退職後でも出産手当金はもらえる?支給条件・もらえないケース・注意点を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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退職後でも出産手当金はもらえる?支給条件・もらえないケース・注意点を解説

電卓「退職後も出産手当金はもらえるの?」

「退職後の出産手当金がもらえないケースとは?」

上記の疑問をお持ちではありませんか。

出産手当金は、一定の条件を満たしていれば退職後でも受け取れます。しかし、支給要件を満たさないと受け取れないケースもあるため注意が必要です。

本記事では、退職後に出産手当金を受け取るための条件や受け取れないケース、申請方法、注意点を解説します。

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1. 退職後でも条件を満たせば出産手当金はもらえる

貯金箱

退職後であっても、一定の条件を満たすことで出産手当金を受け取れます

出産手当金は、健康保険に加入している従業員が出産のために休業し、その間に給与が支払われなかった場合に支給される制度です。在職中に支給要件を満たしていれば、退職後でも引き続き給付を受けられます。

なお、退職後であっても支給額に変更はありません。1日あたりの支給額は、以下の計算式で求められます。

支給開始日前12ヵ月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3

制度を正しく理解することで、従業員からの相談にスムーズかつ的確に対応できるようになります。

参考:出産手当金について|全国健康保険協会

2. 退職後に出産手当金を受け取るための条件

はてな

退職後に出産手当金を受け取るための条件は、以下のとおりです。

  1. 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していること
  2. 退職日が産前産後休業期間中に含まれていること
  3. 在職中に出産手当金の支給対象となる要件を満たしていること

2-1. 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していること

退職後に出産手当金をもらうには、退職日までに継続して1年以上、健康保険に加入していることが条件です

出産手当金は、健康保険の被保険者を対象とした制度であり、退職すると原則として健康保険の資格を喪失します。ただし、在職中に通年1年以上の被保険者期間があれば、退職後でも受給可能です。

上記の「1年以上の加入期間」は、複数の職場での加入期間を合算して判断されます。例えば、現職で8ヵ月、前職で4ヵ月健康保険に加入していれば、合計で1年以上となり支給条件を満たします。

複数の職場での加入期間を通算できるため、直近の勤務先だけで判断せず、今までの健康保険加入履歴を確認することが大切です。

2−2. 退職日が産前産後休業期間中に含まれていること

退職後に出産手当金を受け取るには、退職日が産前産後休業期間中に含まれていることが条件です

具体的には、産前42日間(多胎妊娠の場合は98日間)と産後56日間内に退職日が含まれている必要があります。

例えば、出産予定日が8月1日の場合、産前産後休業期間は6月21日〜9月26日までです。

上記の間にあたる「7月20日」に退職していれば、退職後であっても出産手当金の支給対象として認められます。一方で、6月1日に退職していた場合は、支給対象外です。

引継ぎ期間や残有給日数との兼ね合いも踏まえて、スケジュールは早めに確認するようにしましょう。

2−3. 在職中に出産手当金の支給対象となる要件を満たしていること

退職後に出産手当金を受け取るには、在職中に出産手当金の支給対象となる要件を満たしている必要があります

出産手当金を受給するための要件は、次の4つです。

  • 健康保険の被保険者であること(被扶養者は対象外)
  • 妊娠4ヵ月(85日)以降の出産であること
  • 出産を理由に仕事を休んでいること
  • 休業期間中に賃金の支払いがないこと

上記の要件を満たしていなければ、退職後に出産手当金はもらえません。

制度に関する相談があった場合は、上記の要件と一つずつ照らし合わせて案内できるようにしましょう。

3. 退職後に出産手当金を受け取れないケース

女性

退職後に出産手当金を受け取れないケースとして、以下が挙げられます。

  1. 在職中の被保険者期間が1年に満たなかった場合
  2. 産前休業に入る前に退職した場合
  3. 退職日に出勤し業務をおこなっていた場合

3-1. 在職中の被保険者期間が1年に満たなかった場合

在職中の被保険者期間が1年に満たない場合、退職後に出産手当金は受け取れません

退職後にも出産手当金を受け取るには、退職日(資格喪失日の前日)までに健康保険に継続して1年以上加入していることが条件です。
上記の「継続して1年以上」は、前職と現職の健康保険加入期間を合算できます。ただし、以下のようなケースでは合算が認められず、支給対象外となるため注意が必要です。

  • 前職と現職の間に1日でも空白期間がある
  • 任意継続被保険者として加入していた期間が含まれている

例えば、前職と現職の間に2日間の空白があった場合、在職期間を足して1年以上であっても、支給対象外となります。

勤務期間が短い従業員が退職する場合、前職の加入状況も含めて保険加入期間を確認することが重要です。

3−2. 産前休業に入る前に退職した場合

産前休業に入る前に退職した場合は、出産手当金を退職後に受け取ることはできません。出産手当金の支給条件に「出産を理由として休業していること」が含まれるためです。

そのため、退職日が出産予定日を含む産前42日以内(多胎妊娠は98日以内)に入っていなければ、受給できません。

例えば、産前休業が6月20日にスタートする場合、退職日によって支給の可否は次のように分かれます。

  • 6月15日に退職:産前休業に入る前の退職となるため支給対象外
  • 6月25日に退職:産前休業期間中の退職となるため支給対象

出産予定日から逆算して産前休業の開始日を確認し、退職日が休業開始日以降となるよう従業員とスケジュールをすり合わせましょう。

3−3. 退職日に出勤し業務をおこなっていた場合

退職日に出勤し業務をおこなっていた場合、退職後に出産手当金は受け取れません

出産手当金の支給要件には、退職日までに「出産のために休業している状態」であることが含まれるためです。

退職日に出勤すると休業の継続性が認められず、出産手当金の支給が打ち切りとなります。そのため、資格喪失日(退職日の翌日)以降の給付はおこなわれません。

退職日に出勤する必要が生じないよう、引き継ぎや業務整理を計画的に進めることが大切です。

4. 退職後の出産手当金の申請方法・流れ

チェック

退職後の出産手当金の申請方法は、以下の流れで進めます。

  1. 協会けんぽや健康保険組合のホームページから「出産手当金支給申請書」をダウンロードする
  2. 従業員本人が申請書に必要事項を記入する
  3. 企業側が「事業主記入欄」に記入する
  4. 健康保険団体に申請書を提出する

「事業主記入欄」には、申請対象期間中の勤務状況や賃金支払いの有無などを記載します。未精算の給与がある場合は、金額が確定してから記入・証明するようにしましょう

なお、申請書の提出は、従業員本人または企業側のどちらでも問題ありません。事前に提出方法を確認し、従業員へ案内しておくと手続きがスムーズに進むでしょう。

5. 退職後の出産手当金に関する注意点

注意

退職後の出産手当金に関する注意点は、以下の4つです。

  1. 退職日を適切に設定する
  2. 退職日は労働に従事させない
  3. 出産手当金制度をあらかじめ周知しておく

5−1. 退職日を適切に設定する

退職後に出産手当金を受給する従業員がいる場合、退職日を適切に設定しましょう

出産手当金は、退職日が産前休業期間に含まれていなければ支給されないためです。

出産予定日から逆算し、産前42日以内(多胎妊娠の場合は98日以内)に退職日が設定されているかを確認してください。

従業員本人との日程調整や休業開始日の確認を含めて、早めに対応することが重要です。

5−2. 退職日は労働に従事させない

退職後に出産手当金を受け取れるようにするには、退職日に従業員を労働に従事させないよう注意が必要です

退職日に出勤して業務をおこなった場合、休業とはみなされず継続給付の要件を満たさなくなるためです。

受給を前提に手続きを進めていた場合、退職日の出勤によって出産手当金が支給されず、思わぬトラブルに発展するおそれがあります

退職日当日は休業扱いにしたうえで、スケジュールや業務調整を事前に確認し、出勤しなくても済むよう配慮しましょう。

5−3. 出産手当金制度をあらかじめ周知しておく

出産手当金について、あらかじめ従業員に周知しておくことも大切です

特に「出産手当金は在職中しかもらえない」と誤解している従業員も多く、申請漏れやトラブルにつながるおそれがあります。

周知方法としては、以下のような手段が有効です。

  • 出産予定者向けのパンフレットを配布する
  • 退職手続き時に出産手当金の案内資料を渡す
  • 社内イントラネットに制度ページを設置する

従業員が安心して手続きできるよう、出産予定が判明した時点や退職が決まったタイミングなどで制度を案内できる体制を整えましょう。

6. 出産手当金の条件を理解して退職後も適切に対応しよう

妊婦

退職後であっても、一定の条件を満たせば出産手当金を受け取れます

例えば、退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していること、退職日が産前産後休業期間中に含まれていることなどが必要です。また、退職日に従業員を出勤させない点にも注意しましょう。

認識不足や手続き漏れによって従業員が不利益を受けないよう、人事担当者が正確な情報提供とサポートをおこなうことが大切です。

退職や出産予定がある従業員に対して早い段階で制度の案内や流れを伝え、必要なサポートをおこないましょう。

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会社として、育休や介護休業の制度導入には対応はしてはいるものの 「取得できる期間は?」「取得中の給与の正しい支給方法は?」このようなより具体的な内容を正しく理解できていますか?

働く環境に関する法律は改正も多く、最新情報をキャッチアップすることは人事労務担当者によって業務負担になりがちです。

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jinjer Blog 編集部

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