就業規則の変更届出の方法と気をつけるべき4つの注意点 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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就業規則の変更届出の方法と気をつけるべき4つの注意点

就業規則の変更

労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する場合、就業規則を作成して行政官庁に届け出ることを義務づけています。[注1]

これは規則内容に変更があった場合も同様で、労働基準法の定めに沿って就業規則の内容を変更したら、速やかに所轄労働基準監督署に変更の旨を届け出る必要があります。

今回は、就業規則の変更届出を行う方法や注意点、変更届出をスムーズにする方法について解説します。

▼就業規則についてまずは知りたい方はこちら
就業規則とは?人事担当者が知っておくべき基礎知識

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1.就業規則の変更方法

Macで内容を確認する様子

©NicoElNino/stock.adobe.com

就業規則は必ずしも本社に合わせる必要はなく、事業所単位で作成・変更することができます。
ただ、就業規則は経営陣が勝手に作成・変更できるものではなく、労働者の意見も反映しなければなりません。適切な手続きに則って変更しなければ無効とされてしまう可能性もありますので、正しい変更方法をしっかり覚えておきましょう。

以下では、就業規則を変更する方法を順を追って説明します。

1-1. 変更する部分を決め、新しい条文を考える

まずは、就業規則のどこをどう変更するかを検討します。
就業規則を変更する理由は企業によって異なりますが、一般的によく見られるのは、労働関連の法令が改正された時や、経営状況が悪化した場合です。

たとえば、最低賃金法が改正された場合、給与の支払いに関する賃金規定について修正・変更を加えなければなりません。
法令の改正にともなう就業規則の変更については、変更すべき箇所が明確な上、従業員の理解も得やすいので、変更する箇所・内容ともに決定しやすいでしょう。
一方、経営状況の悪化にともなう変更については、変更する箇所・内容ともに自社で決める必要があるため、しっかり協議する必要があります。

就業規則の変更内容に関する注意点について、詳しくは後述します。

1-2. 意見書を作成する

就業規則を変更する際は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合が、ない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、その内容を記した意見書を作成・添付することが法律によって定められています。[注1]

意見書の様式は任意で、基本的には以下の項目を記載する欄を設けます。

1. 事業所の名称・代表者の名前
2. 意見書に記入した日付
3. 意見の内容
4. 労働組合の名称または労働者の過半数を代表する者の職名・氏名・押印

1は意見書の提出先ですので、その事業所の名称および代表者の名前を記載します。
2は労働組合または労働者の過半数を代表する者が意見書に記入した日付を入れます。
3には就業規則の変更に対する意見の内容を記入しますが、特に意見がない場合は「意見なし」と記載するか、あらかじめ意見の有無をチェックする項目を設けて、「意見なし」の方に◯を付けてもかまいません。

なお、意見がない場合でも、意見書そのものは就業規則変更届に添付して提出することになります。意見書の様式は会社規定の物を使用しても良いですし、インターネットで検索すれば無料のテンプレートをダウンロードできますので、そちらを利用してもOKです。

関連記事:就業規則の意見書とは?作成に必要な内容と書き方のポイント

1-3. 就業規則変更届を作成する

所轄の労働基準監督署に提出する就業規則変更届を作成します。
こちらも意見書同様、決まった規定はありませんが、会社規定のものがない場合は、労働基準監督署の公式サイトなどからダウンロードして利用すると便利です。
参考までに、以下では東京労働局のHPでダウンロードできる就業規則変更届の内容・項目をまとめました。[注2]

1. 就業規則変更届を提出する日付
2. 提出先の労働基準監督署の名前
3. 変更事項
4. 労働保険番号
5. 事業所名
6. 所在地
7. 使用者の氏名・押印
8. 業種
9. 労働者数

3の変更事項では、変更する条文の箇所と、変更前・変更後の内容をそれぞれ記載します。

1-4. 新しい就業規則の作成

就業規則変更届を提出する際は、変更後の新しい就業規則を提出する必要があります。元の就業規則から変更があった部分に手を加え、新しい就業規則を作成しておきましょう。

関連記事:就業規則の作成方法や注意すべきポイントを解説

1-5. 必要書類を所轄労働基準監督署に提出する

就業規則変更届、意見書、変更後の新しい就業規則をそれぞれ2部ずつ用意し、所轄労働基準監督署に提出します。所轄労働基準監督署は事業所のあるエリアによって異なりますので、事前に労働局のHPなどで確認しておきましょう。

なお、就業規則変更届は窓口に直接持参する方法の他、郵送での手続きも受け付けています。その場合、控え分の返送用として、必要分の切手を貼った返送用封筒を同封しておきましょう。
窓口に持参した場合は、その場で手続きが完了し、労働基準監督署の受付印が押印され、2部のうち1部を控えとして返却してもらえます。

2.就業規則の変更届出の注意点

就業規則の変更届出の注意点

就業規則の変更届出を行うにあたり、注意したいポイントを4つご紹介します。

2-1. 就業規則を変更した後は、必ず従業員に周知する

労働基準法第106条では、就業規則を作成または変更した場合、労働者にその旨を周知させることを義務づけています。[注1]
具体的には、就業規則の変更について記載した文書を見やすい場所に掲示するか、または備え付けるなどの方法によって周知させる必要があります。
周知の方法は事業所に委ねられますが、もし届出を行っていても、従業員に周知されなければ無効とされますので、必ず何らかの方法で変更内容を周知させましょう。

2-2. 就業規則の変更届出は速やかに行う

就業規則の変更届をいつ行うかについては明確な規定がなく、労働基準法施行規則でも「遅延なく」としか記載されていません。[注3]
ただ、就業規則の作成及び届出の義務について定めた労働基準法第89条に違反すると、三十万円以下の罰金に処される可能性があります。[注1]
就業規則を変更する必要性が生じた場合は、なるべく早めに所定の手続きを行い、速やかに届け出るようにしましょう。

2-3. 労働者にとって不利益な変更を行う場合は合理的な理由が必要

労働契約法第9条では、「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」と定められています。[注4]
ここでいう「労働者の不利益」の主な例には、以下のようなものがあります。

・賃金の引き下げ
・労働時間の変更
・手当の廃止
・年間休日の削減
・福利厚生の廃止

ただし、同法10条では、就業規則の変更内容や変更理由が「合理的なもの」であり、かつその内容が周知されることを条件に、労働者の不利益な変更を有効にするものとしています。
たとえば経営状況が悪化し、賃金の見直しが必要になった場合は、やむを得ない合理的な事情として配慮されます。

不利益変更を行う場合、届出に添付すべき意見書には反対意見が記載されるケースがほとんどですが、意見書はあくまで法に沿って労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたことを証明するものです。そのため、必ずしも合意を得ることは要件としていません。
ただし、合理的な理由があったとしても、従業員に対して「なぜ不利益変更が必要なのか」「変更によってどのような影響があるのか」などを詳細に説明するよう努めることが大切です。

関連記事:就業規則の不利益変更とは?実施する際の4つの注意事項

2-4. 意見書を提出してもらえない場合は報告書を提出する

従業員にとって不利益な変更を行う場合、労働組合または代表者の反発を買って、意見書を提出してもらえないことがあります。そんなときは、意見を聴いたことを証明するものとして報告書を提出しましょう。

そもそも就業規則の変更は、その内容について労働者側の意見に拘束されるものではありません。そのため、変更についてきちんと説明し、その意見を聴こうとする努力を行ったことが客観的に認められる場合、労働基準監督署ではこれを受理すべきとしています。[注5]
具体的には、労働者に対してどのような説明を行ったか、どんな形で意見を聴取したか、などの経緯を記した報告書を作成・提出すれば、意見書に代わる書類として受理してもらえます。

3.就業規則の変更届出をスムーズにするには

ポイント

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就業規則をスムーズに変更・届出するために押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

3-1. 労働組合または労働者の過半数を代表する者としっかり話し合う

前述の通り、就業規則の変更届を行うにあたっては、原則として労働者側の合意は必要としません。
しかし、いくら合理的な理由・内容であっても、一方的に変更内容を押しつけようとすると、従業員の反発を買ってしまい、意見の聴取を断られたり、意見書の提出を拒否されたりするおそれがあります。

最終的に報告書を提出する形で届出を行うとしても、変更が決まってから届出を行うまでにかなりの時間がかかってしまいます。
就業規則の変更届出をスムーズに終わらせたいのなら、労働組合または労働者の過半数を代表する者としっかり話し合う場を設け、きちんと意見に耳を傾けるよう配慮しましょう。

3-2. 代償・経過のための措置を講じる

従業員にとって不利益な変更を行う場合、いきなり届出を適用すると、従業員の生活に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
やむを得ない利用だったとしても、なるべく従業員への影響を最小限に抑えられるよう、代償措置を設けるか、あるいは変更までに一定の日数を設ける経過措置を講じることも検討しましょう。
たとえば、定年までの年齢を引き下げる代わりに、再雇用制度を設けるといった代償措置を設けるなどの方法があります。

4.就業規則を変更するときは、意見の聴取と内容の周知を忘れずに!

会議する様子

©Blue Planet Studio/stock.adobe.com

就業規則を変更する場合は、所轄労働基準監督署に就業規則変更届と、労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見書、変更後の就業規則の3つを提出する必要があります。
特に労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見は必ず聴くことが法律によって定められていますので、きちんと話し合いの場を設けるようにしましょう。

また、届出を行っても従業員に対して周知されなければ、変更後の就業規則は無効とされます。
従業員の目に付くところに変更内容を掲示したり、電子データとして保存してパソコンで閲覧できるようにするなどの措置を取り入れましょう。

[注1]e-Gov法令検索:労働基準法
[注2]東京労働局「就業規則(変更)届」
[注3]e-Gov法令検索:労働基準法施行規則
[注4]e-Gov法令検索:労働契約法
[注5]東京労働局:明るい職場づくりのための就業規則作成の手引き

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目黒颯己

目黒颯己

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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