デジタル改革関連法やデジタル庁開設の影響|電子契約はどう変わる? - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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デジタル改革関連法やデジタル庁開設の影響|電子契約はどう変わる?

デジタル庁‐国会

 

2021年5月にデジタル改革関連法が成立し、新聞やテレビなどのメディアで「デジタル庁」「デジタル社会」といった言葉を聞く機会が増えました。

デジタル改革関連法は行政手続きに限らず、さまざまな業界に深く関わってくる法律です。たとえば、デジタル改革関連法の柱の1つが「脱ハンコ」です。今後、企業間取引でも押印や書面が段階的に廃止され、電子契約が主流になっていくと見られています。

この記事では、企業の担当者が知っておくべきデジタル改革関連法の概要や、デジタル庁開設が企業にもたらす影響をわかりやすく解説します。

関連記事:電子契約に関する法律を徹底解説|電子契約導入を検討している方向け | jinjerBlog

「この書類は電子化できる?できない?」
【弁護士監修】でデジタル改革関連法をわかりやすく解説!

2021年9月に施行されたデジタル改革関連法で、様々な書類の電子化が解禁されました。

とはいえ、「何が変わったの?」「どの書類を電子化できるの?」と、法改正や電子契約についてイメージがついていない方も多いでしょう。そのような方に向け、当サイトではデジタル改革関連法について弁護士が監修した解説資料を無料で配布しております。

デジタル改革関連法の改正で新たに電子契約できるようになった書類について法的根拠をもとに解説しているほか、電子契約を用いた実際の業務フローや電子署名の導入手順までを網羅的に解説しており、これ一冊で電子契約について理解できるため、書類の電子化やデジタル改革関連法に興味があるという方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

1.デジタル改革関連法とは

スマートフォンを操作する人

デジタル改革関連法とは、2021年5月12日に参議院本会議で可決された、デジタル社会の実現を目指す6つの法律を指します。

特に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(デジタル社会形成整備法)」では、押印・書面に関する合計48の法改正が盛り込まれ、電子契約への段階的な移行を目指す姿勢が示されました。

デジタル改革関連法の成立経緯や、その内容(関連6法)を紹介します。

1-1.成立の背景

デジタル改革関連法は菅内閣の政策の柱の1つとして、法案成立に向けて急ピッチで準備が進められてきました。

なぜ、デジタル改革関連法が必要とされたのでしょうか。その背景として、国や民間を問わずデータの利活用が急速に進み、現行の法体系が社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の足枷となった点が挙げられます。

とくに新型コロナウイルスの給付金配布の遅れや、マイナンバーシステムを用いた申請手続きのトラブルをきっかけとして、社会全体のデジタル化の必要性が顕在化しました。一方で、個人情報や機密情報を狙うサイバー攻撃が増加しており、データの悪用や乱用を防止する枠組みの重要性も増しています。

これらの背景を総合的に考慮し、菅内閣はデジタル改革関連法の成立を急ぎました。

1-2.デジタル改革関連6法とは

デジタル改革関連法は、以下の6つの関連法案で構成されています。

●デジタル社会形成基本法
国民に対し、社会全体がデジタル化を目指す意義や、デジタル社会の実現に向けた基本方針を説明した法律

●デジタル社会形成整備法
マイナンバー制度や押印・書面に関する法案を改正し、デジタル社会の実現に向けた具体的な手続きを示した法律

●デジタル庁設置法
デジタル社会の実現のための中心的役割として、デジタル庁の設置やその組織形態について定めた法律

●公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律
新型コロナウイルスの給付金や児童手当など、マイナポータルを用いた公的給付の手続きについて定めた法律

●預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律
マイナンバーと預貯金口座の紐付けをおこない、相続時や災害時の手続きの負担を軽減するための法律

●地方公共団体情報システムの標準化に関する法律
地方公共団体情報システムの利便性を向上し、行政手続きを効率化するための法律

また当サイトでは、デジタル改革関連法による変更点や各業界へ与える影響などをまとめて解説した資料を無料で配布しております。

デジタル改革関連法について、具体的にどのような影響があるのかを把握したいご担当者様は、こちらから「【弁護士監修】デジタル改革関連法マニュアル」をダウンロードしてご確認ください。

2.デジタル庁とは

デスクトップパソコン

「デジタル庁設置法案」で設置されたデジタル庁は、デジタル社会を実現するため、中心的な役割を果たす省庁です。デジタル庁には、デジタル社会の実現に向けた基本方針の「企画立案」行政システムの「統括・監理」行政システムのうち特に重要なシステムの「整備」の3つの役割があります。

ここでは、新設されたデジタル庁の考え方や業務などを詳しく解説します。

2-1.組織体制

首相官邸によると、デジタル庁は「組織の長を内閣総理大臣とし、大臣、副大臣、大臣政務官、特別職のデジタル監、デジタル審議官他を置く」内閣直属の組織です。[注1]

官民問わず、人材の約5分の1を民間から登用し、民間企業のようにCTO(最高技術責任者)やCDO(最高データ責任者)といった役職が設置されます。

2-2.基本的な考え方

デジタル庁の基本的な立ち位置は、デジタル社会の実現に向けて、関連する行政機関への勧告権をふくむ「強力な総合調整機能」を持つ組織です。[注1]

また、あくまでもデジタル社会の主役は民間であり、デジタル庁はそのための環境整備をおこなう組織として、官民の役割分担を目指しています。「共創プラットフォーム」を通じて、地方公共団体とも積極的に交流し、国と地方の連携も図ります。

2-3.どのようなことに取り組むのか

デジタル庁は、具体的に以下の7点の業務に取り組みます。

●国の情報システム
基本的な方針を策定。予算を一括計上することで、統括・監理。重要なシステムは自ら整備・運用

●地方共通のデジタル基盤
全国規模のクラウド移行に向けた標準化・共通化に関する企画と総合調整

●マイナンバー
マイナンバー制度全般の企画立案を一元化、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)を国と地方が共同で管理

●民間・準公共部門のデジタル化支援
重点計画で具体化、準公共部門の情報システム整備を統括・監理

●データ利活用
ID制度等の企画立案、ベース・レジストリ整備

●サイバーセキュリティの実現
専門チームの設置、システム監査

●デジタル人材の確保
国家公務員総合職試験にデジタル区分の創設を検討要請

2-4.デジタル改革関連法やデジタル庁が生活に及ぼす影響

デジタル改革関連法の成立やデジタル庁の設置により、わたしたちの生活は大きく変わります。

1. マイナンバーがより有効活用可能に
2. 免許の更新がオンラインで可能に
3. 国家資格証のデジタル化

とくに影響が大きいのが、マイナンバーカードの利用範囲がさらに広がる点です。

また、運転免許証の更新手続きのオンライン化や、さまざまな国家資格証のデジタル化など、これまで手間がかかった行政手続きがもっと便利になります。

3.押印・書面関連法律の変更内容

署名押印

ビジネスシーンで影響度が大きいのが、押印・書面に関連した法改正です。デジタル改革関連法では、さまざまな行政手続きにおいて押印義務の廃止や書面化義務の緩和がおこなわれました。

<変更内容>
●戸籍法
戸籍の届出関連書類への押印義務の廃止

●公認会計士法
財務書類への押印義務の廃止、書類化義務の緩和

●抵当証券法
抵当権の申請書への押印義務の廃止

●建築士法
設計図書・構造設計図書・設備設計図書への押印義務の廃止
設計業務委託契約書・工事監理業務委託契約書・重要事項説明書の書面化義務の緩和

●宅地建物取引業法
重要事項説明書への押印義務の廃止、書面化義務の緩和
媒介契約書の書面化義務の緩和

●マンションの管理の適正化の推進に関する法律
重要事項説明書の押印義務・書面化義務の緩和

●確定給付企業年金法
確定給付企業年金に関する書類への押印義務の廃止

●不動産鑑定法
鑑定評価書への押印義務の廃止

●通関業法
税務署に提出する通関書類への押印義務の廃止

●社会保険労務士法
行政機関に提出する申請書への押印義務の廃止

●民法
受取証書の書面化義務の緩和

●建設業法
見積書・特定専門工事に関する文書の書面化義務の緩和

●借地借家法
定期借地権設定契約書・賃貸借契約書の書面化義務の緩和

●資産流動化法(SPC法)
特定目的信託関連書面の書面化義務の緩和

主に不動産業界のほか、公認会計士・社会保険労務士などの一部業務において、押印義務の廃止や書面化義務の緩和がおこなわれました。これにより、押印を前提とした書面契約から、電子署名を用いる電子契約への切り替えが可能です。

また、民法改正により、決済時の証憑書類として、紙の受取証書に代えてキャッシュレス決済の明細などの電子ファイルを受領することも認められています。

4.DXに向けて電子契約サービス導入が効果的

タブレットを操作する人

デジタル改革関連法が整備されたことで、国の行政手続きだけでなく、企業間の契約手続きも大きく変わります。

特に影響が大きいのが、「押印・書面の廃止」です。デジタル改革関連法などの法律改正が着々と進み、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けた動きが加速しています。

今後、企業は「押印・書面の廃止」に向けて、電子契約サービスの導入も視野に入れた対応がより強く求められます。

[注1] デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針の概要|首相官邸

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