労働契約法とは?概要や改正内容をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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労働契約法とは?概要や改正内容をわかりやすく解説

電球を持つ人

労働契約法の内容を理解しないまま、労働者と不適切な労働契約を結んでしまうと、後々労働紛争に発展して会社が不利益を被る可能性があります。担当者が、労働契約法とはどういった法律なのか、概要をきちんと押さえておくことで労働者とのトラブルを回避できるようになるでしょう。

本記事では、労働契約法の概要と、改正後の押さえておくべきポイントについて詳しく解説します。

その有期契約、リスクを抱えていませんか?
改正労働契約法の3つのポイントを解説

改正労働契約法によって、有期雇用契約に関するルールが大幅に変わりました。自社の運用はこの3つのポイントに沿ってルール更新、できていますか?

比較的新しいルールであるため前例も少なく、対応にお困りの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

そんな方に向けて、当サイトでは、法律に違反することなく労働契約を結ぶために参考になる資料を無料配布しています。

◆押さえておくべき3つのポイント

  • 無期転換ルール:勤続5年を超えると、従業員から無期雇用への転換を求められる 。
  • 雇止め法理:安易な契約更新を繰り返すと、正当な理由なく契約終了(雇止め)できなくなる 。
  • 同一労働同一賃金:正社員との間で、手当などの不合理な待遇差が禁止される 。

資料ではこの3つのポイントについて、よりわかりやすく解説しています。正しく理解しておくことで、労働者とトラブルに発展する可能性やリスクを軽減できるでしょう。

参考にしたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上お役立てください。

1. 労働契約法とは?

疑問を持つ女性

労働契約法とは簡単に説明すると、雇用主が労働者を雇い入れる際に締結する労働契約に関して、基本的なルールを定めた法律です。この法律では、「総則(第1条~5条)」、「労働契約の成立及び変更(第6条~13条)」、「労働契約の継続及び終了(第14条~16条)」、「期間の定めのある労働契約(第17~20条)」について明確なルールが整備されています。

この法律ができた背景には、就業形態の多様化にともない、労働契約に関する個別の労働紛争が増加したことが挙げられます。これらの労働紛争を解決するためには、労働契約に関する基本ルールが必要となり、労働契約法は平成20年3月より施行されました。

また、平成24年8月には、有期労働契約(契約社員やアルバイトなど)に関する新しいルールが追加されています。

1-1. 労働基準法や労働安全衛生法との違い

労働基準法は、国が雇用主に課した必要最低限の労働条件を明示したものです。また、労働安全衛生法も同様に、国が雇用主に課した労働者の安全と衛生に関した基準を明示しています。どちらの法律も、雇用主に課されたもので、労働者への対応を明示しているので、労働契約法と同じカテゴリーの法律だと思ってしまうかもしれません。

しかし、労働契約法は雇用主と労働者の関係を規律する私法、労働基準法と労働安全衛生法は、国家と雇用主の関係を規律する公法という違いがあります。私法には民法や商法がありますが、基本的に個人同士の関係を規律する法律です。一方、公法にあたるのは憲法や刑法などで、国や地方公共団体同士の関係、国・地方公共団体と個人の関係を規律する法律です。

1-2. 労働契約法に違反するとどうなる?

労働基準法や労働安全衛生法には罰則が設けられていますが、労働契約法は私法であるため罰則が設けられていません。しかし、罰則が科せられることはなくても、契約内容が無効となる場合があります。

万が一、労働紛争に発展し、労働者から民事訴訟を起こされた場合には、損害賠償などを払わなくてはいけなくなる可能性もあります。

また、違反内容によっては労働基準法など公法に違反している可能性があり、労働契約法以外の法律で罰せられることもあるので注意してください。

2. 労働契約法で押さえるべき5つのポイント

ポイントのブロック

労働契約法は、労働者と労働契約を結ぶ際の重要な法律ですが、条文の内容をすべて把握するのは簡単ではありません。ここでは、労働契約法の全体をイメージしやすくするために、特に押えておくべき5つのポイントを分かりやすく簡単に解説します。

2-1. 労働契約の基本原則

労働契約の基本原則とは、労働契約法3条の内容のことです。労働契約の基本的な理念や労働契約に共通する原則を明確にしており、次の5つの原則から成り立っています。

1.労使対等の原則

2.均衡考慮の原則

3.仕事と生活の調和への配慮の原則

4.労働契約遵守・信義誠実の原則

5.権利濫用の禁止

労働契約は使用者と労働者双方の合意によって成立しますが、力関係上、労働者の立場が弱くなりがちであることから、このように労働契約の基本原則を定めて、労働者の保護と労働関係の安定を図っています。

2-2. 労働契約の成立

労働契約は「労働者が使用者に使用されて労働すること」と「使用者はこれに対して労働者に賃金を支払うこと」について、双方が合意することで成立します(労働契約法6条)。書面の交付をここでは求めていないため、合意さえあれば口頭でも労働契約は成立します。

ただし、労働条件に関しては、原則として書面の交付が労働基準法により義務付けられている点に注意が必要です。

労働契約の成立にあたって労働条件の明示が必要となりますが、労働契約法7条により就業規則を労働条件とすることが認められています。労働条件とするには、就業規則の内容が合理的であり、労働者に事前に周知していることが必要です。

2-3. 労働契約の変更

労働契約の内容である労働条件の変更にあたっても、労働者の合意が必要となります(労働契約法8条)。

しかし現状では、就業規則の変更をもって労働条件を一方的に変更してしまうケースも少なくありません。そのため、労働契約法9条では、労働者の合意なく就業規則の変更をもって労働条件の不利益な変更をおこなうことを禁止しています。

ただし、就業規則の変更内容が合理的であり、労働者に周知させていた場合には、労働契約法10条により労働者の合意がなくても就業規則によって労働条件を変更することが認められています。なお、変更内容が合理的であるか否かは、以下の要素に照らし合わせて判断されます。

・労働者の受ける不利益の程度

・労働条件の変更の必要性

・変更後の就業規則の内容の相当性

・労働組合等との交渉の状況

・その他の就業規則の変更に係る事情の変更の必要性

2-4. 労働契約継続中の規定

労働契約法では「出向」と「懲戒」に関しても規定を設け、使用者による権利濫用を防止しています。

出向に関しては、出向命令の必要性と対象者の選定にかかる事情などと照らし合わせて、使用者による権利濫用と認められる場合には、その出向命令を無効とすることを規定しています(労働契約法14条)。

一方、懲戒に関しても、懲戒の対象となる労働者の行為の性質や態様などと照らし合わせて、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない場合には、無効となります(労働契約法15条)。

使用者は労働契約法の規定に則り、出向命令や懲戒処分をおこなう必要があるでしょう。

2-5. 労働契約の終了(解雇)

労働契約法16では、解雇理由に客観的な合理性がなく、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇を無効とすることを定めています。

解雇は、労使紛争の中でも多いトラブルの一つです。不当な解雇が後を絶たないことから、このように労働契約法で明確に規定されています。

また、有期雇用契約においても、やむを得ない事由がない限り、契約期間の途中で解雇することを禁止しています(労働契約法17条)。

これらの規定に反して解雇を実施すると、権利の乱用とみなされる恐れがあるため十分注意しましょう。

3. 労働契約法の改正に関する3つのポイント

ポイントのブロック

平成24年8月に改定(施行は平成25年4月)されたものでは、有期契約労働者の雇止めによる不安を解消する目的で、新たに3つのルールが追加されました。改正後のルールを知らないまま労働契約の手続きをおこなってしまうと、労働契約法に違反する可能性もあります。そのため、以下3つのポイントは必ず押さえておきましょう。

3-1. 無期労働契約への転換

平成25年4月1日以降に締結された有期労働契約について、契約更新の期間が通算で5年を超える場合は、無期労働契約への転換を労働者が申し込みできるようになりました。

具体的に説明すると、たとえば平成30年4月1日に3年間の有期労働契約を締結した場合、令和3年3月31日に契約期間が満了します。その後、3年間の契約更新をすると、通算で契約期間が6年となりますので、令和3年4月1日以降に無期労働契約への転換への申し込みができます。

つまり、実際に5年を超えてからでなく、契約期間が5年を超えることが分かったタイミングで、労働者は無期労働契約への転換を申し込めるということです。

なお、有期労働契約とは、契約社員やアルバイト、パートタイムなどの雇用形態のことをいいます。また、期限を定めた雇用形態にある場合は、呼称に関係せず全て有期労働契約と見なされます。

無期労働契約の転換は、労働者から口頭での申し込みでも法律上は成立します。ただし、口頭でおこなった場合は、形が残らないため、後々トラブルになった場合に解決が難しくなります。こうしたリスクを回避するためにも、書面による申し込みの受け入れと承諾をおこなうようにした方がよいでしょう。

自社で書面の用意がなければ、厚生労働省の「無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例」を活用してもよいでしょう。

労働者から無期労働契約転換の申し込みがされた時点で、無期労働契約が成立します。なお、無期に転換されるのは、申し込み時点の有期労働契約が満了した翌日からとなります。注意したいのが、無期労働契約に転換されたからといって、正社員と同様の扱いになるという訳ではないことです。契約期間の期限がなくなっただけであって、労働条件は、特段の変更がない限り、有機労働契約時の内容と同様となります。

参考:無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例|厚生労働省

3-2. 「雇止め法理」の法定化

「雇止め法理」の法定化とは、有期労働契約にある労働者の契約更新を雇用主が拒否する「雇止め」について、不当な理由で行使されないよう法律で制限したものです。これは、元々過去の最高裁の判例を元にした雇止めを無効とするルールはありましたが、法改正のタイミングで改めて労働契約法に追加されたものです。

具体的には、以下いずれかの条件を満たす場合であって、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は雇止めは無効となります。

1.過去に有期労働契約が反復更新されており、その雇止めが無期労働契約の解雇と同様であると認められるもの

2.有期労働契約の満了時に、契約更新がなされるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

法律の適用にあたっては、労働者から有期契約期間の更新の申し込みが必要です。なお、契約期間が満了していた場合であっても、遅滞なく申し込みをおこなえば適用されることになっています。

3-3. 不合理な労働条件の禁止

同じ雇用主と労働契約を結んでいる有期契約労働者と無期契約労働者に、正当な理由なく異なる労働条件を適用させることを禁止しています。これは、給与や労働時間に限らず、労働契約に含まれている服務規程や教育訓練、福利厚生など一切の労働条件が適用となります。

異なる労働条件を適用した場合、それが不合理であるかどうかは、以下の観点で判断されます。

1.職務の内容(業務内容や、担当業務に伴う責任の程度)

2.当該職務の内容や配置の変更の範囲

3.その他の事情(合理的な労使の慣行などの諸事情)

とくに、通勤手当や食堂の利用、安全管理などについては、特段の理由がない限り、労働条件を相違させることは不合理であると判断されます。

4. 労働契約法改正における注意点

注意のイメージ法律というのは不定期に改正されるもので、私法であっても例外はないため労働契約法も改正されることがあります。ただし、改正されたかどうかは担当者が情報を取りに行くしかなく、「知らなかった」では済まされないので定期的に確認をしなければなりません。

ここでは、労働契約法改正における注意点について解説するので、担当者は必ず確認しておきましょう。

4-1. 定年後の無期労働契約への転換に関する特例

定年後に有期契約労働者として引き続き雇用される場合は、無期労働契約の転換ルールが適用されます。しかし、有期雇用特別措置法により以下の条件を満たす場合は、無期労働契約の転換ルールは適用されないという特例があります。

1.適切な雇用管理に関する計画書作成し、都道府県労働局長の認定を受けている事業者であること

2.定年後に引き続き有期雇用労働者として引き続き雇用されること

特例の適用には、事業主が本社・本店を管轄する都道府県労働局に認定申請をする必要があります。認定申請をしてから認定を受けるまでに一定の期間を要するため、認定申請を検討される場合は、早めに申請をした方がよいでしょう。

4-2. 無期転換希望者への対応が限定される

無期転換希望の申請があった場合、転換後にどのような処遇を与えるかについては、次の2つの選択肢があります。

一つは、転換希望者全員を無期契約社員にする方法、もう一つは「正社員」としての転換希望があった場合、会社が認めれば正社員に転換する方法です。

本来であれば、申請者の必要性や能力によって担当者が自由に対応できることが望ましいのですが、労働契約法第18条の規定により無期転換対象者からの希望は拒めないため、いずれかの方法で対応しましょう。現在は対象者全員を転換する方法を採用する企業が多いものの、「優秀な人材を確保したい」という観点から正社員の選択肢を加える企業も増えています。

また、契約時に更新の上限回数を明確に定めておくなどの方法で「無期転換の対象者にしないこと」も制度上は可能です。ただし、後々のトラブルに繋がりかねないため注意しましょう。

2024年4月1日からは、労働条件明示ルールの変更に伴い更新回数の上限も事前に明示しなければならなくなります。また、無期雇用転換の対象者には、転換後の労働条件も提示したうえで希望を確認することも義務付けられます。

社内でどのように対応すべきか、事前に協議しておく必要があるでしょう。

参考:令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます|厚生労働省

4-3. 人員調整のコストがかかる

無期労働契約の特例を導入すると、人員調整が難しくなりコストが増大するリスクがあります。

有期労働契約であれば、「雇い止め」や「不当解雇」などをしなくても、期間満了ということで契約を終えることができます。このような契約は、人件費の安定性や経営が傾いた場合のリスクヘッジになります。しかし、無期労働契約を締結してしまうと安易に解雇できません。そのため、無期労働契約者の人件費が経営を圧迫する可能性があるのです。

また、無期労働契約の従業員が増えると、新たな就業規則や改正ルールに則った変更などをおこなわなければなりません。単に契約を締結すればいいというわけではないので、担当者の方は注意しましょう。

5. 労働契約法改正後のルールもしっかり押さえておこう

グットサインを出す人

労働契約法は、雇用主が労働者と労働契約を結ぶ際に守らなけれなならないルールが記されています。平成24年8月に公布されたものには、有期労働者の契約更新に関する「無期労働契約への転換」、「雇止め法理の法定化」、「不合理な労働条件の禁止」の3点が追加されています。

法改正は、必ずしも企業にとって有利になるというものではありませんが、改正後のルールをきっちり把握しておくことはとても重要です。ただし、内容によっては、会社が不利益を被るリスクを減らすことができるので、しっかり確認しておきましょう。

その有期契約、リスクを抱えていませんか?
改正労働契約法の3つのポイントを解説

改正労働契約法によって、有期雇用契約に関するルールが大幅に変わりました。自社の運用はこの3つのポイントに沿ってルール更新、できていますか?

比較的新しいルールであるため前例も少なく、対応にお困りの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

そんな方に向けて、当サイトでは、法律に違反することなく労働契約を結ぶために参考になる資料を無料配布しています。

◆押さえておくべき3つのポイント

  • 無期転換ルール:勤続5年を超えると、従業員から無期雇用への転換を求められる 。
  • 雇止め法理:安易な契約更新を繰り返すと、正当な理由なく契約終了(雇止め)できなくなる 。
  • 同一労働同一賃金:正社員との間で、手当などの不合理な待遇差が禁止される 。

資料ではこの3つのポイントについて、よりわかりやすく解説しています。正しく理解しておくことで、労働者とトラブルに発展する可能性やリスクを軽減できるでしょう。

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