アニバーサリー休暇とは?導入するメリット・手順・事例を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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アニバーサリー休暇とは?導入するメリット・手順・事例を解説

アニバーサリー休暇

「アニバーサリー休暇って何?」

「アニバーサリー休暇を自社に導入するメリットって?」

「どのような流れでアニバーサリー休暇を導入すればいいの?」

上記のような悩みを抱えている社内担当者は、多いのではないでしょうか。

アニバーサリー休暇は、社員の個人的な記念日に休暇を取得できる制度のことをいいます。社員の仕事への意欲を向上させるためにも、アニバーサリー休暇は欠かせない重要な制度です。

そこで本記事では、アニバーサリー休暇の概要や導入する3つのメリット、手順、事例を詳しく解説します。最後までご覧いただくことで、アニバーサリー休暇を導入すべきか判断しやすくなるでしょう。


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1. アニバーサリー休暇とは

アニバーサリー休暇とは

アニバーサリー休暇とは、社員の個人的な記念日に休暇を取得できる制度です。一般的には、社員の誕生日や結婚記念日などがアニバーサリー休暇として設定されます。

アニバーサリー休暇は明確な規定がないため、社員に記念日を自由に選ばせることも可能です。例えば、プロジェクトの完遂した日を記念日として設定することもできます。

また、アニバーサリー休暇は特別休暇の一つです。慶弔休暇や病気休暇、夏季休暇などと併せて活用することで、社員の仕事とプライベートのバランスを整える効果が期待できます。

2. アニバーサリー休暇が普及した背景

アニバーサリー休暇普及の背景

アニバーサリー休暇が普及した背景には、日本企業の有給取得率の低さが大きく影響しています。

日本政府は、令和7年(2025年)までに有給取得率を70%とする目標を掲げていますが、現状はその数値に届いていません。事実、令和5年(2023年)に厚生労働省が公表した調査によると、令和5年時点での有給取得率は62.1%です。

また、有給を取ることに対して抵抗を感じている社員は多くおり、理由としては以下のようになっています。

  • みんなに迷惑がかかると感じる
  • あとで多忙になる
  • 職場の雰囲気で取得しづらい

こうした現状や背景、課題から企業が社員に休暇を促進する一つの手段として、アニバーサリー休暇が普及し始めているのです。

参考:令和5年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

3. アニバーサリー休暇の3つのメリット

アニバーサリー休暇のメリット

アニバーサリー休暇のメリットは、以下の3つです。

  1. 有給取得率のアップが期待できる
  2. 社員の仕事への意欲向上が期待できる
  3. 採用活動時の惹きつけ材料となる

それぞれ順番に解説します。

3-1. 有給取得率のアップが期待できる

アニバーサリー休暇を設ける一番のメリットは、有給取得率のアップを期待できることです。

アニバーサリー休暇は本来、有給ではなく特別休暇に該当するため、有給取得率の改善にはつながりません。ただし、アニバーサリー休暇を有給休暇から設定することで、有給取得率の改善につながります。

ちなみに、有給取得率の算出方法は以下のとおりです。

有給取得率=社員が取得した有給取得日数/会社が付与した有給付与日数

3-2. 社員の仕事への意欲向上が期待できる

社員の仕事に対する意欲の向上が期待できる点も、アニバーサリー休暇を設けるメリットです。

仕事から離れて、一人の時間や大切な人との時間を過ごすことで、心身のリフレッシュにつながります。その結果、社員の仕事へのモチベーションが上がり、生産性の向上も大いに期待できるでしょう。

3-3. 採用活動時の惹きつけ材料となる

アニバーサリー休暇は、採用活動時の一つの惹きつけ材料となります。アニバーサリー休暇により、福利厚生が充実している、社員を大切にしている、などの好印象を求職者に与えるためです。

こうした点も、アニバーサリー休暇を設ける一つのメリットだといえます。

4. アニバーサリー休暇の3つのデメリット

アニバーサリー休暇のデメリット

アニバーサリー休暇のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  1. 休暇を取得する社員が重なると人手不足になるおそれがある
  2. 仕組みによっては社内に浸透しないおそれがある
  3. 取得要件を限定しすぎると不公平感が生じるおそれがある

それぞれ順番に解説します。

4-1. 休暇を取得する社員が重なると人手不足になるおそれがある

万が一、休暇を取得する社員が重なると現場が人手不足になるおそれがあります。

そのため、誕生日や記念日の当日のみならず、前日や翌日もアニバーサリー休暇の対象に含めるなどの工夫や柔軟性が大切です。

4-2. 仕組みによっては社内に浸透しないおそれがある

アニバーサリー休暇の仕組みによっては、社内に浸透しないおそれがあります。

例えば、アニバーサリー休暇を無給扱いにすると、社員にとっては休暇をわざわざ取得するメリットがあまりありません。アニバーサリー休暇を設ける際は、社員が取得するメリットについても意識することが求められます。

4-3. 取得要件を限定しすぎると不公平感が生じるおそれがある

アニバーサリー休暇の取得要件を限定し過ぎると、不公平感が生じるおそれがあります。

代表的なものは、結婚記念日です。これでは、そもそも独身の人は利用できません。恋人の誕生日や両親の誕生日、ペットの誕生日など取得要件を幅広く設定することが大切です。

5. アニバーサリー休暇の導入手順

アニバーサリー休暇の導入手順

アニバーサリー休暇の導入手順は以下のとおりです。

  1. アニバーサリー休暇の対象となる記念日を決める
  2. アニバーサリー休暇の詳細な条件を決める
  3. 就業規則に明記し社員に周知する

それぞれ順番に解説します。

5-1. アニバーサリー休暇の対象となる記念日を決める

最初にアニバーサリー休暇の対象となる記念日を決めます。無難なのは社員の誕生日です。もし、既婚者や子どもをもつ社員が多くいるのなら、結婚記念日や家族の誕生日もアニバーサリー休暇に含めるとよいでしょう。

ただし、アニバーサリー休暇の記念日の設定は安易におこなわないことが大切です。あらかじめ社内アンケートを実施するなど、社員のニーズを把握したうえでアニバーサリー休暇の対象となる記念日を決めましょう

5-2. アニバーサリー休暇の詳細な条件を決める

次にアニバーサリー休暇の詳細な条件を決めましょう。具体的には以下の内容を明確にします。

  • 有給扱いにするのか、無給扱いにするのか
  • 対象となる社員の条件(入社◯年以上など)
  • 申請方法やタイミング
  • 年に何度取得できるのか

5-3. 就業規則に明記し社員に周知する

アニバーサリー休暇の詳細な条件が決まったら、就業規則に明記し、労働基準局へ届出をします

また、社員への周知も忘れずにおこないましょう。朝礼や社内掲示板、メールなどを活用して忘れることなく社員に知らせることが大切です。

6. アニバーサリー休暇の導入事例2選

アニバーサリー休暇の導入事例

ここからは、アニバーサリー休暇の導入事例を2つ紹介します。

  1. A社のアニバーサリー休暇の導入事例
  2. B社のアニバーサリー休暇の導入事例

それぞれ順番に紹介します。

6-1. A社のアニバーサリー休暇の導入事例

A社は社員のオン・オフのメリハリを重要視しており、さまざまな休暇制度を設けています。その中の一つに、アニバーサリー休暇に相当する「メモリアル休暇」が1996年に導入されました。

このメモリアル休暇により社員は、年2日(事業所によっては3日以上)の記念日休暇を取得可能です。A社の社員は、主に結婚記念日や家族の誕生日、学校の卒業式などにこのメモリアル休暇を活用しているといいます。

こうした取り組みの影響もあり、年間休暇取得率が2%向上するなど、社員の休暇に対する意識を向上させることに成功しました。

6-2. B社のアニバーサリー休暇の導入事例

B社は社員に休暇を取らせることへの意識が高く、先程のA社と同様にさまざまな休暇制度を設けています。そしてその中で、アニバーサリー休暇に相当するものが「誕生日休暇」とよばれるものです。

誕生日休暇は、社員の誕生日に休暇が1日付与されます。誕生日が土日もしくは祝日である場合、前後に移動ができるなど、柔軟性を兼ね備えている点も特徴的です。

このB社の誕生日休暇は社内に十分に浸透しており、毎年7割の社員が休暇を利用しているといいます。

7. アニバーサリー休暇を活用して労働環境を充実させよう

労働環境を充実させよう

アニバーサリー休暇は、社員の仕事への意欲を向上させると同時に、企業の有給取得率のアップも期待できます。

ただし、安易にアニバーサリー休暇を導入すると社内に浸透しないおそれがあるため、注意が必要です。社員のニーズをしっかりと把握したうえで、アニバーサリー休暇を導入してください。

アニバーサリー休暇を上手に活用できれば、今まで以上に社員にとって居心地のよい会社となるでしょう。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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