金融業界ですすむ電子契約|非対面でも安心安全に契約締結!
更新日: 2022.12.8
公開日: 2021.12.13
HORIUCHI
金融・保険業界では、電子契約サービスの普及が進んでいます。電子契約を導入すれば、非対面での契約手続きを実現し、顧客満足度の向上が期待できます。顧客・金融機関の双方にとってメリットがあるのが電子契約です。
この記事では、金融業界こそ電子契約を導入すべき理由や、電子契約の導入によって実現できること、電子契約の安全性について詳しく解説します。
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目次
1.電子契約とは
従来の契約書締結は紙の契約書で行われていました。一方、インターネットの普及に伴い登場したのが電子契約です。
一般的に電子契約は、電子契約サービスによって電子データ化された契約書に電子署名を施し、改ざん防止のためのタイムスタンプを押すことで契約が取り交わされます。電子署名の法的効力は2001年施行の電子署名法3条で認められており、電子署名が施された電子契約には契約書としての十分な証拠力があります。
非対面かつ遠方にいる顧客ともスピーディに契約を取り交わせる電子契約は、新型コロナウイルスを機に定着したテレワークへの対応はもちろん、企業のDX化促進にも効果が期待できます。
2.金融業界こそ電子契約を導入すべき理由
JIPDECの調べによると、金融・保険業界でなんらかの形で電子契約を利用している企業の割合は71.0%に達しています。これは情報通信、製造業などの業界と並び、国内では上位となる利用率です。[注1]
なぜ、金融業界で電子契約の普及が進んでいるのでしょうか。ここでは、金融業界で電子契約を導入すべき理由を3つ紹介します。
2-1.融資などの際に発生する書類が膨大である
金融業界は契約業務が多く、契約業務の工数削減が急務となっています。また、融資などの際に膨大な書類が発生するため、書類の保管スペースの確保や、外部の倉庫の契約料などの保管コストも課題です。電子契約を導入すれば、契約業務の工数削減、保管コストの削減の2点を実現できます。
2-2.大きな金額が動く取引も多く、強固なセキュリティ体制が必要になる
金融業界では、大口融資など大きな金額が動く取引も少なくありません。契約内容の流出や契約書の改ざんを防ぐため、強固なセキュリティ体制が求められます。電子契約は、実は書面契約と同等かそれ以上の安全性のある契約方法です。
また、電子契約サービスを導入すれば、契約書などをデータセンターで安全に保管でき、災害などを想定した事業継続計画(BCP)としても活用できます。
2-3.緊急融資など有事には契約にスピード感が求められる
緊急融資など、有事の際にはスピード感のある契約業務が求められるのが金融業界です。そのため、契約手続きにかかる時間を短縮化し、契約締結までのリードタイムを短縮できる電子契約が注目を集めています。
3.電子契約導入のメリット
電子契約は顧客・金融機関の双方にとってメリットがある契約方法です。電子契約を導入すれば、金融機関側は契約業務の工数を削減し、業務効率化を実現できます。
一方、顧客側から見ても、非対面での契約手続きや、モバイル端末での確認ができるなど、さまざまなメリットがあるのが電子契約です。
電子契約を導入するメリット3つについて解説します。
3-1.顧客・金融機関ともに手続きの効率化
電子契約を導入すれば、顧客・金融機関双方にとって、契約手続きの手間を減らせます。
契約書は電子データでやりとりするため、金融機関側は書類の作成・印刷・製本・郵送をおこなう必要がありません。顧客側は紙の契約書への記入や記名押印の手間がなくなります。契約後の書類保管も、電子契約サービスの管理画面から一元管理できるため、大幅な業務効率化を実現できます。
3-2.大幅なコストカットが可能
書類の作成・印刷・製本・郵送といった作業が不要になるため、その分の人件費や郵送料を削減できます。また、電子契約書は印紙税法の対象ではないため、印紙代も不要です。
契約書は電子データで保管できるため、文書を保管するためのファイルやキャビネットを購入する必要がなく、保管コストや管理コストも削減できます。
3-3.非対面での契約締結が可能
コロナ禍の影響を受け、非対面での契約手続きを望む顧客が増えています。電子契約を導入すれば、顧客のニーズに応え、非対面での契約のほか、モバイル端末での契約内容の確認などを実現できます。時間や場所を問わず、契約手続きを手軽におこなえるようになるため、顧客満足度の向上が期待できます。
本章で導入のメリットを解説しましたが、電子化させることで安全面に不安を覚える方もいるのではないでしょうか。
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4.電子契約の安全性
電子契約と聞くと、セキュリティリスクを懸念する方もいます。しかし、電子契約は書面契約と同等かそれ以上の安全性のある契約方法です。また、電子署名に使われる電子署名は、電子署名法3条により、押印と同等の法的効力が認められています。ここでは、電子契約に使われている「電子署名」「電子証明書」「タイムスタンプ」の3つのセキュリティ技術について解説します。
4-1.電子署名の仕組み
電子署名とは、電子文書の作成者が本人であることを証明するための技術です。
電子署名には「公開鍵暗号方式」と呼ばれる暗号化技術が使われています。公開鍵暗号方式は、ペアとなる2つの暗号鍵を照合する暗号化技術です。暗号鍵のペアの片方は本人にしか知り得ないため、安全に本人確認をおこなうことができます。
4-2.電子証明書とは
電子署名をおこなうとき、電子文書に「電子証明書」を添付します。電子証明書とは、押印における印鑑証明書に当たるものです。電子証明書を取得するためには、第三者機である認証局の審査を受け、本人認証をしなければならない仕組みになっています。
4-3.タイムスタンプとは
タイムスタンプとは、電子文書に時刻情報を刻印し、「その文書がいつ作成されたか」「第三者によって改ざんされていないか」を証明するための技術です。電子署名とタイムスタンプの2つを組み合わせることで、より安全に電子契約を締結できます。
4-4.書面契約との安全面の比較
それでは、書面契約と電子契約の安全性を比較してみます。
<書面契約>
契約書:文書
証拠力:押印
改ざん防止:契印または割印
本人確認:印鑑証明書
<電子契約>
契約書:電子データ(PDFなど)
証拠力:電子署名
改ざん防止:タイムスタンプ、ファイアウォールなど
本人確認:電子証明書、二段階認証、二要素認証など
電子契約サービスでは、電子署名・電子証明書・タイムスタンプのほかにも、不正アクセスを防ぐファイアウォールや、第三者によるなりすましを防ぐ二段階認証・二要素認証といったセキュリティ技術を組み合わせ、より安全な契約締結を実現しています。
5.金融業界の電子契約導入事例
5-1.中堅銀行の事例
小売店主導の全国約40拠点に展開している銀行の事例では、在住地によって店舗に来店できず、住宅ローンの手続きができない顧客が発生していました。時間や場所にしばられずに住宅ローンを利用してもらうため、電子契約を導入しました。
結果として、顧客が店舗に足を運ばず契約手続きができるようになり、顧客満足度が向上しました。また、銀行側も郵送コストや事務コストを削減でき、年間数千万円のコストカットに成功しています。
5-2.大手銀行の事例
某大手銀行は、住宅ローンの契約業務において、紙の書類を使用することなく、インターネット上で手続きを完了できる非対面型電子契約の導入を検討していました。狙いは契約のスピードアップと利便性向上により商品力を高めることでした。
電子契約サービスを選ぶうえで重視した点が、複数人との契約に対応し、制度上の要請に応える機能やなりすまし対策などのセキュリティにも優れていることです。
導入を進めた結果、すでに電子化していたローン審査業務と併せて、紙の契約書類を一切使用しない非対面型の契約システムを実現しました。また、お客様の手間を減らして利便性を高め、契約に必要な期間も短縮しています。
[引用]日鉄ソリューションズ株式会社:みずほ銀行様|電子契約導入事例
6.安全性の高い電子契約で業務効率化やコストカットにつなげましょう
電子契約は、書面契約と同等かそれ以上の安全性がある契約方法です。「電子署名」「電子証明書」「タイムスタンプ」の3つのセキュリティ技術のほか、ファイアウォールによる不正アクセス対策や、二要素認証によるアカウント保護により、強固なセキュリティ対策を実現しています。
業務効率化やコストカットの実現なら、電子契約サービスの導入を検討しましょう。
[注1] JIPDEC:IT-REPORT 2021 Spring
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