付するタイミングにも悩むことが多いです。
一般的に納品書兼請求書を送付するタイミングは、納品物に同封して送付します。
なぜなら、取引先は納品物の内容を確認する際に納品書が必要になるからです。
納品書兼請求書は納品書としての役割があるため、確認作業を行ううえで必要な書類になります。
また納品よりも早く送付することや、納品後から時間が経って送付するのはマナー違反になるので注意が必要です。
トラブルによって、納品物に同封できない場合は、必ず取引先に連絡を入れましょう。
また連絡を入れる際は、どの程度早くなるのか、遅くなるのか詳細を伝えることが大切です。
5-5. 納品書兼請求書も電子化可能
納品書兼請求書は、納品書や請求書と同じく電子化が可能です。
インターネット上には、納品書兼請求書のテンプレートが多数あるため、活用することで手軽に電子化できます。
他にも帳票作成システムを導入することで、納品書兼請求書を電子化できます。
発行から送付まで半自動的に行えるため、業務の効率化にも繋がるでしょう。
関連記事:納品書の作成方法と必要な項目・注意点を分かりやすく解説
関連記事:納品書の書き方やポイント・必須項目を分かりやすく解説
6.納品書兼請求書を活用して業務を効率化しよう
納品書兼請求書は、納品書と請求書の両方を兼ねた文書です。
これまで2回に分けて行っていた業務を一度にまとめて行えるので業務を効率化できます。
納品書兼請求書を作成する際は、必須項目の記載が必要です。
また必須項目だけでなく、支払期限や振込先まで記載しておくと取引先にも親切です。
ぜひ取引年月日や送付するタイミングに注意して、納品書兼請求書を活用しましょう。
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