覚書と契約書の違いとは?書き方や印紙の必要性について詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

覚書と契約書の違いとは?書き方や印紙の必要性について詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

覚書と契約書の違いとは?書き方や印紙の必要性について詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

覚書と契約書の違いとは?書き方や印紙の必要性について詳しく解説

誓約書を書いている

ビジネスシーンで取り交わされる文書には、契約書や誓約書、請求書などがあります。契約書を補完する役割を持った「覚書」もその一つです。覚書は契約書とほぼ同等の法的効力を持っています。契約条件の追加が必要になったときや、契約締結後に一部内容を修正したい場合、覚書を取り交わすことでトラブル防止につながります。

この記事では、覚書と契約書との違い、覚書の書き方や注意点を紹介します。

契約書の種類や契約締結までの流れをわかりやすく解説

契約には会社の規定や法に基づいておこなわれます。
専門的な知識が求められるため、不明点があればすぐに法務担当者に連絡する人も多いでしょう。
そのため、法務担当者の中には、従業員からの質問が多く、負担に感じている方もいます。

そこで今回、ビジネスの場面で使用される契約書の種類や基本項目、契約締結の流れについて解説した資料を用意しました。
従業員の勉強用資料として社内展開すれば、契約に関する基本的な質問を受けることが少なくなるでしょう。

「同じことを何度も説明するのは億劫だ」
「従業員からの質問に時間をとられて業務が進まない」
という方はぜひご活用ください。

“契約締結

1. 覚書と契約書の違いとは? 

はてなが浮かんでいる

覚書(おぼえがき)というと、メモや備忘録のことをイメージする方も多いでしょう。ビジネスシーンで覚書は、契約書を簡略化した書類や、契約内容を補完するための書類のことを表します。

契約書と同様に、覚書は契約当事者間のトラブルを防止するための書類です。覚書には契約書とほぼ同等の法的効力がありますが、契約書とは利用シーンが多少異なります。次では、覚書を作成する場面を紹介します。

1-1. 覚書を作成する場面

覚書は主に、下記3つの場面で作成されることが多いです。

・契約締結までの時間がなく、すみやかに合意を取り付けたい場合
・契約を締結してから詳しい条件を決めたい場合
・契約締結後に契約書の修正や補足が必要になった場合

契約内容の変更が必要になったとき、改めて契約書を取り交わすと時間がかかります。必要に応じて覚書を取り交わすことで、スムーズに契約手続きを進めることが可能となります。

1-2. 覚書を作成するメリット

覚書を作成する場面とつながりますが、契約書とあわせて覚書を作成すると下記のようなメリットがあります。

・原契約書を保持しながら、契約期間や契約条項などを変更できる
・契約内容を省略できるため、書面の枚数をコンパクトにできる
・書面の枚数がコンパクトになるため、印刷代や郵送費などのコスト削減につながる
・長期契約を締結する場合、覚書を参照することで契約内容の変更点をすぐに把握できる

1-2. 覚書は契約書とほぼ同等の法的効力がある

覚書には、契約書とほぼ同等の法的効力があるとされています。そのため、契約書の代わりに覚書を取り交わすことも可能です。

なお、そもそも契約当事者の明確な合意がある場合は、覚書や契約書を作成しなくても契約は成立します。

“第522条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。”

引用:民法|e-Gov

ただし、契約を口約束で取り交わすと、万が一紛争に発展したときに契約の事実を証明することが難しくなります。そのため、契約を結ぶときは覚書や契約書を取り交わし、契約条件を明文化することが一般的です。

2. 覚書と誓約書・念書の違い

書類を確認している

覚書と混同しやすい文書が、「念書」や「誓約書」です。念書や誓約書は、片方の当事者がもう片方の当事者に対し、一方的な約束事を取り決めた書類を指します。契約当事者それぞれの意思表示に基づく覚書や契約書とは、そもそも異なる文書です。

また、覚書や契約書は双方が記名押印をおこないますが、誓約書は誓約者のみ記名押印をおこなうことが一般的です。つまり、双方向な合意を表す覚書や契約書に対し、相手に一方的な責務を負わせるのが念書や誓約書です。

覚書と誓約書の違いを表す表

このように、文書によって法的な効力や目的などが異なります。違いを正しく理解しなければ、再度取り交わす必要性が発生して二度手間になるでしょう。とはいえ、契約関連の質問を法務部門宛におこなってもすぐに返信できるとは限りません。

取引を円滑に進めるためには、従業員一人ひとりが契約に関する理解を深めることが重要です。

当サイトで無料配布している「【従業員周知用】ビジネスにおける契約マニュアル」では、契約の基礎知識に加えて、NDAや売買契約書、利用規約などあらゆる契約書の種類や記載するべき項目なども紹介しております。法務部門の初任者やその他部署の従業員周知用の資料としてもご活用いただけます。興味のある方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

3. 覚書の書き方

契約書

覚書の様式は法律で定めているものがないため、自由に記載することができます。ただし、契約当事者同士のトラブルを防ぎ、法的効力を持たせるためには、下記6項目を記載するのが一般的です。

3-1. 表題

覚書の表題を文書の一番上に記載します。たとえば、従業員と個人間の取り扱いについて覚書を取り交わす場合、「個人情報の取扱いに関する覚書」という表題をつけます。

3-2. 前文

前文とは、覚書や契約書の冒頭に記載する文章です。契約内容のおおまかな内容や、契約当事者を明らかにする役割があります。たとえば、前文では契約当事者それぞれを「●●株式会社」から「甲」「乙」「丙」へと置き換えることが一般的です。すでに契約書を作成している場合、覚書でも同じ略称へ置き換える必要があります。

3-3. 合意内容

契約当事者と合意した内容や、契約書の変更点などを本文として記載します。内容を簡潔に記載するため、なるべく箇条書きを用います。契約書と同様に「第●●条」などと章立てを用いても問題ありません。本文の末尾は「以上」という文言で締めます。

3-4. 有効期限

覚書の内容に有効期限がある場合、年月日を記載します。もしない場合は省略しても構いません。

3-5. 作成年月日

契約書と同じように、覚書を取り交わした年月日を記載します。

3-6. 後文

後文とは、契約書の結びの言葉のことです。覚書の部数や記名押印をおこなった人の名前(「甲」「乙」「丙」)を記載します。

4. 覚書を作成するときの注意点

メガホンで注意喚起している

ここからは、覚書を作成する際の注意点を2つ紹介します。

4-1. 署名捺印・記名押印を忘れずにおこなう

法律上では義務付けられていませんが、覚書を締結する場合でも、必ず署名捺印・記名押印をおこなうようにしましょう。

覚書への署名捺印・記名押印は、契約内容に同意したことを示す大切な意思表示です。相手方とのトラブルで裁判が発生した際、覚書に法的効力を持たせるために重要な証拠となります。

4-2. 内容に応じて収入印紙を貼付する

覚書も契約書と同様、課税文書に分類され、印紙税が発生する場合があります。

課税文書となった場合には、収入印紙の貼付が必要となるので注意しましょう。万が一契約締結後に未納が発覚した場合、過怠税として印紙税額の3倍に相当する金額を徴収される可能性があります。

詳細な印紙税額については、国税庁のホームページで参照することができるので、締結する前に一度確認しておくと安心です。

参照:印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

関連記事:覚書に貼るべき収入印紙の金額をわかりやすく解説

5. 覚書と契約書を使い分けながらスムーズに契約を締結しよう

グッドサインをしている

覚書とは、契約書の内容を補完し、修正点などを記載した文書のことです。契約書の代わりに覚書を用いて契約を締結することもできます。当事者の一方が責務を負う誓約書に対し、覚書は当事者それぞれに権利義務が生じるのが特徴です。

本記事では覚書の書き方を紹介しましたが、インターネット上で配布されているフォーマットを活用するのもおすすめです。相手方と取り決めたい内容とすり合わせたうえで、記載内容の調整をおこないましょう。

契約書の種類や契約締結までの流れをわかりやすく解説

契約には会社の規定や法に基づいておこなわれます。
専門的な知識が求められるため、不明点があればすぐに法務担当者に連絡する人も多いでしょう。
そのため、法務担当者の中には、従業員からの質問が多く、負担に感じている方もいます。

そこで今回、ビジネスの場面で使用される契約書の種類や基本項目、契約締結の流れについて解説した資料を用意しました。
従業員の勉強用資料として社内展開すれば、契約に関する基本的な質問を受けることが少なくなるでしょう。

「同じことを何度も説明するのは億劫だ」
「従業員からの質問に時間をとられて業務が進まない」
という方はぜひご活用ください。

“契約締結

MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

電子契約のピックアップ

新着記事