住宅ローン取引で電子契約を使用するメリットや手順を解説!
更新日: 2022.12.8
公開日: 2021.11.26
HORIUCHI
住宅ローンを電子契約でおこなうメリットは、金融機関の窓口に足を運ぶことなく手続きができること、収入印紙代がかからないこと、手書きの署名や捺印が必要ないことの3つです。
電子データを使用して、オンライン上で電子署名をおこなうことで契約が締結します。従来の書面の契約では面倒な手間や時間がかかる住宅ローン取引も、電子契約を利用すればスピーディな手続きが可能です。
この記事では、住宅ローン取引で電子契約を利用するメリット3つと、事前審査から契約締結までの手順を解説します。
こちらの資料では、不動産・建設業界4社の電子契約について、図を用いてわかりやすくご紹介しておりますのでぜひダウンロードしてご確認ください。
■「【活用事例集】不動産・建設編」資料でお悩み解決!
・不動産&建設業界の電子契約の活用事例
・導入企業の月々の契約件数&契約書の種類
・具体的な業務工数の削減時間、印紙税の削減金額 など
1. 住宅ローン電子契約
住宅ローン電子契約とは、住宅ローンの申し込みから契約の手続きまでをウェブ上でおこなうサービスです。それぞれ詳しく説明しましょう。
1-1. 電子契約とは
電子契約は、書面での契約書ではなく、電子データを使ってオンライン上でおこなう契約方法です。従来の書面契約書では、契約内容に法律的な効力を発生させるために、印鑑の押印が必要でした。電子契約では、電子データに実印の代わりに電子署名やタイムスタンプを施すことで契約を締結します。電子データは企業保有のクラウドストレージやサーバー上に保管され、裁判所などでは署名契約書同様の効力が発生します。
電子契約サービスを利用するには、インターネットが接続可能なパソコンやスマートフォン、タブレットが必要です。また、電子機器のバージョンによっては電子契約をおこなえない場合があるため、手続きをする金融機関に推奨環境を確認しておきましょう。
1-2. 住宅ローンの電子契約
手続が面倒で借り入れまでに時間がかかる印象が強い住宅ローンですが、電子契約での申込みは可能なのでしょうか。
従来の住宅ローンでは、事前審査〜正式申込〜契約完了までに何度も窓口に足を運び、さまざまな書面に記入や捺印が必要です。全国各地にある銀行では、仕事などで忙しくて来店できない、直接窓口に行くことに抵抗があるといった人のために、住宅ローンをネット上で締結できる電子契約サービスをおこなっています。
スマートフォンやタブレット、パソコンを使って自宅で手続きが完了するため、スピーディな契約締結が可能です。
また、契約者が電子契約で住宅ローンを利用する場合、連帯保証人や連帯債務者も電子契約サービスでの手続きが必要です。
2. 住宅ローンの契約をネット上でおこなうメリット
住宅ローンの契約をネット上でおこなう主なメリットとしては、次の3つが挙げられます。
2-1. 来店する必要がなく、いつでも手続きができる
従来の書面での契約は手書きでの記入が必要なため、窓口に直接来店したり、書類を郵送してやりとりしなければなりませんでした。ネット上でやり取りが完結する
電子契約を利用すれば、自宅にいながら住宅ローン申請〜手続きが可能です。面倒な来店や郵送手続きが不要になるため、手間がかからないだけでなく、従来の書面契約に比べ、申請手続きから契約完了、借り入れまでの時間も短縮できます。
2-2. 収入印紙が要らなくなる
住宅ローン契約の際に作成する「住宅ローン契約書」は、印紙税法上の第1号文書「金銭消費貸借契約書」に該当します。そのため、住宅ローン契約を書面でおこなう場合は、契約した金額に応じた「印紙税」が発生します。例えば500万円超〜1,000万円以下の住宅ローンの契約する場合は1万円、1,000万円超~5,000万円以下では印紙税だけで2万円もの金額がかかってしまいます。
電子契約サービスを利用すれば、書面契約書にかかる印紙税が不要になるため、コスト削減にもつながります。
なお、電子契約サービスには利用料金がかかりますが、印紙代よりも安く設定されています。金融機関によっては無料の場合もあるため、印紙代よりも諸経費を抑えることができます。
2-3. 署名・捺印が不要
従来の書面での契約手続きには、契約書への署名や捺印が必要です。電子契約サービスでは、ワンタイムパスコードやマイナンバーなどを利用した電子署名をネット上でおこなうことで契約が成立します。電子署名には認証局からの電子証明書やタイムスタンプ局(TSA局)からのタイムスタンプが施されます。これは、契約者本人の電子署名であること、電子文書に改ざんがないことを証明する暗号技術です。データの偽造や改ざんの心配なく電子契約をおこなえるとともに、裁判等の際、書面の契約書同様の効力を持ちます。
3. 電子契約による住宅ローン手続きの基本的な流れ
電子契約サービスによる住宅ローン契約には、次の3つのステップが必要です。利用する金融機関によって多少の違いはありますが、基本的な流れは同じです。
3-1. 事前審査
住宅ローン契約は、借り入れが可能かどうか事前審査に通らなければなりません。まずは電子契約サービスをおこなっている金融機関の公式WEBサイトから、入力画面に従って事前審査の申込をおこないます。必要事項を入力して送信するだけなので、パソコンやスマホの入力に慣れている人であれば、10分程度で完了するでしょう。
金融機関のシステムによっては、オンライン事前審査で入力した情報が保存されるため、その後必要書類への記載が自動化され、再入力する手間が省けるケースもあります。
3-2. ID・パスワードを使用したユーザー登録
審査結果とともに署名IDと仮パスワード発行のメールが届くため、ユーザー登録をおこなって「マイページ」を開設しましょう。専用のリンク先からIDと仮パスワードを入力してマイページにログインし、申込内容の確認と同意、仮パスワードの変更、必要書類のアップロードをおこないます。
申し込みに必要な必要書類は次のとおりです。
● マイナンバーカードや免許証など本人確認書類
● 源泉徴収票や確定申告書など収入確認書類
● 建築確認済証など物件に関する書類
● 団体信用生命保険関連書類
このほか、契約内容や金融機関によって必要な書類が異なります。不備がないよう、申込先の金融機関に確認しておきましょう。
3-3. 契約の締結
正式申込の審査に通ると、住宅ローンの借り入れを受けることができます。電子契約サービスにログインし、契約内容を確認したのち電子署名をして契約を締結します。
契約が完了すると、指定口座に住宅ローンの融資金が振り込まれます。
4.電子契約の利用で住宅ローン取引にかかるコストを削減可能
電子契約はネット上で電子署名することで契約が締結するサービスで、住宅ローンの取引でも利用可能です。従来の書面の契約では、記入や捺印のために窓口に運んだり、書類を郵送してやりとりする必要がありますが、電子契約では事前審査から正式申込、契約締結までをネット上でおこなえるため、手続きにかかる時間を削減できます。また、電子契約であれば、書面の契約書にかかる印紙代もかからないため、諸費用の削減になるでしょう。
自宅にいながら好きな時間に住宅ローンの契約ができる電子契約サービスは、忙しくて窓口に行く時間がない人や、書面での手続きが面倒だと考えている人におすすめの契約方法といえます。
電子契約のピックアップ
-
電子サインで契約書の法的効力は担保される?電子署名との違いもあわせて解説!
電子契約公開日:2022.06.22更新日:2022.12.09
-
電子署名とは?電子署名の仕組みや法律などわかりやすく解説
電子契約公開日:2021.06.18更新日:2024.05.08
-
電子署名の認証局の役割とは?|仕組みと種類をご紹介します!
電子契約公開日:2021.07.01更新日:2023.01.20
-
電子署名の社内規程のポイントをサンプル付きで解説
電子契約公開日:2021.10.05更新日:2022.12.08
-
脱ハンコとは?メリット・デメリットや政府の動きについて解説!
電子契約公開日:2022.06.14更新日:2023.01.25
-
BCP(事業継続計画)対策とは?重要性やマニュアル策定の手順をわかりやすく解説
電子契約公開日:2022.09.15更新日:2022.12.13
電子契約の関連記事
-
リース契約の仕組みやメリット・デメリットを徹底解説
電子契約公開日:2023.02.21更新日:2023.02.21
-
CLM(契約ライフサイクルマネジメント)とは?業務フローを解説
電子契約公開日:2023.02.21更新日:2023.02.22
-
捺印の訂正方法や失敗しない押し方について詳しく解説
電子契約公開日:2022.12.14更新日:2023.01.11